禁断って何?
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#466 [シバ]
「言わなくても分かるだろうが」
「分かんない。だってシバさんって何考えてるのか分かんないもん(笑)」

「…愛…だと思う」
「素直だね」


「まぁ、今更だから隠しても意味ないしね(笑)」

無理やり笑ってみた。
アイリは真顔のまま、目線を落として何かを考えているようだった。

⏰:10/06/28 20:20 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#467 [シバ]
「好きだよ…シバさん」

ふいにアイリは口走った。
シバはビックリしたっていうか、は?みたいな怒りというか、その言葉を聴きたかったんだよ〜…っていう喜びみたいな感情が襲ってきた。

「いや、何…え?」

「アイリもシバさん好きだよ。忘れてないよ」

…泣きそうになった。
体が震えた。
全身がジワッと熱くなった。

⏰:10/06/29 22:47 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#468 [シバ]
アイリの方に顔を向ける。

アイリは身を乗り出して、シバの顔を両手で包み込んだ。
アイリの目を見続ける…

微かに潤んでいた。
そのままの体勢で、2人ともしばらく無言でいた。

セミの鳴き声も、外からの陸上部の声も聞こえなくなった。

「シバさん触るの久しぶりだなぁ(笑)」

⏰:10/06/29 22:51 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#469 [シバ]
「…うん」
「あの時みたいに嫌がらないの?嫌じゃないの?」

「…嫌じゃないよ」
「素直すぎて不気味なんだけど(笑)あの時は野良猫みたいに警戒しまくってたのに(笑)」

「誰が野良猫だよ(笑)」
「ごめんなさい(笑)」

「…もう会う事ないって思ってた」
「アイリも。ウケるね(笑)」

「ウケるのか?」
「ウケる(笑)」

⏰:10/06/29 22:56 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#470 [シバ]
「いや、ウケない」
「ウケるし。ま、どっちでもいいよ(笑)」

アイリの無邪気な笑顔を見るのは久しぶりだった。
それを見て、内心ホッとしている自分がいる。


「秀一…かぁ」
「?」

「もしシバが男だったら、アイリはシバと付き合ってた?」
「シバさんが男だったら出会ってないと思いますよ(笑)」

⏰:10/06/29 23:43 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#471 [シバ]
「そうかなぁ…」
「そうだよ。だって、お互い『女子バスケ部』だから、一緒に合宿できたんじゃん(笑)」

最もだ!
シバが男だったら、今頃何をしているかも分からないし、出会うハズもなかったアイリと、こうして出会えたのもバスケットを通してこそなのだから。


「ってか、アイリはね。シバさんが男でも女でもどっちでもいいんだよ。シバさんっていう人間が好きなんだから」

⏰:10/06/29 23:50 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#472 [シバ]
「……………」

黙ってアイリの話を聞いていた。
何より嬉しい言葉だった。

「ぶっちゃけて言うと、最初は一目惚れだったんだ…だから仲良くなりたくて絡みまくったし、どんな人なのか知りたくて仕方なかったし」

「女に一目惚れ?」
「うん。女の人に惚れたのとか初めてだったから戸惑いまくったけどね(笑)でも好きならしょうがない…みたいなね(笑)」

⏰:10/06/29 23:54 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#473 [シバ]
「そっか…」

「そっかって…(笑)嬉しくないの?」
「もうちょっと早く聞きたかったよ…その言葉」

「それはこっちのセリフ…シバさんからアイリの事『好き』って聞いて相当ビックリしたし」

「なんで?」

「いや、だってずっと後輩として見られてると思ってたから」

「ああ、そうね…」

⏰:10/06/29 23:59 📱:F02B 🆔:TPLahEEo


#474 [シバ]
「シバさんの馬鹿…これからシバカって呼ぶから!(笑)」

アイリは笑った。

「…じゃあ、秀一と別れろって言ったら別れられる?」

何てカッコ悪い事言ってしまったのだろう…
アイリの笑顔が消え、一気に真顔になった。

「…う〜ん。難しいね(笑)」
「なんで?」

⏰:10/06/30 00:03 📱:F02B 🆔:rwGxcRPs


#475 [シバ]
気がつくと、アイリの両手はシバから離れ、また体育座りの位置へと移動していた。

「秀…今は好きだもん」

アイリは秀一の事を『秀(シュウ)』と呼んでいるようだ。

「『今は』って…?」

「秀はね、入学してからずっとアイリの事好きだったみたいでさ。アイリとはクラスは違うけど、よく話すし、いい奴だったし…」

⏰:10/06/30 00:08 📱:F02B 🆔:rwGxcRPs


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