先輩と旅立ちの唄
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#474 [あかり]
シャコシャコシャコシャコ…

二人分の歯を小刻みに磨く音が、脱衣所内に響き渡る。

私は洗面台の棚に置かれている、あらゆるものを見ていた。

コップの中に入っている数人分の歯ブラシ、
男物の洗顔、T字型剃刀、ワックス、ハンドソープなどなど…。

洗顔はこれ使って、と彼に言われたものは、おそらく彼の母が使っているだろう。

今日初めてこの家に来たが、もう何年も暮らしているような気分に浸った。

⏰:08/11/12 04:21 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#475 [あかり]
ガコンガコン…


洗濯機の動く音が、居間にも聞こえてくる。
さっき竜樹くんが、私の服を洗うために起動させた。

「俺の部屋行く?」

「うん。」

広くて立派な家を、二人で持て余していた。

⏰:08/11/12 08:03 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#476 [あかり]
「どうぞ。汚い部屋ですけど。」

「おじゃましまーす。」

12畳くらいの広さで、床はフローリングだった。
中央に灰色のカーペットが敷いてあり、その上に白いテーブルがある。

部屋の左奥に、アルミ性のシングルベッドがあった。
布団カバーなどは、全て青で統一されている。

「寝る時一緒でいいですか?ちょいと狭いかも知れないですけど。」
彼がベッドを見ながら言った。

⏰:08/11/12 08:38 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#477 [あかり]
「あ、うん。」
少し声が裏返った返事をしたかも知れない。

当たり前か―
私たちは付き合ってるんだから―

私はベッドの奥の方へと行って、体を横にした。
続いて、彼がベッドに入る。
私たちは顔を向き合っているような体勢になっていた。

これまで以上の至近距離だった。

⏰:08/11/12 09:01 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#478 [あかり]
「今日一日、どうでしたか?
退屈しなかったですか?」

「ううん、めっちゃ楽しかった!また来たいなー。」

「是非。親、仕事上あんまりいないこと多いし。」

「寂しくないの?」

「小さい頃はそうでしたけど、今はもう慣れました。
それに、これからは先輩を思う存分詰め込められるしね(笑)。」

⏰:08/11/12 15:27 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#479 [あかり]
「フフフ。それを言うなら連れ込めるでしょ(笑)。
私をどこの箱に収納しようとするのよ(笑)。」

「あ、ヤベ…日本語間違えちった…。」

「フフフ、フフフ。
しっかりしてるけど、時々抜けてるよね。」

「うるせー(笑)。」

⏰:08/11/12 15:39 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#480 [あかり]
私はいつまでも笑っていた。

その時―
彼が真顔になる

私も次第に、表情が固まってくる。

「キス…してもいい?」

⏰:08/11/12 18:11 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#481 [あかり]
旅行前にチューくらいしときなよ〜―
藍美が冗談めいて言ってたのを思い出す。

いざ、そういう雰囲気になると、全く笑える状態ではない。

「うっ、うん…。」
しどろもどろになりながら、彼の要求を飲み込む。

⏰:08/11/12 18:19 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#482 [あかり]
彼は上半身を起こし、私の方に前のめりになって来る。

自分の右手を、私の左頬に添えた。

顔の顔がぐんぐん近づくてくる。

私は瞼を心持ち強く閉じた―

その瞬間―
彼の唇と、私の唇が合わさった。

私たちは、初めてキスをした。

⏰:08/11/12 18:30 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#483 [あかり]
彼がその唇を離しては、私の唇に優しく押し当てる。

その繰り返しの何度目かで、私は目を開けてみた。

彼と視線が重なる―
今更ながらこの状況に緊張してしまい、体が硬直していく。

キスが終わっかと思ったその後、彼は私の体に架けてあった布団をめくった。

⏰:08/11/12 19:18 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


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