禁断って何?
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#839 [シバ]
そんなあっちゃんからのメールは、意味深なものだった。
何かを探ってる?
でも、どっちにしろ理彩ちゃんのことを聞けるかもしれないし、好都合かもしれない。
『どこで?笑』
とだけ送って、また立ち上がってドアに寄りかかる。
すぐに返事がきた。
『公園の近く!りぃの家の近くだからもしかしたらって思って』
あっちゃんも理彩ちゃんのことをりぃと呼ぶ。
理彩ちゃんの友達で、りぃって呼ばない人はそうそういない。たぶん、りぃとあんまり仲良しでない人たちは理彩ちゃんって呼んでたはず。
いつ?何時くらい?
とかしつこく送るまでもなく、見られていたのなら正直に話すしかない…ってことで、あっちゃんの番号を選んで発信ボタンを押した。
『あっちゃん?シバです』
『はいよ。で、どうした?』
『どうしたじゃなくて(笑)シバ、今りぃの家の前にいるんだけど』
『え?なんで?りぃ何も言ってなかったよ』
相当びっくりした感じの反応だった。
そりゃそうだ。
だって約束のない突発的なシバの行動なんだから。
:13/06/26 23:51 :F02B :NXEAkN/s
#840 [シバ]
『あはは。だって、りぃは知らないんだもん。シバの勝手な突撃訪問なんだ』
笑って話したけど、それを聞いたあっちゃんは黙り込んで、しばらく考えていた。
そこから、運命って言葉はこの世には存在しません!って叫びたくなるほどの事実を突きつけられる。
『いやね、なんていうか…りぃ、さっき地元に帰るって言って電車の時間調べてたんだよね』
『え?』
『髪切りたいとか久々に実家帰りたいとか、ちょっと前から言ってたから。んで、さっきってか、昼過ぎね。あたし、りぃとご飯食べに行ってて、準備しないと何とかかんとかってバタバタしてたんだよね。あたしの考えが間違ってなければ、たぶん帰っちゃったと思う』
絶句…ってなったらあっちゃんを困らせてしまうから、何とか陽気に喋るよう努めてみた。
『あ、そうなんだ。まいったね、これ(笑)じゃあ、シバと入れ違いだぁ』
『うーん…りぃはシバに何も言わなかったの?』
『うん。さっきまでメールしてたけど、返ってこないし』
『どうすんの?』
どうしようもない。
『帰るしかないよね(笑)』
あっちゃんはまた何か考え込んで、冷静に答えてくれた。
『とりあえず、うちに来る?』
:13/06/27 00:07 :F02B :S22wC6RA
#841 [シバ]
歳の差はたったの2個なのに、どうしてこんなに大人に見えてしまうのだろうか。
『いや、それは迷惑だからやめとく』
『別に迷惑じゃねーし(笑)だって夜通しそこにいても、行き先変わってきちゃうよ』
ハテナ?って感じでシバが答えに困ると、
『お巡りさん家行きってこと!シバはよく知らない土地なんだから、ここは。変にウロウロさせたくないし、来ちゃったもんは仕方ないじゃん』
目頭が熱くなる。
どうしてそんなに優しいの、あなたは…
プラス、理彩ちゃんの帰省話を聞いたせいっていうのもあるけど、それからの優しさだから、自分みっともないし惨めだしで涙を誘われる。
『うん…ありがとう。行きます、あっちゃん邸』
『あっちゃん邸って名前はありがたいけど、普通のアパートだから(笑)期待しないでよ。ちなみに、うち分かる?』
『分かんない』
『んー、じゃあさ。大学の前にセブンイレブンあるでしょ。そこは分かる?』
『分かる』
『今からそこに向かってくれたら、ちょうどいい感じで合流出来ると思うから!うちとりぃん家の中間がちょうどそのセブンイレブンだから。歩かせちゃうけど、よろしく』
『分かった』
シバはイエスかノーしか答えてないのに、会話を進めるあっちゃんの優しさと行動力は凄い。
シバは理彩ちゃんの家をしばらく見つめてから、階段を降りた。
:13/06/27 00:22 :F02B :S22wC6RA
#842 [我輩は匿名である]
:13/06/28 07:22 :P02B :q2PtCNG.
#843 [我輩は匿名である]
:13/06/28 07:24 :P02B :q2PtCNG.
#844 [シバ]
安価ありがとうございます(*^_^*)
肩を落としかけたけど、あっちゃんに会える。
なんだかんだで久しぶりだった。
理彩ちゃんのことをグチグチ言うつもりはないし、言ったところで理彩ちゃんに罪はない。
とりあえず、あっちゃんに会いたい…
「シバ!」
車と街灯の光の中、あっちゃんは現れた。
このあっちゃんの笑顔というのが、憎らしいほど可愛い。
口角がキュッと上がって、頬にえくぼができる。
長い髪をいつも上げて、うなじをくっきりと見せる。首が細くて長めなのだ。
あっちゃんが座って、俯きながらこちらを見上げて笑うたびに、シバは目を逸らさないととてもじゃないけど、あっちゃんの笑顔に…あっちゃんに引き込まれそうになるのだ。
そこに恋愛感情なんてないんだけど、照れるもんは照れる。
ちなみにあっちゃんの身長は168センチ。
例えるなら、『ギャルあがりの和風美人』…これが一番似合うだろう。
ちなみに理彩ちゃんとあっちゃんは軽い幼なじみ。中学が一緒で、就職先の土地がたまたま一緒っていう、運命的な友情が成り立っていた。
「あっちゃん!久しぶり!」
「久しぶりー♪元気そうだけど、超元気そうでもないねアンタ(笑)せっかくセブン来たんだから何か買ってこうか」
:13/07/04 22:06 :F02B :8cCmD54.
#845 [シバ]
シバです。
人生グチャグチャになりました(笑)
それまでの経緯を書いていきますが、ちょっといろいろ問題だらけでして度々止まると思います…
勝手に完結まで突っ走らせて頂きます。
完結させる…よし!
同性に恋をされてる方へのメッセージを…
途中でリィの年齢差が2つになってるっていう打ち間違いがあるのですが、正しくは1つです。
修正申し訳ありません。
(続き)
あっちゃんと店内に入るなり、じゃがりこを2つ持って走ってきたあっちゃん。
「サラダとチーズ。あたし、じゃがりこメチャクチャ大好き。あたしの血液はじゃがりこで出来てるって言っても過言じゃない」
また笑う。
リィみたいに無邪気に笑う人もいれば、ゆっくりと口角をあげて綺麗に笑うあっちゃんもいる。
シバのこのどうでもいい顔が作り出す笑顔は、どちらに属しているんだろうと考える。
答えが分からないまま、あっちゃんは買い物魂に火がついたのかカゴにじゃがりこを入れ、ササッと歩き出す。
「シバー、飲み物選びな。今日はお姉さんが奢ってあげる」
あっちゃんの横顔をガン見した。
ゆーちゃんに、リィ、そしてあっちゃん。
シバの周りには美人さんが勢揃いだな。
シバがその輪に入ると完璧に浮いてる(悲しいけど)。
:14/03/26 00:51 :F02B :51ePH.6s
#846 [シバ]
シバの視線を無視して、中腰のまま飲み物を手に取るあっちゃん。
100%果汁のオレンジジュース。
「シバは?…ってか、さっきから何ボーっとしてんのよ(笑)ほら、どれがいい?」
「炭酸かなぁ…ってか、奢ってもらうのは悪いから自分のは自分で買うよ」
あっちゃんは一瞬、何か言いたげな顔をして動きが止まった。
「まどろっこしい(笑)適当にバサバサ入れてくから、好きなの取って飲んでよ。お菓子持っておいで…って言ってもシバは同じこと言うだろうから、これも適当にバンバン入れてくからね」
圧倒された。
なんて大人なんだ、この姉さんは。
調子出てきたのか、アルコールまでカゴに入れやがった。
何食わぬ顔してレジに並ぶ、あっちゃんの横に行く。
「買い過ぎじゃない?大丈夫?」
年下なりに気を遣ったつもりだった。
あっちゃんはニコリと笑顔を見せると、前を向いた。
コンビニ高いよー…
軽く3000円いっちゃって余計テンパるシバ。
あっちゃんは鼻歌でも歌いそうな涼しい顔して会計を済ませていた。
店員さんへの「ありがとうございます」っていう言葉もしっかりと伝え、シバの背中を押して外に出た。
:14/03/26 01:04 :F02B :51ePH.6s
#847 [シバ]
セブンイレブンからあっちゃん邸まで、そう遠くはなかった。
初めてきたあっちゃん邸。
リィの家とは違って、ちょっと男っぽい部屋だなっていう印象が残った。
キチッと整理はされてるんだけど、色合いとかが。
リィがピンクだの可愛い系を好むのに対して、あっちゃんは青とかのクール系。
「適当に座ってねー。あ、テレビつけて。あたし洗濯物干してきちゃうから」
「バタバタさせてごめんね」
「何言ってんの(笑)真面目過ぎると可愛くないぞ!お菓子とか適当に準備してて」
そう言うと、あっちゃんはベランダへと足を進めた。
シバもやっと落ち着いた感じがして、だらんと足を伸ばして座った。
窓の向こうで、ハンガーをカチャカチャ言わせる音がする。
テレビをつけるけど、変な疲れで眠さがあるのか瞼の奥が変にジンジンと痛んだ。
音だけ聞いて、テレビ画面からは目を離す。
5分後くらいに、あっちゃんは戻ってきた。
「準備しとけっつったのに、貴様…(笑)」
すっかり忘れてた。
目の奥が痛いとかって言って、買い物袋を放置してた。
「うわ、ごめんごめん」
買い物袋をサッと持ち上げたのはあっちゃん。
言葉の通り、本当に適当にいろんな物をズラズラとテーブルに並べて、じゃがりこを開封する。
:14/03/26 01:21 :F02B :51ePH.6s
#848 [シバ]
カリッカリポリッポリ言わせながら、あっちゃんはじゃがりこを食べている。
「シバも食べていいからね。遠慮したらベランダで寝てもらうから」
「え…?」
「ん?食べろっつってんの」
あっちゃんのギャップだ。
綺麗なお姉さんがあぐらかいて、シバにじゃがりこを進めてくる姿はオッサン混じりで笑えてくる。
シバが反応した部分を、あっちゃんはちゃんと分かっていた。
「今日は泊まっていきな。あんた、かなり疲れた顔してる」
「…ありがとう」
「キツくなったら言いなよ。いつでも寝れる準備はしてるから。あたしのベッドしかないけど、嫌じゃないなら隣であたしも寝るし」
早速アルコールを口にするあっちゃん。
シバも酎ハイに手を伸ばす。
「お、シバってアルコールいける子だっけ?あれ?あんた二十歳超えてるよね?」
「とっくに超えてます(笑)いただきます」
喉が渇いてたから、ジュース感覚でグイッと半分以上を飲み干した。
「おー、酎ハイはジュースってか?シバって酒強い方?」
「いや、メチャクチャ弱い」
あっちゃんは一瞬ショートしたかのように、シバに問いかける。
:14/03/26 01:34 :F02B :51ePH.6s
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