別れさせ屋
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#401 [歩美]
12≫本当の別れ。


龍太郎と会えたことで、
私はパワーアップし、バイトもうんと頑張って、
なんだかすごく充実していた。
龍太郎は、
まだ丸一日連絡がない日もあったけど、
前よりは声を聞ける時間も増えた。
でもなかなか大変みたいで、
寝不足や疲れから、
体調が良くないみたいだった。
遠距離はこれが辛い。
体調が悪い彼に何もしてあげられない。

⏰:10/09/03 01:58 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#402 [葵]
ぉもろい

⏰:10/09/03 02:00 📱:SH06A3 🆔:☆☆☆


#403 [歩美]
龍太郎「歩美の裸見たら元気になるけど(笑)」

やだぁ。
だめぇ。
恥ずかしいぃ。(笑)

まぁ、
とりあえず大丈夫そう。


幸せばかりの私に飛び込んだ、予想もしなかった訃報・・・。



夜働いてた頃、
先輩と別れさせた
〈良平〉
が、交通事故で亡くなった。

⏰:10/09/03 02:02 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#404 [歩美]
良平と最後に会ったのは、
2年前。

1人暮らしの最後の日に、
思い出作りでヤった日。
恋愛感情はなかったけど、
店の先輩と付き合ってるのを知って、おもしろ半分で近寄り、浮気して、別れさせた。

良平は私と付き合いたいと言ってた。
でも私はノーと言い続けた。
それなのに自分のモノにしておきたくて、
「彼女つくったら許さない」
とか自己中なこと言ってた。

良平を、新一の代わりとして接してたこともあった。

⏰:10/09/03 02:08 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#405 [歩美]
↑↑すみません

○最後に会ったのは3年前。
です。

⏰:10/09/03 02:13 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#406 [歩美]
良平の元カノでもある、
店の先輩〈ナオさん〉から連絡がきた。

私が浮気相手だったということは未だに知らないまま、
共通のお客様で、何度か私も一緒に同伴したり、仲良くしていたということから連絡をくれた。

私はバイトを休ませてもらい、葬儀に参列した。


葬儀場で知ったのは、
良平がナオさんと結婚していたこと。
ナオさんは元カノじゃなくて、奥さんになっていた。


できちゃった婚で、
ナオさんのお腹には、8ヶ月の赤ちゃんがいた。

⏰:10/09/03 02:19 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#407 [歩美]
ナオさんは涙で顔全体を腫らしながら、私のところへ挨拶に来てくれた。

大きなお腹を抱えながら、
今にも倒れてしまいそうな足取りで・・・。

ナオさん「歩美、来てくれてありがとう。
元気にしてたの?」

声も震えて、かすれているのに、こんな時まで私の近況を伺う姿は、まさにホステスの鏡だった。

ナオさんはそれからも参列者に挨拶をしてまわっていた。

見ているだけで涙が止まらなかった・・・。

⏰:10/09/03 02:24 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#408 [歩美]
店の女の子は3つ上の先輩がもう1人来ているだけだった。
その先輩は、
ナオさんの親友。
〈イオリさん〉

イオリさんも涙を流しながら、ずっとハンカチを握りしめていた。


葬儀が始まり、
私はナオさんに失礼だと思いながらも、
目を閉じ、良平のことを思い出していた。

体で繋がっていた私たち。
良平は10個も上なのに、子供っぽいところもあった。

⏰:10/09/03 02:28 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#409 [歩美]
恋人じゃなかったから、
お互い何でも言い合えたし、
笑い合えた。

チュッパチャプスを取り合ったこともあった。


その良平が、
今目の前の箱の中で動かない。もう話せない。
もう笑い合えない。
もう会えない。


ナオさんは、お腹に手を当てながら涙を流し、遺影を見つめていた。


良平のバカ。
ナオさんと赤ちゃん置いてくなんて・・・ひどいよ・・・

⏰:10/09/03 02:32 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#410 [歩美]
最後のお別れのため、
参列者が飾ってあったお花を良平の体にたくさん置いていく。

私が手に持った白い花。


こんなキレイな色の花を、
私が置いてあげていいの?

30歳という若さで死んでしまった良平の死を悲しむ参列者たちが、大声で泣きながらお花を置いていく。

私に、このお花を捧げる資格はあるの・・・?
ものすごい罪悪感がこみ上げてきて、立ち止まっていた私に、ナオさんが背中を押した。

⏰:10/09/03 02:39 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#411 [歩美]
ナオさん「・・・お別れ・・・して・・・あげて・・・」

小さな小さな声。
きっと絞り出してくれた声。
泣きながら微笑むナオさんを見て気付いた。

きっとナオさんは、
良平とのことを全てを知ったんだ、と。


私は良平の顔を見た。


大声で泣いた。
良平のキレイな顔がね、
傷だらけで、信じられなかったから・・・。

⏰:10/09/03 02:42 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#412 [歩美]
良平の手のあたりにお花を置いた。

どうか、
生まれ変わったら、
その手で今度こそナオさんとの赤ちゃんを抱きしめて・・・
そう願いを込めて・・・。


良平はキレイなお花や、お酒、タバコを敷き詰めてもらい、
最後にナオさんが顔を抱えてキスをして、
大勢の泣き声を後ろに、
そのフタが閉じられた。



これが、
本当のお別れなんだ・・・。

⏰:10/09/03 02:47 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#413 [我輩は匿名である]
涙が止まらないです。歩美さんがんばってください!!

⏰:10/09/03 10:34 📱:PC 🆔:ykho6SVM


#414 [歩美]
火葬場へと向かう良平の最後を、悔し涙で見送った。
悔しすぎる。
どうして良平が。
どうしてナオさんが。

神様。
あなたは本当に残酷です。


イオリさんと2人、
重い足取りで帰っていた。


長い沈黙。
イオリさんのショックは、まるで自分のことのように大きく、大きな喪失感だった。

しばらくしてイオリさんが話してくれた。

⏰:10/09/03 14:41 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#415 [歩美]
イオリさん「死別って、
本当の別れなんだね。」

私「・・・そうですね。」

イオリさん「彼氏と別れて流す涙なんて、安いもんだって思っちゃうよね。」

私「・・・はい。」

龍太郎と離れ離れは寂しい。
でも、生きていれば必ず会えるんだ。
死んじゃったら、
もう会えないんだもんね。

イオリさん「ナオ、やっと夜から足洗って人生再スタートしたのに。」

⏰:10/09/03 14:47 📱:F02A 🆔:7zGUSsBc


#416 [歩美]
帰宅し、
友人の死に接してきた私に優しくいたわってくれる家族。

お母さんやお父さんが死んじゃったらどうしよう・・・

とか、どうしてもさらに身近に置きかえて考えてしまう。
いつかは来る本当の別れ。
避けては通れない。
でも、
早すぎるのだけはやめて・・・。

龍太郎が恋しくなり、
すぐにメールをした。


〈絶対に死んじゃいやだよ〉

⏰:10/09/04 03:10 📱:F02A 🆔:tcYkmUbo


#417 [歩美]
内容に驚いたのか、すぐに電話がかかってきた。

龍太郎「おいおい、
なにかあったのか?」

龍太郎の声だ・・・
離れているけど、
こうやって声を聞ける。

私は、今日あったこと、知人の葬儀のことを話した。

龍太郎は優しい声で相づちをし、
「辛いよな・・・」
「心配するな」
って言葉をくれた。


早く逢いたいよ・・・。

⏰:10/09/04 03:15 📱:F02A 🆔:tcYkmUbo


#418 [歩美]
――良平の葬儀から、しばらく経った頃、
ナオさんから連絡がきた。

ナオさん「葬儀にきてくれてありがとう。赤ちゃん産まれたら、見にきてよねっ♪」

明るく振る舞うナオさん。
胸が痛かった。



――それから2ヶ月が経ち、
ナオさんは無事に元気な男の子を出産。
彼は良太と命名された。
今は亡き父の『良』を受け継いだ。


イオリさんと、
お見舞いに行った。

⏰:10/09/04 03:19 📱:F02A 🆔:tcYkmUbo


#419 [歩美]
私「キャーっ、
ちいさぁい!!!
可愛い!!!」

本当に天使みたいだ。

ナオさんと、
3人で面会室で話した。


ナオさん「お産の時にね、
良平の写真握りしめて頑張ってたら、『頑張れ』って声がしたんだよ。信じてもらえないかもしれないけど、本当に聞こえたんだよ!!」

そんな話を聞くと、
また涙が出てきてしまう。


信じるよ。
良平は見守ってくれてたんだよ。

⏰:10/09/04 03:23 📱:F02A 🆔:tcYkmUbo


#420 [歩美]
時々悲しそうな表情で、
良太を見つめるナオさん。


良太、
健やかに育ってね。


私たち以外にも、
面会にはたくさんのご友人やご親戚が来ていたので、
私たちは長居せず帰ることにした。


撮った写メを、
何度も何度も見返した。


目と口が、良平に似てる。
さすが親子だっ♪

⏰:10/09/04 03:26 📱:F02A 🆔:tcYkmUbo


#421 [ー]
失礼します
>>200-500
>>500-800
読んでます頑張ってください!

⏰:10/09/04 15:37 📱:SH01B 🆔:T2WzEvWQ


#422 [歩美]
12≫疑惑。


龍太郎との遠距離から半年が経ち、離れ離れの新年を迎えた。
龍太郎は大阪で。
私はバイト先の仲間たちと遊園地にいた。

カウントダウンを終え、
0時00分。
周りがいっせいに携帯電話を手にした。
もちろん私も。

あらかじめ作っておいたあけおめのメールを友人や知人に送信した。

龍太郎にも。

⏰:10/09/05 18:26 📱:F02A 🆔:aTO81PzM


#423 [歩美]
龍太郎には、たくさんハートを入れて、
ずっと一緒にいようねってつけて送った。

それなのに、
龍太郎からのメールは、
一斉送信だった。(笑)
しかも内容も普通。

去年は私には私だけのメールをくれたのに、
一斉送信扱いされたことが許せなかった。

遊園地で一気にテンションは下がった。
まじ有り得ない。

仲間に愚痴って、
プンプン怒っていた。

⏰:10/09/05 18:29 📱:F02A 🆔:aTO81PzM


#424 [歩美]
これがきっかけとなり、
喧嘩に発展した。

「彼女は特別にして」

という私の言い分。
元々私は独占欲が人一倍強い。でも龍太郎は私に、
「細かい」
「ちゃんと特別扱いしてやってんじゃん」
と言い放つ。

はぁ?
なんで上から目線なの?
喧嘩してるときって、
ちょっとしたことがさらにヒートアップさせてしまうよね。

2日に帰ってくるのに、
まさかの喧嘩新年になった。

⏰:10/09/06 09:35 📱:F02A 🆔:iU3r1/6k


#425 [歩美]
仲直りをしないまま、
会うはずだった2日を迎えた。
もうこっちに着いているはずの昼前。
まだ音沙汰はない。
もしかして会わないつもり?

龍太郎のことは真っ直ぐに好きになりすぎて、
いらない意地を張るようになっていた私は、
自分から折れるのだけは許せなかった。
心のどこかで、
必ず仲直りできると思ってたし、必ず連絡がくると思ってたから。

待てど暮らせど連絡はなかった。

⏰:10/09/06 09:38 📱:F02A 🆔:iU3r1/6k


#426 [歩美]
しびれを切らし、
メールを送った。

〈なんで連絡してこないの?〉

返信もなし。
電話にも出ない。

ちょっと待って。
ヤバい状況なんじゃない?
焦ってきた。
鬼電をした。
出ない。

連絡を試みてから二時間が経ち、もう夜になってしまった。

諦めかけた時、
電話がかかってきた。

⏰:10/09/06 09:41 📱:F02A 🆔:iU3r1/6k


#427 [ピメ]
一番ぉもろぃ

⏰:10/09/06 20:56 📱:P906i 🆔:Y4eaA4sc


#428 [歩美]
ピメさん

ありがとうございます

⏰:10/09/06 23:27 📱:F02A 🆔:iU3r1/6k


#429 [歩美]
私は慌てて電話に出た。

私「もしもし!!」

龍太郎「電話した?」

しましたしました!!!
たくさん!!!
・・・ちょっと待て。
なんでそんな半ギレ?
あっ、
そっか喧嘩中だからか。

声を聞くと、逢いたい気持ちが抑えきれず、物凄い勢いで謝りたおした。

龍太郎「とりあえず今からそっち行くから。」

一方的に電話を切られた。

⏰:10/09/06 23:32 📱:F02A 🆔:iU3r1/6k


#430 [歩美]
電話の後、30分くらいで私んちの近くのコンビニに着いたとメールがきた。

向かうと、黒のオデッセイが停まっていた。

気まずい空気の中、
助手席に乗り込んだ。

私「龍太郎、ごめんね。」

本音は、
悪いなんて思ってなかった。
だって、一斉送信されたら、誰だって嫌じゃない?

龍太郎はフッと笑い、
「許してやる」
と言った。

ん???

⏰:10/09/06 23:36 📱:F02A 🆔:iU3r1/6k


#431 [歩美]
やっぱり納得がいかない。
謝らなきゃいけないのって、龍太郎じゃないの?
電話も出なかったし。
モヤモヤを抱えたまま、
少しドライブをした。

終始龍太郎は、
「疲れた」
「しんどい」
「社会人は大変なんだよ」
って、えらそうな発言。

あまりに仕事疲れをアピールされ、うっとうしくも感じた。

ホテルに行くのかとばかり思っていたら、爆弾発言。
ホテル街を通過した時、

龍太郎「あぁ〜、
ヤる元気もねぇ〜や(笑)」

⏰:10/09/06 23:39 📱:F02A 🆔:iU3r1/6k


#432 [歩美]
若者よ!!!
元気を出せよ!!!
ってか、遠距離よ?私たち。
溜まらないの!?
しかも、喧嘩の後だよ!?
普通2人きりになって、
ゆっくり、まったり、
愛し合わない?

龍太郎と会うのが、
こんなにつまらないと思ったのは初めてだった。

なにかが狂ってる。
そんな私たちだった。

ドライブは一時間程で終了。
どうしても連休が取れないということで、予定より早く、明日大阪に戻るとか。

⏰:10/09/06 23:42 📱:F02A 🆔:iU3r1/6k


#433 [歩美]
待ち合わせたコンビニに着いてしまい、
我慢できなかった私は、
龍太郎の腕を掴み、

私「ね、ねぇ龍太郎!!
ちゃんと仲直りしようよ?」

と言った。

龍太郎は面倒くさそうな顔をして言った。

龍太郎「明日早いし疲れてるから。わりぃ、じゃあ。」
と帰ってしまった。

・・・なに・・・???
その変わりよう・・・。

パリンって音がしたよ。

⏰:10/09/06 23:46 📱:F02A 🆔:iU3r1/6k


#434 [歩美]
なんで?
一斉送信に文句つけただけで、そんなに態度変わるの?
態度が変わったというか、
まるで、もう彼女じゃないみたいな扱いだったよね・・・。

帰宅し、お風呂に浸かりひたすら考え、悩んだ。

どうしてもおかしい。
とりあえず、明日の見送りの時にでも話がしたい。
だって、明日話せなかったら、また最低でも1ヶ月は会えないんだから。

お風呂からあがり、携帯を開くと、龍太郎からメールがきていた。

⏰:10/09/07 01:27 📱:F02A 🆔:ipWlqRcw


#435 [歩美]
私は良い内容を期待したのに、
〈明日の見送りは来なくていいから。お休み〉

だった・・・。
今すぐ理由を聞きたい。
今すぐ問いつめたい。
だけど、さっき仲直りを振り払われたことがトラウマ。

仕事が大変なことくらいわかってる。

そして、
もう私が龍太郎の中にいないことも・・・。
でもそれがあの喧嘩だけだとは思えない。


3年後、
私たちは一緒にいるんだろうか。

⏰:10/09/07 01:30 📱:F02A 🆔:ipWlqRcw


#436 [歩美]
――翌日。
断られた見送りをするため、
朝、駅へ向かった。

だけど大問題。
何時の新幹線なのかメールしたけど、返事はない。
そんなに見送りがいらないってことだよね。

キョロキョロ、
ひたすら龍太郎を捜した。

でも、見つからなかった。

昼頃、諦めて帰った。
夕方からバイト。
全く気分が乗らない。
それどころか働きたくもない。
どうにもできない状況ほど、
私にとって息苦しいものはない。

⏰:10/09/07 01:35 📱:F02A 🆔:ipWlqRcw


#437 [歩美]
なんとかバイトを終え、
奈々子に全て話してみた。
奈々子もカウントダウンを一緒に過ごした遊園地メンツだったから、一斉送信の件は知っていた。

奈々子「女いるね。」

ズバッと言われた。
これだからサバサバした女はえげつない(笑)
予想はしてたよ。
お風呂で考えてるとき。

ガックリと凹んでしまい、
奈々子が飲みに誘ってくれた。

バイト先近くの居酒屋に移動して、泣くまいと堪えながらアルコールを摂取した。

⏰:10/09/07 01:44 📱:F02A 🆔:ipWlqRcw


#438 [歩美]
龍太郎が浮気。
もちろん素直に受け入れたくはない。
決まったわけでもない。

だけど、
思い当たる節が他にもあった。
それは、クリスマス。

24日の晩〜25日の夕方まで、
龍太郎には空白の時間があったから。


――クリスマスイブ

龍太郎は、得意先と食事だといっていた。
そして、25日の夕方に
〈今起きた〉
とメールがきた。

⏰:10/09/07 01:48 📱:F02A 🆔:ipWlqRcw


#439 []
続きを早くー

⏰:10/09/07 01:59 📱:L03A 🆔:jrrylXpI


#440 [我輩は匿名である]
書き方わかりやすいし
おもしろいです
毎日更新楽しみにしてます

⏰:10/09/07 07:44 📱:F02A 🆔:BlJ8TEjY


#441 [歩美]
さん
匿名さん

ありがとうございます

⏰:10/09/08 01:02 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#442 [歩美]
信じるしかなかった。
得意先の付き合いでクリスマスを過ごしたことを。
もちろん疑った。
でも、
問いつめずに我慢した。

クリスマスは帰ってこれないと聞かされたのは直前だった。

だから年始に、初詣に行って、お互い何かプレゼントを選びに行って2人で遅くなったクリスマスしようって約束してた。

それがあの喧嘩で・・・。

あの年始ですら、
連絡のとれない空白の時間があった。

⏰:10/09/08 01:07 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#443 [歩美]
奈々子「次いつ会うの?」

私「わかんない・・・。」

なにせ、いつ大阪に帰ったのかもわかんないままだし、
また連絡がこないまま。
さすがにもう大阪に着いてるはずなのに、こんなに連絡がなかったら、
疑う以外できないよね。

奈々子「電話してみたら?」

夜中の1時。
かけたって、きっと寝てる。
もし起きてたとしても、
今さら何を話せばいいのかもわからないよ。

でも奈々子が強く背中を押し、龍太郎に電話してみることに。

⏰:10/09/08 01:11 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#444 [歩美]
プルッと鳴った瞬間、
心臓が止まってしまいそうなくらい息辛く、苦しくなった。

もし出たら、
まずはなんて言おう・・・。

五回くらいコールを鳴らした時、プツッと音がした。

出た!!!!!
そう思う間もなく、
私の耳に聞こえてきたのは、

プーッ プーッ プーッ

という虚しい音だった。


私「切られちゃった・・・」

固まる私。
一緒になって固まる奈々子。

⏰:10/09/08 01:20 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#445 [歩美]
再び体が動くようになった私は、ヤケになり、
もう一度電話をかけた。

さっきより心臓はさらに激しく暴れる。

結果は同じだった。

もう一度、もう一度と、
五回くらいかけた。

五回目には、
もう心臓は暴れなくなっていた。
断念。
その言葉が当てはまる。

そしたら、五回目に受話器から聞こえてきたのは・・・

⏰:10/09/08 01:24 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#446 [歩美]
『おかけになった電話は
電波の届かない――・・・
もう一度
おかけ直しください』


いえ、
もうかけません・・・。


声を出して泣き叫んだ。
店員さんに注意されるくらい。周りの客もジロジロ見てくる。見たけりゃ見ろバカ!!!
たった今、彼氏に拒否られた私を見ろバカ!!!

奈々子「歩美、
ごめんなさい。」

奈々子が謝ることじゃないよ。

⏰:10/09/08 01:27 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#447 [歩美]
奈々子は気を使い、
店を変えようと外に連れ出してくれた。
もうボロボロ。

酔いつぶれたというか、
踏みつぶされたというか、
とにかく身も心も粉々だった。

外の風に当たって、
ワンワン泣いていた時。


「えぇーーー!?
なんだよオイ!!(笑)」

声の主は、
佐伯さんだった。
隣には、知らない男性。

⏰:10/09/08 01:32 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#448 [歩美]
状況がつかめない佐伯さんは、ズタボロの私に驚き、
失礼なことにちょっと笑って介抱してくれた。

ひとまず4人で近くの銀行の駐車場に移動した。

どうやら佐伯さんは、
ご友人の方〈田川さん〉と別の店で飲んでいたらしい。
そろそろ二軒目に、という途中で、この私を拾ったと(笑)

奈々子が状況を説明してくれた。佐伯さんは奈々子も共に、信頼のある仲の良い上司。

状況を聞きながら、
佐伯さんはずっと私の背中をさすってくれていた。

⏰:10/09/08 01:37 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#449 [歩美]
奈々子が説明を終えると、
笑いながら私を見つめ、
「べっぴんがすっぴんになるぞ(笑)」
とおどけてくれた。

少し笑える余裕が出てきた。

泣き疲れ、
急激に酔いが回り、
その後軽く記憶がない。
とりあえず奈々子と佐伯さんに誘導されて、
歩いていた。


気付いたらカラオケで受付待ちをしていた。
あ、
私今からカラオケするのか。

⏰:10/09/08 01:41 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#450 [歩美]
部屋に入るなり、気持ちが悪くなり、トイレへ駆け込んだ。

そして復活した。(笑)

奈々子が待ってくれていて、
心配しながらも、
「元ホステスでも吐くんだぁー(笑)」
とふざけてきた。
ちゃんと突っ込める。
あ、なんだろ。
急に楽しくなってきた(笑)

部屋に戻るなり大声で、
私「佐伯さん!!!
ありがとうございました!!!
もう大丈夫です!!!」

お礼を述べたタイミングが悪かった。

⏰:10/09/08 01:45 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#451 [歩美]
佐伯さんはEXILEを熱唱していて聞いてくれない。(笑)

ほんと、
この人はおもしろい、若い、マイペース、とんでもない。
でも大好きだった。
既婚じゃなかったら惚れていたかもしれないような。

歌い終わり、
佐伯さんは
「笑え笑えーっ。
元気出せぇーっ。」
と彼らしいエールを下さった。

少し田川さんともお話した。
佐伯さんとは大学時代からの友人らしい。

⏰:10/09/08 01:49 📱:F02A 🆔:Nxat2HVE


#452 [り]
龍太郎…(´;Д;`)

がんばれー!

⏰:10/09/08 10:16 📱:F02B 🆔:efAf6yu6


#453 [さや]
応援してます☆
最後どうなるのか気になります

⏰:10/09/08 11:39 📱:P02A 🆔:OZQoDHsg


#454 [まみ]
>>100-300
>>300-600

⏰:10/09/08 23:39 📱:P905i 🆔:f96XWCM6


#455 [ユウたん]
読んでるよヾ(^▽^)ノ面白い展開がきになる

⏰:10/09/09 15:10 📱:F02B 🆔:☆☆☆


#456 [レン]
>>451-700

⏰:10/09/10 12:23 📱:SH01B 🆔:n7KN4hxI


#457 [歩美]
コメント下さった皆様
ありがとうございます

お待たせしました。
少し更新します

⏰:10/09/11 01:57 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#458 [歩美]
12≫疑惑。 〜続き〜


田川さんは、サラリーマン。
佐伯さんと比べると、落ち着いていて、年相応に見える。
佐伯さんが若すぎるってとらえ方もできるけど。
ちなみに田川さんは新婚。

お前も既婚かよ!!
幸せな奴は嫌いだ!!

って、
心の中で叫び散らした。

私はトイレで復活をとげたおかげで、
存分にカラオケを楽しみ、
朝方帰宅した。

まだ龍太郎からの連絡はない。

⏰:10/09/11 02:02 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#459 [歩美]
目が覚めたら昼過ぎだった。

昨夜のことを思い出し、
携帯を開いてみたけど・・・
龍太郎からの連絡はなかった。
私たち、
このまま終わっちゃうのかな・・・。

左手の薬指にはめてある、
【3年後の予約】
だけが、今の私の唯一の希望。

きっと仕事が忙しいんだ。
きっと疲れてるんだ。
きっと、
他に女なんていないんだ。

言い聞かせていた。

⏰:10/09/11 02:06 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#460 [歩美]
不安が膨らむにつれ、
悲しいことに龍太郎を想う気持ちが腫れ上がる。

こんなに好きになるつもりなかったのに。
惚れたもん負けって最初に言った人スゴいね。


バイトと家だけじゃ、どうにかなっちゃいそうで、私は極力友達と予定をいれた。


何度か龍太郎にメールしたけど、まだ一通も返信はなかった。

連絡が途絶えて、一週間が経ち、限界がきた。

⏰:10/09/11 02:09 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#461 [歩美]
もしかして、
事故にあったりしてないよね?
病気してないよね?

急に良平の最期が頭をよぎる。不安が高まった。


あいつに聞いてみよう。
何か知ってるかもしれない。
まもる。


私と龍太郎が付き合ってから、まもるとは会ってないし連絡もとってなかったけど、
あの2人は親友。
もし龍太郎に何かあったなら、知ってるはず。

⏰:10/09/11 02:12 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#462 [歩美]
龍太郎を愛する気持ちが、
いつの間にか
「生きていてさえくれれば」
という思いになっていた。

無事ならいい。
私に飽きたなら、仕方ない。
それは本当の別れじゃない。
だから大丈夫。
受け入れる。

深呼吸をして、
まもるに電話をかけた。

静かな、
夜の12時頃だった。

プルル・・・プルル・・・

まもる「もっし〜?」

⏰:10/09/11 02:15 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#463 [歩美]
私「あっ、私!
歩美だけど・・・」

まもる「心配しなくても番号入ったままだって(笑)
歩美、龍太郎のことで電話してきたのか?」

ドキっとした。
その通りだよ。
だってそれ以外まもるに用事なんてない。

私「・・・何か知ってるんだ?」

しばらくまもるは無言。
私も無言。


まもる「・・・電話で聞いて耐えられるかわかんねぇよ?」

⏰:10/09/11 02:20 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#464 [歩美]
事態は悪いことをほのめかす言葉だった。

私「大丈夫。
言って?」

まもる「歩美の彼氏さんはな、大阪で――・・・」



ウソ・・・
やだ・・・
なんで?
どうして?

約束したじゃん・・・
ひどいよ・・・


初めて、
【浮気】ならまだマシだったと思ってしまった。

⏰:10/09/11 02:23 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#465 [歩美]
龍太郎は、
大阪で遊んでしまった。
去年のクリスマス前。

そう、浮気。

そして、

その浮気相手に子供がデキた。
龍太郎は父親は自分だと認めている。
つまり、デキるようなことまでしていた。
私にはしたことのないこと。

だから、
龍太郎はもう父親になる。
私じゃない女の旦那になる。

そう聞かされた。

⏰:10/09/11 02:27 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#466 [歩美]
涙は出なかった。
予想もつかなかった。

でも、生きていないのと同じくらいショックだった。

ただの浮気なら良かった。
許せたよ。
好きだから。
でも、許す許せないの問題じゃない。

もう、
諦める以外に方法がない。

死刑と宣告されたのと同じ。
諦めるしかない。


まもる「自分で歩美に話せって言ったんだけど・・・」

⏰:10/09/11 02:31 📱:F02A 🆔:7rjZnbHI


#467 [歩美]
まもる「まだ葛藤してんだよ。ちゃんと話すべきなのはわかってるだろうけど、内容が内容だしな・・・
大丈夫か?」

大丈夫なわけないよ。
まもるは残酷だね。
大丈夫じゃない人に、
「大丈夫?」
って聞いたら・・・
【大丈夫】
って言うに決まってんじゃん。

まもる「俺からの話になって、ごめんな。」

謝らないで。
聞き出したのは私なんだから。

⏰:10/09/12 15:35 📱:F02A 🆔:AGTlH0H2


#468 [我輩は匿名である]
頑張って下さい

⏰:10/09/13 19:00 📱:W62H 🆔:tcynzMNU


#469 [歩美]
もう何も聞かなければ良かったのに、私はなぜか聞いてしまった。

私「相手の女って、
どんな人か知ってる?」

どうしても気になった。
大阪で女性と知り合ったことが不思議で。
サイトとかだったらすごく嫌だなって思ってた。


まもる「キャバ・・・」


その言葉を聞いて、
私は放心状態になってしまった。

⏰:10/09/14 00:56 📱:F02A 🆔:yD67PJTg


#470 [歩美]
夜の女に・・・
龍太郎を
盗られた・・・???

クラブでホステスをしていた頃に龍太郎と知り合った。
龍太郎が嫌だというから足を洗った。
その龍太郎が、
キャバ嬢に・・・


私はそそくさと電話を切った。

聞かなきゃ良かった。
でも聞いちゃった。
それが現実。


これが、
私が『愛』を捨てた瞬間。

⏰:10/09/14 01:00 📱:F02A 🆔:yD67PJTg


#471 [歩美]
13≫決別。


まもるから全てを聞いた私は、龍太郎にメールをした。

〈まもるから全部聞いた。
あんたなんかもういらない。〉

泣きながらメールを打ち、
ギュッと目をつぶって送信した。

さようなら、
龍太郎。
こんな終わりになるなんて、
本当に辛すぎた。

龍太郎からの返事はメールだった。

〈ごめん〉

⏰:10/09/14 01:07 📱:F02A 🆔:yD67PJTg


#472 [歩美]
たったの3文字。
あっけない。

恋人ほど、
あっさりした関係はない。
所詮は他人。
傷つけたっていい。
傷ついたっていい。
時間が忘れさせてくれる。

ドキドキしたりしながら、
徐々に距離を縮め、
恋人になる。
思い出が増える。
でも終わりは簡単。

じゃあ、愛ってなに?
なんで愛って特別視されるの?
バカみたい・・・。

⏰:10/09/14 01:10 📱:F02A 🆔:yD67PJTg


#473 [我輩は匿名である]
>>400

⏰:10/09/14 03:18 📱:W61CA 🆔:xucEwj8o


#474 [我輩は匿名である]
ずっと読んでます頑張ってください

⏰:10/09/14 07:09 📱:SH905iTV 🆔:652m5mDM


#475 [歩美]
匿名さん
匿名さん

ありがとうございます

⏰:10/09/14 19:21 📱:F02A 🆔:yD67PJTg


#476 [歩美]
龍太郎と破局し、
指にはめてある3年後の約束をはずした。

捨てようか・・・

でも、握りしめたまま手放すことができなかった。
だから、手放さずにいようと思った。

写真や、
映画のチケットや、
増えすぎた思い出が私を苦しめてきた。
何を手にしても、
全部思い出につながるんだよ。
龍太郎は、
全部捨てちゃうんだよね。
だって、結婚するんだもんね。

⏰:10/09/14 19:25 📱:F02A 🆔:yD67PJTg


#477 [歩美]
龍太郎との別れによって、
私は生きていく気がなくなった。
でも生きるよ。
夜の世界で。

なんのプライドなのか、
今ではよくわからない。

だけど、
キャバ嬢なんかに大切な人を盗まれた私は、
仕返ししようと考えた。

龍太郎が嫌がったホステスに戻る。
せめてそれが私の悪あがき。


バイバイ、
龍太郎と過ごした私。

⏰:10/09/14 19:28 📱:F02A 🆔:yD67PJTg


#478 [歩美]
14≫ホステスとして。


パチンコ屋を辞める話を、
佐伯さんにした。
佐伯さんは引き止めなかった。

佐伯さん「俺はお水に偏見はない人間だから(笑)
それどころか尊敬するよ、
ホステスって職業は。」

でも、どうしても教えてくれって龍太郎とのことを聞かれた。
私は全て話した。

佐伯さんは、眉間にシワを寄せ、火のついた煙草を全く吸わないまま黙って聞いてくれた。

⏰:10/09/14 19:35 📱:F02A 🆔:yD67PJTg


#479 [歩美]
私「――・・・ってことで、別れちゃいましたよ。
佐伯さん、煙草・・・(笑)」

佐伯さん「うわっ、
完全に忘れてた(笑)」

愛煙家なのに、せっかく火をつけた煙草を忘れるくらい真剣に私の話を聞いてくれたんだ。
その佐伯さんの優しさが嬉しいと同時に、
ねたましくなった。

こんな男性もいるんだって。


奈々子は引き止めてきた。
「ヤダヤダ!
辞めないでよ!ホステスなんか戻んなって!」

⏰:10/09/14 19:39 📱:F02A 🆔:yD67PJTg


#480 [り]
辛いね

⏰:10/09/14 20:07 📱:F02B 🆔:IlWI.b12


#481 [あ]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500

⏰:10/09/15 07:56 📱:SA001 🆔:wEhnj1Ks


#482 [歩美]
私「奈々子、ホステスを下に見ないで。」

奈々子はそんなつもりで言ったんじゃなかったのかも知れない。だけど、私はホステスをバカにされた気がして・・・
ついキツく言っちゃった。

奈々子は謝りながら、
泣き出した。

奈々子「辞めないでよ・・・」

奈々子らしくない、
可愛い一面だった。

私「泣かないでよ(笑)
会えなくなるわけじゃないんだよ?」

⏰:10/09/16 00:57 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#483 [歩美]
生きてれば会えるんだから。

良平の死が教えてくれた。
だから、奈々子、これからも友達だよっ。

かつて親友だった真穂より、
私は遥かに奈々子が好きだった。
なぜか奈々子は信用できた。
だから絶対裏切らない。
いつからかそう決めてた。


パチンコ屋を辞め、
お母さんにまたBARに戻ると話した。
お母さんは私の体を心配してくれた。
お姉ちゃんにはホステスに戻ると正直に話した。
頑張れと言ってくれた。

⏰:10/09/16 01:01 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#484 [歩美]
私はホステスとしてやっていく。
もう、それしか前向きになれる方法がなかった。

ナオさんに相談すると、
「いい店紹介してあげる」
ということで、
職場はすぐに決まった。

ナオさんは育児をしながら、
生活費のためにスナックで働いていた。
でも、良平の親から毎月入金があって、苦しいわけではないって言ってた。

ナオさん「いつか自分で店やりたいから、資金集め(笑)」
ナオさんはちゃんと前を向いていた。

⏰:10/09/16 01:05 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#485 [歩美]
愛する良平との間に授かった良太がいるから、
ナオさんは幸せそうだった。

私は、
龍太郎との間に何もないよ。

ナオさんの方が辛いはずなのに、今の私にはナオさんの方がキラキラして見えた。
母の力って、すごいんだ。

龍太郎とのことを、
ナオさんに話した。
ナオさんも真剣に聞いてくれて、慰めてくれた。


ホステスとして、頑張る。
ホステスとして、
いつか復讐してやる。

⏰:10/09/16 01:10 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#486 [歩美]
もちろんそんな復讐心は誰にも言わない。

私の職業は、
【ホステス】
副業は、
【別れさせ屋】


これから私は過去の自分に逆戻りすることになる。


幸せなんていらない。
どうせ次にくるのは不幸なんだから。

彼氏なんていらない。
思い出なんて邪魔。
私が欲しいのは快感だけ。

⏰:10/09/16 01:14 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#487 [歩美]
私「はじめまして♪
歩美と申します。」

私は源氏名を使わない。
面倒くさいんだもん。

ナオさんが紹介してくれた店は、前よりも大きく、女の子も多い。
すぐに友達や先輩、後輩ができた。うわべだけの付き合い。
別にそれで満足だった。


仕事は淡々とこなした。
お酒に弱くなってることには少し焦った。
ブランクのせいかな。
でも、もう一つ変わったのは、客層。

⏰:10/09/16 01:20 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#488 [歩美]
店が変わり、
前より若い客が多くなった。


仕事では、
年齢なんて気にしない。
いかに払ってくれるか。

平日はみっちり働き、
週末は客とゴルフに行ったりして、着実に数字をあげていた。

そんな中、
近くでホストをしている天馬と知り合った。

天馬は鹿児島出身で、
音楽をするために上京してきた。

⏰:10/09/16 01:31 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#489 [歩美]
知り合ったのは、店の女の子と天馬の店に飲みに行った時。

「どうも〜。
いつもありがとうございますお姫様方〜(笑)」

と、
隣に座ってきたのが天馬。

今まで行ったホストクラブの中で、天馬のいる店は一番居心地が良かった。

天馬とは、
すぐに仲良くなった。

連絡先を交換し、
毎日メールをしていた。
楽しくなかったと言ったら嘘になる。

⏰:10/09/16 01:37 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#490 [歩美]
だけど、恋をする気なんてなかったし、
まして同業者はちょっと・・・。

でも天馬のアタックは素晴らしいアタックだった。
「歩美〜、あゆり〜ん、あゆあゆ〜、ハニ〜♪」
天馬は私を笑わすのが大好きだった。
で、いつの間にか私が笑ったら天馬の勝ちっていうゲームが出来ていた。

天馬に魅力を感じなかったのは、フリーだったから。

私はね、人を別れさせるのが好きなんだ。

⏰:10/09/16 01:40 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#491 [歩美]
酔っ払って天馬にそんなことを話していたらしい。
天馬は、
「歩美性格悪すぎっ!!」
って笑ってきた。

はいはい。
わかってますよ。
じゃあくっついてくんじゃねーよ。

って感じの態度で、
私は天馬にはキツかった。


ホステスに戻って、
最初に別れさせたのは客がつれてきた部下のタカヒロ。
とても簡単だった。

⏰:10/09/16 01:44 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#492 [歩美]
15≫タカヒロ。


タカヒロは、クラブは初めてだった。
というか、キャバクラすら行ったことがなかった。

上司から指名をもらい、
タカヒロの横で接客をしていた。
性格は人見知り。
でも人見知りを忘れさせるようやんわりと温かい目で接客していた。
意外と早く緊張はほぐれた様子だった。

私「あっ、彼女いらっしゃるんですか?」

⏰:10/09/16 01:49 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#493 [歩美]
タカヒロ「えっ?
いますけど、
どうしてですか?」

私「指輪してるじゃないですかっ(笑)
私、そうゆうの敏感なんで♪」

タカヒロの右手の薬指には、
どーみてもペアリングじゃん!!というリングがはめてあった。
同席の上司たちが盛り上がり始め、私はタカヒロが浮かないよう精一杯務めた。

次第にタカヒロは彼女の話を始めた。

年下彼女。
束縛彼女。
わがまま彼女。

⏰:10/09/16 20:14 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#494 [歩美]
男性が自分の彼女の否を話す時は、大抵の場合、
『うまくいってない』
と思われたい。

それは女性にも当てはまるけど、タカヒロの態度から、
『絶対イケる』
と確信した。


タカヒロに名刺を渡した。
耳元で、
「これはプライベートの携帯だから♪」
と言った。
もちろん本当にプライベートを教えた。

タカヒロ「彼女に見つかんないようにしないとだね。(笑)」

⏰:10/09/16 20:18 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#495 [歩美]
私「そうですね!!」
と笑顔で見送った。

見つかっちゃえよぉ〜〜。
と、内心思いながら。


翌朝、早速タカヒロからメールが来ていた。

〈おはようございます。
今から仕事です。〉

私は今から就寝ですよ。

生活リズムは全く違うけど、
それなりにタカヒロとのメールは順調だった。


翌週、また上司と店に来た。

⏰:10/09/16 20:20 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#496 [歩美]
私「いらっしゃいませ♪
お疲れ様♪」

プライベートでメールをしているおかげで、タカヒロはもう全く人見知りではなくなっていた。
話も弾んだ。

上司もタカヒロも交えて、
ワイワイと楽しくクイズ大会もした。


タカヒロ「週末、映画でも行かないかな?」

私「ほんとっ?
行く行くーっ!!」

2人でデートの約束をした。

⏰:10/09/16 20:25 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#497 [歩美]
週末に約束をひかえた金曜日、天馬が店に来た。

当たり前のように指名され、
天馬の隣につく。

天馬「はいハニー♪」

私「ハニーじゃないし。
何しにきたの?」

天馬「相変わらず冷たいなぁ〜。日曜日遊ぼ?」

私「約束あるから無理。
で、何飲む?」

天馬「歩美汁(笑)」

私「まじできもい(笑)」

そんなやり取り。

⏰:10/09/16 23:20 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#498 [歩美]
しばらくふざけた会話に付き合っていたら、急に天馬が手を握ってきた。

天馬「俺、
本気なんだけど。」

一瞬沈黙。
いや、
たぶん一瞬じゃなかった。
しばしの沈黙。

私「やめてよ。」

もう恋愛なんてしたくないんだってば。
天馬を意識してなかったわけじゃない。
だけど、そんなこと言われたらホステスに戻ってきた意味がなくなるんだよ。

⏰:10/09/16 23:23 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#499 [歩美]
天馬「今日、
あがったら連絡して。」

そう言い残して、
支配人に挨拶だけして天馬は帰ってしまった。


私はネックレスを握りしめた。トップは、龍太郎からもらったあの指輪。
未練とかじゃなく、
戒めとして仕事時は必ずつけていた。


この指輪が、
私がホステスでいる意味。


「お疲れ様でしたー。」

店を上がって、
携帯を手に取った。

⏰:10/09/16 23:26 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


#500 [歩美]
天馬のメモリを出す。

・・・いや、やめた。

連絡をせず、私はタクシーに乗り込んだ。


天馬の店の前を通過したら、
天馬が座り込んでいるのが見えた。

見ちゃダメ。
目をそらした。

私を待っていると思いたくなかった。思っちゃったら、
行っちゃうもん。


私は天馬と一線置くことにした。

⏰:10/09/16 23:29 📱:F02A 🆔:SCiK5Re6


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