先輩と旅立ちの唄
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#354 [あかり]
「はい、チーズ!」
名美佳のシャッター合図と共に、二人並んでいる所が、カメラの中に瞬間におさまった。
先輩はそれから、無言でその場を立ち去るかのように、靴に履きかえ、帰っていった。
「ありがとうございます」と言いそびれた私には、
その態度が怖く感じた。
:08/11/07 10:28
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:Xo6TOlQk
#355 [あかり]
「やっぱり写真なんて、うざかったかな…。
先輩には、小春先輩がいるしさ…。
先輩、さっき一言も話さなかった…。」
「そんなことないよ!
塩見先輩、写真撮る時あかりの身長に合わせて屈んでくれてたし、ピースもしてたよ。
本当に面倒臭かったら、嫌そうな振る舞いすると思うな。」
「う、うん…。」
とにもかくにも、全ては写真が物語っていることであろう。
私は現像するのが、楽しみな、不安でたまらないような気分であった。
:08/11/07 10:35
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#356 [あかり]
「じゃーんっ。」
文化祭も遠い昔のように感じた昼休み、藍美が一枚の写真を見せてくれた。
藍美と彼女の意中の相手の、克次先輩のツーショット写真である。
その周りには彼女の手で、ハートマークが赤い油性ペンで書かれていた。
「克次先輩とも今メールのやり取りしてるんだあ。」
携帯で文章を作成しだす藍美。
:08/11/07 10:43
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#357 [あかり]
「城山さんが、ラクビー部の高島さん?に、手紙渡してる所を見た。」
と、翔馬から聞いていたので、今の状況は、何となく予測は出来ていた。
それにしても藍美は…
タイミングを上手く掴めるというか、良い方向に持っていくのが巧み、という子である。
一年以上思い続けている私よりも遥かに、好きな人に近づききれていた。
:08/11/07 10:52
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#358 [あかり]
「あかりは?
塩見先輩とどうだった?
せめて写真は撮りたいって言ってたじゃん。」
「あ、うん。
撮ったことは撮ったよ…。」
「やったねぇ!
頑張ったじゃん、あかり!
何せ憧れの先輩だもんねっ。」
「うん…。」
"憧れの先輩"か―
一年以上、私は一体何をして過ごしてきたのか…情けなくなった。
:08/11/07 10:58
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#359 [あかり]
ある日の放課後、職員室まで課題のやり直しを提出しに行った時であった。
「木村先輩っ!」
ふいに誰かに呼ばれた気がした。
「あっ…、竜樹くん!」
振り返ると、一年生の阿倍野竜樹くんという人がそこにいた。
私たちは、前期の体育委員の集まりがきっかけで、
学校で会った時は話す程度の仲になっていた。
:08/11/07 18:25
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#360 [あかり]
「お久しぶりっすね!
先輩たち、もうすぐ修学旅行ですよね?
オーストラリアとか、まじスケールでかいっすよね〜!」
「うん、そうだよ!
だから、準備に大忙しなんだ!」
「お土産お願いします!(笑)」
「うん、分かった!
でっかいコアラ連れて戻ってくるわ(笑)」
:08/11/07 18:33
:SH705i
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#361 [あかり]
「聞いてくださいよ、
最近部活で、翔馬さんがやたら俺のこといじるんすよ。」
「アハハ。竜樹くんはいじめがいがありそうやけんねっ(笑)。」
「えーっ、俺結構しっかりしてるっすよ!
そういやぁ、木村先輩、アドレス教えてくださいよ!」
「あ、まだ交換してなかったっけ?
じゃあ私、翔馬から聞いとくね!」
「あざーっす!」
:08/11/07 22:44
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#362 [あかり]
「じゃ、俺、部活行って来ます。」
「うん、分かった!またね!」
一旦、職員室を出ようとした彼が、また振り返る。
「あ、木村先輩!」
「?」
「先輩、最近髪切ったっすよね。カワイイっすよ。」
:08/11/07 22:54
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#363 [あかり]
「あーかーりっ。」
「わぁ!藍美!いたの?」
今度は藍美と鉢合わせ。
「ついさっき来たの。
今の男の子、地元の子?」
「ううん、高校で仲良くなったの。」
「なんか、カッコ可愛いって感じ〜♪
背も高いし、しかもあかり、仲よさ気じゃんっ。」
:08/11/07 22:59
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