微妙な10センチ。〜最終〜
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#767 [我輩は匿名である]
あきさん嫌だー!なおちゃんとくっついて欲しい!!妊娠してても西条さんとの赤ちゃんなら失礼な話、喜べないよ
ハラハラドキドキ更新待ってます!
体調にはこれからも気をつけて下さいね

⏰:09/12/02 00:09 📱:SH906i 🆔:CDkbhDsg


#768 [あき]
匿名さん、有難う!
―――――――――

携帯電話を握り、画面を出した。

【今から行っていい?】

【おう】

直ぐに返事は返ってきた。
そっけない画面をパタリと閉じて、ハンドルを握る。

いつもそう。
昔から、彼はそう。
何も言わない。
何も聞かないで。
ただ、私の答えを待ってくれている。

そんな彼に私は会いに行く。

⏰:09/12/02 01:32 📱:W64S 🆔:mHlVqlYw


#769 [あき]
いつもの玄関を勝手に開けて、懐かしい匂いが残る廊下に足を置く。
途中、居間を覗くと、ベッドの上、気持ち良さそうに眠っているおじさんがいて。
寄り添うように、おばさんが座って本を読んでいた。

『おばちゃん!〃おじゃましますっ』

『あら、あきちゃん。いらっしゃい!〃』

『うんっ。』

笑顔を向けて、居間の前を通り過ぎる。
古い廊下の向こう。
軋む階段を登ると、中からギターの音色が聞こえてきた。

⏰:09/12/02 01:39 📱:W64S 🆔:mHlVqlYw


#770 [あき]
数回ドアをノックして、ガチャリと開けた。

『来たよー!!』

バックをいつもの場所に置いて。
いつものソファーにどかりと座った。
私の挨拶を無視する彼は、ベッドに座り、足をこれでもかってぐらい広げ、少し丸めた背中に、少し傾げた首。
加えた煙草の煙を少し煙そうに目を細め、アコースティックの心地良い音色を奏でていた。

そんな、なおちゃんを…私は黙って見つめた。

⏰:09/12/02 01:48 📱:W64S 🆔:mHlVqlYw


#771 [あき]
耳から伝わるその音色は、私の胸を暖かくし、心癒していく。
煙草に一本、火を点けた。
フワリと舞い上がった煙が、空で消える。

『……』
『……』

ただ私達の間には、ギターの音色しか無かった。
静かな時間。
だけど、なおちゃんがギターを置いた。
同じく、再び煙草に火を点けて、フワリと煙を吐き出す。

『…で?』

私の目をしっかりと捉え、真っ直ぐな眼差しで、答えを聞いた。

⏰:09/12/02 01:54 📱:W64S 🆔:mHlVqlYw


#772 [あき]
『…うんっ…今朝行ってきたの。』

『んなこた、知ってる。昨日、俺がああ言ったんだ。あきのする事なんざ、予想がつくわ。』

『……』

『…で?その結果を言いに来たんじゃないのかよ?』

『…うん…』

『で?どうだったんだ?』

『…うん…あのね…』

⏰:09/12/02 01:59 📱:W64S 🆔:mHlVqlYw


#773 [あき]
『…大丈夫だった!!
やっぱり、なおちゃんの言う通り、ストレスやら、薬の影響やらで、ホルモンバランス崩れてるだけだったみたい…』

ふへへと笑う私に、なおちゃんは、だから言ったこっちゃないと、呆れたように言った。

『お騒がせしました…〃』

なおちゃんは、また、馬鹿だアホだと、私をたしなめる。
お小言を聞きながら、私は、自然に溢れる笑顔を隠しきれない。
今、目の前で、お小言をダラダラと言い続ける、この呆れた目。

だけど、あの一瞬
ほんの0.5秒だけ

その一瞬の目に、なおちゃんなりの安堵が見えた。
それが嬉しかった。

⏰:09/12/02 02:18 📱:W64S 🆔:mHlVqlYw


#774 [あき]
『はいはいっ…すみませんでしたぁ!!』

『ったく!!本当にあほぅの塊みたいな女だよなっ!!だから、デブなんだよっ!!』

『てか、デブは関係なくないっ!?いや、逆に!?お陰様で、かなり痩せましたけどぉ〃ほれほれっ〃』

私は、ペタンコになったお腹をパンパンと叩いて見せる。

『ウエストなんてきゅーっとくびれちゃってますがぁ?〃』

調子に乗って、くねくねとポーズを決める。
そんな私に、なおちゃんは、ふんと鼻を鳴らして言った。

⏰:09/12/02 02:24 📱:W64S 🆔:mHlVqlYw


#775 [あき]
『痩せたって自慢すんじゃねーよっ!知るかっ!!』

その言葉に、ズキンと胸の音が鳴った。

『…いっ…言い出したのそっちじゃんっ!』
『…ったく。
本当、ドアホだよな。
もう吐くな。
薬に頼るのもやめろ。
いいな?』

『…はい…』

ズキンと鳴った胸が、熱くなった。

⏰:09/12/02 02:38 📱:W64S 🆔:mHlVqlYw


#776 [あき]
『そんな事繰り返してたら、本当に子供産めなくなるぞっ?いいのか?』

『…そんなの…私は、もともと…』

『まだそんな事言ってんのか。くだらねーっ!〃』

ねぇ。なおちゃん。
本当はね。本当は…私。この数日間。
不安と恐怖に怯えながらも、相反する心の隅に、私にも…なんて淡い期待してた。
矛盾してるよね。
だけど、結果は、やっぱりゼロで。
安心した。ほっとした。それと、同じくらい情けなかった。悲しかった。やっぱり、私はダメな女なんだって。
そう思い知らされた。

そんな思いすら、貴方は知っていたって言うの?

⏰:09/12/02 02:53 📱:W64S 🆔:mHlVqlYw


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