拝啓、アホな姉さんへ
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#1 [◆3HioLDbjnQ]
これは私の姉について書きます。
本当に私の姉は呆れるくらいアホなんです。
では、始めます。
:09/02/12 18:00
:W62H
:r5/qdT.U
#2 [◆3HioLDbjnQ]
私の姉は例えるなら犬。
表情が顔に出やすくて、喜んだ時なんて尻尾を振って目をキラキラさせたような感じ。
そんな姉との、ちょっとした奮闘記(?)。
:09/02/12 18:02
:W62H
:r5/qdT.U
#3 [◆3HioLDbjnQ]
私と姉は一個だけ年が離れています。
小さい頃は一個でも差があると、立派なもんだなあ。
なんて感心してたけど、今じゃそうでもなかったかな、って思います(笑)
:09/02/12 18:04
:W62H
:r5/qdT.U
#4 [◆3HioLDbjnQ]
※名前は姉を由紀、私を遊月とします。
私が4歳の時、両親が離婚しました。
今思えばずっと姉と一緒に遊んでいた記憶があります。
『遊月、つくし取りに行こう!』
『遊月、お菓子たべよう!』
『遊月、河原に遊びに行こう!』
:09/02/12 18:07
:W62H
:r5/qdT.U
#5 [◆3HioLDbjnQ]
何かと二人で行動し、遊んでいましたが、不思議と飽きはきませんでした。
これはまだ私たちが小学校低学年の頃の話しです。
朝は毎日、二人で布団をたたみ、それを少し台の高いクローゼットに直すのですが、とても重くて一人じゃ直せません。
:09/02/12 18:09
:W62H
:r5/qdT.U
#6 [◆3HioLDbjnQ]
だから布団は二人で直すのが暗黙の了解でした。
『よし、遊月!ねーちゃんはこっち支えるからな!遊月はそっち持てよ!』
『はいはい』
この頃から私はどこか冷めていて、その熱を失った分、姉が熱い性格でした。
:09/02/12 18:11
:W62H
:r5/qdT.U
#7 [◆3HioLDbjnQ]
『うぉ〜っ…!遊月、ちゃんと支えてるか?』
『うん、支えてるよー』
実際、私は軽く触れるだけで支えてませんでした(笑)
『よしっ!せーの!で、ぐわっと上げるぞ!…せーのっ!』
:09/02/12 18:13
:W62H
:r5/qdT.U
#8 [◆3HioLDbjnQ]
よいしょ、と持ち上げる姉。
未だ触れるだけの私。
あはは、馬鹿みたい、持ち上げてないのに(笑)と静かに笑っていたのは、今でも内緒だ。
ところが、ここはアホな姉。
:09/02/12 18:15
:W62H
:r5/qdT.U
#9 [◆3HioLDbjnQ]
ドサッとあんなに重い布団を一人で乗せやがった。
『ハァー、疲れた!いつもより重かったなあ』
アホだ、絶対にアホだ。
コイツ、私が手伝ったと思ってるぞ。
:09/02/12 18:17
:W62H
:r5/qdT.U
#10 [◆3HioLDbjnQ]
思い返せば、この頃から姉のことをアホだと思いだしたのだと思う。
それからこんなこともあった。
ウチの家では雑種の犬を飼っていた。
名前はゴン太。
ふかふかで可愛らしいけど、私はあまり動物が好きではなかった。
:09/02/12 18:20
:W62H
:r5/qdT.U
#11 [◆3HioLDbjnQ]
『おー、よしよしゴン太!おみゃーは今日も可愛いのぅ』
※(“おみゃー”とは“お前”のことです。こちらの地域の方言ではありません。アホな姉がどこかから覚えてきました)
『そーかそーか!ご飯が欲しいのか!ちょっと待ってろ』
:09/02/12 18:22
:W62H
:r5/qdT.U
#12 [◆3HioLDbjnQ]
そういって姉は玄関の近くにあった棚へと向かいました。
その棚にドッグフードが置いてあるからです。
『ゴン♪ゴン♪ゴン太った♪〜〜〜(エンドレス)』
奇妙な歌を口ずさんでいたのを、はっきりと覚えています。
勿論、作詞・作曲は姉。
:09/02/12 18:25
:W62H
:r5/qdT.U
#13 [虎埜]
読ませていただきました!
今でも、お姉様のことを
馬鹿にしているんですか?
コレからも、頑張って。
:09/02/12 19:48
:F705i
:XUzRxL1A
#14 [◆3HioLDbjnQ]
>>13さん
コメント有難う御座います(^ω^)
今では姉のことを尊敬していますよ(≧∀≦)!
その経緯はまた書きますね♪
:09/02/12 20:57
:W62H
:r5/qdT.U
#15 [◆3HioLDbjnQ]
『…ぎゃああああああああああああ!!!』
突然、玄関の方から姉の叫び声が聞こえた。
すぐ近くの居間にいた私に丸聞こえなのは当然だ。
『どうしたん?』
:09/02/12 20:59
:W62H
:r5/qdT.U
#16 [◆3HioLDbjnQ]
『ゴキッブリが出た!ゴキッブリ!ゴキッブリ!』
ゴキッブリ??…それって、ゴキブリのことか?
姉は狂ったように殺虫剤を噴射しまくるが、それはアースジェットであってゴキジェットではない。
:09/02/12 21:01
:W62H
:r5/qdT.U
#17 [◆3HioLDbjnQ]
『ねーちゃん、それ―――』
『遊月!危ないから逃げろ!あ゛―!やっぱ潰して!!』
危ないから逃げろと言ったくせに、潰せってどうなんでしょうか?
:09/02/12 21:03
:W62H
:r5/qdT.U
#18 [◆3HioLDbjnQ]
ゴキブリと格闘すること数分。
ゴキブリが逃げたということで、この勝負は引き分けとなった。
『ひゅぅ〜。ゴキッブリめ、驚かせやがって…』
『つーか、ねーちゃん。それ』
:09/02/12 21:05
:W62H
:r5/qdT.U
#19 [◆3HioLDbjnQ]
先程も書いたように、狂ったようにアースジェットを噴射していた姉。
そのすぐ近くにはドッグフードがあるのだ。
当然、振りかかりまくり。
『どーすんの?』
『………………』
:09/02/12 21:06
:W62H
:r5/qdT.U
#20 [◆3HioLDbjnQ]
姉は少し苦笑いした後、おもむろにそのドッグフードを犬にあげようとしている。
『ちょっ、ねーちゃん!アカンって!』
『おい遊月、これを見てみろ!“水性”って書いてるぞ!ゆえにこれは安全だ』
:09/02/12 21:08
:W62H
:r5/qdT.U
#21 [◆3HioLDbjnQ]
勝ち誇ったような顔で言われても困る。
『よーし、ゴン太!ちっと苦いかもしれんが苦いのは体に良いんだぞ!』
いや、だから……。
そういう問題じゃないんだって!!!!
:09/02/12 21:10
:W62H
:r5/qdT.U
#22 [◆3HioLDbjnQ]
『もうねーちゃんどっか行ってて!私が新しいのあげるから!』
そう怒鳴ると、姉はしょんぼりして家の中へと消えていった。
少し言い過ぎたかと思ったが、それに比べれば犬の方が可哀想だ。
よって姉に対する罪悪感は無い(笑)
:09/02/12 21:13
:W62H
:r5/qdT.U
#23 [◆3HioLDbjnQ]
何年か経ってこの話しをしたら、姉はきょとんとして、まさかの言葉を放った。
『なにを言ってるんだ!それは遊月がしたことだろ!人のせいにするなんて…(なんたらかんたら)』
やっぱりアホだ。
いや、三日前に行った所すら覚えていない姉に話しをしたのが馬鹿だった。
:09/02/12 21:16
:W62H
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#24 [◆3HioLDbjnQ]
また別の話しになるのだが、私が高校一年生の時だ。
姉が働くファミレス店で一緒に働くようになった。
姉は接客、私は人と関わるのが嫌だったので調理のポジションについた。
:09/02/12 21:18
:W62H
:r5/qdT.U
#25 [◆3HioLDbjnQ]
そんなある日、姉とシフトがかぶった。
基本的に私がいる調理場と姉のいるパントリー(※客席ではないです)は壁なんていう障害物がないので、話し声なんて丸聞こえだ。
:09/02/12 21:21
:W62H
:r5/qdT.U
#26 [◆3HioLDbjnQ]
『店長〜!デジカメってありますか?』
姉の声が聞こえた。
デジカメなんて何に使うのだろうか?
『デジカメ?なんで?』
『いや、お客様にデジカメないですかって聞かれて…』
:09/02/12 21:23
:W62H
:r5/qdT.U
#27 [◆3HioLDbjnQ]
店長も何故デジカメが必要なのか分からないらしく、『俺が行ってくるわ』と言ってパントリーを離れる店長の背中を見た。
『ねーちゃん、デジカメなんか何でいるんやろなあ?』
『さあ?ねーちゃんには分からんよ』
確かこんな会話をしていたときだ。
:09/02/12 21:25
:W62H
:r5/qdT.U
#28 [◆3HioLDbjnQ]
『由紀ぃいい!!お前、嘘つくなよ!!!』
ゴルァ(゚Д゚)!といった感じの店長が姉に向かって叫んでいる。
『え、なんすか!なんかしましたか?』
姉も突然のことでびっくりしたように言っていた。
:09/02/12 21:27
:W62H
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#29 [◆3HioLDbjnQ]
『デジカメとちゃうやないか!お客さんは“割り箸ないですか”ってゆうてたんや!』
『え?ホンマにですか!すいませんっした〜』
店長は呆れながら姉に対して言うが、姉は全く気にする素振りも見せないで適当に謝っていた。
:09/02/12 21:29
:W62H
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#30 [◆3HioLDbjnQ]
『お前、俺が“デジカメなんですけれどもぉ…”ってゆうた瞬間、“はぁ?”って顔しとったわ!』
『そりゃ割り箸下さいゆうてんのにデジカメの話しされたら、そうなるでしょうねぇ』
なんだかそのやりとりを見て、私が申し訳なかった(笑)
:09/02/12 21:32
:W62H
:r5/qdT.U
#31 [◆3HioLDbjnQ]
私は何故こんなアホが姉なのだろう、と真剣に悩んだことがある。
そこで姉と仲の良いバイト先の人に、姉の評判を聞いてみた。
まずは姉が一番に慕っている山田さんに聞いたこと。
:09/02/12 21:34
:W62H
:r5/qdT.U
#32 [◆3HioLDbjnQ]
『由紀は愛敬があるやん♪まあそりゃアホやけど、いっつもニコニコしてて〜、なんか私と3つほど年離れてるけど、そんな風には感じへん喋りをする!』
……山田さんはアホと分かった上でのこの評価か。
なかなか高得点だな。
:09/02/12 21:37
:W62H
:r5/qdT.U
#33 [◆3HioLDbjnQ]
次にデジカメの件で迷惑をかけた店長に聞いてみた。
『由紀は話しが面白いから飽きひんわ。それに結構、お客さんから“あの子かわいいね”って俺に言いにくるで〜。しかも男女問わず。看板娘やな(笑)』
:09/02/12 21:39
:W62H
:r5/qdT.U
#34 [◆3HioLDbjnQ]
次に私と同い年で姉の後輩にあたる子に聞いてみた。
『由紀先輩、面白いやん〜!あんなお姉ちゃんもってる遊月が羨ましいし!由紀先輩がお姉ちゃんやったら絶対楽しいわ〜!』
誰一人として、お世辞っぽいような素振りを見せなかったことからして、姉は可愛がられているんだな、と思った。
:09/02/12 21:42
:W62H
:r5/qdT.U
#35 [◆3HioLDbjnQ]
その反対に、私は誰に対しても丸わかりの愛想笑いで過ごしてきた。
嫌なもんは嫌!って、突き放してきた。
冷静に考えれば、姉は物事を平等に評価し、どちらにも良い点と悪い点を挙げて、やはり平等な決断をしている面がある。
:09/02/12 21:46
:W62H
:r5/qdT.U
#36 [◆3HioLDbjnQ]
そこまで思考が辿り着いたとき、私はやっと気付いた。
姉が持っているものが、絶対に私よりも劣っていると思っていたのは、間違いだったことに……。
そして忘れていた。
:09/02/12 21:48
:W62H
:r5/qdT.U
#37 [◆3HioLDbjnQ]
両親が離婚して、寂しかった私の相手をしてくれたのは誰か。
学校で虐められて、泣きながら帰ってきた私を見て、私を虐めていた子をボロックソに罵倒したのは誰か。
私が学校が嫌だと鬱になっていたとき、必死になって楽しいことを提案し、実行してくれたのは誰か。
:09/02/12 21:50
:W62H
:r5/qdT.U
#38 [◆3HioLDbjnQ]
全ての始まりは姉であり、いまこの通過点の支えも姉であり、きっと最後も姉という存在があっての終わりだということ。
これを私は忘れていた。
そりゃあ、姉はアホだ。
進級もスレスレで卒業したような、常にギリギリのラインで生きているような、ハードな姉だ。
:09/02/12 21:53
:W62H
:r5/qdT.U
#39 [◆3HioLDbjnQ]
だけど、姉は自分がアホなことによって、私にいろいろと気付かせてくれたんだと思う。
姉の周りの評価は間違っていなかったんだ。
私の姉が姉でなかったら、私はどうなっていたんだろう。
そう思うと、あんなアホな姉で良かったもんだと思った。
:09/02/12 21:57
:W62H
:r5/qdT.U
#40 [◆3HioLDbjnQ]
アホなねーちゃん。
いつもは言えないけども、有難う。
感謝しています。
これからはもう、すすぎし終わった洗濯物をもう一回、洗剤いれて洗ったりしないでね。
貸した2万は返してね(笑)
:09/02/12 21:59
:W62H
:r5/qdT.U
#41 [◆3HioLDbjnQ]
タバコは程ほどにね。
風邪に気を付けてね。
姉は来月、結婚します。
あのときのファミレス店の店長と、結婚します。
:09/02/12 22:01
:W62H
:r5/qdT.U
#42 [◆3HioLDbjnQ]
店長、いや、旦那さんは良い人です。
姉のあんなアホっぷりも可愛いと思えるような優しい人です。
どうか姉を幸せにしてあげて下さい。
:09/02/12 22:02
:W62H
:r5/qdT.U
#43 [◆3HioLDbjnQ]
ねーちゃん。
これから先、喧嘩しても、仲良しでいようね。
たまには実家に遊びにきてね。
子供はあまり好きじゃないけど、赤ちゃん出来たら抱かせてね。
―――拝啓、アホな姉さんへ。
【End】
:09/02/12 22:04
:W62H
:r5/qdT.U
#44 [かよ]
お疲れ様
いい小説でした

これからも仲良い姉妹で いて下さいね

:09/02/12 22:10
:N905i
:LY47i60.
#45 [彩]
:09/02/13 00:52
:F703i
:☆☆☆
#46 [我輩は匿名である]
うんーまーよかった
:09/02/13 01:58
:SH903i
:☆☆☆
#47 [我輩は匿名である]
おもしろかったです

:09/02/13 23:05
:SH906i
:1bnSOgbg
#48 [我輩は匿名である]
アホというか忘れっぽい、荒っぽいって感じかな

もっとお姉さんの[アホ]談聞きたかったけど最後店長とくっついたし

おもろかったです

p3))お疲れやんした!
:09/02/14 15:36
:SH706i
:JOKmh.4A
#49 [我輩は匿名である]
お姉さん可愛いですねx
店長さんと幸せになって欲しいです~
とてもいい話でした
:09/02/14 16:53
:W61K
:RaWY.8II
#50 [我輩は匿名である]
面白かった〜
:10/02/15 11:29
:PC
:☆☆☆
#51 [我輩は匿名である]
読みやすいし面白かった
お互いが好きなんだなって読んでほんわかなった
店長と結婚するオチ?w
で笑った〜
:10/02/15 15:32
:P01A
:☆☆☆
#52 [ん◇◇]
(´∀`∩)↑age↑(∩゚∀゚)∩age
:22/10/29 10:00
:Android
:ww1G8DfI
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