うまく言えない
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#117 [サな]
「そっか…」


って志乃は言った。

七瀬のことを察して…。



「とりあえず全部曜くんに話してみ?紗奈の久しぶりの恋やん!うちは応援するでっ」

「うん…ありがとう」

⏰:08/12/10 03:03 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#118 [サな]
少し気持ちが落ち着いた2日後の夜、うちは1人で電車に乗ってH市に向かった。

H駅に着いてから曜に電話を掛ける。


「もしもしどしたあ?」

「今H駅おるんやけど来れる?」

「は?1人?」

「うん。」

「絶対そっから動くなよ。絶対1人で駅の外出るなよ!すぐ行く」

⏰:08/12/10 13:42 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#119 [サな]
何か凄い必死だった。

何で出たらだめなんやろ?って思った。

H市に来るのは実は初めてで、どんなところかすら知らなかった。

田舎なわけでもないけど、特別有名なところがあるわけでもないし、今まで行く必要性がなかったから。

出るなっていわれたらよけい気になるのが心理なわけで、興味本位でちょっと覗いてみようと思って少し進んだ。

⏰:08/12/10 21:02 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#120 [サな]
外が見えるところまで行くと、10数人が駅前に溜まっていた。

これだから出るなって言ったんかな?そんなんM駅のほうがもっと大人数で溜まっとるやん。

そう思って突っ立っていたら、そのうちの1人がうちに気付いた。

「こんな時間に何しよんや?」

「別にあんたに関係無いやん」

「強気やね〜。ちょお、俺らと遊ぼうや」

「無理やし。何が楽しくてあんたらと遊ぶん」

⏰:08/12/10 21:09 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#121 [サな]
「調子こいとんやないど。お前H市の人間やないやろ」

「うちM市やし」

「俺らM市の人間が一番嫌いなんよな」

「そーなんやあ」

「まあお前1人がどーかなったからゆーて何もならんやろ?」


そう言って男はうちを引っ張って集団の中に連れ込んだ。

⏰:08/12/10 21:12 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#122 [サな]
「離せや!嫌や!」

「こいつM市の奴やってさ。うざいし何してもえーよ」

「ふざけんな!!何お前が勝手に決めとんや!!」

そんなやり取りしよったら、一台のバイクが止まった。

「紗奈!お前出るな言うたやろ」

「うちが出たんやなくてひっぱられたんやしっ」

バイクの主は曜だった。

⏰:08/12/10 21:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#123 [サな]
「うわ、曜さんやん」

「お前ら何しとんや?」

「曜さんの女?」

「お前らに関係無いやろ。ガキがしゃしゃっとんやないぞ」


‥ガキ?ってことはこいつら高1、もしくはそれより下!?


「‥てかもしかしてM市の紗奈ってM市の七瀬の元カノやない?」


1人の男が言った。

⏰:08/12/10 21:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#124 [サな]
は‥ありえん。何で今言うん‥?

曜に聞かれたやん。今日自分で話そう思っとったのに。


その言葉にみんなシーンとなった。

涙が出てきた。

人づたいに曜に知られた…

うち、どうしたらええ?


気がついたときにはうちは走って逃げていた。

もう無理やと思った。

⏰:08/12/10 21:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#125 [サな]
ちょっとだけ、ドラマみたいな展開を期待してる自分がいた。

すぐ追いかけてきてくれるって、どこかで期待してた。

でも、1人になりたい自分がいて、携帯の電源を落として、知らない土地をひとりで歩いた。

⏰:08/12/10 21:33 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#126 [サな]
公園にある時計を見ると11時過ぎだった。

どうしよう…終電も無くなった。

てか、終電11時ってはやくないか?
田舎じゃないって思ってたけどやっぱり田舎?

そんなことを考えながら、公園を出て再び歩き始めた。

…ここどこだよ。帰り道もわからん。

完全に迷子状態。

でも、歩き続けるしかなかった。

⏰:08/12/10 21:38 📱:D905i 🆔:☆☆☆


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