ペアリング
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#721 [ゆうと]
葬祭場…

黒い喪服に身を包んだ人間が出入りしていた。


目線の先には、



『故・上田 彩乃』



の文字…

その文字を何度も読み返した…
何度も何度も…

⏰:09/11/14 01:01 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#722 [ゆうと]
ミクさんが俺の腕を掴んだ。
ビクッとした…


「行くよ…ユウキ達が中にいる」


足を前に進めた。

中に入る…
お通夜…

入り口の右側には、あいつの遺品…
左にはモニターがある。

⏰:09/11/14 01:06 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#723 [ゆうと]
モニターには、白い箱をメインとして映し出されていた。
すぐに目をそらした…


それが棺って分かってたから…
ただ認めたくなかったんだ…

遺品を見ようとする…

ミクさん達元4年生、ユウキ、アキヒロが出てきた。

「あ、ユウト…」

アキヒロが呟いた。
うつろな目つきだった…

⏰:09/11/14 01:11 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#724 [ゆうと]
「バカ!遅ぇよ!」

ユウキに怒鳴られた。

「…………」

言葉が出なかった。


それを見ていた小柄な女性、2人の男が近付いてきた。

「ミクのお知り合いの方々でしょうか?私、上田彩乃の母親です」

小柄な女性は、彩乃のお母さんだった…

⏰:09/11/14 01:17 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#725 [ゆうと]
そういえば、さっきミクさんと、この『お母さん』は入り口で話をしていた…
ミクって呼んだってことは、家族ぐるみで仲良しだったっていうのが読み取れる。

俺は頭を下げた。

「彩乃の兄の弘樹、弟の健太です」

彩乃のお母さんが名前を言った後、後ろに立っていた2人が頭を下げた。
お母さんの目は腫れていた…

⏰:09/11/14 01:22 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#726 [ゆうと]
すぐに思い出した…

前、彩乃が『お父さん』の話をした時に、兄弟がいるって言ってたな…


そう思いながら、遺品や写真を見た。
久しぶりに見る彩乃の笑顔、小さい頃の写真…


「あ!これ…」

俺は叫んだ。

「何?どうしたの?」

ミクさんが俺の横に並んだ。

⏰:09/11/14 01:27 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#727 [ゆうと]
遺品として置かれていたのは、薄いピンク色の指輪…

あの時、俺があげた『ペアリング』…

なんでここにあるんだ…?

彩乃のお母さんが話しだした…

「家で料理を作る時以外は、ずっとこの指輪をしてましたよ。一番のお気に入りだったみたいで、今日、ここに置かせていただきました」

⏰:09/11/14 01:31 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#728 [ゆうと]
泣き崩れた…


俺と別れてから、絶対に捨てただろうって思ってたから…

そういえば、いつかあいつは言ってた…

『あたし指輪もらうの初めてだよ♪』って…

あの時の彩乃の笑顔は最上級だった。
あの笑顔をすっかり忘れてた…

俺、ホントにバカだ…

⏰:09/11/14 01:38 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#729 [ゆうと]
あいつの顔には、白い布がかけられていた。

事故の衝撃で、見れないくらいの顔になってたからって…

もう、あの可愛い笑顔は二度と見られないんだ…

彩乃…
頼むから、また笑ってくれ…
また喧嘩しようや…
俺にビンタしてくれよ…また「腕枕♪」って言ってよ…
頼むから…

⏰:09/11/14 01:45 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#730 [ゆうと]
明日が葬式だという…
俺達は葬儀場を出た。


泊まる所は、大川監督が用意していたから困らなかった。
俺…黒いスーツなんて持ってきてない…

そう言うと、彩乃のお兄さん・弘樹さんが貸してくれた。

本当はこんなスーツ着たくないよ…

⏰:09/11/14 01:50 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


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