先輩と旅立ちの唄
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#241 [あかり]
「秋人さん、とても気さくでいい人だね。」

「…うん。」

「私は隣の県から今やって来たから、
悠介くんと出会ったのも、これも何かの縁だね。」

「…あ、そなんだ。
…こっちの人じゃないんだ。」

「うんっ。」

「…。」
「…。」

そこで会話は途切れ、コンビニに着くまで沈黙が続いた。

⏰:08/10/31 13:30 📱:SH705i 🆔:XycnrOFk


#242 [あかり]
数日後―
私は悠介くんと図書館で勉強をすることになった。

その日は実家に用事のあった、未央姉からの提案である。

「一人で部屋でするよりはかどるし、寂しくないでしょ。
わかんないとこがあったら、成績優秀の悠介くんに教えてもらんなさい。」

⏰:08/11/01 17:17 📱:SH705i 🆔:a4gM.aaM


#243 [あかり]
未央姉が書いてくれた、図書館までの地図を見ながら歩く。

紙の右下には、緊急時のため、と悠介くんの携帯番号が書かれていた。

私はそこに掛けるまでもなく、何なりと図書館までたどり着いた。

そこには悠介くんの姿が、すでにあった。

⏰:08/11/01 17:25 📱:SH705i 🆔:a4gM.aaM


#244 [あかり]
「ごめんね、お待たせっ。」
駆け足で彼の元へ寄る私。

「…うん。」

「今日一日、私に付き添う形になっちゃってごめんね。」

「…別に、部活は朝に終わって暇だし。
家に居ても、勉強あんまり集中できないから。」

彼は相変わらず、私の目を見て話さずに、会話する。

改めて近くに立つと、二人の身長差が際立つことに気がついた。

⏰:08/11/01 17:37 📱:SH705i 🆔:a4gM.aaM


#245 [あかり]
彼もまた、男の子なんだ―

常日頃、同級生の男の子を特に意識して接しない私は、
私服姿の彼と二人きりという状況に少しばかり緊張し始めた。

タクロウ先輩は、これよりもう少し高いよなぁ―

夏休みに入ってから、一度も会っていない、意中の相手を思い浮かべる。

⏰:08/11/01 19:09 📱:SH705i 🆔:a4gM.aaM


#246 [あかり]
私たちは、中へと入り、
空いている席に、向かい合わせになるような形で、座った。

西洋風の、少し洒落た外観同様、館内も、それを思わせるような雰囲気だった。

私は夏休みの課題を取り出した。
悠介くんも、それらしいものから、取り掛かろうとする。

少し離れた席では、初老の男性が、文庫本を読んでいた。

⏰:08/11/02 19:32 📱:SH705i 🆔:VokpdkiI


#247 [あかり]
一言も会話することなく、黙々と課題に取り組む私たち。

男の子と一緒に勉強するのなんて、あまりない経験だから、
最初は彼を意識しながら私であったが、次第と問題に集中して解いていた。

そろそろ他の教科をしようかと思った時、未央姉からのメールが届いた。

「無事に行けた?悠介くんによろしく言っておいて。 ―未央―」

⏰:08/11/02 19:44 📱:SH705i 🆔:VokpdkiI


#248 [あかり]
「うん、今一緒に勉強してるよ。
分かった、伝えとく! ―あかり―」

「勉強頑張って。
帰り、あかりの好きなロールケーキ買ってくるね。 ―未央―」

やったあ、と心の中で喜ぶ私。
中にプリンが入った奴ね、と未央姉に注文した。

幼稚園くらいの女の子が、ワァーっといいながら、館内を走っていた。

⏰:08/11/02 19:54 📱:SH705i 🆔:VokpdkiI


#249 [あかり]
プリンの部分を頬張っている自分の姿を想像すると、
同じように、顔もにやけて来た。

そんな私の姿に気づいたのか、悠介くんがちらっとこっちを見た。

私は恥ずかしくなり、咄嗟にページを乱雑な手でめくった。

⏰:08/11/02 20:01 📱:SH705i 🆔:VokpdkiI


#250 [あかり]
それからして―
時計を見てみると、夕方の16時に差し迫ろうとした。

私は彼の前まで手を延ばし、
そろそろ出る?と、声に出さずに言った。
彼も出るか、といいながら、勉強道具をかばんの中にしまい始めた。

近くにいた初老の男性はいつ席を立ったのか、もう居なかった。

私は消しゴムから出たかすを、机の下へ落ちるように掃った。

⏰:08/11/02 20:12 📱:SH705i 🆔:VokpdkiI


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