微妙な10センチ。〜最終〜
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#782 [あき]
『なっ…何言ってんのよっ!なおちゃんが出たら、まとまる話もまとまんないっつーのっ!!』

突然の突拍子もない発言にたじたじだ。
なおちゃんは、そんな私の剣幕にきょとんとしたまま、つぶらな瞳で首を傾げる。

『なんでだよ??』


こんにゃろ…
ふざけんのは顔だけにしてくれっ…
別れ話にあんさんが出てきたら、彼は間違いなく、発狂して、怒り狂って卒倒する。
遠く離れたあの場所に救急車出動だよ。
ピーポーパーポーだよ。何故にそれがわかんないかなぁ!!

⏰:09/12/10 21:00 📱:W64S 🆔:denBUdqw


#783 [あき]
『じゃ、逃げないでちゃんと伝えろ。』

なおちゃんは、ほれっと言わんばかりに、私の携帯電話を差し出した。私は首を横に振る。

『何?ビビってんの?なら結婚しちゃえば?』

再びテーブルに置かれた私の携帯電話。
顔をちらりと見ると
真っ直ぐな眼差しで私を見つめ、小さく頷いた。


『わかった…ちゃんと見ててね。』


静かに深呼吸をして、携帯電話を握りしめた。

⏰:09/12/10 21:15 📱:W64S 🆔:denBUdqw


#784 [あき]
―…

《もしもーし。》

『あ…私!…です。』

《おお。仕事終わった?》

『いえ…今日は休みで。』

《ん?聞いてなかったけど?》

『…あ…ごめんなさいっ…』

《じゃ、今何してるの?》

『…出掛けてます…』

《…またかよっ…》

⏰:09/12/10 21:19 📱:W64S 🆔:denBUdqw


#785 [あき]
ビクリと体が萎縮する。
泣きそうになった。
なおちゃんの顔を見ると彼は黙って私を見つめていた。
ベッドに座り、大きく頷く。

私はソファーに座ったまま再び頷き、小さく深呼吸をした。


《…お前は、いつもいつも、どこをほっつき歩いてんだよっ!!》

そんなアイコンタクトの電話の向こう。
西条さんの声は怒りに変わっていた。

『あのっ……!!』

⏰:09/12/10 21:28 📱:W64S 🆔:denBUdqw


#786 [あき]
《なにっ!?》

握り締めた手から汗が吹き出て、小刻みに体が震える。


『あのっ……私達……もうっ…終わりませんかっ…?』


なおちゃんが見つめる中。勇気を振り絞って出した言葉は。
自分でも驚く位に曖昧なものだった。

⏰:09/12/10 21:32 📱:W64S 🆔:denBUdqw


#787 [あき]
なおちゃんを見ると、案の定、彼はそんな私の情けない姿に笑っていた。

どあほ。ハッキリ!

そう口で言っている。
私は、必死に首を横に振り、これでも精一杯の言葉で伝えたつもりだっと意思を伝える。

《ああっ?ふざけた事言ってんじゃないよ。》

こちらの状況を勿論知る由もない西条さんは、突然の私の発言に怒りを露にした。
私は、プルプルと首を横に振り、なおちゃんを見つめる。
再び泣きそうになり、心が折れそうになった。

⏰:09/12/10 21:44 📱:W64S 🆔:denBUdqw


#788 [あき]
『…もう、無理なの。』
そう伝えながら、なおちゃんを見る。
なおちゃんは、大きく頷いていた。
その姿にまた安心する。

『何度も言ってるけど、私達合わないと思う。』

震える体を必死に押さえながら、電話の向こう側の彼に伝える。


《あきっ!!ふざけた事言うのもいい加減にしろよっ!!!》

怒鳴り声が、電話口から漏れる。
耳から伝わったその声がバクバクと心臓を早めた。

⏰:09/12/10 21:53 📱:W64S 🆔:denBUdqw


#789 [あき]
『………』

《とにかく、また電話するっ!今日はもう寝るからっ!!お前も早く寝ろっ。》

『待ってっ!!切らないでっ!!』

《ああっ?》

『…話終わらせてから、切ろうよ。大切な話してんだよ?
いつもそう。
西条さんは、いつも、自分の言い分ばかりで、私の話なんて聞いてやくれないじゃないっ!!』

《はぁ?俺に寝るなって言うのかっ?明日、事故でもしたらどうすんだよっ!!!》

西条さんは、もう自身訳が分かっていないようだ。ハチャメチャな言い分を述べた。

⏰:09/12/10 21:59 📱:W64S 🆔:denBUdqw


#790 [あき]
再び、なおちゃんの顔を見る。
首を横に振り、ダメだと伝えた。
なおちゃんは、肩をすくめ、一枚のメモにカリカリとペンを走らせた。
私の横に立ち、紙をテーブルに置く。

【はっきりと言えよ。それじゃ、伝わらない。あほか。】

メモには、そう書かれていた。

【言ってるじゃんっ!泣きそう!】

筆談で、そう答える。
電話の向こうでは、西条さんさんの怒りは続いていて、散々と私は非難され続けていた。

⏰:09/12/14 00:56 📱:W64S 🆔:Xa3EAJMk


#791 [あき]
【話にならない。】

走り書きで、なおちゃんに渡す。
なおちゃんは、無言でそれを見つめ、またさらさらと何やら書き出した。

【ごちゃごちゃ言わずに、はっきり言え。】

なおちゃんの目は、強く強く私を見守ってくれている。

私は、頷き、電話の向こう。私を非難し続ける西条さんに再び向き合った。

『だから、私が許せないんでしょ?だったら別れてくれればいいじゃん…。もういいって…』

⏰:09/12/14 01:04 📱:W64S 🆔:Xa3EAJMk


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