先輩と旅立ちの唄
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#331 [あかり]
まずは、翔馬を中心とした、男子数名で行われるダブルダッチ。
BGMは翔馬の好きなロックバンドの歌だった。
客席から「おぉ!」との歓喜の声や、パフォーマンスが行われる度に、拍手が送られていた。
舞台袖から、私たち女子が祈るように見守る。
:08/11/07 08:20
:SH705i
:Xo6TOlQk
#332 [あかり]
縄に引っ掛かってしまうというシチュエーションが、2回ほどあった。
ミスといえばそれまでだが、本当に彼らはよくやってくれたと思う。
練習より、本番の方が上手くいったということが光栄であった。
ダブルダッチの披露が終わった。
いよいよ、私たちのソーラン節の成果を見せる時がやって来た。
:08/11/07 08:29
:SH705i
:Xo6TOlQk
#333 [あかり]
主に立ち位置は、翔馬が最前列の真ん中、藍美が同じ列の右端、
いのちゃんが二番目の列の中央よりやや右より、といった具合だった。
私は三番目、最後列の中央であった。
こう決められた時、タクロウ先輩が気づいてくれないのではないかと不安があったが、
下手な踊りを前の方でやるよりマシだと自分に言い聞かせた。
:08/11/07 08:35
:SH705i
:Xo6TOlQk
#334 [あかり]
舞台がまた真っ暗に染まった時、皆それぞれ決められた位置へとスタスタと向かっていった。
その時である―
クラスのぽっちゃりした木田くんという男子が、どういう訳か私の位置でスタンバイをしていた。
―ちょ、ちょっと…。
舞台がまたパッと明るくなった。
私は仕方なく、最後列の右端へと急いで移動した。
:08/11/07 08:41
:SH705i
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#335 [あかり]
ああ、きっと私は、今一番目立たないポジションにいる―
元々決められていない配役にいたから、より一層悲しくなった。
自分が目立ちたい訳じゃない。
ただ、タクロウ先輩に、自分のことを見てほしいだけ―。
それでもその思い一つだけで、体いっぱいを使って精一杯ソーラン節を踊る。
突如、それは起こった。
:08/11/07 08:48
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#336 [あかり]
突然、音楽が止まったのだ。
皆の動きが少しずつ止まり出す。
どうして…?
これはまたやり直し…?
私も心の中で困惑した。
すると、客席にいた三年生たちが、「頑張れーっ!」などの声を送ってくれていた。
音楽が再び流れ始めた。
客席も私たちに合わせて拍手を叩いてくれたり、「ソーラン!ソーラン!」と一緒に言ってくれていた。
今、会場全体一つになって、ソーラン節を表現している。
:08/11/07 08:55
:SH705i
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#337 [あかり]
「ヤァッ!」
最後に両手に持っている鳴子を掲げ、大きな声を出し、この場を締めた。
お、終わった…。―
やるだけのことは、全て出し尽くした。
幕が下り、私たちは舞台を後にした。
鳴り止まない観客席からの拍手が心地良かった。
:08/11/07 09:02
:SH705i
:Xo6TOlQk
#338 [あかり]
「ちょっと木田くん!私の所で踊ってたでしょ!」
私がステージ発表が終わって、一番にやったことは、
私を一番冴えない所へと追いやった、張本人を責めることであった。
「え、あ、そうなの?」
彼は上手いことはぐらかした。
私には分かる、心の中では目立ちたがり屋の彼は、隅の方で踊りたくなかったのだと。
私は普段、気が小さい為、人に怒鳴ったりという経験があまりないのだが、
この時ばかりは本当に怒りが来た。
翔馬から以前、木田くんは同級生から好かれていないと聞かされていたが、
きっとこういう姑息な行動と態度が、反感を呼ぶのだろう。
:08/11/07 09:12
:SH705i
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#339 [あかり]
でも、ついさっきの出来事ではあるが、過ぎたことはしょうがないのである。
気を取り留め、私は先輩が自分のことを気付いてくれたことだけを願った。
でも、あんな場所じゃ…と、ネガティブにならずにいられない。
「あかりちゃん、お疲れー。」
いのちゃんのいつもの笑顔を見て、あまり深く考えるのをやめることにした。
:08/11/07 09:17
:SH705i
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#340 [あかり]
文化祭二日目も、終盤に迫ろうとしていた。
司会の三年生二人だけとなった。
「最後に、先程のステージ発表の結果を報告します。
1位は、二年五組!」
同時に、ワァー!っという声が広がる。
私たちのクラスもそれとなく拍手をした。
:08/11/07 09:22
:SH705i
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