先輩と旅立ちの唄
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#594 [あかり]
人間は、思い出や過去などを、美化してしまう生き物だと思う。

今の私がそうだ―
今目の前にある幸せに気がつかないで、
他のことばかりが余計に気になってしまう―

今の私には、間違っている部分が所々見受けられる。

⏰:08/11/24 07:46 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


#595 [あかり]
数日後―

午前の授業が終わって、藍美と日課である、購買のパンを買いに行った。

その帰りの廊下で、向こう側から友達数人と歩いてる、タクロウ先輩とすれ違った。

⏰:08/11/24 08:04 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


#596 [あかり]
他の人たちはにぎやかな様子だったが、先輩は一人だけ無表情だった。
―そんな印象を受けた。

私が先輩を好きだった時は、彼は我先にと馬鹿騒ぎをするような人であった。

最近、先輩を見かける度、昔との変化を、私なりに感じていた。

先輩は、変わった―
少なくとも、小春先輩と別れたことが影響で―

⏰:08/11/24 10:02 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


#597 [あかり]
違う、違うよ怜香―
私は彼に未練がある訳じゃない―

彼と、幸せになりたいんじゃなくて―
彼に、幸せになってもらいたいんだ―

先輩の辛い表情なんか、見たくないよ…―

あの日私に疑問を抱いていた怜香に対して、心の中で叫んだ。

⏰:08/11/24 16:17 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


#598 [あかり]
「最近さあ、神田亜矢子がうざいよね〜。」
放課後、藍美とコンビニに行く途中で、彼女がこんなことを言ってきた。

神田亜矢子は、私が一年の時に、私に陰湿な行為をしていた第一人者だ。

その彼女は現在、私と同じクラスの、川木くんという男子と交際している。

川木くんは翔馬と一番仲が良い人で、目が大きく、そこそこ整った顔立ちをしている。

⏰:08/11/24 16:29 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


#599 [あかり]
彼と付き合うことになってから、亜矢子は頻繁に、私たちの教室に入り浸るようになった。

藍美はそのことが言いたいのだと、解釈をした。

「なんかさー、あの二人、空き教室でキス以上のことをしてたらしいよー。」
軽蔑するような表情をしながら、藍美は噂話をする。

⏰:08/11/24 16:34 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


#600 [あかり]
「でも、亜矢子って元彼だった先輩と、今セフレみたいな関係になってるらしいよー。」

「えっ、そうなの?!川木くんに夢中って感じがしてるのに。」

亜矢子の猛烈なアプローチがきっかけで、二人の交際がスタートしていたのを知っていた私は、その事実が意外だった。

⏰:08/11/24 16:47 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


#601 [あかり]
「ああはなりたくないよねー。過去を清算しきれないまま、ずるずる引きずっちゃうなんて。
川木くんがちょっと可哀相だね。」

「う、うん…。」
私は一瞬、冷や汗をかいた。

今でもタクロウ先輩のことを気にしてたり、どこか引っ掛かっている自分。

藍美は痛烈なメッセージを込めて、今のこんな私に言ったのだろうか…?

⏰:08/11/24 16:54 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


#602 [あかり]
「私もさー、克次先輩の前の彼氏と別れた時は、そりゃ辛かったよ。
こっちからしてみたら、全然望んでない道だったのに。

でも、やっぱりそれでも前に進まにゃいけないのよ。
てか、与えられた道は、どんなにもがいても、それしかないんだよね。

昔に戻ろうとしたって、全然いいことないよ。
今、目の前にいる人間を、傷つけることになるから…。」

久しぶりに、藍美の真剣な顔を見た。

⏰:08/11/24 17:02 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


#603 [あかり]
数日経った週末―
私は、竜樹くんの家に泊まりにきていた。
彼の両親は、またもや不在とのこと。

夜、彼の部屋で、私は彼に大事な話があると言った。

あの日、藍美の言葉を聞いて以来、
彼には、きちんと伝えるべきだと考えるようになった。

⏰:08/11/24 17:09 📱:SH705i 🆔:KS/NgqI2


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