禁断って何?
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#454 [シバ]
「…………」

黙り込んでしまった。


「…行こうよ」

アイリに手を引かれながら、2階の教室目指して、階段をのぼった。



…教室は静かだった。
人がいないんだから当たり前か…

教室の一番後ろの席の影になっている所へ行き、床に座った。

⏰:10/06/27 23:31 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#455 [シバ]
沈黙を破るかのように、アイリはケータイを開いた。


アイリのケータイ操作の音だけが聞こえていた。メールを打っているらしい。

しばらくすると、アイリはケータイを閉じた。


「…秀一君?」

何気なく聞いてみる。

「そうだよ」

⏰:10/06/27 23:34 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#456 [シバ]
「順調そうだね」

「今あっちも合宿中なんだって」

シバの問いかけを無視したような答えが返ってきた。


「順調そうじゃん」

だからこんな返事を返した。


「別に…普通だよ」

「そっか」

⏰:10/06/27 23:37 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#457 [シバ]
外からはセミの鳴き声と、陸上部の元気なかけ声が聞こえる。

シーンとした場所にいると、そういう音や声に敏感に気付くようになる。


横をチラッと見ると、そこにはアイリがいる。
もう二度と会う事はないと思っていたアイリが一緒に肩を並べて…

尚更悲しくなる…

その時のアイリの横顔はキレイだったのを覚えてる。

⏰:10/06/27 23:43 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#458 [シバ]
「合宿きつい?」

話題を変えてみる。

「そうですね。移動時間も長かったし…って、まだ初日始まったばかりだけどね(笑)」


お互い向き合わずに会話を進める。

「アイリ、髪切ったんだね」

「ああ、気付いてくれたんだ(笑)」

「そりゃ気付くわ(笑)あの時は肩より長めだったからね」

⏰:10/06/27 23:48 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#459 [シバ]
「さっきさ、何でシカトしたの?アイリの事」
「何が?」

「トイレでさ」
「シカトってか…うん(笑)だって、話す事ないじゃん」


「冷たいんですね」
「いきなり敬語使うのやめれ」

「冷てーなぁ」
「それもやめれ」

「多少ショックだよ」
「しゃーないじゃん」

⏰:10/06/27 23:53 📱:F02B 🆔:WsJJQz56


#460 [シバ]
「何がしゃーないの?」
「…しゃーないモンはしゃーない」

「変なの」
「だろうね」

「ねぇ…何で無視したの?本気で答えてよ」
「…………」


「ねぇ…」
「フラれたから」

「え…?」
「そんだけ!以上」

アイリはしばらく体育座りのまま動かなくなった。

⏰:10/06/28 00:00 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#461 [シバ]
「シバさん…フラれたの?」

まさかの言葉だった。


「あのさ、ホントに馬鹿にしてんの?」

「え?だって…意味が分かんない」

「はぁ?」

「なんでシバさんがフラれたからって、アイリがシカトされなきゃいけないんですか?」

「お前…マジ…ありえねぇ」

⏰:10/06/28 00:04 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#462 [シバ]
イライラを通り越して力が抜けた…

「そんな事言ったって…」

「もうお前には秀一がいるでしょ?はい、解決!終了!」

「あの、シバさん…もしかして、そのフラれたってヤツ…アイリの事?」

「それ以外に何がある?」

「シバさん…何か勘違いしてません?」

「してないよ」

⏰:10/06/28 00:09 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


#463 [シバ]
「いや、勘違いしてる(笑)」

アイリは意味深な表情で微かに笑った。

「アイリ…シバさんの事嫌いって言ってないですよ(笑)」



「………は?」


「だからフラれてないじゃん(笑)」

「は?意味分からん…」

⏰:10/06/28 00:13 📱:F02B 🆔:iPaCEKqQ


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