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#2 [あい]
小学1年生の時、あたしは病気によって耳が聞こえなくなった。


家族と話すのは紙に書く。

あたしが書いたら家族も書き返す。そんな会話。

中学生になった時手話を覚えた。毎日練習した。

⏰:09/02/07 13:11 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#3 [あい]
でも耳の聞こえない人達が通う学校。
友達はみんな耳が聞こえない人ばかり。

「あいおはよう。」

手話の会話で毎日が始まる。


高校受験の時、家族と話し合いあたしは高校を行かない事にした。


ボランティア。
耳が聞こえない人達と話にいく。
あたしは毎日そこに通う事にした。

紙芝居を作り手話でそれを伝える。
手話で手が疲れるくらいまで話をした。

⏰:09/02/07 13:16 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#4 [あい]
ある日夕方に家に帰ってる時だった。

歩いていたら1人の男の人がぶつかってきた。


あたしの顔を見ながら何かを言っている。
ちょっと怒ったような顔をしている。


短髪で髪をワックスで整え、制服を着ている。
ちょっと綺麗な顔をしているその人。


高校生?
タメぐらいかな?あたしはそう思いながら彼を見た。

⏰:09/02/07 13:21 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#5 [あい]
この人は何を言ってるんだろう…

あたしはノートを取り出しペンで書いた。


「ごめんなさい。」

ノートを渡した時、彼は不思議そうな顔をしていた。

「お前喋れねぇの?」

ゆっくり喋ってきた彼。
口の動きで何となくわかった。



あたしは頷いた。

⏰:09/02/07 13:25 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#6 [あい]
「耳が聞こえない。」

あたしはまたノートに書き彼に見せた。


驚いた感じの表情。

彼があたしからノートとペンを取って、何か書き始めた。


「俺、耳聞こえないやつ初めてなんだけど!」


その人の字はものすごくでかかった。

下に
「ぶつかってわりぃな。気をつけろよ。」

と書いてあった。


彼の顔を見たら

「じゃあな。」って手をあげて走って行ってしまった。



急いでるんだろうな…

これがあたしとしゅうの出会い

⏰:09/02/07 13:30 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#7 [あい]
あたしはその日の夜ノートを見ていた。

「道聞いてもいいですか?」

この文字を見せても
いつもあたしは素通りされる。



「ごめんなさい。」

あの人は素通りしなかった。
もっと嬉しかったのは
その人もノートに書いて答えてくれた。



初めての事だったから
すごい嬉しかった。

⏰:09/02/07 13:37 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#8 [あい]
それから数日過ぎた。
あたしはいつものようにボランティアが終わり

家に向かってる時だった。

肩を叩かれたから振り向いたら
あの時の人だった。
今日も制服を着ていた。

後ろには友達もいて、
学校帰りなのだろう。

手を上げて

「よぉ。また会ったな。」

って言っていた。



あたしは頷いた。

⏰:09/02/07 13:49 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#9 [あい]
「言ってる事わかんの?」

彼はそう言った。


あたしは笑いながらノートに書いた。


「口見れば何となくわかるよ。だからゆっくり喋って?」


そしたら…

「わかった。俺の名前はしゅう。お前は?」


「あたしはあい。」

ノートを見ながらしゅうは手でOKとやっていた。


友達の名前はこうすけ。
こうすけも不思議そうにあたしのノートを見ていた。

⏰:09/02/07 14:27 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#10 [あい]
しゅうとこうすけは
あたしの家から近い高校に通う1年生。

あたしとタメだった。


こうすけは彼女と待ち合わせをしてると言い
あたし達と別れた。


「帰らないの?」

ノートに書きあたしはしゅうに見せた。

するとしゅうは頷いた。

「ちょっと話そうぜ。」

あたし達は駅前のマックに移動した。

⏰:09/02/07 22:59 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#11 [あい]
しゅうは本当に綺麗な顔をした人だった。

あたしがわかるように
ゆっくりゆっくり話してくれた。

口は悪いけど、悪い人ではないってわかったよ。

「彼女いないの?」

あたしは聞いた。

「いるわけねぇだろ。いたらあいと今話してねぇよ。」


笑ってしゅうは言ってたけど…

それが嘘って事はすぐ知っちゃったんだよね。

⏰:09/02/07 23:05 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#12 [あい]
「アド交換しない?」

しゅうが言ってきてあたし達はお互いのアドを教えた。

耳が聞こえる友達。
小さい時にしかいた事がないから
あたしはすごく嬉しかったんだよ。

耳が聞こえなくなった時から出来たのはみんな耳が聞こえない人。


それが嫌な訳じゃないけど
あたしはいつの日か
耳が聞こえる人は遠い人って感じてたから…


しゅう…本当に嬉しかったんだよ。

⏰:09/02/08 00:58 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#13 [あい]
しゅうは毎日メールをくれた。

学校であった事、バイトの事、しゅうの趣味、嫌いな食べ物。

いろいろしゅうは教えてくれた。




その日あたしは休みだった。
日曜だったため、学生は休み。
町には私服でいる学生っぽい人達がいっぱい。

⏰:09/02/08 01:06 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#14 [あい]
あたしは本屋にいた。
雑誌を見ながらふっと窓を見るとしゅうがいた。


女の子と手を繋ながら。

あれ?彼女いないって言ってなかったっけ?

最近できたのかな?

あたしはそう思ってた。

でも何だか切なかった。

⏰:09/02/08 01:16 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#15 [あい]
しゅうはノートに書いてでしか、手話でしか話せないあたしを避けないでくれた人。

仲良くなった人。


何でだろう〜…
わかんないけど何か悲しい。



その日しゅうから
いつものようにメールがきた。

⏰:09/02/08 01:19 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#16 [あい]
【今日マジで暇だった。ずっと家にいたし。】


嘘つき…
あたしは返さなかった。


【シカトか?てか俺、手話練習する事にしたから。】


またきたしゅうからのメール。びっくりした。


【どうして急に?】

【お前ともっともっと話したいから。】

こんな事言うの…ずるいよね。

⏰:09/02/08 01:27 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#17 [あい]
しゅう、あたし知ってるんだからね。
彼女がいる事…
手繋いで歩いてるの見たんだからね…


胸が締め付けられるような痛み。
何故かわからないけど
痛かった…



これが恋って気づくのに
そんな時間かからなかった。

⏰:09/02/08 01:34 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#18 [あい]
もうすぐで夏。

【今から会おうぜ?】

しゅうからのメールであたし達は会う事に。


場所は駅近くの公園。
あたしが着いた時にはもうしゅうがいた。


「こんばんわ。」

手話であたしにそう言ってきたしゅう。

「こんばんわ。待った?」

あたしも手話で返す。
しゅうは横に首を振った。

⏰:09/02/08 01:37 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#19 [あい]
「ごめん。まだそんな覚えてねぇから、わかんない時は口見て?」


あたしは頷いた。

「ねぇ、しゅう彼女いるんでしょ?」

あたしは聞いた。

「えっ?ごめん、わかんねぇ。」


あたしはノートに書いた。


それを見たしゅうは

「何で?」

って手話で聞いてきた。

⏰:09/02/08 01:41 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#20 [あい]
「「…」」←手話
「…」←手話なし
【…】←メール

カッコこれにします

⏰:09/02/08 01:42 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#21 [あい]
【…】ノートもこれで。

⏰:09/02/08 01:44 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#22 [あい]
【あたしこの前見た。しゅうが女の人と手繋いで歩いてるの。】

「「そっか。」」


【最近できたの?】


しゅうは下を向く。

あたしは肩を叩き、しゅうはあたしを見る。

「「前からなの?」」


あたしが聞くとしゅうは頷いた。

⏰:09/02/08 01:47 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#23 [あい]
「「何で嘘付くの?」」

「「何でかな…。何となくだよ。」」


手慣れてないからかな。しゅうは間違えながら手話であたしに言った。

「「意味わかんないよ」」


「〜…………」

しゅうは何か言っている。
手話無しで、しかも口の動きが早くてわからなかった。

⏰:09/02/08 02:00 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#24 [あい]
「「何?ゆっくり喋って。わかんない。」」


そしたらしゅうは言ってきた。

「彼女いるって言ったらお前アド交換してくれなかっただろ?」


しゅうはあたしの目をじっと見ている。

⏰:09/02/08 10:29 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#25 [あい]
「お前と仲良くなりたかったんだよ。耳が聞こえない奴、手話練習する。全部初めてで…」


しゅうは言うのやめた。

「「何?」」

でもしゅうは何も言わない。

「「何?」」

あたしはまた聞いた。
そしたらしゅうは…


「「俺何かドキドキしてんだよ。」」

⏰:09/02/08 10:40 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#26 [あい]
胸が痛い…
ドキドキしてるのはあたしの方だよ。

「「俺、もっとあいの事知りたい。」」


何て言っていいのかわからない。

「「俺、彼女と別れるよ。」」

「「待って!!それはあたしの事好きって事?」」


あたしは何を言ってるんだろう。
すごく恥ずかしかった。

⏰:09/02/08 15:38 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#27 [うた]
頑張ってください。

⏰:09/02/08 23:21 📱:SH905i 🆔:o8HLUpm.


#28 [あい]
うたさん

ありがとうございます

⏰:09/02/09 00:12 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#29 [あい]
「「何言ってんだよ!」」

焦った感じのしゅう。
そりゃあいきなりこんな事聞かれたら焦るし、困るよね。


「「ごめん」」

あたしは謝った。

そしたらしゅうは困ったような顔で髪をくしゃくしゃにかき、あたしを見た。


「好きと言うか、今は気になる存在。」

⏰:09/02/09 00:15 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#30 [あい]
しゅうの口はハッキリそう言っていた。

"気になる存在"


初めて男の人にそう思ってもらえた。

あたしはしゅうに聞いた。

「「彼女とどれぐらい付き合ってるの?」」



しゅうはノートを取り書き始めた。




【1年半】

⏰:09/02/09 00:19 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#31 [あい]
あたしは少しショックだった。
1年半…

あたしは彼氏ができた事がないから、その長さにもびっくりした。


「「やっぱ嘘でしょ?」」

「「何が?」」


「「あたしの事気になるって事。」」



しゅうは返事を返してこない。

ちょっとして、しゅうが手を動かした。

⏰:09/02/09 00:26 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#32 [あい]
「「何でお前そんな事言うの?」」


しゅうは怒ってた。
どうしよう〜…何て言えばいいんだろう。

わかんないのか、しゅうは手話を止めてゆっくり話し出した。


「どんな想いで俺がお前に気になるって言ったと思ってんだよ。嘘?ふざけんな。」


そのまましゅうは鞄を持って店を出て行った。

⏰:09/02/09 00:33 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#33 [あい]
間違えました。

鞄を持って公園を出て行った。

⏰:09/02/09 00:35 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#34 [あい]
謝らなきゃ。
でもあたしはその場から動けなかった。

しゅうが行っちゃってから1時間ぐらいは公園にいたと思う。


帰ろう。帰ったらメールを送って謝ろう。



そう考えてた時…

⏰:09/02/09 22:30 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#35 [あい]
前から走って来る人。
しゅうだった…

息をきらしている様子。


「「ごめん。」」


しゅうは手話で謝ってきた。

「「何でしゅうが謝るの?」」


「女1人残して俺だけ行っちゃって。」


あたしは首をふった。

⏰:09/02/10 07:53 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#36 [あい]
「「ごめんね。あたしひどい事言った。」」

あたしは手話を続けた。


「「でも思うの。そんな長く付き合ってる人がいるのに、あたしを気になるって…」」


「「早くない?って聞きたいんだろ。」」


あたしの話がまだ終わってないのに
しゅうが手話で言ってきた。

⏰:09/02/11 09:19 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#37 [あい]
「「確かにお前と俺、知り合って全然時間たってねぇ。彼女の事本気だったよ。」」


慣れない手話。
間違えながらもしゅうはあたしに伝える。

「「でも、お前と会ってからずっとお前の事ばっか考えてる。気になってるって気づいた。」」



あたしはしゅうを見た。

⏰:09/02/11 09:24 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#38 [あい]
恥ずかしそう…
またあたしは胸が痛くなってきた。
ドキドキしてる。

「「好きとか、気になるとかに早い、遅いとか関係ないと思う。」」


どうしよう…


「「だから、あいの事いっぱい知りたい。仲良くなりたい。」」


そんな嬉しい事言わないで…

「「俺は彼女と別れる。」」

⏰:09/02/11 09:28 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#39 [あい]
泣きそう。
あたしは泣かないよう我慢した。


「「だから、お前にメールしていいよな?遊び誘ってもいいよな?」」

あたし…


「「今言った事嘘じゃねぇから。」」



しゅうが好き。

⏰:09/02/11 09:33 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#40 [あい]
しゅうは本当に彼女と別れた。
しゅうとはいっぱい会うようになった。

「「お前バカかっ。」」

しゅうの口癖。

「「恥ずかしいから。」」

照れたり、恥ずかしい時には頭をかく。


「「もうちょっといよう。」」

⏰:09/02/11 10:25 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#41 [あい]
ちょっと甘えん坊のしゅう。


あたしはどんどんしゅうの事を知っていった。

それに、どんどんしゅうの事を好きになっていった。



しゅうと出会って、季節はもう冬。
もうすぐでクリスマス。
町はイルミネーションで綺麗だった。

⏰:09/02/11 10:28 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#42 [あい]
12月25日、クリスマスはしゅうと過ごす事になった。

24日はあたしはボランティアでクリスマス会をやる。
サンタの格好をして、ケーキを食べたり、あたしが作った紙芝居などを見せる。


しゅうはバイト。
ピザ屋でやっていて、配達が大変になるかもって言ってた。

しゅうはどんどん手話を覚えていって、もうほとんどの会話は手話でできるようになった。

⏰:09/02/11 19:23 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#43 [あい]
あたしはこの日クリスマスにあげるプレゼントを買いに来ていた。

あたしはもう決まっていた。


ピアス…

しゅうはピアス集めが趣味だったから、あたしはピアス売り場に来ていた。



どれにしよう…
悩んでる時、1人の人が見ているピアスに目がいった。

⏰:09/02/11 19:26 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#44 [あい]
見ている人と目が合った。


「ごめんなさい。見てどーぞ。」

口の動きでわかった。


あたしはノートに

【ありがとうございます。そのピアスいいですね。】


その人はノート見て手話で言ってきた。


「「耳聞こえないの?」」

⏰:09/02/11 19:29 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#45 [あい]
「「手話できるんですか?」」

あたしも手話で返す。


「「うん。お母さんが耳聞こえないから。プレゼント探し?」」



あたしは頷いた。


「「じゃあ一緒に見ない?」」

⏰:09/02/11 19:32 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#46 [あい]
彼女が見ていたピアス。
見た瞬間にこれにしようと思った。


しゅうは左に2個付けてるからそのピアスともう1つ別のを買った。

プレゼント用に箱に入れてもらい可愛いラッピング。


店に出て、彼女にお礼を言って帰ろうと思った。


「「よかったら話さない?」」

⏰:09/02/11 19:39 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#47 [あい]
あたし達は喫茶店に入った。

彼女の名前は千尋。
1つ上の高校2年生。

「「彼氏にプレゼント?」」

袋に指差し、聞いてきた。


「「違うよ。彼氏じゃないけど、男の人。」」


「「そっか。何かいいね。その人の事好きなの?」」


あたしは頷いた。

⏰:09/02/11 21:33 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#48 [あい]
「「明日過ごすの?」」

「「はい。」」


千尋はケーキを食べながら、いいね、いいねって。


「「千尋ちゃんは彼氏いないの?」」


「「いないよ。でも、好きな人はいるんだ。その人にあげようと思って。」」


千尋もピアスを買っていて、それを見ながら嬉しそうに言ってた。

⏰:09/02/11 21:43 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#49 [あい]
「「絶対喜ぶよ。頑張って!」」

ちょっと悲しそうな顔をする千尋。


「「どうしたの?」」


「「好きな人と話した事ないの。」」


千尋の話はこうだった。
その人は違うクラスの人で、サッカー部のエース。
そりゃあモテる人で、高校入学してすぐ一目惚れしてずっと好きなんだって。

⏰:09/02/11 22:19 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#50 [あい]
「「いつも休み時間にはその人の周り女の子ばっかでね。話かけらんない。」」

「「でもプレゼント買ったんだし、渡さなきゃ。」」



「「あたし頑張る!!あいちゃん、ありがとう。」」


それからもいろいろ話してアドレスを交換して、あたし達は別れた。

⏰:09/02/11 22:38 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#51 [あい]
25日。
待ち合わせ場所に着いた時、しゅうはバイクに乗って待っていた。


「「ごめん。待った?」」

「「超待った〜。」」

「「本当?」」


「「嘘だよ。バーカ。」」



ニコッとしゅうは笑い、あたしの髪をくしゃくしゃにしてきた。

⏰:09/02/12 21:32 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#52 [あい]
スポッとしゅうは、あたしにヘルメットを被せてきた。

あたしは嬉しくて、下を向いた瞬間ヘルメットが下に落ちてしまった。


「「わりぃ。いつも男ばっか乗せてるからデカいな。」」

そう言うと、しゅうが顔を近づけてきて、ヘルメットの調節をしてきた。


「「待って!!ヘルメット取るよ。」」

⏰:09/02/12 21:38 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#53 [あい]
「「お前バカかっ。ヘルメット被りながら調節した方がいいに決まってんだろ。取って調節して、次キツかったらどうすんだよ。」


「「そっか。」」


しゅうの顔が近い。
恥ずかしかった。

調節が終わり、次は頭を振っても落ちない。ピッタリ!!


「「ありがとう。」」


「「いいよ。てか、恥ずかしかったの?」」

⏰:09/02/12 21:46 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#54 [あい]
何でそうゆう事聞くかな…。


「「なわけないでしょ。」」

「「本当かよ〜」」

ニヤニヤしながらしゅうは言ってた。

「「とりあえず行くぞ。」」

そう言ってしゅうはバイクにまたがった。
あたしは正直バイクに乗りたくなかった。

乗りたくないというか、乗るのが怖かった。

⏰:09/02/12 22:47 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#55 [あい]
バイクに乗った事がないし、耳が聞こえないから不安だった。

道路には沢山の車やバイク。


「「どうした?」」


でもバイクでしゅう来ちゃったし。勇気出してみよう。

「「バイク怖い?考えてみれば、あいは怖いに決まってるよな。しかも寒いし。ごめん、俺バカだわ。」」

⏰:09/02/12 22:55 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#56 [あい]
「「大丈夫。あたし乗るよ。」」

「「でも…」」

あたしはバイクの後ろに乗った。


「「怖いし、初めてだから、安全運転ね。」」

あたしがそう言ったら、バイクに捕まってたあたしの手を取り、しゅうのお腹らへんに持ってった。


「俺に掴まっとけ。」

口の動きでわかったよ。
そうしゅうは言っていた。

⏰:09/02/13 18:34 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#57 [あい]
寒い、怖い!!!!!
本当に安全運転!?

あたしはしゅうに言いたかった。でも言えない。


だからあたしは、文句の代わりに叩いた。



しゅうに掴まってる時、バイクが怖かったけど、ドキドキもしてたんだよ。



着いたのは、街灯がまったくない所。

⏰:09/02/13 18:39 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#58 [あい]
「「ここ何?何にもないじゃん。」」


「「いいから。ここからはちょっと歩くぞ。暗くなってきたから気をつけろ。」」


ちょっと歩いた先はさっきの場所よりは街灯があった。


あたしはある事に気付き走った。


止まり、辺りを見ると街の灯りで輝く光景。



「「すごい。綺麗だね。」」

⏰:09/02/13 19:05 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#59 [あい]
「「ここ、最近見つけてさ。あいに絶対見せたくて。俺の秘密の場所。」」


暗くなっていく度に、さっきよりも、さっきよりも、どんどん綺麗さが。

あたしはずっと見ていた。


すると後ろからしゅうが、自分がさっきまで巻いていたマフラーをあたしの首に巻いてきてくれた。


「「寒いだろ。巻いてろ。」」

「「ありがとう。」」

⏰:09/02/14 13:35 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#60 [あい]
するとしゅうはあたしを抱きしめてきた。

ちょっとの間そのまま。
冷えた体が温まる。


しゅうは離れ、手話を始めた。


「「ごめん。こんな事して。」」


あたしは首を振った。
それから気まずい間。
あたしは思い出し、鞄からプレゼントを出した。

⏰:09/02/14 13:41 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#61 [あい]
しゅうに差し出すと、

「「もしかしてクリスマスプレゼント?」」


袋から箱を出し、リボンを取り、箱を開けたしゅう。

「「ピアスだ!!まじ嬉しい。ありがとう。」」



しゅうは付いてるピアスを取り、あたしがあげたピアスを付けた。


「「大事にするな。毎日これ付ける。」」


「「喜んでもらえてよかった。」」

⏰:09/02/14 13:45 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#62 [あい]
「「でも、俺何も用意してねぇ。そうゆうの苦手で。何か欲しいものあるか?」」


「「いいよ別に。今日しゅうと過ごせるだけで、嬉しいもん。」」



あたしがそう言うと、頭をかくしゅう。

「「お前バカかっ。」」

しゅうが恥ずかしい時や照れる時にやる癖。

恥ずかしいのかな?
言ったあたしも少し恥ずかしくなった。

⏰:09/02/14 16:43 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#63 [我輩は匿名である]
頑張って下さい(´ω`)
更新楽しみにしてます。

⏰:09/02/14 22:14 📱:SH903i 🆔:dG16cu1s


#64 [あい]
<<63 我輩は匿名である

ありがとうございます
あとでまた更新します。

⏰:09/02/15 00:21 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#65 [あい]
あたし達はそれから、ご飯を食べに行った。

それからゲームセンターに行き、UFOキャッチャーをやったり、コインゲームをやったり。


こんな楽しいクリスマス初めてだから。

初めて男の人とこうゆう風に遊ぶのも初めてだから。



しゅうでよかった…。

⏰:09/02/15 01:19 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#66 [あい]
「「そろそろ帰るか。送ってくから。」」


そうしゅうが言い、あたし達はバイクがある所に向かっていた。



「「ねぇ、勝負しよ。バイクがある所まで競走すんの。」」


「「上等じゃねぇか。」」

しゅうは上着を捲り、気合い十分。


「「よーい。どん!!」」

しゅうが走り出した。

あたしはある人に気付き、足を止めた。

⏰:09/02/15 01:23 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#67 [あい]
あたしが気付いたのは、千尋だった。
男の人と一緒にいる。

クリスマス…男の人…
もしかして千尋が好きな人じゃないかな。


誘ったんだ。



あたしが見ていると、頭をポンとされ、振り向いたらしゅうがいた。


「「お前、何が勝負だよ。俺だけ走ってバカみたいじゃん。」」

⏰:09/02/15 11:38 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#68 [あい]
しゅうも千尋の方を見た。

「「何?知り合い?」」


「「うん。男の人、たぶんあの子が好きな人だと思う。プレゼント買ってたから、渡すんだよ。話かけられないって言ってたけど、勇気出したんだね。」」


あたしがまた千尋の方を見た時、千尋はその人にプレゼントを差し出していた。



でも…
その人は受け取ったと思ったら、地面にプレゼントを落とし、千尋に何か言っている。

⏰:09/02/15 11:45 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#69 [あい]
千尋は泣いていた。

するとしゅうが2人の所に行き、地面にあるプレゼントを取り、男に渡して何か言っている。


あたしも2人の所に行ったら、千尋があたしの方を見た。



しゅうとその人は何か言い合っている様子。

あたしがしゅうの裾を掴もうとした時だった。


しゅうがその人の胸ぐらを掴んで殴ろうとした。

⏰:09/02/15 19:50 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#70 [あい]
しゅうがあたしを見て、手を止めた。

「「わかんないけど、暴力はダメだよ。」」


「「でもこいつ、その人のなんかいらねぇ。汚いとか言ってんだぞ。」」



あたしは男を見た。

「キモいんだよ。そいつ。」

口の動きでわかった。

⏰:09/02/15 19:54 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#71 [あい]
あたしは千尋の手を取り、歩いた。
千尋が止まり、あたしとしゅうに言った。


「「2人ともごめんね。変なとこ見られちゃった。」」


千尋は泣く。
あたしはタオルを渡した。
そこで千尋は泣き崩れていた。


あたしとしゅうはただ…
千尋が泣き止むのを見ているだけだった。

⏰:09/02/15 19:57 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#72 [あい]
千尋は泣き止み、あたし達に何回も謝ってた。
謝る事ないのに…

今にもまた泣き出してしまいそうな千尋を見て、あたしは悲しかった。


あたし達はお店に入り、千尋の話を聞く事に。



「「あいもしゅう君も本当ごめんなさい。せっかくのクリスマスなのに。」」


「「いや。てか、千尋さん平気なんすか?」」

千尋は頷き、高校の話をし始めた。

⏰:09/02/15 21:30 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#73 [あい]
「「あいには言ったけど、あたしのお母さんが耳聞こえなくて、その事でイジメにあってるの。」」


あたし達は千尋の手の動きをちゃんと見た。


「「授業参観に来たら、もちろん手話で会話。みんなそれを変な目で見てね。あたしの性格、暗い方だから、それでもイジメられてて。だから好きな人にも話かけられなかった。でも、今日部活だったみたいだから学校行って話かけたの。プレゼント渡したくて…思い伝えたくて。」」


また千尋は泣き出してしまった。

⏰:09/02/15 21:36 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#74 [あい]
「「…ずっと好きだった人だから。頑張って誘ったけど、お前に呼ばれるとかついてない、まじキモい。って言われちゃって。プレゼントも落とされちゃったし。話かけない方がよかったね。」」


「「そんな事ないよ。」」


手を動かしたのはしゅうだった。


千尋はあたしが渡したタオルを口に当て、しゅうを見る。

⏰:09/02/15 21:39 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#75 [あい]
「「好きな人誘う、思い伝えたい。そうゆう想いって、いい事じゃん。話かけない方がよかったとか言うなよ。」」


千尋は泣きながらしゅうを見る。


「「キモいって言ってたけどさ〜来る男も男だろ。余計傷つけて最低だよ。」」


しゅうって本当優しいんだな〜。

あたしも千尋に何か言ってあげなきゃ。

⏰:09/02/17 20:11 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#76 [あい]
「「あの人最低だよ。千尋ちゃんの事傷つけて。」」


「「しょうがないよ。あたしイジメられてる奴だし。そんなあたしを嫌うのは当たり前だよ。」」


千尋はまた泣きそうになっていた。


「「みんながイジメてるから、周りも合わす、嫌う。絶対よくないと思う。千尋ちゃん、わかったでしょ?あの人はそうゆう人なんだよ?それでもまだ好き?」」


千尋は首を振った。

⏰:09/02/19 20:28 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#77 [あい]
「「嫌だ。あたしバカだった。顔で騙されてたよ。」」


「「あんな男忘れて、次の恋だよ。絶対そっちの方がいいよ。」」

しゅうが千尋にそう言った。


しゅうがトイレに行ってる時だった。


「「しゅう君いい人だね。」」

って千尋が言ってきた。


あたしはまだ気づいてなかった。
千尋の次の恋の相手がしゅうって事に。

⏰:09/02/19 20:37 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#78 [あい]
1月1日。

あたしとしゅうは初日の出を見に来ていた。
千尋も一緒に。


あの日から、クリスマスの日からしゅうと千尋は、仲良くなった。


3人でいる事が多くなり、しゅうと千尋はメールも始めたみたい。



あたしはそれに対して特にヤキモチなど妬いてなかった。

⏰:09/02/20 07:53 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#79 [あい]
しゅうとは付き合ってる訳じゃないし、千尋はとても大事な友達。

3人でいるの楽しいし全然よかった。


「「夕方も集まらない?」」


初日の出を見終わった後千尋が言い出した。


「「いいね。それまでみんな家で1回寝よ。綺麗だったけど、あたし眠い。」」


寒いし眠いし
あたしは限界だった。

⏰:09/02/20 07:56 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#80 [あい]
「「ごめん。今日はあいと2人で会わせてくれない?」」

隣で言ってきたのはしゅう。
千尋はちょっと寂しそうな顔をして、ごめん、いいよって。



………


千尋と別れ、家の前までしゅうに送ってもらった。


「「起きたらメールして。準備したら迎え行くから。」」

⏰:09/02/21 22:24 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#81 [あい]
あたしはしゅうを見た。


「「ごめん。今日無理?しんどいよな?」」

あたしは首を横に振った。


「「そうじゃないけど、千尋ちゃんいたら嫌なの?」」


「「嫌じゃねぇよ。ただ最近3人ばっかじゃん。たまには、あいと2人で会いたい。」」


そうだ…。
全然2人でいなかったね。

⏰:09/02/21 22:27 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#82 [あい]
「「ごめん。今日は2人で遊ぼ。起きたらメールするね。」」



あたしがそう言ったらしゅうが抱きしめてきた。

クリスマス。
あの日も抱きしめてきたよね。


ちょっとしてしゅうは離れ、手話を始めた。


「「俺、あいが好き。」」

⏰:09/02/21 22:30 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#83 [あい]
しゅうからの告白。
初めての告白。

何て言っていいのかわからなかった。

…嬉しかった。本当に。


「「付き合って?」」



でもあたしには1つだけ不安があった。
あたしの耳の事だった。

「「あたし耳聞こえないよ?いっぱい苦労するよ?」」

⏰:09/02/21 22:37 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#84 [あい]
「「大丈夫なんだけど。」」

少しの見つめ合い。


「「耳が聞こえない奴が珍しくて好きになったわけじゃねぇし、俺マジなんだ。」」



泣きそうになった。
あたしは頷いた。

「「お願いします。」」


あたしがそう言うと、しゅうはニコッと笑って

「「上目使いやめろよ。」」

あたしが好きな笑顔に言ってた。

⏰:09/02/21 22:42 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#85 [あい]
あたしが好きな笑顔で言ってた。

の間違いです

⏰:09/02/21 22:48 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#86 [あい]
親を朝早く起こて頼んで、しゅうを家にあがらせた。


両親は2人とも以外と簡単に許してくれた。

あたしの部屋に入り、ベッドに入った。


入った瞬間眠さがMAXまできてしまい、あたしはすぐ寝れるとこだった。


でも…しゅうがなかなか寝かせてくれない。

目をつぶると頭をポンと叩いてきたり、くすぐってきたり。

⏰:09/02/21 22:52 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#87 [あい]
「「ちょっと!寝かせてよ。寝てないから眠いの!普通なら今、起きる時間なんだからね。」


「「ごめん。あいと付き合えて嬉しすぎて寝れないんだもん。」」


……。
可愛い事言ってる。



「「あたしも嬉しいよ。」」

あたしがそう言うと、しゅうはキスをしてきた。
初めてのキス。

⏰:09/02/22 00:33 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#88 [あい]
あたしは恥ずかしくて、しゅうに背を向けて頭まで布団をかけた。


するとしゅうは後ろから抱きしめてきて、あたしは恥ずかしさが増して何の反応もできない状態だった。



どうしよう…
このままの体制で寝る?
寝れないよ!
とりあえずしゅうの方向こうかな?


あたしはゆっくりとしゅうの方に体を向けた。

⏰:09/02/22 00:37 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#89 [あい]
しゅうの顔を見たら、しゅうは寝ていた。

寝れないんじゃないの?
まっ!いっか!


しゅうが彼氏。初めての彼氏。
それがしゅう。
あたしは嬉しくてにやけてた。



「好き」

言われるとこんなに嬉しいんだな〜
そんな事を考えながら眠りについた。

⏰:09/02/22 00:56 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#90 [あい]
目が覚めたらもう夕方だった。
お正月だから、おせち料理がたくさん。

あたしがリビングに行った時には、しゅうはすでにおせち料理を食べていた。


「「いつ起きたの?」」


口をもぐもぐさせながらしゅうは手話をやった。


「「30分前ぐらい。本当さっきだよ。」」


「「起こしてくれればよかったのに。」」

⏰:09/02/22 12:34 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#91 [あい]
「「寝たの朝だから無理矢理起こすのは悪いって、しゅう君起こさなかったのよ。」」


ママが言ってきた。

よく見れば、しゅうはママとパパと仲良さそうに話している。


何を話してるのかな?

……しゅう笑ってる。



後ろから思いっきり頭を叩かれた。
振り返ると、あたしの弟が立っていた。

⏰:09/02/22 12:39 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#92 [あい]
弟は1つ下の中学3年生。
名前はたくみ。


「「痛いな!!」」

「「邪魔なんだよ。」」


口悪いし、生意気だし、でも憎めない可愛い弟。

「「お前の彼氏?」」


たくみがしゅうを見て聞いてきた。



「「どうも。たくみ君でしょ?あいから話聞いた事ある。」」

⏰:09/02/22 12:45 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#93 [あい]
「「はじめまして。」」


これがしゅうとたくみの初対面。



あたし達も席につき、5人でおせち料理を食べた。

しゅうとたくみが仲良くなるまでは、全然時間がかからなかった。


しゅうはすぐに、あたしの家族と仲良くなれたんだ。

「「しゅう君は何人家族なの?」」


ママがしゅうに聞いた。

⏰:09/02/22 12:49 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#94 [我輩は匿名である]
読んでます。
がんばってください!

⏰:09/02/22 13:15 📱:P903iX 🆔:32RncKiY


#95 [あい]
>>94 我輩は匿名である

ありがとうございます
また夜更新します。

⏰:09/02/22 15:22 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#96 [あい]
「「俺んちは母親と俺2人家族です。」」


あたしは箸を止めた。
…2人家族?

「「俺が小さい時に離婚して。最近母親に新しい男が出来て、全然家帰ってきてないから、基本1人だけど。」」


笑いながらしゅうは言ってたけど、何か寂しそうだった。

「「まだ一緒にいない?」」

しゅうはよく遊んでた時言ってた。
家に帰るのが嫌だったんだろうな。

1人で寂しかったんだろうな。

⏰:09/02/22 20:38 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#97 [あい]
「「それは寂しいでしょ。いつでも家に遊び来ていいわよ。」」

そう言ったのはママだった。
パパも隣で頷いていた。

「「いいんですか?」」


「「いいよ。あたしもきてほしい。」」



そう言うと、しゅうは嬉しそうにありがとう、ありがとうって。

その日、しゅうは家に泊まってった。

⏰:09/02/22 20:55 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#98 [あい]
部屋でのんびりしてる時だった。


「「いいな。お前の家族。母ちゃん父ちゃん優しいし、たくみ君面白いし、気合うし。……てか仲いいよな。」」



また寂しそうな顔をするしゅう。




「「しゅう…寂しかったよね。お母さんが帰ってこなくて…1人で。」」

あたしを見るしゅう。
今まで見た事がないような目だった。

⏰:09/02/22 21:48 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#99 [あい]
いつも見ていたしゅうじゃない。
今にも泣き出しそうなしゅう。


「「別に寂しくねぇよ。俺今高1だぞ?1人暮らしみたいで楽しいし、自由だしよ。あっちは新しい男に夢中だから、俺なんかどうでもいいだろうし、学費払ってるし、生活費もちゃんと渡しにくるから、それでいいんだよ。」」


よくないよ…
学費払ってるからいい?
生活費渡しにくるからいい
わからない…

⏰:09/02/22 21:55 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#100 [あい]
高1って言っても、全部が全部1人で出来るわけじゃない。

絶対に寂しいに決まってる。
何で強がるの…?


「「生活費渡しにくる時は、ちょっと話してるし、全然大丈夫だぜ。」」


「「いつでもあたしの家、来ていいんだらかね。」」


「「ありがとう。」」

⏰:09/02/22 22:02 📱:F706i 🆔:☆☆☆


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