先輩と旅立ちの唄
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#641 [あかり]
「塩見先輩…。
私、一年の頃から、先輩の生き方とか明るさに、ずっと憧れてて…
皆の中心、って感じだし…
本当すごいな、っていつも思ってて…。
先輩に、いつかこの気持ちを伝えたいな、って思ってて…
…私と出会ってくれて、本当にありがとうございます。」
:08/11/25 03:38 :SH705i :JwgW5bj.
#642 [あかり]
「俺なんかにそんなん思ってくれてても、しゃーねって!(笑)
でも、こちらこそわざわざありがとうな。」
「先輩、今年の春から東京行くんですよね?
色々あると思いますけど、先輩のパワーがあるなら乗り切れると思います!
私、こっちでずっと応援してますから!」
:08/11/25 03:43 :SH705i :JwgW5bj.
#643 [あかり]
「おう!それに俺には、コイツもいるしな。」
キーホルダーを見ながら、先輩が言った。
「先輩…。
またどこかで、お会いしましょうね。」
:08/11/25 03:48 :SH705i :JwgW5bj.
#644 [あかり]
数日後―
タクロウ先輩との、卒業式の日の出来事を、竜樹くんに話した。
「俺、前みたいにヤキモチなんか妬いたりしませんから。
それに、過去を無理に忘れさせようとする方が、間違ってますよね。
何か、あかり先輩が一つ前に進めたみたいで、俺も嬉しいです。」
:08/11/25 03:53 :SH705i :JwgW5bj.
#645 [あかり]
「ありがとう。
てか、『ありがとう』っていいよね。
沢山言ったり、言われたりする人生にしたいな。」
「…今度は先輩が最上級生っすね。
一年経った時、ここで旅立ちの唄を歌えるように。
また一緒に、歩き出しましょう。」
「うん。」
空を見上げた。
沢山の雲が、ゆたゆたと移動をしている。
文句なしの青空だった。
:08/11/25 04:00 :SH705i :JwgW5bj.
#646 [あかり]
ガタンゴトンガタンゴトン…。
私、木村あかり。
現在、高校三年生。
受験生という意識を少しずつ持ちながら、毎日学校に通っている。
去年仲良しだった、いのちゃんとは同じクラスで、
藍美とは別のクラスになったが、それでも変わらずに、二人との交流は保っている。
:08/11/25 04:05 :SH705i :JwgW5bj.
#647 [あかり]
幼なじみの翔馬とも、クラスは離れ離れになってしまったが、
私たち離島出資者が交通手段としている、船の中などで、しょっちゅう話したりしている。
後輩の怜香とも、毎日色んな話をして、地元にいる時よりも、仲が深まっていると思う。
:08/11/25 04:08 :SH705i :JwgW5bj.
#648 [あかり]
一つ年下の、彼氏の竜樹くんは、優しくて頼りがいのある人だ。
未だに所々、敬語で話すところが愛らしい。
―今、朝の通学電車に揺られながら、窓の景色を見ている。
:08/11/25 04:11 :SH705i :JwgW5bj.
#649 [あかり]
ふと、同じ車両に座っている一人の子に、目がいく。
というか、立っている私の目の前に、座っている。
同じ制服を着ており、表情の初々しさからして、きっと新一年生であるだろう。
今年の春から、毎日見るようになった。
私が電車に乗る時には、彼女は既に、この定位置に座っている。
:08/11/25 04:16 :SH705i :JwgW5bj.
#650 [あかり]
数日後―
彼女の隣に座った私。
お互い、目が合った。
「一年生?」
「はい。…先輩の方ですか?」
「私は三年だよ。」
こんなやり取りから、私たちの会話が弾んだ。
:08/11/25 04:18 :SH705i :JwgW5bj.
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