先輩と旅立ちの唄
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#30 [あかり]
月も変わり、
掃除区域も変わった。

私のささやかな楽しみは、
区域移動とともになくなった。

「まあ、あの先輩が
作文の人って分かっただけでいいか。」

⏰:08/10/27 22:43 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#31 [あかり]
梅雨に入り―
やがて、台風の時期になった。

私の住んでいた離島は、
一度停電が起こると、ひどい時は一日中電気がつかない。

台風が接近した日曜日―
私は暗闇の中、通常の生活が送れることをじっと待っていた。

⏰:08/10/27 22:51 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#32 [あかり]
真っ暗な部屋で、退屈しのぎに
停電に備えて、あらかじめ充電しておいた
MDウォークマンを聴く。

孤独に耐える時間。
あの先輩を初めて見た時のことを思い出す。

⏰:08/10/27 22:58 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#33 [あかり]
なんとなく思い浮かんだ、のではなく、
あの人の姿を思い出したかった。

「先輩は、この台風をどう過ごしてるかな?」

「大丈夫かな、心配だな…」

⏰:08/10/27 23:02 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#34 [あかり]
脳内に、ひたすら好きな音楽が流れてくるが、
頭の中は気が気ではなかった。

あの作文用紙一枚で、
先輩の心の中の闇を見たように感じた。

「ずっと、寂しかったんだろうな…。」

⏰:08/10/27 23:11 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#35 [あかり]
「そういえば私、
あの先輩の名前を知らないなあ。」

「普段はどんな風に過ごしてるんだろう?」

「何かクラブはやっているのかな?」

もはや台風ということを忘れるくらい、
色んな疑問が、頭の中をよぎった。

⏰:08/10/27 23:14 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#36 [あかり]
そうして、夜中には家に明かりが戻り、
押し寄せてきた台風も、通り過ぎていった。

「また明日から学校だあ。」

⏰:08/10/27 23:17 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#37 [あかり]
それから私は、
先輩と同中だった子に、
先輩のことを尋ねてみた。

「帽子の先輩」といえば、
すぐに相手は頷いた。

「塩見 タクロウって人でしょ。
私、テニス部で一緒だったから。」

⏰:08/10/28 03:32 📱:SH705i 🆔:dtU0GNBU


#38 [あかり]
タクロウ先輩…

テニス部…

新たな情報が、頭の中で交錯する。

自分の中で神秘めいていた存在である先輩に
少し近づけたみたいで嬉しかった。

⏰:08/10/28 03:36 📱:SH705i 🆔:dtU0GNBU


#39 [あかり]
そして、色んな人からの情報により、
今は帰宅部らしい。

私は先輩のことを少しずつ知る度、
彼と話してみたいと思うようになった。

しかし同中でない、クラブの接点がない人と
交流を持とうとするのは、なかなか厳しいものである。

⏰:08/10/28 03:41 📱:SH705i 🆔:dtU0GNBU


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