【愛.金.水商売4】
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#151 [主]
頭の中の時間が止まる。
「あたしがあんたを本間に可愛がってるとでも思ってた?
入ってすぐにお客さんに可愛がられて
一人でも平気な顔して
何でも手に入るあんたが最初から大嫌い
あたしが少し優しくしたら信用してアホみたい
あんたを引き止めたのは金になるから
店の売り上げの為
ただそれだけ」
:08/11/12 23:14
:W62H
:☆☆☆
#152 [主]
‥所詮こんなもの。
笑いながらご飯を食べたのも
一緒に飲んだのも
ラストを協力してくれたのも
私の為じゃなく
全てお金の為。
:08/11/12 23:18
:W62H
:☆☆☆
#153 [主]
お金の間に友情なんて生まれない。
ねぇ‥みなみサン。
確かに私は一人でも平気。
お客さんにも恵まれていると思う。
:08/11/12 23:21
:W62H
:☆☆☆
#154 [主]
けど‥
何でも手に入ってなんかない‥
毎日が、不安で仕方ないんだよ‥
みなみサンとの友情だって
こんなにも簡単に崩れたじゃん‥
何も手に入ってなんかいない――‥
:08/11/12 23:24
:W62H
:☆☆☆
#155 [主]
「みなみチャン、その発言はママとして失格だよ」
「すみません‥」
Gマスの言葉を最後まで聞かず、私は店を出た。
「君は本間に女から嫌われるねぇ‥」
:08/11/12 23:28
:W62H
:☆☆☆
#156 [主]
帰りの車内、何度も言われた言葉を言われ、笑えなかった。
窓ガラスから見える景色。
見慣れた道並。
今日もGマスは私をここに連れてくる。
明るくなりつつあるこの場所へ。
jpg 16KB
:08/11/12 23:47
:W62H
:☆☆☆
#157 [主]
次の日から、M2でなぎさサンを見かける事はなかった。
毎日のようにいたなぎさサンは、パタッと来なくなった。
Gマスに聞いた話。
なぎさサンとM2のマスターは一年前から付き合っているらしい。
なぎさサンの、M2のマスターを想うあの顔は、微笑みながらも、淋しげだった。
なぎさサンが何を抱えているかは分からない。
:08/11/12 23:51
:W62H
:☆☆☆
#158 [主]
Gマスは言った。
なぎチャンは寂しいんだよ、
マスターとの仲まで俺も詳しくは知らないけど、あの人はお金だけは持て余している。
あれだけの要素でお金を持っていれば近寄りがたい。
あの人は友達がいないから、君たちにどう接すればいいのか分からなかったんだよ。
寂しい人なんだよきっと。
:08/11/12 23:54
:W62H
:☆☆☆
#159 [主]
なぎさサンの抱える闇は分からない。
だけど、みんな寂しいんだよ。
店へ飲みに来るお客さんも。
働くスタッフも。
もちろん私も。
みんなそれぞれ孤独を抱えている。
:08/11/12 23:56
:W62H
:☆☆☆
#160 [我輩は匿名である]
みんな男に人気がある主さんが羨ましいんですね

ひがんでるだけじゃん

:08/11/13 00:06
:SH906i
:☆☆☆
#161 [主]
>>159続き
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
毎日が忙しく過ぎる。
みなみサンとはあれ以来、連絡を取り合う訳もなく、ましてやたまに来ていたルビーKのお客さんまで、Gclubに来なくなった。
コサカもユミチャンに負けじと売り上げを伸ばす。
リィユンは相変わらず私を慕う。
ユミチャンに対しても、またもう一度見直そうと思っていた。
:08/11/13 00:29
:W62H
:☆☆☆
#162 [主]
けど、お金にルーズなユミチャンは何も変わっていなかった。
―‥ピンポーン
ユミチャンと二人の店に、オープンと同時にやってきた一人の男性。
とてもじゃないけど、柄がいいとは言えない見た目。
いらっしゃいませと出迎えても、その場から動こうとしない。
:08/11/13 00:32
:W62H
:☆☆☆
#163 [主]
新規だと思った男性は、カウンターに座る気配もなく低い声で大声を出す。
「ユミ出せやオラァ!!」
突然の叫びに立ち尽くす私。
:08/11/13 00:34
:W62H
:☆☆☆
#164 [主]
>>160サン
いつもありがとう
o(^-^)o
私も恥ずかしながら、他人を羨む時がありました。
特に、この世界ならではの感情が生まれるんでしょうね。
また更新します☆
本当にいつもありがとう☆梓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:08/11/13 00:37
:W62H
:☆☆☆
#165 [我輩は匿名である]
小説のココナは馬鹿。
【私、心閉ざしてるけど、真っ直ぐなの】って感じで、正義感振りかざしてさ。女に嫌われる女は、ホステス向きだが、上には立てない。ココナを嫌いながら、悪口を言わず、最後の最後に、ココナの短所を言ったみなみの方が、大人ですね。Gマスも大人としての判断力が足りない。若いココナにトチ狂った【中年の危機】って感じ。
もちろん今の主さんは成長して、素敵な女性だと、想像します!頑張って下さい。
:08/11/13 04:30
:SH903i
:☆☆☆
#166 [我輩は匿名である]
↑だれ?(笑)
:08/11/13 09:41
:N905imyu
:☆☆☆
#167 [YUA//GAO.GAO123]
:08/11/13 10:14
:W62SH
:☆☆☆
#168 [YUA//GAO.GAO123]
:08/11/13 10:15
:W62SH
:☆☆☆
#169 [YUA//GAO.GAO123]
:08/11/13 10:19
:W62SH
:☆☆☆
#170 [我輩は匿名である]
>>165に同感……
あたしもみなみさんが大人だと思います。夜の世界で主と仕事しながらも見抜けなかったみなみさんの態度一流だと思います。仕事とプライベート割り切ってプロ意識があるみなみさんを見習われたら良いと思います。
けど小説自体はおもしろいですね…ただこの世界、若いだけが取り柄にならないように女性らしさもお勉強されてこれからも頑張ってください。
:08/11/13 12:12
:N906imyu
:☆☆☆
#171 [主]
あの‥この小説は今を綴っているのではなく過去を書かせて頂いています‥。
失敗や間違えなどの繰り返しの中で進んでいく内容を書く予定です。
さまざまな意見は身を染みて考えさせられますo(^-^)o
出来ればこれからのココナも見ていただけたらなと勝手ながら思います。
感想は感想板にお願い致しますo(^-^)o
また更新します。梓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:08/11/13 12:54
:W62H
:☆☆☆
#172 [主]
>>163続き
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ユミは今出ていますが‥どのようなご用ですか?」
ユミチャンは今煙草を買いに近くのコンビニまで出ている。
「責任者出せや!!」
用も話さず、ただ我を忘れて叫ぶ男。
「オーナーは今出先です。
私で良ければお話を聞きますが‥」
:08/11/13 13:03
:W62H
:☆☆☆
#173 [主]
「あいつに貸した金どないなってんねん!!」
全く会話にならない中、ユミチャンがこの男にお金を借りて返していないのは分かる。
けれど、Gclub関係者でもなく、お客さんでもない人が何故ここにいるのか‥。
「先輩‥」
煙草の入った袋をぶら下げ帰ってきたユミチャンは、すぐに状況が読めた様子。
:08/11/13 13:07
:W62H
:☆☆☆
#174 [主]
「おいユミ!!お前金どないなってんねん!!
約束の日過ぎてるやんけ!!」
「それはっ‥」
「ねぇさん
こいつ借りますよ」
ユミチャンの腕を掴み外へ出ようとする男。
「あの‥ユミは今仕事中です、仕事が終わった後には出来ないですか?」
:08/11/13 13:11
:W62H
:☆☆☆
#175 [主]
今日は団体の予約も入っている。
その団体客は、ユミチャンと私二人のノリが好きで来るお客さんだ。
「俺も明日朝から仕事やねん!!
今日まで待ってたんや!!もう待てるかよ!!」
俺の言い分は十分に分かった。
:08/11/13 13:14
:W62H
:☆☆☆
#176 [主]
「ですがね‥」
「先輩‥仕事の邪魔だけはしないでください‥」
黙っていたユミチャンが口を開く。
「お前がさっさと金返してたらこんなことなってないやろ!!」
これ以上男に何を言っても通じないと思った私は、Gマスに電話をかける。
:08/11/13 13:17
:W62H
:☆☆☆
#177 [主]
お客さんが来たらややこしいだけだから帰らせなと言われ、ユミチャンにはタイムカードを押すように指示を出す。
「本当にすみません‥」
ユミチャンの謝罪の後に、男も頭を下げて二人店を出る。
まだ開店したばかりなのに、どっと疲れが出た私は煙草に手を伸ばす。
:08/11/13 13:20
:W62H
:☆☆☆
#178 [主]
少したち、予約通りお客さんは来店する。
ユミチャンがいない事に不満をさらけ出すお客さんを和ますのに必死だった。
私の中で一つの決断が出る。
ユミチャンはGclubにいらない‥と。
:08/11/13 13:23
:W62H
:☆☆☆
#179 [主]
まっサンに、かず君にお金を借り、何とか解決したものの、次何かあれば即首だとユミチャンには言ってある。
Gclubは巻き込むなと念を押されたユミチャンは、プライベートでお金を借りた。
けれど、そのプライベートの男が店へ押しかけたとなると話は違ってくる。
早い時間でお客さんがまだいなかったのは運が良かっただけで、そうでなければ楽しく飲んでいるお客さんまで巻き込むことになっていた。
:08/11/13 13:29
:W62H
:☆☆☆
#180 [主]
確かにユミチャンはお客さんにモテる。
その結果は数字にちゃんと出ている。
ユミチャンなりに頑張っているのも分かっている。
だからと言ってこれ以上ユミチャンを店におく事はマイナスだ。
いくらお客さんを持っていても、自分のお客さんしか大事に出来ず、店の評判を落とされてはそっちのほうがマイナスになる。
:08/11/13 13:33
:W62H
:☆☆☆
#181 [主]
それに私自信、これ以上ユミチャンを見続ける気力がない。
金絡みが止まらないユミチャンに怒りを通り越して呆れてしまう。
『ユミチャンはもう首にして下さい』
Gマスからはすぐに返信があった。
『後で話聞きます‥』
:08/11/13 13:37
:W62H
:☆☆☆
#182 [主]
現場に入っている私より、怒りを覚えていたのは誰よりもGマスだった。
団体客が去った後静かになった店の片付けをする。
「ねぇココナサン‥」
普段おちゃらけているチハルサンが真剣な顔で話しかける。
:08/11/13 13:39
:W62H
:☆☆☆
#183 [主]
「少しいいですか?」
チハルサンと私は片付いたボックスに座る。
リィユンやコサカは気になって仕方がない様子。
「コサカチャン
今日お客さんにデュエット誘われて歌えなかったでしょ?
練習しときなさい」
年配のお客さんにデュエットを進められても分からないコサカは、断ってばかりだった。
:08/11/13 13:42
:W62H
:☆☆☆
#184 [主]
何より今は、チハルサンが話を聞かれたくないと思った。
音楽が流れればカウンターにいるリィユン達に声は聞こえない。
コサカとリィユンは二人で昔のデュエットを練習する。
「どうしました?」
チハルサンが私に相談を持ちかけるのは初めてのことだった。
:08/11/13 13:45
:W62H
:☆☆☆
#185 [主]
「あの‥嫌いじゃないんですよ‥嫌いとかじゃないんですけど‥」
何のことは分からず首を傾げる。
「ユミチャンに少し困ってて‥」
ユミチャンという言葉に過剰に反応してしまう。
:08/11/13 13:48
:W62H
:☆☆☆
#186 [主]
「ユミチャンがどうしましたか?」
チハルサンはユミチャンの金絡みの件やコサカとの件、何も知らない。
店の中でのユミチャンと私のキャラは似ていて、仲がいいとお客さんに言われるくらいだ。
キャラが似ていると言うよりも、ユミチャンは日に日にココナのキャラに似ていった。
元々元気な子だ。
私のテンションに一緒になる事から、話す内容、話を振る間、ギャグを言う時。
:08/11/13 13:56
:W62H
:☆☆☆
#187 [主]
人より面白くもないギャグを言うのは私のキャラ。
シーンと静まり返る空気が逆に受け、ココナ=滑りギャグみたいなイメージにまでなっている。
一言一言が私に似てくるユミチャンをうざいなんて思った事は一度もない。
一緒になって滑りながら笑いに変える二人の息はピッタリで、お客さんも私とユミチャンのペアを好んだ。
:08/11/13 14:00
:W62H
:☆☆☆
#188 [主]
「ココナサンはユミチャンを可愛がってるから言いにくいんですけど‥」
だからだろう。
チハルサンがユミチャンに対する不満を私にずっと言えなかったのは。
チハルサンに気を使わせてしまった事に反省する。
「頻繁に電話があるんです‥」
:08/11/13 14:02
:W62H
:☆☆☆
#189 [主]
週に二回はユミチャンからの電話が鳴る。
内容はいつも同じで、゙今どこどこにいるから車で迎えに来て下さい゙
゙お金が足りなくて電車にも乗れないんで迎えに来て下さい゙
そんな電話が頻繁にあり、最初は可哀想だと思い、たまたま暇を持て余していたから迎えに行ったと。
「一度甘やかした私も悪いんですが‥」
:08/11/13 14:07
:W62H
:☆☆☆
#190 [主]
毎日ではないけれど、昼間パートにも出ていて、夜なんて旦那も子供もいるから困る。
だけど電話があれば出てしまい、断るのも疲れれば、心も痛むと
チハルサンは言った。
店でも人一倍優しい人だ。
自分はもう歳だからお客さんを掴もうなんて思わない。
ココナサン達のヘルプになれるだけで十分です。
こんな私を雇ってくれているんですから。
:08/11/13 14:11
:W62H
:☆☆☆
#191 [主]
そう言うチハルサンは、嫌味でもなく、本当に謙虚な人で、私が困った時場を盛り上げてくれる大切なスタッフ。
Gマスはお金にならないスタッフはいらないと言っていた。
経営者ならではの意見だろう。
一時期シフトも減らされていたチハルサンは、少しへこんでいた。
私はそんなGマスに、チハルサン達スタッフがいて店が成り立つと強引にシフトを戻してもらった。
:08/11/13 14:15
:W62H
:☆☆☆
#192 [主]
私の考えはまだまだ甘いと思う。
本当にもっと店を繁盛させたいなら、いらないスタッフから切っていき、売り上げを伸ばすスタッフだけを揃える。
Gマスの考えははそうだから。
だけどまだ私には出来なかった。
お客さんを持っていないチハルサンは、お酒を人一倍飲み、人一倍ヘルプを頑張る。
そんな人が一人でもいるから、他のスタッフはやりやすく働ける。
:08/11/13 14:19
:W62H
:☆☆☆
#193 [主]
それに、あみサンやおかんが辞めて、スタッフに困っていた時、助けてくれたのはチハルサンだったから。
スタッフが揃えばモテない人は切る。
私には出来なかった。
:08/11/13 14:22
:W62H
:☆☆☆
#194 [主]
「すみません‥だからと言ってココナサンにどうしてほしいとかじゃないんです‥
話を聞いてほしかっただけで‥」
やっぱり、ユミチャンが理解出来ない。
確かに実力世界で、数字が立場を決めるのも事実。
だからといって、目上の人を足に使うようなユミチャンが人として理解出来なかった。
:08/11/13 14:25
:W62H
:☆☆☆
#195 [我輩は匿名である]
梓さん.様々意見あると思いますが.今書かれているのはまだ十代の頃なんですよね(・o・)
若い頃の失敗や学びを今こうして書ける梓さんを尊敬します.
一番好きな小説です!頑張って下さい!
長々すみません.
:08/11/13 16:53
:W52SA
:☆☆☆
#196 [我輩は匿名である]
↑だから感想板に書けって主から言われたじゃん…
:08/11/13 17:28
:N906imyu
:☆☆☆
#197 [☆:)]
あげっ

★、
:08/11/14 07:02
:821N
:☆☆☆
#198 [主]
>>194続き
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「チハルサン、ごめんね‥」
「何がですか??」
「私、チハルサン達スタッフと向き合ってなかった‥」
些細なことだった。
話を聞いてほしかっただけと言ったチハルサン。
:08/11/15 01:55
:W62H
:☆☆☆
#199 [主]
ユミチャンの行動
チハルサンの小さな悩み
コサカの必死さ
リィユンの私への愛情
私は見ている、分かっていると自分に言い聞かせるだけで、何もしていなかったんじゃないかと。
その日その場で起きる出来事を宥めるのに精一杯で。
私はスタッフの心を知ろうとしていなかった。
:08/11/15 01:59
:W62H
:☆☆☆
#200 [主]
「そんな‥こんなチッポケ悩みで‥」
チッポケな悩み。
そんなチッポケな悩みでさえ私は気付いてあげられなかった。
気付こうともしなかった。
なぎさサンのこと
みなみサンのこと
たかチャンのこと
Gマスのこと
Gclubのこと
それはただ自分だけの思いで動いていた。
:08/11/15 02:02
:W62H
:☆☆☆
#201 [主]
そんなチッポケな悩みだと言うチハルサンは、
そんなチッポケな話を私にしてくれた。
ユミチャンとコサカ
ユミチャンとお客さん
目に見える大きなことだけを見て、
私は何も見ていなかったんだと
人のチッポケな悩みで知らされた‥
:08/11/15 02:05
:W62H
:☆☆☆
#202 [主]
「ははっココナサンらしくない(笑)
ココナサンは面白くないギャグでも言ってて下さいよ」
チハルサンは店にとって大事だと、
そう思っていた私は、チハルサンを見ているようで、心を見ていなかった。
「もぉ〜(笑)
いつもワザト滑ってるの」
チハルサンとこうやって素のまま話したのは初めてだった。
:08/11/15 02:09
:W62H
:☆☆☆
#203 [主]
ユミチャンと本気でぶつかった事はあるだろうか。
ユミチャンの心の奥を聞いた事があっただろうか。
ユミチャンの繰り返してきた事は言い訳をされても許せない。
店には必要ない。
それは今さっきと変わらない。
だけど私は、ユミチャンの言い訳を聞こうとしていただろうか。
:08/11/15 02:12
:W62H
:☆☆☆
#204 [主]
サナエママは、いつも私に声をかけてくれた。
少しでもいつもと様子が違うと話を聞いてくれた。
そんなサナエママだからこそ私は大好きだった。
店に私情は持ち込んじゃ駄目だと言ったサナエママは、お客さんがいない時、私情を心配してくれた。
「チハルサンはGclubが楽しいですか?」
:08/11/15 02:22
:W62H
:☆☆☆
#205 [主]
「楽しいですよ。
ココナサンみたいな人がいるから(笑)」
チハルサンも、リィユンも、私を好きだと言う。
チハルサンがいつもより元気がない時、気付いていながら心配した事ない私を好きだと言う。
チハルサンやリィユンを、偽りない気持ちで好きにならないといけないのは私のはずだった。
:08/11/15 02:26
:W62H
:☆☆☆
#206 [主]
「ココナサ〜ン!!
今さっきの音程が分からん〜!!」
ほら。いつもこうやってみんなは私に話しかけてたじゃない。
当たり前すぎて気付かなかった。
メンドクサイと言い、私は何にメンドクさがっていたのだろう。
:08/11/15 02:29
:W62H
:☆☆☆
#207 [主]
「確かにズレてたよぉ(笑)
そこはもう少し高いかな」
少人数のスタッフを分からずに
何百人といるお客さんが分かるはずない。
流れゆくものが多すぎて
大切なものをその波に流していた。
私の役目はスタッフの心を癒すこと。
:08/11/15 02:33
:W62H
:☆☆☆
#208 [主]
そしてそのスタッフ達がお客さんを癒す。
私の立場は売り上げを守り続けることだけじゃない。
チッポケな悩みで気付かされた。
:08/11/15 02:35
:W62H
:☆☆☆
#209 [主]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
「‥そうか、ユミチャン呼ぶ?」
M2のボックスでさっきまで黙って聞いていたGマスが静かに口を開く。
「はい‥」
ワンコールで電話に出るユミチャン。
:08/11/15 02:37
:W62H
:☆☆☆
#210 [主]
「今M2にいるの。来れる?」
「‥怒られますよね‥‥」
「そうだね」
「今は友達が来てるので‥」
「どっちが大事?
今日犯した出来事に向き合うのと」
「‥スッピンなんで‥‥」
何かと理由を付けて避けようとする。
:08/11/15 02:41
:W62H
:☆☆☆
#211 [主]
「構わないよ」
「明日でもいいですか‥」
「その明日からのことを今から話すんだよ」
「それって‥‥」
今から行きますと電話は切れ
十分も経たないうちにユミチャンは顔を出した。
:08/11/15 02:44
:W62H
:☆☆☆
#212 [主]
「ユミチャン‥ココチャンが怒ってるよ」
話しを切り出したのはGマス。
「すみませんでした‥」
スッピンだと断ったユミチャンは化粧がバッチリだった。
「何回同じこと繰り返したら分かるの?」
:08/11/15 02:47
:W62H
:☆☆☆
#213 [主]
「もうしません‥約束します‥」
ユミチャンの目をずっと見ているけど、目が合うことはない。
「その言葉聞き飽きたよ」
今回は本当ですと、化粧バッチリな目からは黒い涙が零れ落ちている。
「すみません‥」
:08/11/15 02:51
:W62H
:☆☆☆
#214 [主]
「なにが?」
「約束破って‥」
「あの時お客さんがいたらどうしてたの?」
「‥無理矢理にでも先輩を帰らせてました‥‥」
「あの状況で?」
私の質問責めは止まらない。
:08/11/15 02:54
:W62H
:☆☆☆
#215 [主]
「‥」
重たい沈黙の中、グラスの中の氷が溶けカランと音たてる。
「ココチャンは君をクビにしてくれって」
その言葉に声を出して泣くユミチャン。
「正直‥金絡みでここまで店を巻き込むようじゃ、俺も君を必要とはしないよ」
:08/11/15 02:57
:W62H
:☆☆☆
#216 [主]
Gマスの優しい口調は逆に怖い。
「すみません‥すみませんすみません‥辞めたくないです‥頑張りたいです‥グスッ」
どうしてここまでユミチャンはGclubにしがみつくのか。
「ココチャン?」
君も何か言いなさいと。
:08/11/15 03:00
:W62H
:☆☆☆
#217 [主]
「クビにしてください」
「や‥やだ‥嫌です‥嫌です嫌です嫌です‥もう繰り返さないって約束します‥約束します‥」
「ならお前は今ここで契約書にサイン出来るんか!!」
:08/11/15 03:02
:W62H
:☆☆☆
#218 [主]
Gマスの怒鳴り声は店内に響き渡る。
「できます‥出来ます‥」
「血印でやぞ!!」
自分の血で判子を押せるか
約束すると言う気持ちはどこまで本気なんだ
:08/11/15 03:05
:W62H
:☆☆☆
#219 [主]
言葉だけの約束は聞き飽きた、と。
自分の体を傷つけてまでお前は約束出来るのか
それ程の事をしている
それ程の勇気はあるのかと、Gマスの怒りは頂点に達していた。
「で‥きます‥」
:08/11/15 03:08
:W62H
:☆☆☆
#220 [主]
怯えた体に震えた声。
Gマスはお構いなしだった。
「おい画鋲持ってこい」
M2のスタッフはどうすればいいか分からずアタフタする。
「ユミチャン‥あなたがしてる事は簡単に許されることじゃないの」
:08/11/15 03:11
:W62H
:☆☆☆
#221 [主]
「他のスタッフにも迷惑かけてるの。
もちろんGマスにも」
Gマスが興奮状態な分、私は冷静だった。
「は‥い‥‥」
涙の止まらないユミチャンにまた怒りを覚えるGマス。
:08/11/15 03:14
:W62H
:☆☆☆
#222 [主]
「泣くなや
泣いて済まされんことをお前はやってんや」
さっさと画鋲でもカッターでも持って来いと言うGマスは、ヤクザにしか見えなかった。
「Gマス‥もういいやん‥」
:08/11/15 03:17
:W62H
:☆☆☆
#223 [主]
落ち着いた声で話を割ったのはM2のマスターだった。
「マササン‥」
M2のマスター、マササンを呼び捨てで呼ぶ同業者はいない。
マササンと長年親友のGマスでさえ当たり前のようにマササンと呼ぶ。
:08/11/15 03:21
:W62H
:☆☆☆
#224 [主]
Gマスが一番心許し、信頼している人。
もちろん、マササンもGマスに一番心許し信頼している。
腐れ縁の親友。
「もういいやん、ユミチャンも反省してるんやし」
今までの繰り返しもマササンは全て知っている。
:08/11/16 23:55
:W62H
:☆☆☆
#225 [主]
私とGマスがM2で飲む席、Gマスはマササンに話していたから。
マササンは大半の事を知っているはず。
マササンも人としておかしいと言っていた。
ただ、今の状態の、血印を押せと言うのはかわいそうだと思ったんだろう。
Gマスの怒りや暴走を止めれるのはマササンだけ。
:08/11/16 23:58
:W62H
:☆☆☆
#226 [主]
「ココチャン‥最後のチャンスあげたら?」
「最後最後って三回目です」
もうしません
約束します
何度聞けと言うのか。
信じられる訳がない。
お客さんを怒らせるなとか、風邪を引くなとか、そうじゃなく、ユミチャンのお金のだらしなさは性格だ。
:08/11/17 00:01
:W62H
:☆☆☆
#227 [主]
その性格が言葉一つで直るとは思えない。
「ねぇ」
私の声にユミチャンは顔をあげる。
「ユミチャンは年上の人を足に使うのに何も抵抗ないの?」
私は他にも言いたいことがあるんだ。
「‥え?」
:08/11/17 00:05
:W62H
:☆☆☆
#228 [主]
何の事ですかと首を傾げる。
とぼけているんじゃなく、突然の振りに分からないんだろう。
「学生の時や地元で年上を足に使うことは許された?」
ユミチャンが十代の頃、ヤンチャしていたのは知っている。
なら余計に分かるはず。
若いながらの上下関係は。
:08/11/17 00:09
:W62H
:☆☆☆
#229 [主]
「ありえないです‥」
「なら何でチハルサンを足に使うわけ?
チハルサンは目上の人じゃないの?」
話が変わる内容にGマスとマササンは何のことか分からない状況に対し、ユミチャンはバレたという顔をする。
「困ってて‥‥」
:08/11/17 00:12
:W62H
:☆☆☆
#230 [主]
「なら何でチハルサンやねん!?
リィユンやコサカも車あるやろ!!
何で選んだようにチハルサンやねん!!」
気付いていた。
ユミチャンのずる賢さが働いていたのには。
リィユンと私は仲がいい。
コサカとも普通に仲がいい。
それはユミチャンも分かっている。
:08/11/17 00:14
:W62H
:☆☆☆
#231 [主]
チハルサンはレギュラーでもなければ、特別仲がいい事もなく、プライベートを話すこともなかった。
実際チハルサンに話を持ちかけられた時、私でさえ驚いたんだ。
チハルサンのママ友達は、チハルサン同様、レギュラーじゃなければ車を持っていない。
私にバレないよう頭を使って人を選んでいることくらい気付いていた。
:08/11/17 00:17
:W62H
:☆☆☆
#232 [主]
「そんなとこで変に頭使うくらいなら仕事に使えや!!
仕事にいかせよ!!」
「お前のそうゆう性格が嫌いやねん!!
約束も口約束だけで誰がまたチャンスなんかあげるかよ!!」
お客さんのいないチハルサンの事を私は頼りにしている。
お客さんに好かれようと努力するリィユンを私は応援している。
:08/11/17 00:24
:W62H
:☆☆☆
#233 [主]
ユミチャンにだけは負けたくないと営業を頑張るコサカを分かっている。
ただそれだけ。
何かしらの理由で働くスタッフ。
ユミチャンも頑張っているのは分かる。
頑張っているなら頑張るで、それで人は少なからず評価される。
その評価を自分自身マイナスに下げているのはユミチャン本人だ。
:08/11/17 00:26
:W62H
:☆☆☆
#234 [主]
「ココチャンがクビって言うなら俺は君をクビにするしかないよ、店はココチャンに任せてるからね」
どさくさに紛れて、マササンまでボックスに座る。
「まぁ‥ココチャンが言うなら仕方ないなぁ‥」
Gマスとマササンの同意見。
:08/11/17 03:30
:W62H
:☆☆☆
#235 [主]
「ゥ゙ッ‥ココ‥グズ‥ナサンは‥ユミが嫌いです‥か‥」
汚くダラダラと目からではなく鼻から涙が出ているユミチャンを見て、私は‥
ハンカチを渡した。
:08/11/17 03:34
:W62H
:☆☆☆
#236 [主]
「ありがとうござ‥って!!こんな綺麗なハンカチ使えません!!トイレットペーパー持ってきます」
ハンカチをテーブルに置き、トイレにたとうとするユミチャン。
「私は好きな子じゃないとハンカチは渡さないよ」
私の言葉に振り向き、もう一度席につく。
:08/11/17 03:38
:W62H
:☆☆☆
#237 [主]
「どうゆう‥意味ですか‥?」
少し雰囲気も落ち着いたのを察し、マササンは店の外へ出る。
「ユミチャンのこと嫌いじゃない。
とゆうか‥私は人に好き嫌いはないよ。
関わりたくないとかは思うことあってもね」
「今日チハルサンと喋って、当たり前な大事な事を思い知ったね」
:08/11/17 03:43
:W62H
:☆☆☆
#238 [主]
「‥聞いてもいいですか?」
隣に座るGマスも、黙ったまま耳を傾ける。
Gマスからの視線は、ココナへ向ける視線ではなく、あっチャンに向ける視線だった。
優しい目‥
私にしか見せない優しい目‥
ユミチャンはこの目に何も感じないだろう。
:08/11/17 03:47
:W62H
:☆☆☆
#239 [主]
だけど私には分かる。
私だけには分かるんだ‥
「ユミチャンにも謝るね、私ユミチャンの悩み事とか聞いてあげた事なかったね、
店の中で指示を出したり、売り上げを維持したり、それももちろん私の役目。
だけどね、ユミチャンやスタッフの悩み相談まではいかなくても、ユミチャンの抱えているものに気付いてあげられなかった」
:08/11/17 03:51
:W62H
:☆☆☆
#240 [主]
「一匹狼卒業しようと思う」
「…はぁ‥‥」
言っている意味が分からないといった様子。
そりゃそうだ。
話が飛び飛びなうえ、突然私の話になっているんだから。
「けどね、ユミチャンをGclubにこれ以上置いとくのは無理だよ」
:08/11/17 03:57
:W62H
:☆☆☆
#241 [主]
「いやです…嫌です嫌です嫌です!!
ユミはGclubが好きなんです
好きなんです‥
やだ‥やだやだぁぁぁぁぁあ…………」
クビだと何度も言われてまで、Gclubにしがみつくユミチャン。
「ねぇココチャン」
やっと口を開いたGマスを見る。
:08/11/17 04:00
:W62H
:☆☆☆
#242 [主]
「゙この仕事が好ぎ゙ここが好ぎって、普通のサラリーマンとかは言わないよね?」
「はぁ…」
「俺は君がクビにしろってまだ言うなら即クビにする。
けどね、俺の店を好きだと言ってくれる子は珍しくてね」
好きな仕事が見つかった
好きな居場所が出来た
仕事を好きだと言える人は少ないんだよと…。
:08/11/17 04:05
:W62H
:☆☆☆
#243 [主]
私は‥
私もこの仕事が好きだ――
周りに偏見を持たれても、私は胸を張って言う。
私は水商売が好きです‥と。
:08/11/17 04:09
:W62H
:☆☆☆
#244 [主]
サナエママが大好きだった。
ケンサンが大好きだった。
サキが大好きだった‥
この世界で出会う人が大好きになった―
ねぇサナエママ―…?
サナエママなら、もしココナがサナエママのお客さんを足に使ってお金を借りて、
また違うお客さんから大金を借りて、
金絡みのプライベートの事で店を巻き込んだとするじゃん‥
:08/11/17 04:13
:W62H
:☆☆☆
#245 [主]
怒るよね、怒鳴るよね‥
私を見放す?
『ココナを見放すわけないじゃん!!』
昔いつの日かに言われた言葉。
:08/11/17 04:15
:W62H
:☆☆☆
#246 [主]
だけどそれば、サナエママも私を信用しているから。
私がサナエを信頼していたように。
「‥Gマスの判断に任せます」
答えが分からなくなった。
:08/11/17 04:17
:W62H
:☆☆☆
#247 [主]
ユミチャンは嫌いじゃない
嫌いなのはユミチャンのずる賢い性格。
嘘を平気で付こうとする性格。
その反面、ユミチャンのいいところは分からない。
まだ見ていないから。
見ようとさえ思わなかったから。
ハンカチを渡した時、好きな子にしがと言ったけど、それは訂正しないといけない‥。
鼻から涙を流すユミチャンが、Gclubを好きだと言ったユミチャンが
:08/11/17 04:28
:W62H
:☆☆☆
#248 [主]
その時だけ
本当にその時一瞬
『サキはチューリップが好きやから続けるな』
そう言ったサキと被ったから‥。
:08/11/17 04:30
:W62H
:☆☆☆
#249 [主]
「マササン」
いつ戻ってきたのか、カウンターで一人煙草をふかすマササン。
「画鋲かして」
一度目とは打って変わって優しい声で。
Gマスの出した決断は分かった。
:08/11/17 04:36
:W62H
:☆☆☆
#250 [主]
マササンも冷静なGマスを見て、画鋲の入った小さな入れ物を差し出した。
「次何かあった時はクビだけじゃない。
風俗にお前を売り飛ばす」
脅しに聞こえる内容は、Gマスの目を見れば分かる。
本気なんだと。
:08/11/17 04:39
:W62H
:☆☆☆
#251 [主]
「こんなもん」
画鋲をジャラーっとテーブルにバラマケる。
「証拠にも何にもならん
ただ、お前の本気さを見るだけや。
分かってんな?次同じような事したら
売るからな」
その覚悟があるなら、もう一度、本当の最後のチャンスをやる。
:08/11/17 04:43
:W62H
:☆☆☆
#252 [主]
と‥。
ユミチャンは静かに一つの画鋲を手にとった。
:08/11/17 04:45
:W62H
:☆☆☆
#253 [主]
私とGマスはただただユミチャンを見る。
目をギュッと瞑り、小さな針を中指に刺そうとするが、なかなか勇気が出ない様子で止まったままだった。
「…ッ‥‥‥」
小さく漏れる声と同時に、ポタポタとユミチャンの手から血が流れ落ちる。
:08/11/17 17:24
:W62H
:☆☆☆
#254 [主]
思ったよりも深く刺したのか、予想以上に血が流れ出る。
本当にユミチャンはこれが最後のチャンスだ。
なら見させてもらう。
ユミチャンの成長を‥。
私はお絞りをユミチャンに渡し、一人先に店を後にした。
:08/11/17 17:30
:W62H
:☆☆☆
#255 [主]
M2の店の前でただ突っ立ち、煙草をふかす。
「ココナサン??」
もう空も明るく人通りが少ない中
「何してんの?」
:08/11/17 17:36
:W62H
:☆☆☆
#256 [主]
「俺は仕事帰りっす」
「私もそんなとこかな」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
四つ葉のホストが黙り込む姿は初めてで、気まずいとさえ思ってしまう。
:08/11/17 17:39
:W62H
:☆☆☆
#257 [主]
「ねぇココナサン‥」
酔っているのか
テンションがただ低いだけなのか
四つ葉のホストの声は少し震えている。
「俺ね‥片思いって得意なんすよ」
話の意味が分からず新しい煙草に火をつける。
:08/11/17 17:42
:W62H
:☆☆☆
#258 [主]
明るい中で四つ葉のホストの顔をまじまじと見るのは初めてで、綺麗な顔をしているなと初めて気付く。
‥カァ〜カァ〜
隣のゴミ捨て場にはカラス。
「何年でも待ちますから‥」
:08/11/17 17:45
:W62H
:☆☆☆
#259 [主]
毎日顔を合わし、カルピスを毎日のように手渡され、たわいもない話をし、お互い店に戻る。
それが私達二人の関係。
「先のことを決めつけちゃ駄目だよ」
あなたが私を想っていることには気付いていた。
:08/11/17 17:48
:W62H
:☆☆☆
#260 [主]
「俺ね‥あなた見てるといつも思うんです」
突然の出来事に
突然すぎる言葉
「どうしてそんなにも淋しそうにいつも一人なのかなって‥」
君はいつから私を見ていた――‥?
:08/11/17 17:52
:W62H
:☆☆☆
#261 [主]
「店から聞こえるココナサンの声は誰より元気で、いつも笑い声が聞こえます」
それはココナだから‥――
「なのに一歩外に出れば、いつも淋しそうに煙草を吸ってる」
ガチャっと扉の音が聞こえる。
:08/11/17 17:56
:W62H
:☆☆☆
#262 [主]
私は‥今扉から出てくるあの人を待っている。
「今日はカルピスないんだね」
それだけを言い残し、Gマスの車まで歩く。
これ以上、四つ葉のホストの言葉を聞くのは辛かった‥。
:08/11/17 18:00
:W62H
:☆☆☆
#263 [主]
「あっチャン帰ろ」
私はこの人の声が聞きたいんだ。
私はこの人の隣にいたいんだ。
私は毎日この人の迎えを待っている。
:08/11/17 18:03
:W62H
:☆☆☆
#264 [主]
「あっチャン大丈夫?
ユミチャンの件や何もかも君に任せてばかりでごめんね」
車は私の家の隣のラブホテルに入る。
抱き合う中
手を必ず握る中
Gマスの香水が香る。
:08/11/17 18:15
:W62H
:☆☆☆
#265 [主]
「Gマスって体臭臭いんですか?」
「失礼な質問だね」
いつも香るGマスの臭いは、ほんのり香るとかじゃなく、
香水!!
という程臭いがキツい。
抱きついた時にもツンツンと鼻にくる臭いに最初は慣れずいた。
:08/11/17 18:18
:W62H
:☆☆☆
#266 [主]
今ではそのキツすぎる臭いが大好きで
ツンとする臭いが大好きで。
あなたを取り囲む香りが大好きで。
「あげる」
そう言って鞄の中から残り半分の香水を渡す。
:08/11/17 18:24
:W62H
:☆☆☆
#267 [主]
「つけるのは少しにしなよ」
俺みたいに臭くなるからと笑いながら私の手首に一振りするGマス。
たかチャンとの恋
ユミチャンのもめ事
なぎさサンのかき回し
みなみサンとの壊れた仲
四つ葉のホストの気持ち
Gclubのこと
‥気付いてしまったGマスへの想い。
:08/11/17 18:30
:W62H
:☆☆☆
#268 [主]
Gマスと同じ香りが手首から香る。
「Gマス‥家に着いてきてくれますか?」
あの過去の詰まった引き出しを
Gマスからもらった思いの紙
目を赤く腫らしたあのうさぎを‥
:08/11/17 18:32
:W62H
:☆☆☆
#269 [主]
「あっチャン‥」
初めて家に上がったGマスは部屋を見渡し何か言いそうだった。
多分テーブルの上に無造作に置いてあるビールの空き缶に飽きれたんだろう。
私はそんなGマスの手を握る。
:08/11/17 20:47
:W62H
:☆☆☆
#270 [主]
体が震えているのが自分でも分かる
握る手は汗ばみ
引き出しに手を伸ばす片方の手は小刻みに震え‥
怖い‥怖いよ‥
でも‥
:08/11/17 20:49
:W62H
:☆☆☆
#271 [主]
「あっチャン‥?」
この手と
この声の温かさに
背を向けたくないと思った‥
ウサギの頭を撫でてあげたいと
思ったんだ‥――
:08/11/17 20:51
:W62H
:☆☆☆
#272 [主]
もう殻に閉じこもりたくないと
リィユンやチハルサン‥私を必要とする周りの人と‥
Gマスと‥
向き合いたいんだ―
:08/11/17 20:53
:W62H
:☆☆☆
#273 [主]
そっと引き出しに手を伸ばし
ハンドタオルにくるまったウサギを手に取る。
そっとハンドタオルを開ける。
:08/11/17 20:55
:W62H
:☆☆☆
#274 [主]
…ねぇ‥‥
泣かないでよ‥
目を赤くしないでよ‥
「‥‥ッ‥ヒック‥」
:08/11/17 20:57
:W62H
:☆☆☆
#275 [主]
「梓ってウサギみたいやな」
「梓タンポポ好きやなぁ」
「梓って音符みたい」
「梓が忘れられへんかった!!」
「梓じゃないとあかんねん」
「あの夜景何万ドルや??」
「年齢なんか関係ないやんけ!!」
「梓!!」
「あずさ」
:08/11/17 21:13
:W62H
:☆☆☆
#276 [主]
「これで最後じゃない!!」
「一日なら会えると思った‥」
「圭チャン見て〜ペンギン〜♪」
「百万ドル〜!!」
「圭チャンおかえり」
「梓‥ただいま」
「もう一度指輪つけてくれるか?」
「圭チャン大好き!!」
「月に一回は夜景行こうね」
「あずさ」
:08/11/17 21:19
:W62H
:☆☆☆
#277 [主]
「あずさ‥
ごめん‥」
‥
‥
‥
:08/11/17 21:19
:W62H
:☆☆☆
#278 [主]
「いやぁぁぁぁぁあぁぁあ‥
け‥チャン‥けいチャン‥
圭チャン‥
ヒック‥ウ‥ヒック‥ッ」
過去が‥
フラッシュバックする‥――
:08/11/17 21:21
:W62H
:☆☆☆
#279 [主]
「あっチャン?!」
突然の私の泣き声に、Gマスはただ私を抱きしめる。
「圭チャン‥圭チャン‥」
私は狂ったように同じ名前を繰り返し泣き叫ぶ――‥
:08/11/17 21:24
:W62H
:☆☆☆
#280 [主]
圭チャンが好きだった
ただ真っ直ぐに圭チャンが好きだった
同じコップに同じ煙草
お揃いのリング
全身で圭チャンを愛していた
まだ子供な私は
その小さな体と心で
あなたを愛してた―
:08/11/17 21:27
:W62H
:☆☆☆
#281 [主]
あの日あの海でリングを流した日
あの日あの時
ごめん
とメールが鳴った日
涙は出なかった‥
泣いてしまえば
あなたはもう過去の人なんだと
圭チャンはもういないんだと
実感するのが怖くて
:08/11/17 21:29
:W62H
:☆☆☆
#282 [主]
ただ怖くて‥
あなたがいないなんて思いたくなくて‥
悲しむことさえ
泣くことさえ
恨むことさえ‥
何も出来ずに――‥
あなたを本当に愛していたから――――――――‥
:08/11/17 21:31
:W62H
:☆☆☆
#283 [主]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄
「ごめんね‥ずっと一人にして‥
ずっとずっと泣いてたよね‥
もう‥泣かなくていいから‥君の分‥私が泣くから‥」
こんなおかしな私にGマスは、何も言わなかった。
誰に話しかけているのかも‥圭チャンは誰なのかも‥握るウサギのことも‥。
:08/11/17 21:41
:W62H
:☆☆☆
#284 [主]
どれくらい振りに涙を流しただろう‥
どれくらい振りにあなたの名前を呼んだだろう‥
「あっチャン‥これ‥」
Gマスの手には一枚の紙切れ。
:08/11/17 21:47
:W62H
:☆☆☆
#285 [主]
どれだけ泣いただろう
どれだけあの人の名前を呼び続けただろう
出会った日から
一度目の別れ
二度目の再会
そして別れ
圭チャンとの過去が細かいことまで‥
圭チャンの顔が
圭チャンの声が
全てがフラッシュバックして
私は時間は止まったかのように過去に戻っていた。
:08/11/17 23:02
:W62H
:☆☆☆
#286 [主]
「持ってたんや」
そして
動き出す。
忘れていた想いが。
:08/11/17 23:11
:W62H
:☆☆☆
#287 [主]
「ボールペンもないんかこの家は」
一生分の涙を流しただろうくらいの私も落ち着きを取り戻す。
「ありますけど‥」
鞄の中から手帳にくっついたボールペンを手渡した。
:08/11/18 01:53
:W62H
:☆☆☆
#288 [主]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
家に上がったのは初めてじゃありませんでした↓
思い出しながら書いているので間違えに気づけば訂正致しますm(_ _)m
すみません↓梓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:08/11/18 01:59
:W62H
:☆☆☆
#289 [主]
「あっチャンが書くねん」
引き出しから取り出しただろう小さな紙を手渡される。
「これはGマスが置いて帰った置き手紙ですよ」
゙好ぎその二文字が書かれている紙。
゙好ぎを思い出さないように閉まっていた。
:08/11/18 02:01
:W62H
:☆☆☆
#290 [主]
「何を書けばいいですか?」
書く場所は紙の裏しかない。
「なんでも」
一言書いた紙をGマスに渡す。
:08/11/18 02:03
:W62H
:☆☆☆
#291 [主]
『
香水臭いあなたが好きです
』
:08/11/18 02:04
:W62H
:☆☆☆
#292 [主]
「香水臭いって何やねん」
苦笑いするGマス。
「Gマスの臭い好きです」
言葉は悪かったかもしれないけど、嘘じゃない。
香水がキツすぎる
香水臭いともとれる香りの
Gマスが好き。
:08/11/18 02:07
:W62H
:☆☆☆
#293 [主]
「あっチャンおいで」
いつもの光景。
何も変わらない。
なのに、一生分流したと思った涙はまた溢れ出す。
:08/11/18 02:08
:W62H
:☆☆☆
#294 [主]
圭チャン‥元気ですか?
あなたをやっと
゙思い出゙と言う形に出来そうです。
今隣にいる人の温もりが――私には居心地いいよ。
あなたが大好きでした。
:08/11/18 02:15
:W62H
:☆☆☆
#295 [主]
もうとっくに
あなたの中で私ば過去゙になっていたのかな。
それでもいい。
やっとあなたに追いついたから。
圭チャン‥また泣き虫な私がただいまって言いました。
:08/11/18 02:18
:W62H
:☆☆☆
#296 [主]
゙おかえり゙と言う言葉の変わりに
何も言わず抱きしめてくれる人がいる。
私は明日行きたい場所がある。
:08/11/18 02:22
:W62H
:☆☆☆
#297 [主]
懐かしい風景
毎日タクシーで通っていた道をうさぎを抱いて、ゆっくりと歩く。
この街にお客さんは私をアフターに誘ったことがある。
だけど私は断る。
今向かっている場所とあまりにも近かったから。
そこに今私は立っている。
:08/11/18 20:53
:W62H
:☆☆☆
#298 [主]
Gマスには今日だけ遅番にしてくれと頼んだ。
休みが1日もない私にGマスは駄目だと言わなかった。
一度も休みたいと言ったことがない私に、Gマスはきっと何かあると思ったはず。
けれどGマスは私に何も聞かない。
そんなGマスだからこそ、落ち着けるんだと思う。
:08/11/18 20:56
:W62H
:☆☆☆
#299 [主]
真っ白なドレスを身にまとい、キラリと光るアクセサリー。
そして手にはうさぎ。
目の前にはチューリップの絵。
:08/11/18 20:58
:W62H
:☆☆☆
#300 [主]
ドアノブを握る手が汗ばむ。
その場から動けずにいた。
「ココナ?!」
男性の声にビクッとする。
後ろを振り向くと、懐かしい顔が私を覗き込む。
:08/11/18 21:02
:W62H
:☆☆☆
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