微妙な10センチ。〜最終〜
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#742 [あき]
――――――――
―ピッ。
《んん?》
『あっ…あたしぃ〃』
《おうっ》
『あのね…あたしね疲れちゃって。でもね、すっごく苦しくて…』
《はぁ?》
『…助けて…なおちゃん…』
《おいっ。何言ってんの?あきっ!》
―――――――――
:09/11/18 00:40
:W64S
:6mvq7ihU
#743 [あき]
ただの鎮痛剤。
ペットボトルの空と
ありったけの白い錠剤の脱け殻。
それが、テーブルの上、乱雑に視界に広がっている。
バクバクする心臓とクラクラする頭に、ぼんやりと見つめていた。
見つめていたのに。
耳から伝わる、大好きななおちゃんの声で。
涙で滲んで
見えなくなった―…
:09/11/18 00:50
:W64S
:6mvq7ihU
#744 [我輩は匿名である]
あげ(^ω^)
:09/11/19 12:50
:P904i
:fI9Ge5BQ
#745 [我輩は匿名である]
(。・ω・。)
:09/11/26 17:15
:P904i
:fg2YixCw
#746 [あき]
――――――――
つんと鼻につく消毒液の部屋に、また私は寝かされてる。
数分前から白衣の天使が、私に繋がれた細い管の後片付けをしていた。
『体調はどう?起きれる?』
『…まぁ…』
『廊下で彼が待ってるわよ。もう心配かけちゃダメだからね。』
『…はぃ…』
硬いベッドから体を起こして、私は頭を下げた。
消毒液の臭いのする部屋を抜けて、しんと静まり返った廊下に出ると。
そこに、なおちゃんがいた。
:09/11/28 03:14
:W64S
:qt2ezAIU
#747 [あき]
ベンチに座り、腕を組んで難しい顔をしているなおちゃんに、歩み寄る。
『…終わった…』
『…おう。』
『……』
『……』
静かに立ち上がり、廊下を歩き出した彼の後をついていく。
静まり返った廊下に、私達の足音だけが響いていた。
:09/11/28 03:17
:W64S
:qt2ezAIU
#748 [あき]
懐かしい匂いの車内。
相変わらずのBGMが流れている。
窓の外、眠り返った街の光を、私は静かに見つめる。
どんよりして、じめじめした空気の空。
時折、なおちゃんの煙草の匂いが車内に香っていた。
涙が溢れてきた。
:09/11/28 03:21
:W64S
:qt2ezAIU
#749 [あき]
『…ごめん…』
『……』
『……うざっ。本当うざいよ。』
『…ん…。ごめん…』
なおちゃんは、たった一言。そう言っただけで、何も言わなくなった。崩壊した涙腺は、ただ溢れるばかりで、私は何も言えなかった。
:09/11/28 03:24
:W64S
:qt2ezAIU
#750 [あき]
途切れた記憶。
部屋で、いつものように、白い錠剤を飲み干す。苦痛から逃げる為に、いつものように飲み干して…なおちゃんに電話をかけた。何故か、たまらなく声が聞きたくなって電話をかけた。
《苦しいよ…》
泣きながらそう伝えた。
言い様のない恐怖と、それから逃れる為に飲み干した錠剤の副作用。私はなおちゃんに苦痛を吐き出したんだ。
:09/11/28 03:42
:W64S
:qt2ezAIU
#751 [あき]
《苦しい》
やっと吐き出したこの言葉は、私の全てだった。あの時、心も体も-苦しい-と悲鳴を上げている私自身を、助けて欲しかったのかもしれない。(※今だからそう思う)
その言葉を最後に、私の記憶は途切れ始める。
深い深い眠り―…
私自身、いつ眠ったのかもわからない程、ただ深い眠りに落ちていた。
:09/11/28 03:53
:W64S
:qt2ezAIU
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