禁断って何?
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#100 [シバ]
プルルルルル…
プルルルルル…
プルルルルル…
ガチャ…
「…はい、もしもし?」
「…もしもし」
「はい?」
「あの〜、アイリですか?」
「はい、そうですよ。え〜っと…誰ですかぁ?」
「シバです」
:10/01/27 23:14 :F902iS :7D1nYFi.
#101 [シバ]
「…………」
何も言わなくなった。
アイリとの出来事を思い出し、1人でめちゃくちゃ緊張していた。
足が震えてる…
どんだけ上がり症なんだ自分…
「シバさん?…シバさんって、あのシバさん?」
どのシバさんかは分からなかったけど、とりあえず
「そうだよ(笑)」
:10/01/27 23:57 :F902iS :7D1nYFi.
#102 [シバ]
「え〜?シバさんかぁ!えー?元気でした?」
あの時泣いてたアイリとは打って変わって元気そうだった。
元気?って、こっちが聞き返さなくても分かるくらい、アイリは元気そうだった。
「まぁ、元気だよ(笑)久しぶりだね」
「そうっすねー…シバさんに連絡先教えてたのに、今まで音沙汰なしって一体どういうことですか(笑)」
:10/01/29 01:14 :F902iS :urptTvCo
#103 [シバ]
「ごめん!いろいろ忙しくてさ」
「本当かなぁ?どうせ、連絡するのがめんどくさかったんでしょ?」
「そんなんじゃないよ(笑)いや、マジで忙しかったんだって」
「まぁ、いいや♪とりあえず、シバさんが元気そうでよかったです」
「そりゃどうも」
:10/01/29 01:17 :F902iS :urptTvCo
#104 [シバ]
しばらく沈黙が続いた…
「…あの、そっちはみんな元気にしてる?」
「相変わらずですよ。あ!この前、授業中に携帯ポチポチしてたのが先生にバレて部活禁止になりました(笑)」
「誰がポチポチしてたん?」
「アイリです(笑)先生と先輩達にめっちゃ怒られました」
:10/01/29 01:22 :F902iS :urptTvCo
#105 [シバ]
「アホ(笑)」
「よく言われます(笑)今は普通に部活できてるんですけどね♪めんどくさいけど」
よかった…
普通に喋れる。
さっきまで緊張してたことが嘘のように、体はリラックスしていた。
アイリの笑い声を聞くとホッとする。
:10/01/29 01:25 :F902iS :urptTvCo
#106 [シバ]
しばらく雑談してた。
アイリの学校生活の話、お互いの部活に関する話、チームメイトの話…
ふと時計に目をやる。
電話をかける前に確認した時、夜10時ジャスト。
今現在、11時を遥かに超えていた。
:10/01/29 01:32 :F902iS :urptTvCo
#107 [シバ]
あらまぁ…
そう思っていると、廊下をズカズカと歩いてくる音が聞こえてくる。
その音は、あきらかにこちらへと近づいてきている。
シバは身構えた。
部屋のドアが勢い良く開いた。
勢い良くというか、怒り混じりっていうのはすぐに分かった。
:10/01/29 01:35 :F902iS :urptTvCo
#108 [シバ]
母だった。
覚悟はしてたけど、ものすごい形相だ。
「時間…」
ゆっくりとその一言だけ口にすると、シバの部屋の時計を指差した。
その間にも、アイリはなんやかんや話してたようだったけど…
約束は約束だ…
今日は仕方ない…
:10/01/29 01:39 :F902iS :urptTvCo
#109 [シバ]
「アイリ…ごめん。今日はもう寝ないと」
母を横目で見ながら、受話器に向かって話した。
母は怒りながらも納得したようで、部屋を出た。今度はゆっくりとドアを閉めた。
「マジですかぁ…じゃ、また明日電話かけてくださいよ」
「ああ…かけれたらね」
:10/01/29 01:43 :F902iS :urptTvCo
#110 [シバ]
「かけれたらじゃなくて、絶対(笑)分かりました?」
「はいはい」
「………」
「………」
また沈黙が続く。
どうやって電話を切ろうか考えていた。
じゃあ、またね!って潔く切ることができればいいんだけど、シバの場合それができない。
:10/01/29 01:49 :F902iS :urptTvCo
#111 [シバ]
相手から切り出してくれないと、なぜかその電話を終わらせることができない。
現に21歳になった今も、それは変わらない。
(こういうめんどくさい性格治したい)
「シバさん…アイリはシバさんのこと、マジメに好きです。おやすみなさい」
:10/01/29 01:54 :F902iS :urptTvCo
#112 [シバ]
先に沈黙を破ったのはアイリ…
同時に、先に電話を切る役も引き受けてくれた。
それにしても…
まただ…
この感じ…
めちゃくちゃドキドキしてる。
マジメに好きって…
本気でその言葉…受け取っていいの?
:10/01/29 01:59 :F902iS :urptTvCo
#113 [シバ]
翌日からは、何をしてても上の空。
授業内容なんて何一つ頭に入ってこない。
うん…
たぶん、自分はアイリのことが好きなんだ。
特別な友達とか、特別な後輩とか、そんなんじゃない。
“恋”の対象として好きなんだ…
:10/01/30 02:20 :F902iS :Owp4Rl3E
#114 [シバ]
しかし…
これまた厄介だなぁ…
女が女を好きになるなんて…
誰にも相談できないし、1人で考えれば考えるほど混乱する。
でも、好きなもんは好きなんだ。
アイリのことを思うだけで、胸がドキドキする…
:10/01/30 02:24 :F902iS :Owp4Rl3E
#115 [シバ]
数日後…
アイリから手紙が届いた。
プリクラも入れられていて、シバのテンションはMAX…
「(アイリの顔見るの久しぶりだなぁ…)」
女の子らしい癖のある字。
伝えたいことがたくさんあるのだろう…
まとまりのない文章がギッシリと書き尽くされている。
:10/01/30 02:30 :F902iS :Owp4Rl3E
#116 [シバ]
それからは、約一週間置きにアイリから手紙が届くようになった。
帰宅する度に、ポストを開けるのが習慣になっていた。
「(今日は届いてないな…)」
とか思って部屋に行くと、机の上に可愛い封筒が置かれていたり…
シバ宛に、あの癖字で記されていた。
:10/01/30 02:35 :F902iS :Owp4Rl3E
#117 [シバ]
もちろん、シバも返事を書くことを忘れない。
むしろ、返事を書くことが日頃の楽しみになっていた。
今日は何を書こうか…
とか、
昨日面白いことがあったから、一刻も早く伝えたい!
とか。
:10/01/30 02:38 :F902iS :Owp4Rl3E
#118 [シバ]
電話することも日課になっていた。
手紙と電話とプリクラと…
これが毎日のシバのエネルギーとなっていた。
部活で多少辛いことが起こっても、家に帰ればアイリの声が聞ける…
今日の練習が終われば、またアイリの顔が見れる…
:10/01/30 02:42 :F902iS :Owp4Rl3E
#119 [シバ]
そんなこんなで、シバの頭の中はアイリで一杯になっていた。
アイリ一色。
アイリがいるから、何でも頑張れる!
部活だって勉強だって何だって!
自分は今、最強なんだから!
大切な人、アイリ…
だからアイリの支えになりたい…
:10/01/30 02:47 :F902iS :Owp4Rl3E
#120 [シバ]
毎日の寝る前の楽しみ…電話。
だけど、1ヶ月経った頃…
家に帰るなり、恐い顔した母が玄関先でシバを出迎えた。
「ただいま。どうしたの?」
「…これ、見てみな」
母から一枚の紙を渡された。
:10/01/30 03:19 :F902iS :Owp4Rl3E
#121 [我輩は匿名である]
あげ!!!!
:10/02/04 08:27 :PC :☆☆☆
#122 [まき]
:10/03/07 23:40 :SH05A3 :ZrwbDVIM
#123 [reo]
更新楽しみにしています
:10/03/09 01:47 :F01A :/ar4Ih3g
#124 [シバ]
匿名さん
まきさん
reoさん
放置すみません
あげていただき、温かいコメントまで…
今日からまた更新していきます!
よろしくお願いします
:10/03/09 19:27 :F902iS :mhupUEXs
#125 [まき]
楽しみ
あげ
:10/03/09 23:25 :SH05A3 :G2FkUwBY
#126 [シバ]
>>125まきさん
ホントにありがとうございます
少しずつですが更新します!
:10/03/10 00:00 :F902iS :AE.vvLEU
#127 [シバ]
>>120その紙を受け取って上から下まで見回した。
「1万…8000円?え?どういうこと?」
「あんたが毎晩毎晩電話してるからでしょ!そのアイリちゃんって子と…いつもは3000円くらいで済むのに。だからちゃんと考えて電話しなさいって言ったでしょ」
:10/03/10 00:05 :F902iS :AE.vvLEU
#128 [シバ]
母さんは溜め息を何度も繰り返し、クルリと背を向けた。
…電話代の請求書だった。
こっちは自宅から…
あっちはケータイ…
そりゃあ、金額はそれなりに行くだろうなぁって思ってたけど、さすがにこれはちょっと…
:10/03/10 00:08 :F902iS :AE.vvLEU
#129 [シバ]
その日、母さんに何度も頭を下げ、なんとかアイリに電話をさせてくれとお願いした。
母さんは、指を3本立てた。
「それ…スリーピース?」
「バカ!3分だけ!」
「分かった」
アイリに電話した。
:10/03/10 00:11 :F902iS :AE.vvLEU
#130 [シバ]
「シバさぁん!待ってましたよ〜」
いつものテンションだったから、嫌な話を持ち出したくなかった。
「あんさ、アイリ…」
「何ですかい?」
「今日、母様から電話代の請求書見せられてさ…ちょっと今月ヤバいんだわ…」
:10/03/10 00:14 :F902iS :AE.vvLEU
#131 [シバ]
「へぇ」
「へぇ…じゃなくて。だからこれからは電話の回数を…」
「だったらアイリん家の家電使えばいい(笑)」
「は?」
「言ってませんでしたっけ?うち、普通に家の電話ありますよ(笑)」
:10/03/10 00:17 :F902iS :AE.vvLEU
#132 [シバ]
力が抜けた。
「なんで早く言わないの?!」
「いや、なんか、そういう習慣になってたから(笑)」
「アホ!」
「あはは、よく言われます(笑)」
:10/03/10 00:20 :F902iS :AE.vvLEU
#133 [シバ]
怒られ損って感じがした。
いや、シバが悪いのは事実なんだけども…
「じゃあ、今日はアイリからかけますね!ちょっと待ってて」
「…うぃ」
それから余裕で2時間は喋った。
母さんは呆れた顔をしながら寝室へと戻っていった。
:10/03/10 00:24 :F902iS :AE.vvLEU
#134 [シバ]
更に1ヶ月後…
帰宅して、いつものようにアイリからの電話を待っていた。
大体9時半過ぎくらいにはかかってくる。
身の回りの片付けや、明日の学校の準備を早々と済ませていた。
「……電話こない」
:10/03/11 22:12 :F902iS :9/E.HIE6
#135 [シバ]
時計を見ると、11時を過ぎていた。
「明日も学校でしょ?早く寝なさいよ」
母さんは欠伸をしながら寝室へと向かっていた。
「…アイリ、今日はもう寝ちゃったのかな?」
諦めないといけないよな…
ま、しょうがないか。
でも、やっぱり寂しい…
:10/03/11 22:16 :F902iS :9/E.HIE6
#136 [シバ]
めちゃくちゃ眠いくせに、子機を握りしめたままずっと待っていた。
12時を過ぎた。
毎朝6時には起きないといけない。
そろそろ寝ないと明日起きれない…
テンションがた落ちのまま布団に潜り込んだ。
ピリリリリリリ…
:10/03/11 22:19 :F902iS :9/E.HIE6
#137 [シバ]
バッと起き上がって机の上の子機を見た。
着信時に光る黄色いランプが忙しくパカパカと光っていた。
「え?ちょ…(笑)」
自分でも分かるくらいニヤニヤしていた。
電話が来ない!
っていう怒りは一瞬で吹っ飛んだ。
:10/03/11 22:22 :F902iS :9/E.HIE6
#138 [シバ]
すぐに通話ボタンを押した。
「…はい、もしもし?」
渋々〜…みたいな演技をした。
ずっと待ってたんだよ!っていう気持ちを押し殺して電話に出た。
「ヒロ〜?ゴメンね〜(笑)お仕事お疲れ様ぁ♪何してたぁ?もしかして寝てたぁ?」
:10/03/11 22:26 :F902iS :9/E.HIE6
#139 [シバ]
ヒ…ヒロ?
ワタシハシバサキデスガ…
「………」
「もしもし〜?マジでゴメンって(笑)遅くなっちゃったけどヒロ君の声聞きたくなっちゃってさぁ(笑)ってか、何黙ってんのさ(笑)」
「…あの」
「どぉしたのぉ?(笑)」
「間違い電話じゃないですか?」
:10/03/11 22:30 :F902iS :9/E.HIE6
#140 [シバ]
「はぁ?(笑)」
「いや…ヒロとかいう人はいないですよ、ウチには」
「え?村岡さんじゃないの?」
「はい…村岡じゃないです」
「え?ちょっと(笑)嘘…やだ〜(笑)間違ったぁ(笑)♯$☆&※*バイバーイ」
ブツッ…
:10/03/11 22:35 :F902iS :9/E.HIE6
#141 [シバ]
なんてこった…
アイリからの電話が来ない上に、まったく知らない奴からの間違い電話…
さっき吹っ飛んでいったハズの怒りが倍になって帰ってきた。
「とりあえず寝る!クソ!」
再び布団に潜り込んだ。
:10/03/11 22:38 :F902iS :9/E.HIE6
#142 [我輩は匿名である]
続き気になります
頑張って下さい
:10/03/13 10:14 :S001 :R4HOtDec
#143 [なつ]
一気に読ませていただきました!!!
更新応援しています!!!
:10/03/14 01:18 :N02A :PptXOIwM
#144 [シバ]
>>142さん
>>143さん
ありがとうございます!更新頑張ります(^^)
>>141翌日…
学校ではいつもとは違った上の空状態。
この時から変な不安みたいな、モヤモヤした勘が働いていたのかもしれない…
:10/03/14 17:45 :F902iS :kcLJgh.I
#145 [シバ]
「シバ、おはよ」
ポンっと肩を叩いてきたのは真希。
「元気ないぞ(笑)何かあったのか〜?」
「あ、真希おはよ…あのさ…」
「何じゃらほい♪」
「…いや、やっぱ何でもない」
「何それ(笑)」
:10/03/14 17:48 :F902iS :kcLJgh.I
#146 [シバ]
真希は一番の仲良しだ。普通の恋愛話だったらソッコー相談してる。
でも…
シバが今恋してる相手はアイリだ…
女の子だ…
仲良しとはいえ、そんな話をしちゃったら真希との関係にヒビが入る気がして、怖くて話せなかった。
:10/03/14 17:52 :F902iS :kcLJgh.I
#147 [シバ]
結局、アイリのことを真希に相談できないまま部活の時間になった。
上の空状態で、何度も監督に怒られた。
パスが来てもキャッチミス、シュートを打っても打ってもリングに嫌われ…
いつもはアイリとの電話のために、部活終了と同時にソッコー帰る。
でも、今日は体育館の入り口に座ってボンヤリしていた。
:10/03/14 17:59 :F902iS :kcLJgh.I
#148 [シバ]
体育館の電気が消された。
急に真っ暗になったことにビックリしながら帰る準備を始めた。
「…ただいま」
家に帰り着くなり、母さんが心配そうに出迎えた。
:10/03/14 18:01 :F902iS :kcLJgh.I
#149 [シバ]
「おかえりー!今日は遅かったね。元気ないし…学校で何かあったの?」
「別に何もないよ。ただ疲れただけ(笑)」
シバはニッコリ笑ったつもりだったけど、引きつっていたみたいで…
「今ね、真希ちゃんから電話があったのよ」
:10/03/14 18:03 :F902iS :kcLJgh.I
#150 [シバ]
「真希から?何で?」
「『今日シバが元気なかったから』って。心配してたよ」
「マジで?でも大丈夫だから(笑)」
「そう?あ、あと…」
母さんは何か考え始めた。
とりあえず疲れてるから中に入れてくれ…
「アイリちゃん?だっけ?ついさっき電話がきたよ」
:10/03/14 18:07 :F902iS :kcLJgh.I
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