禁断って何?
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#501 [シバ]
教室に着く。
体育座りしてケータイをいじるアイリがいた。
シバに気付くと、パチンとケータイを閉じた。
「シバさん、おいで」
手招きされ、アイリの横へ。
しばらく無言でいて、アイリのケータイが鳴る。また開いて、すぐに閉じた。
「秀一かぁ?」
「うん。今日合宿から帰ってきたから遊ぼうだって。アイリも合宿だって言ったのに、バカじゃん」
:10/07/16 13:00 :F02B :r2DDek4c
#502 [シバ]
心が痛んだ。
シバと離れたら、またいつものアイリの生活が始まる。
普通に学校に行って、バスケして帰って…またこうやって秀一とメールして…
休みの日なんかは2人で遊びに行くんだろうな…
「秀とアイリ、プリクラさえ撮った事ないんだ。だからプリクラ撮りに行きたいんだってさ」
「…は?」
「あっちはあっちでサッカー忙しいし、こっちはこっちでバスケバスケだし、学校以外ではほとんど会わないからね」
:10/07/16 13:05 :F02B :r2DDek4c
#503 [シバ]
「あ、そうなの?」
変な安心感を感じた。
シバの表情を見て言ったのか、何となく言ったのかいまだに分からないけど…
アイリはボソッと話した。
「見る?秀の顔」
そんなもん見たくない!だけど、一目ならいいかな?
気になるし…
「見たいかも」
アイリはケータイをポチポチと操作して、秀一を探していた。
:10/07/16 13:09 :F02B :r2DDek4c
#504 [シバ]
「4枚くらいしかないんだけど…」
そう言って、シバにも見えるようにケータイの画面を向けた。
1枚目…
体操服の2人が笑ってピース。
秀一はアイリより少し背が高いくらいで、日差しが強かったのか、眩しそうに笑っていた。
ゼッケンには『長崎』。秀一の名前は、長崎秀一。
日焼けして、小麦色に焼けた秀一は、確かにかっこよかった。
:10/07/16 13:17 :F02B :r2DDek4c
#505 [シバ]
2枚目…
秀一が男友達とじゃれている場面だった。
どれが秀一か、言われなくてもすぐに分かった。鼻筋がスッと通ってて、クシャッと笑うあの笑顔は、誰よりも可愛くて、綺麗だったから。
3枚目…
秀一がサッカー部のユニフォームを着て、真顔で写っている。
1年生で唯一、ユニフォームを貰えたからその記念に撮ったんだとか。
:10/07/16 13:22 :F02B :r2DDek4c
#506 [シバ]
真顔の秀一は、凛々しいなんてもんじゃない。
悔しいけど、こんなにカッコいい奴見た事がない…
4枚目…
制服姿の2人が写っている。
夜だったのだろう。
真っ暗な背景に、灯りがポツポツ。
シバはアイリの制服姿を初めて見た。
秀一は眼帯をしていた。練習中に部員の肘がもろに入ったのだという。
「こんだけ」
アイリはケータイを閉じた。
:10/07/16 13:28 :F02B :r2DDek4c
#507 [我輩は匿名である]
頑張って
:10/07/16 13:38 :W62H :2AczhaBI
#508 [シバ]
>>507さん
ありがとうございます(^^)v
>>506初めてまともに秀一を見た。
こいつがアイリの彼氏…複雑というか、正直ムカついた。
シバの見えない所で、2人で一緒に帰ったり、ラブラブしたり…
想像しただけで、イライラする。
それと同時に、シバ自身にも苛立ちを覚えた。
:10/07/24 22:42 :F02B :9e1bBfHs
#509 [シバ]
なんでシバは男じゃないんだろう…
なんで自分は女なんだろう…
それ以前に、なんでシバは女を好きになってるんだろうって疑問を持つはずなのに、それがなかった。
男になりたい訳でもないのに。
変な矛盾だらけで頭の中はパニックだった。
「シバさん」
シバはしばらく俯いていたみたいで、アイリに呼ばれてハッとした。
:10/07/24 22:46 :F02B :9e1bBfHs
#510 [シバ]
アイリの方を向くと、アイリは心配そうな表情になっていた。
「見せない方がよかった?」
「いや、別…」
アイリの目を見れなかった。
アイリはどういう気持ちで秀一を見せてきたのか分からなかったし…
シバお得意の複雑な顔をしていたのだろう。
アイリは真顔のまま、シバに近づいてきた。
:10/07/24 22:55 :F02B :9e1bBfHs
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