うまく言えない
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#176 [サな]
志乃を送って駅の外に出ると

「紗奈さんっすか?」

背の低い勘違いギャル男?みたいなのが声かけてきた。

「はい」

「俺、曜さんの後輩っす。送っていけって頼まれました」

「あ、うん。ありがとう。ごめんね」

何かこいつは絡みづらいって真剣に思った。

⏰:08/12/12 03:26 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#177 [サな]
帰る途中すごい話しかけられてたけど、喋り方がすごい気に障った。笑

だからあんまり返事してなかった。

「つきましたよぉ〜」

「ありがとー。じゃあねっ」


うちはすぐに部屋に向かった。

⏰:08/12/12 03:29 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#178 [サな]
「曜、あの人絶対おかしいよ喋り方」

「あー笑 なんか今日駅にみんな溜まってないらしくて駅から一番近い奴選んだんよな。変な奴やけどな 笑」

「おなかすいた」

「母さんが作ってくれたで。食べ〜」

曜が持ってきてくれてそれを食べた。

「曜の母さんて何しとる人?」

「今はスナックで働いとる。ずっと水商売やよ。今日なんか久しぶりに家におるから作ってもらった」

⏰:08/12/12 03:35 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#179 [サな]
「父さんは何しよん?」

「それは内緒〜ッ」

「あ、そう。兄弟は?」

「2つ上に兄ちゃん。もう家おらんけど」

「そーなんやあ」


やっぱりまだたくさんいろんな事を知らない。

もっと知っていかんとなぁって思った。

⏰:08/12/12 03:39 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#180 [サな]
そんな日が1週間くらい続き、夏休みも残り1週間。

毎日一緒にいるのに全く手を出してこない曜が不思議で仕方なかった。

「曜って実はホモとか?」

不思議に思って聞いてみた。

「は?何いきなり」

「全く手出して来んからそっち系かなあと…」

「ありえんし!てか付き合ってもないのに手出せんやろ」

⏰:08/12/12 13:01 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#181 [サな]
「でもよく我慢できるよね」

「鎖骨噛まれたときは理性飛ぶかと思ったけどね」

「すんません 笑」

「まあ俺はその辺のヤツみたいに女とおったらヤるみたいな考え方しかできんやつとは違うから」

「そか」

曜は偉いと思った。

普通のことなのかもしれないけど、うちは今までそんな人と出会ったこと無かったから。

⏰:08/12/12 13:05 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#182 [サな]
夏休みも終わりに近づく。

日が経つごとに曜の態度が変化していくのがわかる。

物にやつあたりしたり、イライラして煙草の量が増えたり…。

そんなの見てもうちはどうすることもできない。

曜も何もできない自分にイライラしてたんだと思う。

⏰:08/12/12 23:16 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#183 [サな]
「なあ曜、うちはどうしたらいいん?」

曜がうちにどうしてほしいのかわからなかった。

「俺は…出て行ってほしくない。H市におれば何もされんし、何も知られん。でも、そんなに紗奈を縛っても仕方ない。自分でもどうしたらいいんかわからんし、どうしてほしいんかもわからん…」

「うちは学校に行かないかん。家にも帰らないかんよ。やから結局はM市に戻らんといかんやん。これからは毎日一緒におれるわけやないし、うちはM市で過ごすしかないよ。」

⏰:08/12/12 23:22 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#184 [サな]
「うん。…またH市まで来てな?」

「来るよっ」

「もしなんかあったら絶対言えな?」

「うん」


うちはちゃんと学校に行く。
土日はちゃんとH市に行く。

それが条件になった。

⏰:08/12/12 23:27 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#185 [サな]
夏休みも終わり、うちはM市に帰った。

普通にいつも通りの学校生活。

土日はちゃんとH市に行った。

駅をなるべく通らないようにするために、駅から離れたところに佳基さんが迎えに来てくれる。

そんな日が何日も続いた。

…でも、そんな毎日がずっと続くわけがない。

狭いM市の中では、情報がおもしろいように回った。

⏰:08/12/12 23:50 📱:D905i 🆔:☆☆☆


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