言葉
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#105 [あい]
あたしがいる階は、ほとんど耳が聞こえない人がいる。
職員で耳が聞こえないのはあたしだけ。
他の階には老人や、体が不自由な人が集まっている。
あたしは耳が聞こえない人達と話をしたり、紙芝居を読んだり、時々ゲームをやったり過ごしている事をしゅうに教えた。
「「すごいんだな。」」
しゅうが言った。
:09/02/22 22:57 :F706i :☆☆☆
#106 [あい]
「「みんなといろんな話できるし、いい仕事だと思ってるよ。」」
「「いいな。」」
「「しゅうはやりたい仕事とかないの?」」
するとしゅうは、自分の頭に指さした。
あたしは首を傾げた。
頭?髪?…髪?
「「美容師!?」」
「「正解!」
しゅうはニコッと笑った。
:09/02/22 23:06 :F706i :☆☆☆
#107 [あい]
「「俺、髪いじんの好きでさ。友達のとかも時々切ってあげてんだぜ。」」
こうやって、あたしはまたしゅうの事を知っている。
あたしとしゅうの付き合いは順調だった。
順調だった……。
ある日の事だった。
千尋から連絡がきた。
:09/02/22 23:24 :F706i :☆☆☆
#108 [あい]
【しゅう君とはラブラブ?】
ごく普通のメールだった。
【仲良くやってるよ。また3人で遊ぼうね】
千尋から会って話したいと言われ、あたしは千尋と会う事に。
千尋は3年生になり、学校もちゃんと行ってるみたい。
「「あたし、前より学校楽しくなったの」」
嬉しそうに言う千尋。
:09/02/23 00:23 :F706i :☆☆☆
#109 [あい]
「「イジメね、前よりは全然ヒドくなくて。あたしが何か言われてる時、かばってくれる友達もできたんだ。」」
その話を聞いて、あたしも嬉しくなった。
「「もう全部しゅう君のおかげ。」」
よかったと思ってる。
でも今、しゅうのおかげって言ったよね。
…どうゆう事?
:09/02/23 00:26 :F706i :☆☆☆
#110 [あい]
「「結構しゅう君にメールで相談とかのってもらってるんだ。」」
あぁ。そうなんだ。
全然知らなかった。
あたしはちょっとショックだったな。
しゅう、何も教えてくれなかった。
あたしに千尋は何も相談してくれなかった。
「「本当しゅう君っていい人だよね。」」
なんだろう…
この先を聞くのが嫌だった。
:09/02/23 00:30 :F706i :☆☆☆
#111 [あい]
「「また3人で遊ぼうね。」」
…あたしは少しホッとした。
「「しゅう君の事が好き」」って言うのかと思ってたから。
「「早くしろよー。」」
この日はしゅうと出かける日。
:09/02/23 10:59 :F706i :☆☆☆
#112 [あい]
場所は動物園。
しゅうが行った事ないって言うから行く事に。
休みの日だから
親子、カップルなど多かった。
あたし達は手を繋いで歩いた。
何か話す時は手話をするため、繋いだ手を離す。
「「ライオンでかくね?」」
「「しゅう、はしゃぎすぎ。」」
しゅうは子供みたいにはしゃいでいた。
:09/02/23 11:03 :F706i :☆☆☆
#113 [あい]
あたしは気づいた。
手話で話すあたし達をみんなが見ている。
何?動物見なよ…
そんなに手話おかしい?
みんながジロジロ見ている事にしゅうは気づいてない。
「「あのサル、お前みたいだな。」」
しゅう…みんなが見てる。
見ながら何か言ってるよ。
何を言ってるのかわかんない。
:09/02/23 11:07 :F706i :☆☆☆
#114 [あい]
「「どうした?具合でも…」」
あたしはしゅうの手を止めた。
あたしはノートを取り出し、【みんな見てる。】って書いた。
「「だからなんだよ。」」
【みんなにジロジロ見られるの嫌だよ。】
だって嫌じゃん。
変な感じだよ…。
:09/02/23 11:12 :F706i :☆☆☆
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