言葉
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#215 [あい]
しゅうの夢は美容師。
3年生になると進路の事でいっぱい。
しゅうは、専門学校に行く予定だった。
あたしは変わらず施設で仕事をしていた。
5月になり、手術1ヶ月前。
この5月だった。
あたしがしゅうから離れていったのは。
休みの事だった。
あたしはしゅうの家に遊びに行った。
もうすぐで着くって時に、しゅうからメールがきた。
【母さん来たんだけど、もう着いちゃう?】
:09/03/07 01:59 :F706i :☆☆☆
#216 [あい]
どうしよう。
もう目の前だよ…。
【まだ着かないよ。】
あたしは嘘をついた。
何か話でもあんのかな?
あたしは、どこかで時間を潰そうと思ってた時、しゅうが家から出てきた。
あたしの所に来た。
「「いるじゃん。嘘付かなくていいのに。入れよ。」」
「「お母さんと話してるんじゃないの?」」
しゅうは微笑んで言った。
「いい話。」
あたし達は家に入った。
:09/03/07 02:04 :F706i :☆☆☆
#217 [あい]
しゅうのお母さんが座っている。
「「いい話って何?」」
「「母さんが、一緒に暮らさないかって。」」
何で突然そう言ってきたのかはわからない。
でも再婚相手の人もそう言ってるみたいで、それを伝えに来たらしい。
新しい生活のために手放す。
そうしゅうのお母さんは言ってたのに、やっぱ一緒に暮らしたいんだね。
あたしはそう思っていた。
嬉しそうに説明をしてるしゅう。
:09/03/07 02:22 :F706i :☆☆☆
#218 [あい]
何かしゅう、可愛いな。
あんなに1人で大丈夫とか、強がってた事言ってたのに。
嬉しいに決まってるよ。
お母さんを見た時、紙に何か書いている。
その時、あたしの中で嫌な事を思い出していた。
【しゅうと別れて】
前に書かれた事がある。
そして渡された。
嫌な予感がした。
紙を渡された時、あたしはショックだった。
:09/03/07 02:34 :F706i :☆☆☆
#219 [あい]
【しゅうと別れてください。】
またこの言葉だった。
あたしは紙を見たあと、しゅうのお母さんを見た。
「いい?」
しゅうのお母さんが聞いてきた。
「「おい、何だよそれ!」」
しゅうが言う。
「しゅうは、受験生になったの。負担になりたくないでしょ?」
「「別にあいは負担になんかなってねぇよ。」」
あたしは泣きそうになった。
:09/03/08 12:36 :F706i :☆☆☆
#220 [あい]
「あんた、耳が聞こえない子とずっと付き合う気?大変よ。あたしだって、耳聞こえない子と接するのは難しいし、上手くもやっていけない。」
お母さんの口の動きを見るのが辛かった。
「別れないなら、一緒に住むのも無しね。」
「「何だよそれ。じゃあ住む話は無しでいいよ。あいと別れるのはやだ。」」
あたしはしゅうを見た。
「「何言ってんの。それはダメだよ。」」
あたしはしゅうに言う。
:09/03/08 12:41 :F706i :☆☆☆
#221 [あい]
「「しゅうはずっと1人で辛い想いいっぱいしたじゃん。お母さんから住もうって言われたんでしょ?ずっと望んでた事じゃないの?」」
「「でもそれでお前と別れろなんて、おかしいだろ。」」
でも、しゅうは嬉しそうにしてた。
お母さん勝手だなって思ったけど、やっぱ自分の子だもん。
しゅう…嬉しそうにしてたじゃん。
「「いいよ。母さん。」」
ダメだよ……。
:09/03/08 12:46 :F706i :☆☆☆
#222 [あい]
「「てか、勝手すぎるよ。ずっと俺の事なんかほったらかしにしてたくせに、1人で住めって離したくせに。急になんなんだよ。」」
「今までの事は謝るよ。しゅうには本当に悪い事した。これから、一緒に居なかった分、一緒に暮らして家族に戻ろうよ。」
あたしは家に帰り、ずっと考え事をしてた。
しゅうは負担にならないって言ってたけど、これかもずっとあたしといるのは、ダメなんじゃないか。
別れるのは嫌だよ。
でもしゅうとは、お母さんと暮らしてほしい。
:09/03/08 12:52 :F706i :☆☆☆
#223 [あい]
【俺、あいとは別れないから。母さんが何を言っても。全然住まなくてもいいしさ。今悩んでるんだったら、変な事考えるのやめろよ。】
しゅうから届いたメール。
【それと、ずっと俺の事気にしててくれてありがとう。話された時は本当に嬉しかったよ。一緒に住もう。あの言葉だけで、俺はもう充分だったからさ。】
あたしは決めた。
辛いけど、いいんだ。
数日後仕事が終わり、あたしはしゅうと会う事にした。
手を振るしゅうがいる。
:09/03/08 13:01 :F706i :☆☆☆
#224 [あい]
ダメだ…
泣きそうになっちゃう。
「「どっかご飯食べ行くか?」」
いつものしゅう。
あたしは裾を掴み、首を振る。
何かを感じとったのか、しゅうは掴むあたしの手を離し、歩き始めた。
あたしは手を掴み、しゅうは振り向く。
「「話ある。」」
「やだ。」
でも話さなきゃ。
あたしはしゅうの言葉を無視して、手話を始める。
:09/03/08 21:03 :F706i :☆☆☆
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