タバコの火が消えるまで
最新 最初 全 🆕
#1 [CHU−TA]
俺と志奈子の約束。
喧嘩は次の日に持ち越さない。
連絡はこまめにする。
異性とメールとかしない。
言いたい事は隠さず言う。
嘘はつかない。

そして....

タバコは吸わない。

⏰:09/07/27 18:53 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#2 [CHU−TA]
16歳の春、ヤンキー路線まっしぐらだった俺に母親は言った。

「あんた、今のままでいいと?将来が不安にならんとね?」

つまらない。実につまらない。この人は毎回同じ言葉を発して飽きないのだろうか。

「俺には俺の人生があるんよ。関係ねーやろ!」

俺もまた、毎回同じ返答。大人は皆同じ事を言う。そんな事分かってるんだよ。けど、遊ぶ方が楽しくて仕方がないんだ。

⏰:09/07/27 19:01 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#3 [CHU−TA]
リーマン親父は昔から俺に無関心だった。万引きで捕まろうと、バイクを暴走させて捕まろうと、シンナーを吸って捕まろうと、断固無視!

フリーターでフラフラ遊びまわる当時の俺にも無関心。まぁ俺はその方がよかったけど。

今夜も集まった毎メンバーの三人。

智生(ともき)に洋輔(ようすけ)そして俺(渉(わたる))。

何をするワケでもなく、公園で酒を飲みはしゃぎまくってた。時間は23時をまわっていただろうか。

⏰:09/07/27 19:09 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#4 [CHU−TA]
「どっか行くかぁ〜」

仕切るの大好き洋輔が言った。

「あ〜?どこによ?」

めんどくさがり智生が返す。

「どうすると?」

流れに流されるのが得意な俺。

「街出ようぜ、街!」

「めんどくせ〜…アシ無いやん。」

「原チャリパクるか!」

⏰:09/07/27 19:15 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#5 [CHU−TA]
洋輔は原チャリ泥棒が大得意で、プロと言っていいほど素早く正確に盗んでくる。

「お前等ちょっと待っとけ。俺がパクってきちゃるけん!」

洋輔はそう言うと公園から一人、暗闇へ消えていった。

「俺等何歳までこんな事するんやろうなー」

笑いながら智生が言った。確かにそう思う。昔はヤンキーに憧れていたけど、なってみたらキツいだけ。道を走るパトカーを見るたび逃げなきゃいけないし、先輩とかもうるさいし…。

⏰:09/07/27 19:22 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#6 [CHU−TA]
夜中起きてるのも正直きつい。酒だって本当は飲めないし、ケンカは弱いし、俺って本当はヤンキーに向いてないんじゃないか、って思う事もよくあって…

けど、それよりもコイツ等と遊ぶのは楽しかった。気が許せるのはコイツ等だけだった。

一時間くらいして、遠くから原チャリの排気音が聞こえてきた。

「ちゃーっす!」

自慢気にフロント部分が割れた原チャリに乗って洋輔が帰ってきた。

⏰:09/07/27 19:27 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#7 [CHU−TA]
「乗れよ!街行こうや!」

俺と智生は洋輔の後ろに乗り、街へと走り出した。


夜の街は怖い。いつパトカーや改造車に追われるか分からない。ましてや三ケツの原チャリで追ってくる車から逃げるなんて一苦労なもんで。

大きな交差点に差し掛かった。赤信号で停車中の黒塗りセダン。その前を一気に走り抜く。

「来るぞ…来るぞ〜…」

洋輔はバックミラーを見ながら独り言。

⏰:09/07/27 19:34 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#8 [CHU−TA]
「キターー!!」

黒塗りのセダンは三ケツ原チャリに向け急発進。キキキーっとタイヤの擦れる音とともに追い掛けてきた。

ただ、こんなの慣れっこ。こんなのいつもの事で、今日もすぐに逃げれると思っていた。

パパパーーン!

改造車独特のクラクションで煽ってくる車。三ケツじゃスピードが出ない。

「やべぇ!マジで轢かれるぞ!」
セダンのフロントは、原チャリのリアより後方1メートル付近まできている。

⏰:09/07/27 19:40 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#9 [CHU−TA]
原チャリの利点、「小回り」をきかせカーブをグニャグニャと曲がり逃げるが、セダンもしつこく、なかなか俺達を逃がしてはくれない。

「マジでやばくね?」

真ん中に座る智生が言う。

「余裕たい!まかせとけ!」

洋輔の自信たっぷりな答え。

「…………」

黙って一番後ろに乗る俺。

⏰:09/07/27 19:45 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#10 [CHU−TA]
すると俺の後方から声が聞こえてきた。

「待てやガキどもー!」

聞き覚えのある声。俺は振り返り追ってくる車を見ると、運転席の窓からアフロの頭がでている。しかも手を振ってる。

「あ、新田君やん!」

俺は智生と洋輔に言う。ここら辺であんなデカいアフロは、中学時代の先輩、新田君しかいない。

洋輔は少しずつ原則し、マンションの駐車場で原チャリを止めた。

⏰:09/07/27 19:51 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#11 [CHU−TA]
車もその右横に止まり、中から案の定新田君が出てきた。

「コラ、ヤンキーども!元気すぎるぞお前等!」

ニヤニヤしていつものハイテンション口調で近付いてくる。

「誰か分からんやったっすよ〜!車変えたんすか?」

確か新田君はボロボロの古い軽自動車(アルトワークス)に乗ってたはず。なのに今日は高級セダン(プレジ)。

「借りもんよ。アイツの車!」

新田君は助手席を指差した。

⏰:09/07/27 19:59 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#12 [だイ]
こおゆう系の話し
大好き

更新頑張って下さい

⏰:09/07/27 20:02 📱:F905i 🆔:O6eY9sME


#13 [CHU−TA]
そこには金髪坊主の人が乗っていた。後部座席はスモークが貼ってあって見にくいが、誰か乗っているのは分かる。

「どこの人達っすか?」

「○○町のヤツ等よ。後ろは女乗っとるぜ〜」

俺は女という響きに弱かった。当時彼女はいなかったし、思春期ってやつで、性欲も有り余ってた。

すると急に後部座席の窓がウィーンと開いた。

⏰:09/07/27 20:07 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#14 [CHU−TA]
そこには、茶色で巻き髪のキレイな女性がこっちを見て座っていた。その奥に、もう一人いるみたいだ。

「にっちゃん!その子達も連れてくればいいやん!」

巻き髪の女性は、新田君に言った。

「お前等今からカラオケ行く?」

新田君は俺達に言った。

「行きます行きます!」

洋輔は勝手に返事したが、俺も行きたいと思った。だってあんなキレイな女性と遊べるなら。

⏰:09/07/27 20:15 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#15 [CHU−TA]
俺達毎メン三人はまた原チャリにまたがり、ここからすぐ近くのカラオケまで行くことになった。後ろから新田君達がついてくる。

俺はさっき見た巻き髪の女性が気になっていた。俺達16歳のまわりにはいない大人な女性。

今まで俺がしてきた恋愛は軽いものだった。ちょっとかっこいいから、ちょっとかわいいからで付き合ったような関係。そんなものが長く続くワケでもなく、1ヶ月付き合うなんて長いと思うくらいだった。

けど、一目惚れってものは確かにあるだろう。…今の俺みたいに?

⏰:09/07/27 20:50 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#16 [CHU−TA]
なんて思ってたらカラオケに着いた。駐車場の奥に原チャリを隠し、その横に新田君は車を止めた。

車から金髪坊主の人が出てきて

「俺雄大(ゆうだい)ってゆうから。」

と俺達に向かって言った。俺達は軽く「チース」と返した。

その後、後部のドアが開いて、女性2人が出てきた。さっきの巻き髪の女性と、金髪ロングの髪をポニテールにしている女性。

巻き髪の女性のミニスカートからスラッと伸びた脚に俺はドキっとした。

⏰:09/07/27 21:49 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#17 [CHU−TA]
カウンターで受付を済ませ、部屋に入る。自然と奥から年功序列に座り、俺は一番入り口に近いところに座った。

「おい、マジであの女2人可愛いくね?」

小さな声で智生が話しかけてきた。

「おーマジ可愛いな!」

軽く返事をして、巻き髪の女性をチラっと見ると目が合った。その人は首をすこし傾け、ニコっと笑顔を見せた。

『か……可愛い!』

⏰:09/07/27 21:55 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#18 [CHU−TA]
>>12
ありがとうです(*´д`*)頑張ります!!

⏰:09/07/27 21:56 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#19 [CHU−TA]
「お前等黙っとらんで自己紹介しろやー。」

笑いながら新田君が女性2人に言った。

ポニテールの女性は

「優美(ゆみ)でーす♪よろしくねん」

と、かるーい感じで言ったのに対し、俺達はまた「チース」と返した。

巻き髪の女性は

「志奈子(しなこ)って言います♪」

と言うと冗談ぽくお辞儀をした。

⏰:09/07/27 22:00 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#20 [CHU−TA]
「お前ら先歌っていいよ!」

新田君はリモコンとマイクを洋輔に渡した。

「えー俺が一番っすかー?お前歌えよ!」

洋輔は俺にリモコンを渡す。俺はそんなにカラオケに自信ないし、初対面の女性が2人もいるし、歌うには抵抗がある。

が、俺も男だ。DA PUMPの『if...』を入れた。

カラオケってのは歌い出すまでは妙に緊張するが、歌い出してからはあまり緊張しないもんだ。

⏰:09/07/27 22:06 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#21 [CHU−TA]
チラっと目に入った志奈子さんは、手拍子をしてくれてた。それが嬉しく感じ、俺はノリノリで歌った。

歌い終わると

「上手いやーん♪」

と優美さんが言ってくれた。優美さんも確かに可愛いけど、俺は志奈子さんの方がタイプだ。本当は志奈子さんに誉めてもらいたかった、なんて思ったらダメなのかな?

他の人も酒を飲みながら色々と歌い、雄大君や女性2人とも少しずつ打ち解けていけて、盛り上がってきた。

⏰:09/07/27 22:11 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#22 [CHU−TA]
雄大君が歌っているとき、急に志奈子さんは立ち上がって洋輔達の前を通り、俺の隣に座った。そして俺の耳に顔を近づけてきた。

「ねぇ渉君、トイレついてきて」

俺はワケが分からず「あ、はい」と答えて2人で部屋を出た。

「ごめんね、連れ出して。ここのトイレ暗くて一人じゃ怖いっちゃんねぇ」

と苦笑いをしながら志奈子さんは言った。

『可愛い…』

⏰:09/07/27 22:18 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#23 [CHU−TA]
確かにここのトイレ、というかカラオケ自体が汚く、薄暗くて少し怖い雰囲気を持っている。

「ここで待ってて♪」

と志奈子さんは女子トイレに入って行った。

俺は彼女を待つ間、色々考えていた。

『トイレなら優美さんと2人で行けばいいのに、なんで俺を誘ったんやろ……まさか俺の事…』

とかプラスに考えてた。基本的にプラス思考な俺。

⏰:09/07/27 22:23 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#24 [CHU−TA]
キィィと扉が開き、志奈子さんが出てきた。

「ありがと♪」

ニコッと笑顔を見せる彼女を見つめていたかったけど、照れ臭くて無理な訳で…。

コツコツ

高いヒールを履いた志奈子さんの足音はセクシーで、大人な女性って感じがした。

部屋に戻った俺はさっきの席に座る。なぜか志奈子さんは俺の隣に座った。

⏰:09/07/27 23:23 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#25 [CHU−TA]
「何か歌う?」

志奈子さんは俺の顔を覗き込むように尋ねてきた。俺はあまりに近い志奈子さんの顔に、どうしていいか分からなくなり

「し、志奈子さん歌っていいですよ」

と小さな声で答えた。

「あははっ!呼び捨てでいいよ〜♪」

「いや…やっぱ年上やし…」

どうしたんだ俺って感じ。いつもなら女の子と軽く話せるキャラな俺が、この人相手じゃどぎまぎさてしまう。

⏰:09/07/27 23:32 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#26 [CHU−TA]
「年上とか関係ないやぁん♪"さん"付けじゃ仲良くなれんよ?」

可愛い…可愛すぎる。こんなに可愛い人と出逢ったのは初めてだ。

「呼び捨てで呼んでみて!」

ニコニコして俺を見る志奈子さん。みんなカラオケを楽しむ中、俺と志奈子さんは別世界にいる気がした。

「し…志奈子…」

恥ずかしくて死にそうだ。

「ふふ、よく言えました〜♪」

⏰:09/07/27 23:42 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#27 [CHU−TA]
「彼女おるん?」

なんでそんなこと聞くんだ?また俺のプラス思考が働きだす。

「いや、いないっす…」

まともに顔も見れずに俺は答える。

それよりも、志奈子さんに彼氏はいるんだろうかと気になった。

「志奈子さんはおるんですか?彼氏。」

「あー、また"志奈子さん"って言った!"志奈子"やろ?」

⏰:09/07/27 23:49 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#28 [CHU−TA]
「あ、すいません…」

弄ばれてるんだろうか。それでも俺はよかった。

「あたしもおらんよー♪」

相変わらずニコニコ笑顔で話してくれる志奈子さんが可愛くて仕方がない。

俺はポケットからタバコを取り出し吸おうとした。すると

「渉君、タバコ吸うんだ。」

急に志奈子さんはどこか冷めた表情をして言った。

「あっ!タバコ嫌いっすか!?」

⏰:09/07/27 23:59 📱:D905i 🆔:L7yJSXXo


#29 [CHU−TA]
焦る俺は少し声を大きく言った。

「嫌いっていうか…。何年か前にあたしのお父さん、肺ガンで死んじゃったから…」

悲しそうな表情で言う急なカミングアウト。

『え…なんで初対面の俺にそんな事言うんだろ…』

「あ、そうなんですか…。」

「タバコ吸わない方がカッコイイよ?」

作り笑顔のような表情で俺を見る志奈子さん。

⏰:09/07/28 11:14 📱:D905i 🆔:Io9hNA9Y


#30 [CHU−TA]
「じゃあ…俺今日からタバコやめます!」

本心ではなく勢いから言った。まぁもし志奈子さんと付き合えたりするならタバコなんていらないと思った。

「本当にぃ?口だけやろ?」

「違いますよ!本気でやめます!」

と言いつつも、勢いだ。誰だってこんなに可愛い女性に言われたら勢いで答えてしまうはずだろう。

「じゃあ約束しよ♪」

志奈子さんは左手の小指を立てて俺に向けてきた。

⏰:09/07/28 11:19 📱:D905i 🆔:Io9hNA9Y


#31 [CHU−TA]
「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ーます♪指切った!」

『可愛い…』

「じゃあさ、アドレスおしえて?タバコ吸ってないか確認メールするけん♪」

冗談ぽく言う彼女は、グッチのバッグから携帯を取り出した。俺の気持ちが高鳴ったのは言うまでもない。

「番号言って♪」

「090****・・・・です」

「わ・た・る・君っと!ワン切りするけん取らないでねー」

⏰:09/07/28 11:29 📱:D905i 🆔:Io9hNA9Y


#32 [CHU−TA]
ピリリリリ…

「それあたしの番号やけん登録しとってね!」

「あ、ありがとっす!」

俺はその場で登録を始めた。名前の欄に『志奈子さん』って打ち込むと、志奈子さんはそれを覗いてきた。

「志奈子でいいって!で、志奈子の後にハートつけて♪」

「え!?いやいや、ハートつけたらなんか彼女みたいやないすか〜」

照れ笑いをしながら返す俺に志奈子さんは

「一ヶ月後にはあたしが渉君の彼女になってるかもしれんやん?」

⏰:09/07/28 11:35 📱:D905i 🆔:Io9hNA9Y


#33 [CHU−TA]
「…え?」

言葉の理解に苦しむ俺をよそに、志奈子さんはカラオケを歌い出した。

『どうゆう意味だよ…今の…。』

その夜はそれから少しして解散した。

「お前志奈子さんとイチャイチャしすぎたい!うらやましい!」

智生が言ってきた。俺はタバコに火をつけようとしたが、なんとなく罪悪感を感じ、道路に捨てた。

⏰:09/07/28 11:41 📱:D905i 🆔:Io9hNA9Y


#34 [CHU−TA]
さて、一段落ですw
果たして読んでくれてる人はいるんだろうか(つд`)

⏰:09/07/28 11:42 📱:D905i 🆔:Io9hNA9Y


#35 [だイ]
読んでます


頑張ってください

⏰:09/07/28 11:47 📱:F905i 🆔:eYAH6flU


#36 [CHU−TA]
>>35
どうも嬉しいです(*´д`*)
末永くお願いしますねっ!w

⏰:09/07/28 11:48 📱:D905i 🆔:Io9hNA9Y


#37 [我輩は匿名である]
読んでます�I

これからも頑張って下さい��

⏰:09/07/28 12:44 📱:T001 🆔:DhGs7A5M


#38 [我輩は匿名である]
面白いです



是非、更新してください

⏰:09/07/29 01:37 📱:F905i 🆔:K4uqhhVw


#39 [CHU−TA]
>>37
>>38さんありがとうです(つд`)

では続き頑張ります♪♪

⏰:09/07/29 19:31 📱:D905i 🆔:HXTzRdMU


#40 [CHU−TA]
家に帰り着いたのは朝の五時をまわっていた。今日はバイトも休みだし、ゆっくり寝れる。

ベッドに横たわった俺は携帯を開き、着信有りのマークに気づいた。

"志奈子さん"からだ。結局恥ずかしくてつけなかったハート。

俺はすぐに掛け直した。

プルルルルル…

「はい志奈子でーす♪」

「あ、渉ですけど…着信入ってたんで…」

⏰:09/07/29 19:36 📱:D905i 🆔:HXTzRdMU


#41 [CHU−TA]
「もう家着いた?」

「今着きました。」

「おかえり♪タバコ吸ってない?」

「吸ってないっすよー」

俺はポケットのタバコをテーブルに置いた。

「どうかしたんですか?」

「ん?…いや別に用はないんやけど…。用がないと電話しちゃいけん?」

どうしてこの人はこんなにも俺の"ツボ"をついてくるんだろう。

⏰:09/07/29 19:41 📱:D905i 🆔:HXTzRdMU


#42 [CHU−TA]
「いやそんな事ないっすよ!嬉しいです」

電話を持つ手が震えた。自然と出た本音。

「嬉しい?なんで?」

できれば触れないでほしかったところを普通についてきた。

「いや…なんとなくです」

答えになってない答えに、志奈子さんの笑い声が受話器から聞こえた。

「渉君ってシャイなんやね♪」

いつもの俺じゃないのは自分でも分かっていた。

⏰:09/07/31 11:20 📱:D905i 🆔:.MHuPvD6


#43 [CHU−TA]
一目惚れなんてしたことのなかった俺にとって、今のこの高鳴りは衝撃だ。

電話越しですら、声を聞けば聞くほど彼女に惹かれていく。確かに、弄ばれるかもしれないという不安もあったが、そんな事より俺は志奈子さんを好きになっていた。

「今度さ、2人でどっか遊び行こうよ!」

きっと志奈子さんも俺を悪くは思っていないはず。だってこうやって電話くれたり、デートに誘ったりしてくれるんだから。

「い、いいですけど…どこに?」

⏰:09/08/03 21:44 📱:D905i 🆔:6X.NYGKs


#44 [CHU−TA]
「それは渉君が決めてよぉ!」

笑いながら言う彼女。少しずつ緊張もほぐれていく。

「渉君はいつが暇?」

フリーターの俺には、暇なんて有り余ってる。

「夕方からならいつでも大丈夫ですよ!」

「明日は暇?」

急すぎる。けど運良く明日は休みだ。

「はい!暇です!」

「じゃあ明日の夜にデートしよ♪今から寝るなら夕方くらいに起きるやろ?」

⏰:09/08/03 21:50 📱:D905i 🆔:6X.NYGKs


#45 [CHU−TA]
「そうっすねぇ…たぶん昼過ぎには起きると思いますよ。」

「じゃあ明日の夕方電話する♪ってゆうかよく考えたら今日の夕方だね。」

もう時計は6時をまわっていただろうか。とっくに日付は「今日」に変わっている。

「おやすみ♪タバコ吸っちゃダメよー」

「分かってますって!おやすみなさい。」

携帯をテーブルに置き、タバコを見た。吸いたい気持ちに襲われながらも、吸えなかった。

⏰:09/08/03 21:57 📱:D905i 🆔:6X.NYGKs


#46 [恵美]
初めまして
メッチャ面白いですッッ
頑張って書いてくださぃね

⏰:09/08/06 01:09 📱:SH05A3 🆔:IilQlz4U


#47 [千紗☆]
凄く面白いストーリーです
更新.頑張ってネッ

⏰:09/08/13 00:41 📱:F705i 🆔:fOdy/BOk


#48 [我輩は匿名である]
コメントありがとです(*´д`*)
最近、夏休み入ったせいでバイトが忙しくなり更新できなくて…
今からできるだけ更新します!

⏰:09/08/13 12:27 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#49 [我輩は匿名である]
眠気はくるものの、なかなか寝付けない。俺は緊張してるんだろうか。こんな事は初めてだ。

「…一目惚れかぁ」

きっと志奈子さんも俺を悪くは思ってないだろう。でも、色々想像してみたけど、俺と志奈子さんが並んで歩く姿なんて想像すらできない。嬉しさ半分、自分の幼さに嫌悪感半分だ。

「志奈子さんとタメだったら…もっと緊張せずに話せたりするんだろうなぁ」

頭がゴッチャになり、何もがまとまらないまま眠りについた。

⏰:09/08/13 12:35 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#50 [我輩は匿名である]
ピリリリリリリ

乾いた携帯の電子音で目が覚めた俺は、無意識に携帯を開く。

『志奈子さん』

「はいっ!もしもし!」

「もしもーし、志奈子です♪おはよう!」

なんて気持ちのいい朝なんだ。眠気も一瞬で吹き飛ぶ。

「あ、はい、おはよっす!」

「アハハ、声が寝起きやぁん!今起きたん?」

「はい、今起きたっす。」

⏰:09/08/13 12:40 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#51 [あおい]
福岡の人ですか?
あおいも福岡やけん
続きが気になるッ
ちゃん応援しと
〜けん(・ω・)ノシ

⏰:09/08/13 12:54 📱:SH903iTV 🆔:☆☆☆


#52 [我輩は匿名である]
「起こしてごめんよぉ。今日何時から会う?」

「ん〜…今から用意したら…4時には用意できます!」

昨日のカラオケで話した時に志奈子さんは隣町に住んでると聞いてた。

「4時ね、オッケー♪待ち合わせはどこにしようか?」

「…志奈子さんの家と俺ん家の間をとって駅はどうすか?」

「うん、そうしよ!じゃあ4時過ぎに駅ってことで♪また連絡するけんっ。」

俺は電話を切ってテーブルに起き、無意識にタバコをくわえた。

火をつけようとして約束を思い出す。

⏰:09/08/13 20:09 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#53 [CHU−TA]
>>51
主は福岡ですよ(o^-')b
一緒ですね♪頑張って更新するんでこれからも読んでもらえたら嬉しいです!!

⏰:09/08/13 20:11 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#54 [CHU−TA]
「ま、一本くらいいいだろ…。」

俺は約束をやぶった。一目惚れしてしまったと言っても、昨日初めて会った人なんだ。あの約束なんて冗談に決まってる、と自分に言い訳をした。



俺の中で一番イケてると思うオシャレをして、4時前に家を出た。もちろん駅までは徒歩。10分くらいかかるだろうか。途中で洋介から電話がかかってきた。

「渉、お前今どこおると?」

「今駅に行きようばい。昨日カラオケで志奈子さんっておったやん?その人と遊び行くけん。」

⏰:09/08/13 20:17 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#55 [CHU−TA]
「は?マジで?なんで?」

「いや昨日誘われたけん…」

少し優越感だった。

「マジかよ!お前ずりぃぞ!つか、せっかく今日ネタ(シンナー)買ったのに。」

「おっ!いいね!夜中には帰るやろうけん、またそん時連絡するわ。じゃーな。」

シンナーなんかよりも志奈子さんとのデートの方が今は重要。

ピリリリリリリ

次は志奈子さんから着信だ。

⏰:09/08/13 20:22 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#56 [CHU−TA]
「もしもーし!渉君今どこ?」

「あ、もうすぐ駅っす!志奈子さん着きました!?」

「うん、着いとる♪駅のコンビニの前で待っとるけん♪」

今まで付き合った女達は全員時間にルーズだった。そのせいか、女性は皆がそうなんだと俺に先入観ができていた。

俺は余裕を持って家を出たのに、さらに余裕に駅に着いている志奈子さん目掛けて走った。

駅のロータリーに入ると志奈子さんが見えた。派手だからすぐ気付く。志奈子さんも俺に気付いたのか手を振っている。

⏰:09/08/13 20:29 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#57 [CHU−TA]
「すいませんっ!待たせて!」

「ふふ、いいよ♪あたしが勝手に早く来たんやし。」

志奈子さんはミニスカートを履いていて、色っぽく、大人の女性に見えた。

「どこ行くか決めてくれた?」

志奈子さんが覗き込むようにして聞いてきた。目が合う。

「いや…何も考えてないっす…」

照れからか、つい目をそらしてしまう。シャイと言われても仕方がないな。

⏰:09/08/13 20:34 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#58 [CHU−TA]
「じゃあとりあえずご飯行こう?あたしまだご飯食べてなくてさ!」

近くのマックに向かう。2人で並んで歩いたんだけど、自分がやけに幼く感じる。言動・服装・雰囲気…。志奈子さんは、どこか遠い存在に思え、並んで歩く事に恥ずかしさを覚えた。

「志奈子さんって…大人って感じですよね。」

「あはは、何ぃ?急に。」

「いや…なんか俺子供やなぁって。」

「ん〜?あたしも子供やし♪」

そう言って耳に髪をかける仕草は、どう見ても大人に見えた。

⏰:09/08/13 22:08 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#59 [CHU−TA]
「これってデートやね♪」

志奈子さんはニコッとして言う。

「ははは、そうなるんですかね?」

「ねぇ、呼び捨てで呼んでよ。志奈子って。」

「いや無理っすよ!マジで…恥ずかしいっす!」

急に真面目な顔をして言ってきた彼女に少し焦った。

「呼んで!」

志奈子さんはどこか怒った表情をして立ち止まり言った。

⏰:09/08/13 22:14 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#60 [CHU−TA]
「あと敬語もやめて。あたし渉君とはそんな仲はイヤやけん。」

「…分かりました。」

どういう意味から分からなかったけど、彼女の威圧にそう答えるしかなかった。

「じゃあ呼んでみて?」

「…し、志奈子」

「ありがと♪渉!」

呼び捨てで呼び合う事に少し喜びを感じた。まだ出逢って間もないけど、距離が短くなった気がして。

マックに着いた。店員がいらっしゃいませと言う。

⏰:09/08/13 22:20 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#61 [CHU−TA]
『この店員に、俺達カップルだと思われてるかな…』

そんな事ばっかり考えていた。周りを見るとカップルがたくさん居たけど、志奈子さんの容姿に適うような女性はいない。軽い優越感。

「渉は何にする?」

「あ、ハンバーガーセットで。」

志奈子さんはナゲットとアイスコーヒーを頼んだ。頼む飲み物も大人だ。コーラを頼んだ俺はやっぱり子供。

「あたしがおごってあげる♪」

「いやいいっすよ!俺出しますって!」

男のプライドってやつ。

⏰:09/08/13 22:27 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#62 [CHU−TA]
「あーっ!」

「え?」

「また敬語使った!」

「あ!ご、ごめん…」

「じゃあ、とりあえずあたし払っとくから後で頂戴♪」

志奈子さんはグッチのバッグからグッチの財布を出した。

『グッチが好きなんや…』

このマックは三階建てで、三階が喫煙席だ。洋介や智生と来る時の癖で、三階に上ろうとした。

「…渉ぅ、約束は?」

⏰:09/08/13 22:32 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#63 [CHU−TA]
「あ!すみま……ご、ごめん。癖がついとる。」

「禁煙席でいい?」

「うん!」

なかなかタメ口に慣れない俺のポケットには、なぜかタバコが入っているが、これも癖だろう。席に座るや否や志奈子さんが言った。

「なんか…ごめんね。やっぱ三階行こっか?」

「え?なんで?」

「あたし…渉の彼女でもないのにこんな事言って悪いし。」

⏰:09/08/13 22:38 📱:D905i 🆔:0CjaP/LI


#64 [CHU−TA]
「なんそれー!もう約束してしまったし、俺一回約束したら守るタイプやし!」

口から出任せ。

「じゃあポケットの中に入っとる物見して?」

ニヤっとして志奈子は言った。ヤバい!と思ったけど、ごまかしはきかない。俺はポケットの中の物全部テーブルに置いた。タバコも。

「やっぱタバコ持っとるやーん!あたしは渉の体を心配して言いよるんやけんねー」

「なんでそんな心配してくれると?」

⏰:09/08/15 00:29 📱:D905i 🆔:C.EeCQYw


#65 [恵美]
めっちゃぉもしろぃ頑張ってくださぃァゲ

⏰:09/08/16 09:34 📱:SH05A3 🆔:lyDpmBLQ


#66 [あさり]
しなこウザくなかったん?
1回しか会っとらんのにいちいち言われたないわ〜。

⏰:09/08/16 15:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#67 [☆]
>>66
好きな人とかやと
嬉しいもんなんちゃう

⏰:09/08/16 16:33 📱:SH01A 🆔:9iFPz6cY


#68 [我輩は匿名である]
おもしろいです
更新楽しみに
しときます

⏰:09/08/16 17:27 📱:W51H 🆔:H/2Jy7qM


#69 [CHU−TA]
コメントありがとです(*´д`*)頑張ります♪

>>66そのツッコミはそろそろ来るだろうと思ってましたw

それも踏まえて今から書いて行くんで読んでくださいm(_ _)m

⏰:09/08/16 20:16 📱:D905i 🆔:WVngfe8Q


#70 [CHU−TA]
志奈子さんは少し困ったような顔をした。

「なんでって…なんででも。」

「何それ?」

「…正直うざいやろ?」

「だからそんな事ないっすよ!」

たぶん俺は彼女を好きになっていた。まだ何も知らない人だけど、どこか惹かれるものがある。

そんな人に心配されるなんてすごく嬉しい訳で。

⏰:09/08/16 20:35 📱:D905i 🆔:WVngfe8Q


#71 [我輩は匿名である]
>>1-100

⏰:09/08/16 21:21 📱:W61SH 🆔:gvIHrPj6


#72 [CHU−TA]
「今からどこ行こっか?」

「ん〜…」

今までに経験した俺のデートは、自宅かカラオケくらいだ。俺の家に誘うのも恥ずかしいし、カラオケは昨日行ったばかりだ。何も思いつかない。

「渉は何したい?」

「いやぁ…思いつかん。」

「映画でも行く?今めっちゃ見たい映画があるっちゃん♪」

「おっ!映画いいね!」

見たい映画というのは、どうやらホラーらしい。怖い系は苦手な俺だが他にしたい事もないので、映画鑑賞に決定した。

⏰:09/08/16 22:39 📱:D905i 🆔:WVngfe8Q


#73 [CHU−TA]
腹ごしらえを終え、バス停に向かう。一番近くの映画館は、バスで10分ほど行ったところにあるデパートの屋上だ。

「あたし映画とか見るの久しぶりやん♪」

「俺も俺も!」

俺はなんとかタメ口でも話せるようになり、妙な接近感を覚えた。

『デートに誘うなんて…もしかして志奈子さん俺の事が好きなんじゃ…』

『…いやでも俺みたいな年下、こんな可愛い人が相手にする訳ないよな…弄ばれてんのかな…』

頭を駆けめぐるプラスとマイナスの思考。

⏰:09/08/16 22:46 📱:D905i 🆔:WVngfe8Q


#74 [CHU−TA]
「何ボケーッとしとるん?」

バス停で志奈子さんが聞いてきた。

「あ、いや、なんでもないよ!」

バスが来た。整理券を取り乗るとなかなか人が多く、空いてる席はない。仕方なく立って乗る事に。

「なんか人多いねー。」

とか言ってると、荒れた道路でバスがグワンと揺れた。

「キャッ!」と声をあげて俺の腕に捕まる志奈子さん。

『か、可愛い……』

⏰:09/08/16 23:04 📱:D905i 🆔:WVngfe8Q


#75 [CHU−TA]
「運転下手やね!」

と笑いながら言う志奈子さんに俺はドキドキしていた。まともに顔も見れず、つい下を向いてしまう。満員バス特有の密着感がさらに俺をシャイにしていく。

「渉、腕に掴まってていい?」

「う、うんっ」

こんな事でドキドキするなんて俺は純粋だな。バス停に止まるたびに客は乗ってくる。そのたびに志奈子さんの体は密着する。

『こ、これはやばいやろ!密着しすぎ!』

正直…嬉しかったけど。

⏰:09/08/16 23:31 📱:D905i 🆔:WVngfe8Q


#76 [CHU−TA]
そんなこんなで映画館のあるデパートに着いた。とりあえず上映時間を見に行く。

「うわっ!渉、次の上映まで2時間もあるよっ!」

「マジで!?どうしよっか…」

「……映画やめとく?」

「でも見たいっちゃろ?」

「ん〜別に今度でもいいんやけど…」

「とりあえずゲーセンでも行く?」

「うん。」

志奈子は残念そうな表情をしていた。そんなに見たかったんだろうか。

⏰:09/08/17 00:40 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#77 [CHU−TA]
しばらくデパートの中のゲーセンで遊んだ。本当に楽しかったし、志奈子と楽に話せるようにもなった。

"一緒にいて楽しい人"は俺が好きになる女性の第一条件。志奈子との時間を過ごせば過ごすほど、さらに好きになっていく。

「渉と一緒おったらめっちゃ楽しい!」

「俺もよ!」

気付けば2時間なんてあっという間だった。

「志奈子、結局なんだかんだで上映時間なったばい!」

⏰:09/08/17 00:46 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#78 [CHU−TA]
「本当だ♪見よう見よう!」

俺達は映画館へと急いだ。

チケットを買い、中へと入る。上映五分前なのに席はガラーンと空いていて、客は数えるほど。

一番後ろの列の真ん中に座った。薄暗くシーンとした館内。

「お客さん少ないねー。」

隣に座る志奈子の脚が目に入った。どこか大人の色気を放ち、スラッと伸びている。ミニスカートの中が見えそうで見えない。一度気になってしまうと、何度もチラっと見てしまう。男はバカな生き物だな。

⏰:09/08/17 00:57 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#79 [CHU−TA]
太ももをチラッと見て、目線を上にあげると志奈子と目が合った。

「さっきから渉どこ見ようとー?えっち!」

ニコニコしながら言われた。

「い、いや!ちょっと目に入っただけ!」

なんだこの言い訳は。顔が真っ赤になる自分が分かった。

「あはは、気になる年頃やもんね♪かわいいー!」

志奈子は可愛い笑顔を見せてきた。

「そんなに見たいなら見せてあげよっか?」

⏰:09/08/17 01:03 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#80 [CHU−TA]
「えっ!?あ、いや…」

「あはは!冗談に決まっとるやーん!」

やっぱ弄ばれてるんだ…。そう思ったけど、弄ばれててもいい、とも思った。

ジーーー…

館内は暗くなり映画が始まる。

「ポップコーンとか買えばよかったね。」

「あ、今から買ってくるよ!」

「え?いいよいいよ、もう始まるし!」

「大丈夫大丈夫!最初は映画の予告やけん!」

⏰:09/08/17 21:13 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#81 [CHU−TA]
俺は志奈子の返事を聞かないまま売店へ走った。とりあえず普通のポップコーンとジュースを買う。

支払いをしていると

「渉!」

志奈子が付いて来た。

「わざわざありがとう♪一人じゃ持てんやろ?」

俺はポップコーン、志奈子はジュース二杯を手に持って席に戻る。

「お金返すよ?」

志奈子は財布を取り出した。

「いいって!結局マックでは出してもらったし!」

⏰:09/08/17 21:18 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#82 [CHU−TA]
「いいのにー…」と言いながら志奈子はしぶしぶ財布をバッグに戻した。

「ありがとう♪渉は優しいね。」

その言葉にドキッとした自分がいた。

映画はまだ始まっておらず、他映画の予告が流れている。ここまできても客は少ない。

少しの間無言でポップコーンを食べ続ける2人。俺は必死で話題を探していた。

「新田君とはなんで知り合いなん?」

それが必死になって見つけた話題だ。

⏰:09/08/17 22:06 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#83 [CHU−TA]
「あー、にっちゃんとは中学の時から友達よ。渉はにっちゃんの後輩なんやろ?」

「うん、中学の先輩!」

「にっちゃんが、渉達は悪そ坊主って言いよったよー?」

「いやいや、何も悪い事とかしてないけんね。」

「昨日バイク三ケツしとったのは悪い事やないと?」

悪い事…って言っても自分では大した事ではないと思ってる。友達の影響ってヤツか。

さらに証明は暗くなり、本編が始まった。

⏰:09/08/17 22:12 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#84 [CHU−TA]
証明 ×
照明 ○

⏰:09/08/17 22:13 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#85 [CHU−TA]
内容はホラーだけあって、やはり怖い。チラッと志奈子を見ると楽しそうに見てる。

『この人と付き合えたらいつもこんなデートできるんやなぁ…』

そんな事を考えていると、あまり映画の内容が頭に入らないまま時が過ぎてゆく。特別怖いシーンだけは頭に残るけど。

ビックリさせるシーンでは、「うわっ!」とか「おっ!」とか隣で言ってる志奈子が見れた。可愛くて仕方がない。

一時間半くらいで映画は終了。館内は明るくなる。

「あー怖かったぁ!」

⏰:09/08/17 22:20 📱:D905i 🆔:YC1n99/c


#86 [CHU−TA]
「俺も怖かった…」

「出よっか?」

志奈子はポップコーンとジュースの容器をまとめて、出る支度を始めた。

外に出ると辺りはもう見慣れた夜の街。

「渉、もう帰る?」

時計は23時くらいを指していただろうか。

「え?帰るにはまだ早くない?」

⏰:09/08/18 09:42 📱:D905i 🆔:zuTOn9gU


#87 [CHU−TA]
「あはは、渉って夜行性?じゃあどこ行く?」

「どこ行こうか…」

「カラオケは昨日行ったしねー」

悩んだって俺から提案が出る訳がない。人間ってのは自分が経験したモノ以外思い付くはずがないのだ。

「あたしの家来る?」

衝撃的な一言に、体がビクッと弾んだ。

「い、いや悪いしいいよ!」

「なんで悪いと?あたし一人暮らしやけん気にせんでいーよ♪」

⏰:09/08/18 13:30 📱:D905i 🆔:zuTOn9gU


#88 [CHU−TA]
って事は、こんな夜中に男女が家で2人っきり!?尚更いやらしい妄想が頭をよぎる。

「で、でも…志奈子の家行って何するん?」

「んー…ゲームあるよ!プレステ♪」

正直なところ、行きたいのはヤマヤマだ。でも恥ずかしいとか女性の家には行きにくいっていう感情が出てきて、考えと正反対の言葉を選んでしまう。

「えープレステー?」

「何?プレステだめ?」

「ソフト何があるん?」

「牧場物語♪」

⏰:09/08/18 13:37 📱:D905i 🆔:zuTOn9gU


#89 [CHU−TA]
「一人用やん!」

「じゃあどこ行くんよー!」

「そうやねー……」

「ほら!行きたいとこないやん。それなら帰るよ?」

帰るのだけはイヤだ。確かに明日バイトで朝には家を出ないといけないけど、志奈子との楽しい今の時間を映画だけで終わらせたくない。どこかで何かを期待してる自分がいた。

「じゃあ…志奈子の家行こうかなー」

⏰:09/08/18 13:41 📱:D905i 🆔:zuTOn9gU


#90 [CHU−TA]
素直になれたもののアシがない。志奈子が住む町までは、歩けば40分はかかるだろう道のり。

時刻は23:30。バスもない。

「タクシーで行く?あたし料金払うから。」

「それなら俺も払うよ。割り勘!」

とりあえずタクシーを止め乗り込む。

「○○町までお願いしまーす!」

俺は車内で、期待と不安に胸を弾ませていた。

⏰:09/08/19 19:27 📱:D905i 🆔:9kezHfhg


#91 [CHU−TA]
志奈子の家の前に着いた。外観は少し古そうなアパートだ。ベージュの外壁は、所々ヒビが入っている。

キレイに割り勘でタクシー料金を払い、いざ志奈子の部屋へ!

暗い階段を上がり、鉄の扉の前で止まった。表札には『川内』とある。初めて名字を知った。

「汚いけどあがってあがって♪」

玄関にはヒールの高いブーツやパンプスがゴロゴロ置いてある。

⏰:09/08/19 19:31 📱:D905i 🆔:9kezHfhg


#92 [CHU−TA]
どこかいい匂いがする気がしたが気のせいだろう。

「お邪魔しまーす!」

細い廊下の先に部屋がある。志奈子は電気をつけて

「こっちこっち♪」

と部屋へ手招きした。

部屋の隅には薄いピンクのベッド。テーブルや棚が並んでいて、化粧品が至る所に散らかっている。

「ちょっと片付けるけん、ベッドに座ってて!」

照れくさそうに化粧品をまとめだす志奈子。

「いいよいいよ!汚いほうが落ち着く!」

俺は冗談ぽく返した。

⏰:09/08/19 19:41 📱:D905i 🆔:9kezHfhg


#93 [CHU−TA]
部屋を片付ける志奈子の後ろ姿を見ていると、俺の頭の中で悪魔と天使が囁き始めた。

『おい、渉!こんないい女と2人っきりだぞ。お前男だろ?こんなチャンスないかもしれねーんだ、年上とか関係ねぇ、襲っちまえよ!』

『いや、落ち着けって渉!志奈子の事好きなんでしょ?襲って拒否られたりしたら、この関係は終わりだよ!』

⏰:09/08/19 19:48 📱:D905i 🆔:9kezHfhg


#94 [恵美]
メッチャ続き気になる
頑張って

⏰:09/08/19 22:50 📱:SH05A3 🆔:bRc.3NKU


#95 [CHU−TA]
>>94コメントありがとです(*´∀`*)頑張ります!

⏰:09/08/20 01:00 📱:D905i 🆔:yT/bTaoE


#96 [CHU−TA]
「何見ようと〜?渉?」

志奈子の声にふっと我に返る。

「あ、ごめん!ボケーッとしとった!」

「渉ってよくボケーッとするよね!あはは!」

「そうかね?」

そういえば今日は志奈子の事ばっかり考えてる。一緒に居るから当たり前かもしれないけど、本当に…志奈子を好きになってしまった自分に気付いていた。

「志奈子…」

「ん?なに?」

⏰:09/08/20 01:05 📱:D905i 🆔:yT/bTaoE


#97 [CHU−TA]
「なんで今日俺を遊びに誘ったん?」

「えー?急にどうしたん?」

「気になって…」

脈絡のない質問に志奈子は不思議そうな表情をした。

「うーん…なんでかな?渉と仲良くなりたかったけん…かな。」

「なんで俺なん?」

「……本当にどうしたと?急にそんな質問されても困るよ。」

何が困るんだ?俺は普通の質問をしてるつもりだ。気になったから。

⏰:09/08/20 01:12 📱:D905i 🆔:yT/bTaoE


#98 [CHU−TA]
志奈子は急に、ベッドの縁に座る俺の前に座り上目遣いで見上げてきた。

「渉は…あたしの事どう思う?」

「え!?ど、どうって…」

「…年上の彼女とかイヤだよね?」

「いや、そんな事ないけど…」

思ってもいない方向へ進む会話はノンストップ。鼓動も速くなっていく。

「あたしね…、渉の事見た時から可愛い子やなぁって思っとったけん今日誘ったんよ。」

まるで俺の妄想のようなこの流れ。志奈子は少し俯いて話を続ける。

⏰:09/08/20 01:22 📱:D905i 🆔:yT/bTaoE


#99 [CHU−TA]
「あたしはまだ、渉の事なーんも知らんし、てゆーか昨日初めて会ったばっかやし、やけん……その…何て言うんやろ……うーん……友達からってゆうか、そうゆう関係からでも仲良くなれたらなーって思う。」

何だこれ?夢?友達からでもって…青春ドラマの告白みたいだ。

「あたしは19歳やけん渉の3つ年上やけど、仲良くなるのに歳とか関係ないやろ?」

「…うん」

俺は動転してる自分を無理にコントロールして相槌を打つ。

⏰:09/08/20 19:32 📱:D905i 🆔:yT/bTaoE


#100 [CHU−TA]
「お、俺も昨日志奈子に初めて会って、なんか…か、可愛いなって思ったし、電話くれた時嬉しかった。」

俺も正直な気持ちを頑張って言葉にして返した。

「ホント!?嬉しい♪」

志奈子はギュッと俺の手を握って言った。もし志奈子の言葉が嘘偽りだったとしても、俺はこの時思った。

『死んでもいい!』

⏰:09/08/20 19:41 📱:D905i 🆔:yT/bTaoE


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
↑ msgβ
💬
🔍 ↔ V 📝
C-BoX E194.194