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#69 [我輩は匿名である]
「それが、そうとも言い切れない。
実はかの文豪、夏目漱石もこのような表現を用いていたことがわかっているんだ。
もちろん夏目漱石が正しいなんてことはあり得ない。だが、少なくとも『全然』を肯定に使う用例は、それだけ前から存在したってことなんだ。
こういった例は他にも数えきれないほどある。言葉というのは、日々進化しているんだ」

「じゃあ『全然』も進化中ってことか?」

「そういうことになるかな。言葉における唯一のルール、それは“広まったもん勝ち”だ。
間違いであっても、広まってしまえば正しくなる場合もある。それが言葉の面白いところでもあり、怖いところでもある」

⏰:08/11/20 00:12 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#70 [我輩は匿名である]
「なんか曖昧なんだな」

「言葉なんてそんなもんさ。何が正しくて何が間違っているなんて、誰にも決めることはできない。
今から君に教えることも、間違っているとは限らない。正しい日本語とはつまり、よく間違う言葉の正しい使い方を教えるわけだからね」

「じゃあそんなのやっても意味ないんじゃないか?」

⏰:08/11/20 00:13 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#71 [我輩は匿名である]
「そうかもしれない。でも、君はこれから小説を書くんだ。正しい日本語は意識するべきだと僕は思う。
ただ、あまり深く考えないでくれってことだ。三人称の地の文では正しい日本語を使うべきだけど、会話文なんかはニュアンスが大事だったりするしね。
ただ、読者の中には誤字があるだけで読まないっていう人もいる。よりたくさんの人に読んでもらいたければ、地の文だけでも正しい日本語を使うべきだと思うよ」

「なるほどね。つまり、あくまでも参考に、ってことか」

⏰:08/11/20 00:14 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#72 [我輩は匿名である]
「そうだね。はっきり言って、この章を見る必要はまったくない。
誤字脱字を気にしないならこの章の内容なんて知る必要がないし、正しい日本語を使いたいならその都度辞書をひくべきだしね。
ただ、『言葉に絶対はない』。これだけは把握していてくれ」

「ああ、わかった。肝に銘じとくよ」

「よし。じゃあ、前置きが長くなったけど本題に入ろう。まずは『誤字』だ」

⏰:08/11/20 00:14 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#73 [我輩は匿名である]
4−2 よくある誤字

「ここでいう『誤字』とは、変換ミス等のいわゆるケアレスミス(不注意による間違い)ではなく、思い込みによる間違いだ」

「思い込み?」

「ああ。さっき言った『すいません』もその1つだ。それだと、何を吸わないの? ってなっちゃう」

「そりゃそうだ」

「こういった誤字はたくさんある。実際に言葉にすると若干のニュアンスの変化があるからね、それで間違えてしまうんだ。
代表的なものをリストアップしていこう」

⏰:08/11/20 00:15 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#74 [我輩は匿名である]
 
こんにちわ→こんにちは

足元をすくう→足をすくう

三身一体→三位一体

脳ある鷹は爪を隠す→能ある鷹は爪を隠す

責任転換→責任転嫁

責任追求→責任追及

的を得る→的を射る
 

⏰:08/11/20 00:15 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#75 [我輩は匿名である]
 
喉が乾く→喉が渇く

味あわせる→味わわせる

シュミレーション→シミュレーション

雰囲気(ふんいき)→ふいんき

一部の隙→一分の隙

可愛そう→可哀想(可哀相)

この後に及んで→この期に及んで

家宝は寝て待て→果報は寝て待て

死に者狂い→死に物狂い

言葉使い→言葉遣い
 

⏰:08/11/20 00:16 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#76 [我輩は匿名である]
「……と、まぁこんなものかな。
これは氷山の一角で、他にもよくある間違いはたくさんある。
どうだい、間違えて覚えていたものはあったかい?」

「半分くらいあったかな……」

「最近は誤字の境目が本当に曖昧になってきていてね、どの辞書にも載っていないような言葉が、携帯電話の変換リストに出てきたりもするんだ。
携帯で変換したからといって正しいとは限らない。見る人が見れば分かっちゃうから、注意するように」

「ああ、わかった」

「では次は、よくある『誤用』についてやってみよう」

⏰:08/11/20 00:16 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#77 [我輩は匿名である]
4−3 よくある誤用

「またリストアップしていくのか?」

「いや、誤用は誤字と違って、間違いを一言で表しにくい。1つずつ解説していこう。まずは、下の文章を見てくれ」


「ふん、貴様らごときでは、ワシの相手をするには役不足じゃわい!!」


「……特に問題ないと思うけど…」

「まぁ、そう思うのも無理はない。
この誤用は、プロの小説家や漫画家でさえ間違えることがあるんだ」

「マジか」

⏰:08/11/20 00:16 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#78 [我輩は匿名である]
「ここで注目してほしいのは『役不足』という言葉。『役不足』の意味は知ってるかい?」

「役が足りてないから……まだまだ相手に対して力及ばない、って意味なんじゃないのか?」

「実はその逆なんだよ。『役不足』とは、ある人物の力量に対して、与えられた役目が軽すぎることを指す」

「なんと!!」

⏰:08/11/20 00:17 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


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