禁断って何?
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#456 [シバ]
「順調そうだね」
「今あっちも合宿中なんだって」
シバの問いかけを無視したような答えが返ってきた。
「順調そうじゃん」
だからこんな返事を返した。
「別に…普通だよ」
「そっか」
:10/06/27 23:37 :F02B :WsJJQz56
#457 [シバ]
外からはセミの鳴き声と、陸上部の元気なかけ声が聞こえる。
シーンとした場所にいると、そういう音や声に敏感に気付くようになる。
横をチラッと見ると、そこにはアイリがいる。
もう二度と会う事はないと思っていたアイリが一緒に肩を並べて…
尚更悲しくなる…
その時のアイリの横顔はキレイだったのを覚えてる。
:10/06/27 23:43 :F02B :WsJJQz56
#458 [シバ]
「合宿きつい?」
話題を変えてみる。
「そうですね。移動時間も長かったし…って、まだ初日始まったばかりだけどね(笑)」
お互い向き合わずに会話を進める。
「アイリ、髪切ったんだね」
「ああ、気付いてくれたんだ(笑)」
「そりゃ気付くわ(笑)あの時は肩より長めだったからね」
:10/06/27 23:48 :F02B :WsJJQz56
#459 [シバ]
「さっきさ、何でシカトしたの?アイリの事」
「何が?」
「トイレでさ」
「シカトってか…うん(笑)だって、話す事ないじゃん」
「冷たいんですね」
「いきなり敬語使うのやめれ」
「冷てーなぁ」
「それもやめれ」
「多少ショックだよ」
「しゃーないじゃん」
:10/06/27 23:53 :F02B :WsJJQz56
#460 [シバ]
「何がしゃーないの?」
「…しゃーないモンはしゃーない」
「変なの」
「だろうね」
「ねぇ…何で無視したの?本気で答えてよ」
「…………」
「ねぇ…」
「フラれたから」
「え…?」
「そんだけ!以上」
アイリはしばらく体育座りのまま動かなくなった。
:10/06/28 00:00 :F02B :iPaCEKqQ
#461 [シバ]
「シバさん…フラれたの?」
まさかの言葉だった。
「あのさ、ホントに馬鹿にしてんの?」
「え?だって…意味が分かんない」
「はぁ?」
「なんでシバさんがフラれたからって、アイリがシカトされなきゃいけないんですか?」
「お前…マジ…ありえねぇ」
:10/06/28 00:04 :F02B :iPaCEKqQ
#462 [シバ]
イライラを通り越して力が抜けた…
「そんな事言ったって…」
「もうお前には秀一がいるでしょ?はい、解決!終了!」
「あの、シバさん…もしかして、そのフラれたってヤツ…アイリの事?」
「それ以外に何がある?」
「シバさん…何か勘違いしてません?」
「してないよ」
:10/06/28 00:09 :F02B :iPaCEKqQ
#463 [シバ]
「いや、勘違いしてる(笑)」
アイリは意味深な表情で微かに笑った。
「アイリ…シバさんの事嫌いって言ってないですよ(笑)」
「………は?」
「だからフラれてないじゃん(笑)」
「は?意味分からん…」
:10/06/28 00:13 :F02B :iPaCEKqQ
#464 [シバ]
「言葉のまんまっすよ!だってアイリ、シバさんの事フッた覚えないし(笑)」
「嘘つくな」
「ホントだって(笑)」
「…意味が分かんない」
アイリは可笑しそうに笑っている。
ムカつくけど、アイリから目が離せなかった。
「シバさんは、アイリの事好きだったんですか?」
「……………」
「お〜い(笑)」
:10/06/28 20:11 :F02B :iPaCEKqQ
#465 [シバ]
「あー、そうだよ」
「そうなんだ!…いつからそんなに素直になったんですか?シバっち(笑)」
「お前、調子良すぎだろ…何なワケ?」
「だから前も言ったけど、アイリはシバさんの事好きですよ!シバさんはアイリの事、どういう『好き』で見てるの?」
「どういうって言われても…」
「単に『好き』なのか、ちょっと特別な感情の『愛』なのか…」
:10/06/28 20:16 :F02B :iPaCEKqQ
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