微妙な10センチ。〜最終〜
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#701 [あき]
『で?だから?私に何を言って欲しいわけ?〃』

『思ったままをどうぞ。俺は、女の気持ちがわからん!!』

『なおちゃんは、その子の事、女としてどう思った?』

『…いや。特に…』

『なら、相手を傷つけるだけだよ。やめとけ、やめとけぇい〃』

明るく、私らしく
彼から除外させる。
昔から、この言葉で、私はライバルを蹴落としてきた。

卑怯だ。
本当に、私は卑怯だ…

自分は、寂しさから耐えられず、フラフラとしてたくせに。
なのに、誰にもなおちゃんには触れて欲しく無かった。
ただの嫉妬。

⏰:09/10/31 03:08 📱:W64S 🆔:.0W.fEWM


#702 [あき]
なのに女心の解らないなおちゃんは言った。
私の言葉に、そうだよなと頷きながら。
だけど
私の目の前で。
いつもの調子で。
言った。

『いや、でも俺も一人は疲れるし。そろそろ、いいかなと思うんだよな。』


どうしてだろう。

私には、西条さんがいるのに。

なおちゃんの言葉に


ズキンときて。
グサリときて。


カッとなった―…

⏰:09/10/31 03:18 📱:W64S 🆔:.0W.fEWM


#703 [あき]
『なら、付き合えばいいじゃん。その彼女、ボロボロに傷つけると思うけどね。』

『んだよ。その言い方。』

カチンときた悪いクセ。なおちゃんに向けて、思ってもない言葉が飛び出した。なおちゃんは、ギターを置くと、私の目を見る。その目は、深い所で光っていて、不愉快さを表していた。それは、瞬時にわかったけど、言い出したのは自分。やっぱり後には引けない。

『だって、今まで興味示さなかったくせに、今回のその彼女にはなおちゃんも何か、魅力を感じたから、付き合ってもいいって思えるんでしょう。
なら良いんじゃないって言ってるの!』

⏰:09/10/31 03:41 📱:W64S 🆔:.0W.fEWM


#704 [あき]
『そうだな。そっちも、嫁の貰い手出来たみたいだし?』

『……』


『いいんじゃね?
想われる相手と一緒にいる方が幸せなんだよ。きっと。』


『そんな事ない!!
好きな人と一緒にいる方が幸せだよ!!』


『そうかな?好きにならなきゃ生まれない感情は沢山あって、それは、ほぼ苦痛でしかねーよ。会いたいに始まり、悲しい、寂しい、嫉妬に、怒り…な??疲れるだろ??』

⏰:09/10/31 04:02 📱:W64S 🆔:.0W.fEWM


#705 [あき]
『それは間違ってる。好きになってもらえない相手といる方がツラいんだよ!!』

『あきはどうなんだよっ?なら、その彼の事傷つけてんじゃねーの?いい加減にハッキリしてやれよっ。』

『そんなのわかってるっ。だけど、私は幸せになりたいのっ!だから、彼の所に行く事も真剣に考えて…』

『あっそ。なら、好きにすれば?俺も、彼女の事考えてやるつもりだし。』

『…あっそ!するわよっ!!バカッ!!』

⏰:09/10/31 04:19 📱:W64S 🆔:.0W.fEWM


#706 [あき]
バックを掴み、部屋を飛び出した。
バタバタと降りる階段に、なおちゃんのお母さんが不思議そうに居間から顔を覗かせる。

『あきちゃ…』
『おばちゃん!お邪魔しましたっ!!』

目を丸くした、お母さんに声を掛けられて、私は、顔を背けて挨拶をする。
そのまま、バタバタと玄関を飛び出した。
そんな私の背中を、呆然と見送る姿が目に浮かぶ。
だけど、その姿は溢れる涙ですぐに消えた。

暗闇の中。
流れる景色の中、夢中でアクセルを踏み続けた。

⏰:09/10/31 04:26 📱:W64S 🆔:.0W.fEWM


#707 [あき]
なおちゃんが、誰と交際しようが、どこで何をしようが。私には怒る理由なんて、ない。
そんな事、この何年もわかっていた。だからこそ、耐えてきた。
なのに今夜は、この悔しさも、この悲しさも、とめどなく泪となって溢れ出てしまう。
この泪で消し去りたくなる。私の心の淡い灯火。

『なおとの馬鹿野郎!!』

ハンドルをガツンと殴ってみる。手の痛みの変わりに心が痛かった。

彼が放つ言葉の数々に一喜一憂して。
バカみたいに信じて。
それからずっと
心に灯され続けた消える事のない淡い光も。
その微かに光る灯火を信じて待ち続けた、私自身の存在も。
そんな私の時間も全てを否定されたように思えて。泪が止まらなかった。

⏰:09/10/31 04:48 📱:W64S 🆔:.0W.fEWM


#708 [あき]
コメ失礼します。
いつも読んでいます!
お互い求め合ってる様に感じました。
最後まで読みます。頑張って

⏰:09/10/31 14:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#709 [あき]
あきさん、いつも有難う! あきより。笑

⏰:09/10/31 21:36 📱:W64S 🆔:.0W.fEWM


#710 [あき]
――――――――

部屋は静かで、何もやる気が起きない。
ソファーに転がり、無音の中で、さっきの出来事を思い出す。
勢い余って飛び出したなおちゃんの部屋。
バタンと閉めた部屋の扉。バタバタと降りた階段の感触。
それらは、まだ手足に残っていた。
なおちゃんは、いつも、冷静沈着で。
いつも大人で。
私ばかりが子供扱いで。だけど、なおちゃんの隣は心地好くて。
わかっていたのに。
私は何を求めて何を間違って…
どうしてこんな事になってしまったんだろう。

⏰:09/10/31 21:43 📱:W64S 🆔:.0W.fEWM


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