【携帯小説指南】全ての作家達へ【[投稿]を押す前に】
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#1 [◆vzApYZDoz6]
まだ書きため途中ナリ
経緯とか参考スレ↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2737/『小説読んでたら創作意欲がわいてきたから、初心者な私だけど携帯小説を書いてみたい!』
『携帯小説書きたいけど、書き方が分からないからとても無理…誰か教えて!』
ってな人達に捧げるレクチャー小説です。
これを読めば、何も知らない貴方でも簡単に、そして本格的な小説が書けちゃいます。たぶん。
:08/11/14 23:49 :P903i :lEsCNUvI
#2 [◆vzApYZDoz6]
免責事項と謝罪
※あくまでも筆者の知識と経験に沿ったレクチャーです。
『ここはこうした方がいいよ』『ここ明らかにおかしいだろw』というのがあればガンガン突っ込んでください。そうしたレスにより、このスレがより為になるスレになればいいなー、と思っています。
※堅苦しさを極力省き、少しでも多くの方に読んでもらいたいので、基本は会話オンリーです。ごめんなさい
では
:08/11/14 23:51 :P903i :lEsCNUvI
#3 [◆vzApYZDoz6]
プロローグ 〜事の始まり〜
「あー、小説書きたいなー」
彼は小説が書きたい太郎くんです。
「なら僕が教えてあげようか」
「どわっ!? いきなり出てくるなよ…つうか誰?」
「僕は一端の小説書きさ。名無しと呼ばれてるからそう読んでくれ」
「名無しさん、か」
:08/11/14 23:52 :P903i :lEsCNUvI
#4 [◆vzApYZDoz6]
「どれ、小説を書きたいなら僕が教えてあげよう」
「マジすか」
「ああ。携帯小説から一般小説まで使えるような、幅広い知識を伝授してあげるよ」
「やったー! ありがとう名無し先生!」
(現金な奴だな…)
「先生?」
「いや、何でもない。では始めようか」
:08/11/14 23:53 :P903i :lEsCNUvI
#5 [◆vzApYZDoz6]
第1章 〜テーマを決めよう!〜
「まず君はどんなジャンルの小説が書きたいの?」
「ジャンルってなんすか?」
「…………」
「いやその…」
「ジャンルは小説の区分、分類だ。恋愛やファンタジー、ミステリー、サイエンスフィクション(SF)などなど」
:08/11/14 23:54 :P903i :lEsCNUvI
#6 [◆vzApYZDoz6]
「それなら俺はファンタジーがいいな」
「ふっ、ファンタジーか。厨房が選びそうな部類だな。それでいて稚拙な文章ですぐダメになっていく」
「最初鼻で笑っただろ」
「いいんじゃないの? 君の好きにすれば」
(こいつ……!!)
:08/11/14 23:54 :P903i :lEsCNUvI
#7 [◆vzApYZDoz6]
1−1 テーマと登場人物の結び付け
「では太郎くん、まずこれを見てくれ」
太郎(18)
ただの平凡な学生。
「なんじゃこりゃ?」
「細かい事は気にしないでくれ。この説明文を見たとき、君はその小説がどんなジャンルか判断できるかい?」
「……恋愛ものか、日常系? でもファンタジーとかにもよくある設定だし……うーん、分からないな」
:08/11/14 23:55 :P903i :lEsCNUvI
#8 [◆vzApYZDoz6]
「なら、これだとどうかな?」
太郎(18)
ただの平凡な学生。
しかし、ある出来事から奇妙な事件に遭遇する。
「ミステリーかファンタジー? さっきよりは絞れるけど…」
「まだ曖昧だよね。なら、これはどうかな?」
太郎(18)
ただの平凡な学生。
しかし、ある出来事から奇妙な事件に遭遇する。
その事件が元で戦闘組織C−Boxに配属され、戦いの輪廻に巻き込まれる事になる。
「これはファンタジーだな!」
「そう。登場人物がいなければ、どんな物語も始まらない。登場人物はジャンル…ひいてはテーマと深く結び付き、それを明確に示さなくてはならないんだ」
:08/11/14 23:55 :P903i :lEsCNUvI
#9 [◆vzApYZDoz6]
「例えばテーマをファンタジーと決めたなら、その背景にある世界観も多少限定される。
ファンタジーには戦闘が……まぁ不可欠だろう? それに、ファンタジーは冒険性を持たせなくちゃならない」
「なるほど…確かにな」
「だから登場キャラも、例えばギルドに属しているとか、王国の兵士だとかね。そんな感じになるんだ。
ちなみにこの世界観やキャラ設定だが、プロットと一緒に決めるといい」
:08/11/14 23:56 :P903i :lEsCNUvI
#10 [◆vzApYZDoz6]
1−2 プロットの必要性
「プロット…ってなんすか?」
「…………」
「いやその…」
「プロットというのは小説の筋書きだ。
これを立てずに勢いだけで小説を書いてたら、絶・対・に展開が詰まるぞ!!」
「勢いで書いた方が楽しくない?」
「バカタレ、お前が楽しくても読者は楽しくないんだよ。プロットが無ければ、絶対に展開は薄くなる。
断言してもいいが、上手くておもしろい小説を書く作家は必ず最初にプロットを立てている」
:08/11/14 23:57 :P903i :lEsCNUvI
#11 [◆vzApYZDoz6]
「そ、そんなに大事なのか…?」
「そうだな…では、ある作家が『太郎が小説レクチャー中に殺される』という展開を考えていたとしよう」
「…っておい、ちょっと待て!」
「なに、ただのジョークだ。
プロット…物語の筋道を考えている人は、それについて@誰が Aなぜ Bどのようにして を明確にした上で進められる」
「ふむふむ」
「しかし、プロットを立てずに勢いで書いている人は、無理やりこじつける、というわけだ」
:08/11/14 23:57 :P903i :lEsCNUvI
#12 [◆vzApYZDoz6]
「でも、面白ければいいんじゃない?」
「物語の最初の方だけなら面白いかもしれない。だが、後々必ず矛盾が発生したりするんだ。
ちなみに先ほど『うまい作家は必ず最初にプロットを立てる』と言ったが、プロットを立てない場合、展開に詰まった上で逃亡、もしくは打ち切りをしてしまう人が多い」
「続いたとしても矛盾が発生したり、こじつけのような展開になる、と?」
「その通り。プロット無くして小説は書けないんだよ」
「それぐらい大事なんだな」
「うん、プロットの重要性が分かったようだね。じゃあ、おさらいに入ろうか」
:08/11/14 23:58 :P903i :lEsCNUvI
#13 [◆vzApYZDoz6]
〜1章のおさらい!〜
「テーマはあらかじめ決めること!」
「主人公はテーマによって決まる。個性や役割も決まってくるぞ!
背景の世界観なんかも限定されるから、それらの枠から外れないように!」
「プロットは大事! 無かったらいい小説なんて書けっけこないぞ!
各話の詳細とはいかずとも、全体の流れだけでも決めておくこと!」
「基本的な事だけど、テーマとプロットは大事だ。物語を考える前に、それを理解しておいてね」
「把握したぜ」
「よろしい。じゃあ次は、実際にプロットを立ててみようか」
:08/11/15 00:01 :P903i :RmcUV1W2
#14 [◆vzApYZDoz6]
>>5-13第1章 〜テーマを決めよう!〜 終
次回(たぶん明後日)は
第2章 〜物語を考えよう!〜
:08/11/15 00:03 :P903i :RmcUV1W2
#15 [我輩は匿名である]
二番煎じ乙
:08/11/15 02:05 :SH706i :S1vn0JWs
#16 [我輩は匿名である]
スレッドの乱立規約違反。
すでに同じようなトピがあるのでそちらに書き込んでください。
:08/11/15 07:44 :N905i :0Ws3jli.
#17 [我輩は匿名である]
>>16乱立ではないですよ
>>1の経過を見ましたか?
あちらでは書けないのです
スレを立てる必要があったのです
:08/11/15 10:42 :SH905i :☆☆☆
#18 [我輩は匿名である]
:08/11/15 11:12 :PC :BmFssTGk
#19 [◆vzApYZDoz6]
>>18そのスレの主の同意あるし、パクりでも便乗でもない
ちゃんとそっちのスレ見てから言ってくれ
>語り口調とか気持ち悪い
サーセンwww
とりあえず暇ができたから投下するわ
:08/11/15 19:17 :P903i :RmcUV1W2
#20 [◆vzApYZDoz6]
第2章 〜物語を考えよう!〜
◆vzApYZDoz6著
「安眠への旅」
1話(太郎登場、安眠マクラを探す旅に出る)
↓
2話(歌箱の町に到着、花子が仲間に)
↓
3話(魔王ナナシ登場、激闘の末に太郎殺される)
↓
4話(花子、太郎を蘇生するためのアイテムを探す)
↓
5話(小説板洞窟にて蘇生アイテム発見、太郎復活、ナナシの根城へ)
↓
6話(魔王ナナシ撃破、安眠マクラゲット)
:08/11/15 19:18 :P903i :RmcUV1W2
#21 [◆vzApYZDoz6]
「こ、これはなんというか……」
「ぶち殺すぞ。それはともかく、こういうのがプロットさ。
これはかなり大まかだけど、何も考えずに書くよりマシだとは思わないか?」
「確かにそうだな。道筋があった方が分かりやすいのは当たり前だ」
「プロットは本当に大事なんだよ。
さて、このプロットだが、闇雲に立てたんじゃ効率が悪いし、いいストーリーも作れない」
:08/11/15 19:19 :P903i :RmcUV1W2
#22 [◆vzApYZDoz6]
「じゃあどうするんだ?」
「さっきの『安眠への旅』みたいに、まずは大まかでいいから始まりから終わりまでの流れを決めるんだ」
「でも途中の展開は、考えているうちにたくさん思い浮かばないか?」
「そうだね。だからあくまでも仮のものとして立てるんだ。
コツとしては『起承転結』を使う」
:08/11/15 19:20 :P903i :RmcUV1W2
#23 [◆vzApYZDoz6]
2−1 プロットを立てるコツ、その1『起承転結』
「おっ、それは聞いたことあるな」
「国語の作文なんかでも習うからね。
物語は起伏がないとつまんないよね。メリハリのあるストーリーにするには、起承転結が大事だ。
良いストーリーかどうかは、起承転結の具合で決まると言っても過言ではない」
「まっ、マジか…」
「とりあえず、意味を確認しておこう」
:08/11/15 19:21 :P903i :RmcUV1W2
#24 [◆vzApYZDoz6]
「まず『起』。これは物語の始まりだ。これ無くして物語は成り立たない。
たとえばスポーツならスタート合図、ゲームならオープニング」
「それが無ければ始まらない、ってわけだな」
「そう。だからこそ、起は大事だ。読者を引き込めるかどうかは起で決まる。ここは特に力を入れて書くべきだね」
「なるほど。承は?」
「『承』は物語の大筋だな。恋愛なら心踊る日常、ファンタジーなら魔王を倒すまでの道のり」
「承には何があるの?」
「承は飽きさせない事が大事だ。起で読者を捕まえても、承で逃げられてはいけない。クライマックスの転まではね」
:08/11/15 19:21 :P903i :RmcUV1W2
#25 [◆vzApYZDoz6]
「転がクライマックスなのか?」
「『転』は文字通り、物語が転ぶ。今までに考えられなかった事が起きたりね。
ここでは伏線が役に立つ。伏線については後で説明しよう。
転では意外性が求められる。そのショックが大きいほど、読者を引き込めるんだ」
「なるほど」
「ちなみに、転はいくつあってもいい。転が多いほど物語に起伏がつき、読者を感情移入させやすい」
:08/11/15 19:22 :P903i :RmcUV1W2
#26 [◆vzApYZDoz6]
「んじゃー、結は?」
「『結』は、物語の終わりさ。終わりよければすべてよし、ってね」
「そんなんでいいのか…?」
「結では読者が納得できる綺麗な締めが求められる。伏線は全部回収してから結に持っていくこと。
謎を残したまま終わらせるというなら話は別だが、短編なんかだと尚更きれいな結を求められる。読者をすっきりさせなきゃね」
「意外と大事なんだな」
「この起承転結を上手に盛り込んで起伏をつける事が、上手になる近道だ。
じゃあ、起承転結の意味を踏まえて、もう一度さっきの安眠への旅を見てみようか」
:08/11/15 19:23 :P903i :RmcUV1W2
#27 [◆vzApYZDoz6]
1話(太郎が安眠マクラを求めて旅立つ)
2話(歌箱の町にて花子が仲間になる)
3話(魔王ナナシ登場、太郎殺される)
4話(花子、蘇生アイテムを探す)
5話(アイテムゲット、太郎復活しナナシの根城へ)
6話(ナナシ撃破、安眠マクラゲット)
「これを起承転結に当てはめるとこうなる」
結…1話
承…2話、4話
転…3話、5話
結…6話
「並べると、起→承→転→承→転→結の順で話が進んでいく」
:08/11/15 19:24 :P903i :RmcUV1W2
#28 [◆vzApYZDoz6]
「3話なんかものすごい意外だな…」
「そうだね、主人公が死ぬわけだからね。この場合、後に主人公が生き返ると読者に悟らせてはいけない。驚きが薄くなるからね」
「花子が蘇生アイテムの存在を知るのは、4話以降じゃないといけない、ってことか?」
「その通り。だんだん分かってきたみたいだね。
こうして起承転結を上手に使えば、物語を作りやすい。展開に迷ったりしても、起承転結を見直せば道が見えてきたりする」
「なるほど、よく分かった」
「うん。じゃあ、これで大まかなプロットは立てられた。では、安眠への旅第1話でさらに深くプロットを立ててみようか」
「よっしゃ」
:08/11/15 19:25 :P903i :RmcUV1W2
#29 [◆vzApYZDoz6]
2−2 プロットを立てるコツ、その2『5W1H』
「さて、この1話では太郎が安眠マクラを探す決意をするわけなんだが。
その目的、動機などを考えなくてはならない。理由なしに起こる物事はないからね」
「そりゃそうだ」
「ところで太郎くん、君は『5W1H』というのを知ってるかい?」
「聞いたことあるような…」
「これはニュース記事などで、読者に素早く的確な情報を提供するための慣行なんだけどね。
実は、これは小説のプロットを立てる際にもよく用いられるんだ」
:08/11/15 19:26 :P903i :RmcUV1W2
#30 [◆vzApYZDoz6]
「どういう意味なんだ?」
「『5W』とは、
Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(どうして)
のこと。
1HとはHow(どのように)だ。
各話の詳細なプロットを立てるときは、物事1つ1つに対してこの『5W1H』がきちんと定まっているかを確認しておくこと。
そうすることで、矛盾が発生したり展開に無理が出たりしにくくなる」
「ふむふむ」
:08/11/15 19:26 :P903i :RmcUV1W2
#31 [◆vzApYZDoz6]
「これは実際に小説を書く段階では気にしなくてもいい。情報を全て出さない方が面白かったりするしね。
だが、プロット段階では必ず確認しておくこと。伏線を張るときなんかにも、この『5W1H』は大事になってくる。
かといって、必ず定めなきゃいけないってわけでもないんだけどね。でも確認は必要だ」
「5W1Hは必ず確認する。覚えたぜ」
「よろしい。では、5W1Hを踏まえて1話の詳細を考えていこう」
「よーし」
:08/11/15 19:27 :P903i :RmcUV1W2
#32 [◆vzApYZDoz6]
「まずは太郎が安眠マクラを探す決意をするわけなんだが、こんな感じでどうだろう」
ここのところ、毎晩なぜか眠ることができない太郎。
医者に不眠症と診断され、睡眠薬をもらったが、一向に改善されない。
そんな太郎はある日、町外れで安眠マクラの噂を聞く。
調べたところ、かの魔王ナナシが持っている事がわかった。
どうしても眠りたい太郎は、その安眠マクラを探す旅に出る。
「これを詳細な文章にすれば、まぁいい感じでお話になるだろう」
「展開にも詰まらない、ってわけだな」
「正解。では上の説明から、5W1Hを抜き出してみるよ」
:08/11/15 19:27 :P903i :RmcUV1W2
#33 [◆vzApYZDoz6]
1話の出来事…太郎が安眠マクラを探す旅に出る
Who(誰が)…太郎が
What(何を)…安眠マクラを(探す)
When(いつ)…ある日
Where(どこで)…太郎の住む町で
Why(どうして)…眠りたいから
How(どのように)…(ナナシの根城へ)旅に出て
「こんな感じかな。When(いつ)が『ある日』ってのもアレだけど…まぁこの話ではそんなに重要でもないしね。
だが少なくとも、Who(誰が)、What(何を)、Why(どうして)の3つは必ず固めておくこと」
:08/11/15 19:28 :P903i :RmcUV1W2
#34 [◆vzApYZDoz6]
「人物、目的、動機をハッキリさせろ、ってわけだな」
「その通り。よく分かってるね。
さて、ではそれらを踏まえた上で、より面白いプロットにしていくには、どうすればいいか」
「……どうすればいいんだ?」
「プロットと一緒に、『キャラ設定』を決めるのさ」
:08/11/15 19:29 :P903i :RmcUV1W2
#35 [◆vzApYZDoz6]
2−3 キャラ設定を作る
「キャラ設定?」
「うん。簡単に言えば、登場人物のパーソナルデータかな。
性格、容姿、背格好、趣味、嗜好などなど」
「それは最初に決めておいた方がいいのか?」
「そんな必要はない。最初に考えるとすれば、せいぜい容姿くらいじゃないかな。
基本的には、プロットと一緒に考えていけばいいのさ」
「つまり、ストーリーに見合ったキャラを作っていく、と?」
「そういうこと。じゃあ、安眠への旅の太郎を例にして考えてみようか」
:08/11/15 19:29 :P903i :RmcUV1W2
#36 [◆vzApYZDoz6]
「まず性格。町で聞いた噂を調べたりしているし、不眠症を治すためだけに旅に出るんだから、なかなか行動的と言える」
「えーっと、じゃあ容姿は?」
「もしかしたらイケメンだったかもね。
でも今は不眠症のせいでやつれてると考えられる。疲れぎみ、目の下にクマがある、頬が痩けてる、などなど」
:08/11/15 19:30 :P903i :RmcUV1W2
#37 [◆vzApYZDoz6]
「背格好は分からないんじゃね?」
「そうだね。こういう場合は決めても決めなくてもいい。
あとから背格好の設定が必要な展開が出てきた時に決めればいいさ。大人サイズか子供サイズかとか、その程度でいい」
「趣味なんかもそうだよな」
「そうだね。じゃあちょっと話が飛んじゃうけど、2話の花子の設定についても考えてみよう」
:08/11/15 19:30 :P903i :RmcUV1W2
#38 [◆vzApYZDoz6]
安眠への旅
2話(歌箱の町で、花子と仲間になる)
「キャラが複数いる場合は、キャラ同士の関係が重要になってくる。
花子が仲間になるってことは、太郎と花子は知り合いなのかもしれない。初対面の人とすぐに意気投合、ってのはあまりないからね」
「そう言われればそうだな」
:08/11/15 19:31 :P903i :RmcUV1W2
#39 [◆vzApYZDoz6]
「性格にしてもそう。相手は仮にも魔王だ、普通ならビビるよね?
花子が困ってる人は放っておけないタイプの場合もあるけど、この場合は『花子と太郎は長年の付き合いがある親友で、太郎の悩み解消を助けるために仲間になった』とした方が自然だよね。
そうすれば、4話で花子が蘇生アイテムを探す理由もうなずける。親友を助けるため、ってことだ」
「人物どうしの関わりも考えなくちゃならないんだな」
「その通り。この場合も5W1Hと照らし合わせると分かりやすい」
:08/11/15 19:32 :P903i :RmcUV1W2
#40 [◆vzApYZDoz6]
「……とまぁ、こんな感じにキャラ設定を煮詰めていく。
終盤までストーリーが固まれば、キャラもだいぶ個性が出てくる。
そうなってからもう1度プロットを読み直して、『こいつの性格ならここはこうした方が面白いんじゃないか?』という風に、魅力的ないきいきとしたストーリーに仕上げていくんだ」
「大変だな…」
「その分、パッと思いついた話よりは何倍もいいストーリーができあがる。キャラ設定は大事だ」
「なるほど、よく分かった」
「よろしい。以上のことを覚えておけば、簡単に、本格的な物語を作ることができるはずだ。じゃあ、おさらいに入ろう」
:08/11/15 19:32 :P903i :RmcUV1W2
#41 [◆vzApYZDoz6]
〜2章のおさらい!〜
「プロットは、まず大まかなものから作っていこう。
その際、必ず起承転結を意識すること!」
「大まかな流れができたら、次は詳細を固めていく。
エピソードごとに『5W1H』をきちんと把握しておくこと!」
「詳細と同時に、キャラ設定も考えていこう。
ストーリーとキャラの結び付きは大事! ストーリーの動きに合わせて違和感のないキャラ設定を詰めていこう!」
「キャラが複数の場合は、キャラ同士の繋がりも明確にしておくこと!」
「プロットができたら、必ず細かい見直しを。意外なところで矛盾があるかもしれないぞ!」
:08/11/15 19:33 :P903i :RmcUV1W2
#42 [◆vzApYZDoz6]
「これなら、俺でもストーリーが考えれそうだな!」
「甘いね…ストーリーが考えられたところで、君はまだ小説のスタートラインにすら立っていない!!」
「なん…だと…!?」
「じゃあ次は、そのへんを教えていこうか」
>>20-42第2章 〜物語を考えよう!〜 終
次回は
第3章 〜小説を書く前に 小説のルール編〜
:08/11/15 19:36 :P903i :RmcUV1W2
#43 [◆vzApYZDoz6]
第3章 〜小説を書く前に 小説のルール編〜
「今回は小説を書く以前の、基本的なことを教えていくよ」
「なんだそれ?」
「まぁ、小説を書くにあたってのルールみたいなものだ」
「ルールなんてあるのか?」
「当たり前だ。人間社会にもスポーツにも、ルールは存在するだろう?」
「まぁそうだけど」
「では始めようか」
:08/11/16 22:33 :P903i :Q/dvAnew
#44 [◆vzApYZDoz6]
3−1 句読点・感情符号
「下の会話文を見てくれ」
「あ君は太郎じゃないか」
「んだれだ君はああナナシさんか」
「これはひどい」
「この文章に足りないものは、何だかわかるかい?」
「それぐらいわかるよ。句点(。)と、読点(、)だろ」
「正解。この句点と読点がないと、文章は読めたものじゃない。
では太郎くん、さっきの会話に句点と読点をつけて読みやすくしてみなさい」
「それぐらい簡単だぜ」
「自信満々だね」
「国語の成績は4だからな」
「10段階でだろ、どうせ」
「ギクリ」
:08/11/16 22:34 :P903i :Q/dvAnew
#45 [◆vzApYZDoz6]
「できたぜー」
「どれ、見せてごらん」
「あ、君は、太郎、じゃないか」
「ん、だれだ。君は、ああ、ナナシさん、か」
「どぉーだ、完璧だぜ!」
「これは……!! もはや酷いの領域を越えている! 酷すぎる!!」
「え?」
「太郎くん、君は必要以上に読点を使いすぎだ。読点を多用した文は、とにかく読みにくい。
それに句点の使い方もおかしい。どこまでが一文体となるかをよく考えなよ」
「具体的にどこがおかしいんだ?」
:08/11/16 22:35 :P903i :Q/dvAnew
#46 [◆vzApYZDoz6]
「まず最初の文から見てみようか」
「あ、君は、太郎、じゃないか」
「これを見て、太郎くんは文節か単語で区切ろうとしたのかな? と本気で思った」
「そんな…」
「読点とは、区の中の切れ目や息継ぎのポイントで打つ点だ。「あ」という感嘆と「君」という名詞を繋げてしまうと、「あ君」という固有名詞になってしまうだろ?
だからそこに読点をつけるのはうなずける。だがそれ以外の場所に読点をつける必要はまったく無いね!」
「『あ、君は太郎じゃないか』
……確かにこの方が自然だな…」
:08/11/16 22:35 :P903i :Q/dvAnew
#47 [◆vzApYZDoz6]
「続いて次の文章だけど…」
「ん、だれだ。君は、ああ、ナナシさん、か」
「『君は』と『ああ』の間にリーダ“…”でも入っていれば、句点の位置はうなずけなくもない。
だが、その場合はそこの句点はクエスチョンマーク“?”になるのが普通だと言えるので、やはり却下だ」
「むう…」
「まず、この文章は2つの文から成り立っている。
話しかけてきた人間に問いかける文と、誰なのか認識した文。その間に句点をつければいい」
:08/11/16 22:36 :P903i :Q/dvAnew
#48 [◆vzApYZDoz6]
「つまり?」
「読点も少し調節してやると、
『ん、だれだ、君は。ああ、ナナシさんか』
となる」
「……確かに読みやすい気はするけど……」
「どうしたんだい?」
「句点と読点だけじゃ、少し違和感があるような…」
「気付いたようだね。
会話には感情の起伏や疑問がつき物だ。そこで作家たちは、エクスクラメーションマーク“!”とクエスチョンマーク“?”でそれを表すんだ」
「ビックリマークとハテナマークだな」
「エクスクラメーションマークは感嘆や強調、クエスチョンマークは疑問符として働く」
:08/11/16 22:37 :P903i :Q/dvAnew
#49 [◆vzApYZDoz6]
「わかったぜ! とかなんでだよ? とかか」
「そうそう。それとこのマークにもルールがあって、このマークを使ったあとは1マス空白を入れる必要がある。読みにくいからね」
「つまり! こんな? 感じか?」
「そうそう。ではこれらのマークを使って、さっきの文を直してみようか」
「『ん? だれだ、君は? ああ、ナナシさんか』」
「うん、バッチリだ。
そうやって自分で考えながら文章の間を作っていくと、読者を引き込むことができる」
「句読点は大事だな」
:08/11/16 22:37 :P903i :Q/dvAnew
#50 [◆vzApYZDoz6]
「読点はついつい入れすぎてしまう場合が多いが、それはダメだ。
最初に言ったが、読点は多すぎると読みにくい。かといって、少なすぎると読みづらいからね」
「厄介なヤツだな」
「ちなみに句点、これもつけすぎはよくない。あくまでも文と文を区切るための点と考えるべきだね」
「把握したぜ」
:08/11/16 22:38 :P903i :Q/dvAnew
#51 [◆vzApYZDoz6]
「それでは、次の文を見てくれ」
「やあ、太郎くん。」
「何がおかしいかわかるかい?」
「え…おかしいところなんてあるのか?」
「これも初心者には多いし、プロの作家でもやってる事があるんだけど、会話文(「」)の文章では最後の句点が要らないんだ。つまり……」
正「やあ、太郎くん」
誤「やあ、太郎くん。」
「となる」
「なるほど、分かった」
:08/11/16 22:39 :P903i :Q/dvAnew
#52 [◆vzApYZDoz6]
「ちなみに、会話文を途中で改行した場合にはこの限りではない。あくまでも、会話文の最後にのみ必要なんだ。つまり……」
「今日はいろいろ歩き回って疲れたな。
明日はゆっくり休んで体力を回復しよう」
「こんな感じにね。携帯小説は横書きだから、読みやすくするためには改行がいるからね」
「把握したぜ」
:08/11/16 22:39 :P903i :Q/dvAnew
#53 [◆vzApYZDoz6]
3−2 読点によって文意が変わる
「では次。下の文章を見てくれ」
赤い腕の大きな太郎。
「これに読点をつけてごらん」
「それぐらい簡単だね。こうだ!」
赤い腕の、大きな太郎。
「外れじゃないけど、僕ならこうなる」
赤い、腕の大きな太郎。
「……あれ? どっちも間違ってはいないような…」
:08/11/16 22:39 :P903i :Q/dvAnew
#54 [◆vzApYZDoz6]
「そう、どちらも間違ってはいない。これが読点の面白いところさ。
前者は腕が赤く、体が大きな太郎。後者は体が赤く、腕の大きな太郎を指している」
「読点ひとつで、その物の姿形まで変わってくるわけか」
「そう。それだけに読点の付け方には注意が必要だ。
逆に、使いこなせれば強い武器となる。覚えておいてね」
「ああ、分かった」
:08/11/16 22:40 :P903i :Q/dvAnew
#55 [◆vzApYZDoz6]
3−3 その他、記号における注意点
「じゃあ最後にひとつ」
「もう何が来ても平気だぜ」
「本当!?いいねそれ!!!!!!」
「・・・・・・あれ?」
「ギャーーーーーー!!!!」
「テンション高い例文だな…」
「すまない。さて、上の文におかしいところがあるんだけど、分かるかな?」
「……1番上は、クエスチョンのあとに空白がない。
あと個人的に、エクスクラメーションを使いすぎな気が…」
:08/11/16 22:41 :P903i :Q/dvAnew
#56 [◆vzApYZDoz6]
「正解だ。エクスクラメーションもクエスチョンも適量を考えて使うこと。基本は連続して2つまでだ。
では正しい文はどうなる?」
「本当!? いいねそれ!! かな?」
「うん、問題ない。では下2つの文はどうだろう?」
「え…なんかおかしいのか?」
「これも小説のルールの一端なんだけどね。
(・・・・・・)を使うときは、三点リーダ(…)に変換して使わなければならないんだ」
「つまり、真ん中の文は三点リーダにしてないからダメってことか?」
「そうそう。分かったところで、次の文章を比べてみてくれ」
:08/11/16 22:41 :P903i :Q/dvAnew
#57 [◆vzApYZDoz6]
「……僕は何も知らない!」
と
「・・・・・・僕は何も知らない!」
「上は緊張感があって、キッパリ言い放ってる感じがする。下は、なんつーか間があいてるというか…」
「うん。この間が文章をダメにしてしまうんだ。シリアスなシーンなんかでは特にね」
「てことは、真ん中の文は
『……あれ?』
になるわけか」
「正解だ。では、最後の文に移ろう」
:08/11/16 22:42 :P903i :Q/dvAnew
#58 [◆vzApYZDoz6]
「うっわーーーー!」
と
「うっわ――――!」
「上の2つの文を見て、どう思う?」
「上はやっぱり、なんか間があいてる気がするな…」
「うん、その通りだ。小説のルールとして、のばし(ー)を2つ以上連続して使う場合は、はダッシュ(―)に変換して使う、というものがある。間が抜けちゃうからね」
「なるほど」
:08/11/16 22:43 :P903i :Q/dvAnew
#59 [◆vzApYZDoz6]
「それから、これは個人的な考えになるんだけど…」
確か、あれは5年前――
「上の文のように、のばし以外の目的で(―)を使う場合は、(─)の方がいいと思う。意味をわけるためにもね。つまり……」
確か、あれは5年前──
「となる」
「確かに、後の文の方が雰囲気が出てるな」
:08/11/16 22:44 :P903i :Q/dvAnew
#60 [◆vzApYZDoz6]
「では、最後の文を直してごらん」
「『ギャ――――――!!』
…かな?」
「それでいい。ちなみに三点リーダ(…)もダッシュ(―)も感嘆、疑問符(!、?)も、乱用はいけないよ。
ついでに言うと、(…)と(―)と(─)は連続して2つまで使うのが普通だ。それ以上使われることは滅多にない」
「把握したぜ!」
「では、おさらいに入ろう」
:08/11/16 22:44 :P903i :Q/dvAnew
#61 [◆vzApYZDoz6]
〜3章のおさらい!〜
「句読点は文の意味を考えて使うこと!
特に読点の入れすぎは厳禁。かといって少なすぎてもダメだぞ!」
「会話文(「」)の最後には句点は入れないこと。
意外と守れてない人が多いので注意!」
「(!)(?)(…)(―)(─)などは乱用しないこと!」
「会話文では、(!)と(?)のあとには空白を入れること。
文の最後に使った場合はこの限りではない」
「(・・・・・・)は三点リーダ(……)に変換して使うこと!」
「のばし(ー)はダッシュ(―)に変換して使うこと。
また、ルールにはないが、のばし目的以外で(―)を使う場合は(─)に変換するのが望ましい」
:08/11/16 22:45 :P903i :Q/dvAnew
#62 [◆vzApYZDoz6]
「これで最低限のことは大丈夫かな」
「じゃあ次からは小説を書くんだな!」
「甘い、甘すぎる! 正しい文章を覚えた程度では、スタートラインを認識しただけにすぎない。君は、いまだスタートラインに立ててすらいない!!」
「なん…だと…!?」
「なに、書く前の勉強は次で終わりだ。ただし、君のような若い人には少し難しいかもね」
「何をやるんだ?」
「最低限の『正しい日本語』を、少し勉強してもらおうか」
「げぇー、国語は嫌いなんだよなー」
「国語の成績は4なんだろう?」
(こいつ…!)
:08/11/16 22:45 :P903i :Q/dvAnew
#63 [◆vzApYZDoz6]
>>43-62第3章 〜小説を書く前に 小説のルール編〜 終
次は
第4章 〜小説を書く前に 正しい日本語編〜
:08/11/16 22:47 :P903i :Q/dvAnew
#64 [我輩は匿名である]
第4章 〜小説を書く前に 正しい日本語編〜
「さて、今から最低限の正しい日本語を教えていくんだが、まずはじめに1つ言っておくことがある」
「なにさ?」
「日本語…いや、言葉に関して『絶対』は存在しない」
「どういうことだ?」
:08/11/20 00:10 :P903i :TDftdaZo
#65 [我輩は匿名である]
4−1 まず、はじめに
「そうだな、これは例を挙げた方が分かりやすいだろう。
『新しい』という言葉があるね。意味は…言わなくても分かるよね」
「ああ。1度も使われてない、とかそんな感じだろ」
「うん。でもね、この『新しい』という言葉、実は誤用、つまり誤りなんだ」
「えっ、マジで!?」
「『新』という字の訓読みはわかるかい?」
「“あらた”だろ?」
「では、その“あらた”と読む『新』に『しい』という送り仮名をつけると…」
「“あらたしい”……あれ?」
:08/11/20 00:11 :P903i :TDftdaZo
#66 [我輩は匿名である]
「そう、この『新しい』という言葉は、『新』という字を“あたら”と読み間違え、そこから“あたらしい”になったと言われている。いわゆる『音便に変化した言葉』なんだ」
「音便に変化した言葉…?」
「口語がそのまま読み方として定着している言葉のことさ。
典型的なものとしては『すいません』だね。正しくは、『済まない』だから『すみません』。まぁこの『すみません』も『済みませぬ』の音便に変化した形だったりするんだけど…」
:08/11/20 00:11 :P903i :TDftdaZo
#67 [我輩は匿名である]
「えーっと……じゃあ“あたらしい”は間違いなのか?」
「そんなことはない。“あたらしい”は正しい読み方として完全に浸透してるし、国語の読み仮名テストで“あらたしい”なんて書いたらバツ印をもらっちゃうだろうね」
「じゃあ“あらたしい”が間違いなんだな」
「そうとも言えない」
「え?」
「さっきも言ったが、言葉に絶対はない。『新しい』だって、今なら“あらたしい”は間違いだけど、この言葉ができたころは“あらたしい”と読まれていたんだ。
時代によって、言葉は読み方も使い方も、意味すらも変わってくる。
他にも…例えば『全然』という言葉」
:08/11/20 00:12 :P903i :TDftdaZo
#68 [我輩は匿名である]
「読み方は“ぜんぜん”だよな?」
「ああ、それで合っている。違うのは使い方さ。
『全然』というのは普通、否定形の言葉の前に使う。『全然新しくない』という感じにね。
ところがどっこい、最近は若者の間で急速に誤用が広まっている」
「『全然新しい』みたいなヤツか?」
「お、分かっているようだね。その通り、肯定を表す使い方が急速に広まっているんだ」
「でもそれは間違いなんだろ?」
:08/11/20 00:12 :P903i :TDftdaZo
#69 [我輩は匿名である]
「それが、そうとも言い切れない。
実はかの文豪、夏目漱石もこのような表現を用いていたことがわかっているんだ。
もちろん夏目漱石が正しいなんてことはあり得ない。だが、少なくとも『全然』を肯定に使う用例は、それだけ前から存在したってことなんだ。
こういった例は他にも数えきれないほどある。言葉というのは、日々進化しているんだ」
「じゃあ『全然』も進化中ってことか?」
「そういうことになるかな。言葉における唯一のルール、それは“広まったもん勝ち”だ。
間違いであっても、広まってしまえば正しくなる場合もある。それが言葉の面白いところでもあり、怖いところでもある」
:08/11/20 00:12 :P903i :TDftdaZo
#70 [我輩は匿名である]
「なんか曖昧なんだな」
「言葉なんてそんなもんさ。何が正しくて何が間違っているなんて、誰にも決めることはできない。
今から君に教えることも、間違っているとは限らない。正しい日本語とはつまり、よく間違う言葉の正しい使い方を教えるわけだからね」
「じゃあそんなのやっても意味ないんじゃないか?」
:08/11/20 00:13 :P903i :TDftdaZo
#71 [我輩は匿名である]
「そうかもしれない。でも、君はこれから小説を書くんだ。正しい日本語は意識するべきだと僕は思う。
ただ、あまり深く考えないでくれってことだ。三人称の地の文では正しい日本語を使うべきだけど、会話文なんかはニュアンスが大事だったりするしね。
ただ、読者の中には誤字があるだけで読まないっていう人もいる。よりたくさんの人に読んでもらいたければ、地の文だけでも正しい日本語を使うべきだと思うよ」
「なるほどね。つまり、あくまでも参考に、ってことか」
:08/11/20 00:14 :P903i :TDftdaZo
#72 [我輩は匿名である]
「そうだね。はっきり言って、この章を見る必要はまったくない。
誤字脱字を気にしないならこの章の内容なんて知る必要がないし、正しい日本語を使いたいならその都度辞書をひくべきだしね。
ただ、『言葉に絶対はない』。これだけは把握していてくれ」
「ああ、わかった。肝に銘じとくよ」
「よし。じゃあ、前置きが長くなったけど本題に入ろう。まずは『誤字』だ」
:08/11/20 00:14 :P903i :TDftdaZo
#73 [我輩は匿名である]
4−2 よくある誤字
「ここでいう『誤字』とは、変換ミス等のいわゆるケアレスミス(不注意による間違い)ではなく、思い込みによる間違いだ」
「思い込み?」
「ああ。さっき言った『すいません』もその1つだ。それだと、何を吸わないの? ってなっちゃう」
「そりゃそうだ」
「こういった誤字はたくさんある。実際に言葉にすると若干のニュアンスの変化があるからね、それで間違えてしまうんだ。
代表的なものをリストアップしていこう」
:08/11/20 00:15 :P903i :TDftdaZo
#74 [我輩は匿名である]
こんにちわ→こんにちは
足元をすくう→足をすくう
三身一体→三位一体
脳ある鷹は爪を隠す→能ある鷹は爪を隠す
責任転換→責任転嫁
責任追求→責任追及
的を得る→的を射る
:08/11/20 00:15 :P903i :TDftdaZo
#75 [我輩は匿名である]
喉が乾く→喉が渇く
味あわせる→味わわせる
シュミレーション→シミュレーション
雰囲気(ふんいき)→ふいんき
一部の隙→一分の隙
可愛そう→可哀想(可哀相)
この後に及んで→この期に及んで
家宝は寝て待て→果報は寝て待て
死に者狂い→死に物狂い
言葉使い→言葉遣い
:08/11/20 00:16 :P903i :TDftdaZo
#76 [我輩は匿名である]
「……と、まぁこんなものかな。
これは氷山の一角で、他にもよくある間違いはたくさんある。
どうだい、間違えて覚えていたものはあったかい?」
「半分くらいあったかな……」
「最近は誤字の境目が本当に曖昧になってきていてね、どの辞書にも載っていないような言葉が、携帯電話の変換リストに出てきたりもするんだ。
携帯で変換したからといって正しいとは限らない。見る人が見れば分かっちゃうから、注意するように」
「ああ、わかった」
「では次は、よくある『誤用』についてやってみよう」
:08/11/20 00:16 :P903i :TDftdaZo
#77 [我輩は匿名である]
4−3 よくある誤用
「またリストアップしていくのか?」
「いや、誤用は誤字と違って、間違いを一言で表しにくい。1つずつ解説していこう。まずは、下の文章を見てくれ」
「ふん、貴様らごときでは、ワシの相手をするには役不足じゃわい!!」
「……特に問題ないと思うけど…」
「まぁ、そう思うのも無理はない。
この誤用は、プロの小説家や漫画家でさえ間違えることがあるんだ」
「マジか」
:08/11/20 00:16 :P903i :TDftdaZo
#78 [我輩は匿名である]
「ここで注目してほしいのは『役不足』という言葉。『役不足』の意味は知ってるかい?」
「役が足りてないから……まだまだ相手に対して力及ばない、って意味なんじゃないのか?」
「実はその逆なんだよ。『役不足』とは、ある人物の力量に対して、与えられた役目が軽すぎることを指す」
「なんと!!」
:08/11/20 00:17 :P903i :TDftdaZo
#79 [我輩は匿名である]
「これは多分、“不足”という言葉からマイナスイメージが連想されるから間違うんじゃないかな」
「まったく逆の意味だったのか…間違えたら言い訳できないな」
「うん。『役不足』、この言葉には特に要注意だ」
「他にはどんな誤用があるんだ?」
「よし、じゃあ下によくある誤用と正しい意味をいくつか説明していこう」
:08/11/20 00:18 :P903i :TDftdaZo
#80 [我輩は匿名である]
『姑息』
× 卑怯、卑屈
○ その場逃れ
『触り』
× 話の冒頭部分
○ 話の一番の聞かせどころ
『ぞっとしない』
× 恐ろしくない
○ 感心しない、面白くない
『自首』
× 犯人が自ら捜査機関に罪を報告すること
○ 犯人が発覚する前に捜査機関に申告すること
『情けは人の為ならず』
× 情けは人の為にならない
○ 情けは巡り巡って自分に良い報いとして帰ってくる
:08/11/20 00:18 :P903i :TDftdaZo
#81 [我輩は匿名である]
「さぁ、間違えて覚えていたものはあるかい?」
「『自首』がよく分からないんだけど…何が違うんだ?」
「これはね、犯人が自ら名乗り出ることを『自首』と勘違いしてる人が多いんだ。
捜査機関側が事件の発覚を知らない、又は知っていても犯人についてまったく分かっていない時に、犯人自ら捜査機関に申告する事が『自首』だ。
つまり、指名手配犯が警察に自ら出頭しても『自首』にはならないってこと。間違えてる人が多いんだけどね。
別に些細なこととか思うかもしれないけど、今の法律では自首とそうでない場合とでは刑の重さが違ってくるからね」
:08/11/20 00:19 :P903i :TDftdaZo
#82 [我輩は匿名である]
「なるほど、気をつけないとな」
「あとは……最近特に多いのが『爆笑』と『失笑』かな。下の文を見てごらん」
俺は爆笑した。
「どこが間違いが分かるかな?」
「短すぎてわからねーよ…」
「これは文脈は関係ない」
「……前提が間違ってるってことか?」
:08/11/20 00:19 :P903i :TDftdaZo
#83 [我輩は匿名である]
「正解、分かってきたじゃないか。
そもそも『爆笑』というのは“大勢の人が一斉に笑いだす”という意味だ。つまり…」
「1人ではこの言葉は使えない?」
「そう。1人で使う場合は『大笑い』が適切だ」
「よく聞く言葉だけど、それだけ誤用が多いってことなんだよな……」
「まぁ、次から気を付けるようにすればいい。次は『失笑』だ」
:08/11/20 00:19 :P903i :TDftdaZo
#84 [我輩は匿名である]
彼のあまりにも笑えない馬鹿な発言に、俺は失笑した。
「まさに馬鹿にしてる感じだな」
「そうだね。でもこれも間違い」
「またかよ……」
「これは『失笑』という文字の形からか、笑いがその場から失われるといった意味だと思っている人が多い。
しかし本当の意味は“(笑ってはいけないような場面で)おかしさを堪えきれずに吹き出してしまうこと”だ。全然違うよね」
:08/11/20 00:20 :P903i :TDftdaZo
#85 [我輩は匿名である]
「葬式で屁こいて吹き出したりした時に使うのか」
「ま、まぁ…そうかな。少なくとも相手を馬鹿にするような意味ではない」
「そういう時はどういう言葉がいいんだ?」
「そうだな…『冷笑』が一番しっくりくるかな。
ただし言葉に絶対はない、『冷笑』が一番いいってわけではないよ。『失笑』では駄目だけどね。
誤字についてもそうなんだけど、こういう場合は辞書なんかで調べてみるといい。ウィキペディアでもいいかもね」
「なるほど、わかったよ」
:08/11/20 00:21 :P903i :TDftdaZo
#86 [我輩は匿名である]
4−3 おざなり? なおざり?
「おざなり、なおざり。
この2つの言葉は混同されやすい」
「そりゃまたなんで?」
「1つは意味が似ているから。もう1つは語呂が近いからだ。
さらに、この2つの言葉は音転倒(メタテシス)という現象に類似している」
「メタテシス…?」
「言葉の一部がひっくり返ってしまうことさ。エレベーターをエベレーターと言い誤ったり、おたまじゃくしをおまt…いやいや。
おざなりとなおざりも、『おざ』と『な』の位置が入れ替わっているだろう?」
「ああ、本当だ」
:08/11/20 00:23 :P903i :TDftdaZo
#87 [我輩は匿名である]
「話を戻すぞ。『おざなり』と『なおざり』だが、もちろん語源も意味も別物だ。
語源については、なおざりの方が諸説あって話がややこしくなるので、ここでは省く」
「じゃあ、意味はどうなんだ?」
「おざなりは漢字で書くと『お座なり』、読んで字のごとくお座敷などで使われていた。
意味は“その場での間に合わせ”だ」
「なおざりの意味は?」
「漢字で書くと『等閑』。
意味は“(物事などに)あまり注意を払わず、おろそかにするさま”だな」
「…違いがよーわからん」
:08/11/20 00:23 :P903i :TDftdaZo
#88 [我輩は匿名である]
「つまりだな。
『お座なり』は“(いい加減なその場しのぎではあるが)一応、物事をすること”
『等閑』は“無視して放置すること”だ」
「ああ、そういう事か」
「意味が分からない内は、するか・しないかで分ければいいさ」
「把握したぜ」
:08/11/20 00:23 :P903i :TDftdaZo
#89 [我輩は匿名である]
4−4 で、結局『正しい日本語』って何?
「さて、これで粗方終わりなわけだけど」
「まだ何かあるのか?」
「いや、もう特にはないさ。あとは気構えの問題だ」
「気構え?」
:08/11/20 00:24 :P903i :TDftdaZo
#90 [我輩は匿名である]
「うん。繰り返すようで悪いが、言葉に絶対はない。
今回教えたことも、参考程度に考えてくれ」
「やけにこだわるな」
「うーん、普通の書籍小説のレクチャーならキッパリ『正しい日本語を使え!』と言えるんだけどね。
携帯小説っていうのは手軽に読めるのがウリだから、あまり言葉にこだわりすぎるのもよくないんだ」
「でも、俺はある程度ちゃんとするべきだと思うな。間違った日本語があると読まないような人もいるんだろ?」
:08/11/20 00:25 :P903i :TDftdaZo
#91 [我輩は匿名である]
「うん。あくまでも『小説』だからね。
ただ、こういうのはリアリティーが大事なんだ。会話文はニュアンスに任せても別にいいと僕は思う」
「確かに、若者どうしの会話でガチガチの日本語使われてもアレだしな」
「うん。そして正しい日本語を使いたいなら、そのつど辞書をひけばいい」
「そうだな」
:08/11/20 00:25 :P903i :TDftdaZo
#92 [我輩は匿名である]
「特に、日本という国は独自の言語表現が非常に多い。
方言や略し言葉もそうだし、ネット言語…いわゆる『2ちゃんねる語』なんかもそうだ。
そして、それすらも愉しもうとする文化が日本にはある。
あまりにも稚拙な小説は考えものだけど、完全に正しい日本語で小説を書け、というのはナンセンスだと思うね」
「『すみません』より『すいません』の方が情けなく聞こえるから、失敗ばかりの人のセリフに使ったり?」
:08/11/20 00:27 :P903i :TDftdaZo
#93 [我輩は匿名である]
「そうだね。同じ意味の言葉でも、使い分ける事で表現の幅が広がる。
そしてそれが日本語の面白さでもある。英語なんかじゃこんな事はありえないからね」
「やっぱり、ニュアンスが大事ってことなんだな」
「そう。言葉に絶対はない、これを忘れないでくれ」
「ああ、わかった」
「じゃあおさらいだ」
:08/11/20 00:27 :P903i :TDftdaZo
#94 [我輩は匿名である]
〜4章のおさらい!〜
「誤字は、口語をそのまま文章にしようとするために間違える。
自信がなければ辞書をひこう」
「誤用は自分では気づかないことが多い。
特によく聞く言葉を使う場合は、意味をきちんと調べておこう」
「変換機能をアテにしないこと! 意外と間違いが多いので注意!
また、間違って同音異義語を使ったりしたら恥ずかしいぞ。ちゃんと辞書で調べよう」
「言葉に絶対はない。
正しい日本語を使うのもいいが、ニュアンスを重視してよりリアリティーのある言葉を選んでいこう」
:08/11/20 00:28 :P903i :TDftdaZo
#95 [我輩は匿名である]
「さて、これで小説を書く前の基礎知識はすべて終わりかな」
「てことは?」
「次からは、実際に小説を書いていくよ」
「ようやく本番だな」
>>64-95第4章 〜小説を書く前に 正しい日本語編〜 終
:08/11/20 00:30 :P903i :TDftdaZo
#96 [我輩は匿名である]
第5章 〜小説を書こう! 描写の基本編〜
「では、今からは本格的な講義に入る」
「オラ、わくわくすっぞ」
「これからは地の文についてレクチャーしていこう」
「地の文ってなんだ?」
「『地の文』っていうのは会話文以外の文章のこと。情景描写や心理描写などの総称だね。
これらはその場の状況を詳細に読者に伝えてイメージを膨らませたり、登場人物の気持ちを描いて共感を持たせたりと、小説においてなくてはならない大切な文章だ」
:08/11/20 00:31 :P903i :TDftdaZo
#97 [我輩は匿名である]
「よくわからんが大事だということはわかった」
「それでいいさ。詳しくは今から教えていこう。まずは、全ての描写に必要となる『視点』について教えていこう」
:08/11/20 00:32 :P903i :TDftdaZo
#98 [我輩は匿名である]
5−1 視点
「物語は、基本的には主人公の視点で進んでいく」
「視点ってなんだ?」
「『視点』っていうのは、簡単に言えば物語の『主軸』だ。誰を中心に物語が回るか、ってことだね。
視点はそのまま読者の目線になる。
主人公の視点で進んでいく、っていうのはつまり、主人公を中心に物語が展開される、ってことだ」
「なるほど、確かにそうだな」
「だから、主人公が分からないようなことを書くのはタブーだ」
「分からないようなこと?」
「例文を用意したから見てくれ」
:08/11/20 00:33 :P903i :TDftdaZo
#99 [我輩は匿名である]
太郎は町を歩いていた。
しばらくして女の子とすれ違った。茶髪でふわふわのパーマをかけた、美しい人だ。
太郎はその人に一目惚れした。彼女の気持ちが気になった。
彼女もまた、太郎に一目惚れしていた。
「これはひどい」
「ぶち殺すぞ。まぁそれはさておき、彼女は太郎のことをどう思っているのかな?」
「いや、一目惚れしてるんだろ?」
「恋愛ものってさぁ、相手が自分をどう思っているのか分からないのが面白いと思うんだよね」
「え?」
:08/11/20 00:33 :P903i :TDftdaZo
#100 [我輩は匿名である]
「恋愛ものは主人公を視点に置いて読者を主人公とリンクさせ、より大きな共感を誘うのが肝要だ。
主人公の太郎に、彼女の気持ちがわかるわけないだろう? エスパーじゃないんだから」
「そりゃまぁ、そうだな」
「だから、彼女の気持ちまで描写しちゃいけないのさ。あくまでも主人公の視点で物語は進むんだ」
「なるほど」
「それを踏まえて、さっきの例文を直してみるよ」
:08/11/20 00:34 :P903i :TDftdaZo
#101 [我輩は匿名である]
太郎は町を歩いていた。
しばらくして女の子とすれ違った。茶髪でふわふわのパーマをかけた、美しい人だ。
太郎はその人に一目惚れした。彼女の気持ちが気になった。
太郎が彼女のほうへ向き直ると、ちょうど彼女もこちらを見ている。
一瞬目が合ったが、すぐにそっぽを向かれた。
太郎はショックを受けた。
「これなら、太郎…ひいては読者には彼女の気持ちがわからない」
「このあとの展開にワクワクしてきたぜ」
「そのワクワク感を持たせるのが重要なのさ」
:08/11/20 00:34 :P903i :TDftdaZo
#102 [我輩は匿名である]
5−2 一人称
「さて、この視点だが、一・二・三と人称によって変化するぞ」
「ほう?」
「まずは一人称。『僕』や『私』が主体となって進んでいく。
心理描写が容易なため感情移入がしやすい反面、客観的な描写がしにくい欠点がある」
「口で言われてもよーわからん」
「例文を用意した」
:08/11/20 00:35 :P903i :TDftdaZo
#103 [我輩は匿名である]
かくして俺はこの栄光を手に入れたわけだが、それを乱用するつもりはない。
俺が世界のヒーローなんて馬鹿げている。
それについて俺はどうとも思わないけどな。
「とまぁ、こんな感じだ。
一番の長所は、やはり『使いやすい』こと。作者がその人物になりきって書けばいいわけだからね」
「なるほど」
「ただし注意点がいくつか。
まず、この人称を使った場合は、語り手が知り得ない情報を描写してはいけない」
「…? よーわからん」
:08/11/20 00:35 :P903i :TDftdaZo
#104 [我輩は匿名である]
「上の例文で言えば、語り手は『俺』だ。この場合、『俺』が知ることができない情報は描写できない。
例えば『俺』以外の人物の気持ちだとか、『俺』がいない場所で起きている出来事とかね」
「なるほど、『俺』が知らないことは書けないってわけか」
「その通り。この人称を使った場合は、基本的に視点が動かない。
だから、恋愛ものや日常ものなど、心理描写が重要で視点の変動が少ない小説に向いている」
「最初から最後まで主人公を中心にして回る物語で使いやすい、ってことだな」
:08/11/20 00:36 :P903i :TDftdaZo
#105 [我輩は匿名である]
「そう。だからバトルもののファンタジーや連続殺人が起きるミステリーなんかでは使いづらい。主人公がいない場所での描写ができないからね」
「なるほど」
「でも使いやすい。だから、初心者におすすめの人称だ。
夏目漱石の『吾輩は猫である』も一人称だから、読んでみるといい」
「把握だぜ」
:08/11/20 00:37 :P903i :TDftdaZo
#106 [我輩は匿名である]
5−3 二人称
「続いて二人称。これは『あなた』とか『お前』とかだ。
注意してほしいのが、主語が『あなた』なだけあってで、語り手は『あなた』ではない、ということ」
「またよーわからん事を…」
「つまりね、手紙や会話なんかにしか使えないってことだ。
ここに、『太郎』と『ナナシ』がいたとする。主人公は太郎だ」
「うん」
:08/11/20 00:37 :P903i :TDftdaZo
#107 [我輩は匿名である]
「ナナシ(第二者)の視点で太郎(第一者)を語ることが二人称と思われがちなんだけど、それは逆だ。
太郎の視点でナナシを語ったり、ナナシに問いかけたりするのが二人称だ。以下、例文」
ナナシさん、あなたは素晴らしい人だ。
あなたがいなければ、世界が救われることはなかった。
とか
「あなたはなぜレクチャーをしているんですか?」
「みたいなね」
:08/11/20 00:38 :P903i :TDftdaZo
#108 [我輩は匿名である]
「問いかける感じか」
「そう。だから二人称だけでは物語は作れない。
でも、二人称を効果的に使うことで読者を引き込むことができる」
「使いこなせれば強いってやつか」
「そうだね。慣れないうちはあまり意識する必要はないさ」
:08/11/20 00:38 :P903i :TDftdaZo
#109 [我輩は匿名である]
5−4 三人称
「最後に三人称。これが最もポピュラーかな。
一人称と違って語り手のアクが出ない分、使い勝手はいい」
「でもその分扱いが難しいよな」
「そうだね。感情移入しづらい欠点もあるし。
でも一人称と比べて繊細で客観的な情景描写ができるから、ミステリーやオカルトなんかで威力を発揮できる。
以下、例文」
:08/11/20 00:39 :P903i :TDftdaZo
#110 [我輩は匿名である]
太郎は町を歩いていた。
しばらくして女の子とすれ違った。茶髪でふわふわのパーマをかけた、美しい人だ。
太郎はその人に一目惚れした。彼女の気持ちが気になった。
太郎が彼女のほうへ向き直ると、ちょうど彼女もこちらを見ている。
一瞬目が合ったが、すぐにそっぽを向かれた。
太郎はショックを受けた。
「あれ? これってさっきのじゃん」
「うん、こういうのが三人称だ。正確には三人称は2種類あるんだけど…まぁ三人称のほとんどはこんな感じの、いわゆる『神視点』と呼ばれるものだ」
:08/11/20 00:40 :P903i :TDftdaZo
#111 [我輩は匿名である]
「登場人物でも誰でもない、カメラが語っているようなものか」
「そうだね。語り手が登場人物じゃない分、視点の切替に制限がないし、主観が入らないから正確で繊細な描写がしやすい。
その反面、登場人物の心情を直接語るのが難しいので感情移入がしづらい」
「なるほど」
「使いこなせればどんなジャンルにも対応できるのが一番の魅力かな。
ただし、下手くそな人がこれを使うと本当に駄目になるから要注意だ」
「どうすりゃ上手くなるんだ?」
「練習あるのみさ」
:08/11/20 00:41 :P903i :TDftdaZo
#112 [我輩は匿名である]
5−5 視点の切替・人称の使い分けはアリかナシか?
「ものにもよるが、視点も人称も、コロコロ変えすぎるのはあまりよくない」
「分かりづらいからか?」
「まぁそれもあるんだけど。最初に言ったように、視点や人称が変わる事で心情描写も増えてしまい、一定キャラへの感情移入がしづらい。
また視点が変わった場合は、それを明確に示しておかないと読者が混乱してしまうんだ」
「どういうことだ?」
:08/11/20 00:42 :P903i :TDftdaZo
#113 [我輩は匿名である]
「つまり、さっきまで主人公の視点で話が進んでいたのに、いきなり違うキャラの視点に切り替わったらわけが分からないだろう?」
「ああ、なるほど」
「サスペンスやミステリーなど、視点の切替によって物語が進む場合もあるんだけどね。
その場合でも、やはり最初に『誰の視点か』を明確にしなくてはいけない」
「どうすりゃいいんだ?」
:08/11/20 00:43 :P903i :TDftdaZo
#114 [我輩は匿名である]
「『5W1H』、覚えてるかい?
Who(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)の3つを最初に示しておけばいい」
「人物、時間、場所ってことか」
「そうそう。これは人称が切り替わる場合も同じだ、必ずその3つを最初に明確にすること」
「分かったぜ」
「じゃあ、おさらいに入ろう」
:08/11/20 00:43 :P903i :TDftdaZo
#115 [我輩は匿名である]
〜5章のおさらい!〜
「小説では『誰の視点で物語が進んでいるか』が非常に重要。
視点となっている人物が分からないようなことは極力描写しないこと」
「人称は一・二・三と複数ある。それぞれに長所と短所があるので、プロットと照らし合わせて選ぼう」
「視点や人称の変えすぎはあまりよくない。
切り替える場合は、必ず視点を明確にすること。読者が混乱してしまうぞ!」
:08/11/20 00:44 :P903i :TDftdaZo
#116 [我輩は匿名である]
「じゃあ、次からは実際に描写してみよう」
「よっしゃ」
>>96-115第5章 〜小説を書こう! 描写の基本編〜 終
次回は
第6章 〜小説を書こう! 情景描写編〜
:08/11/20 00:46 :P903i :TDftdaZo
#117 [我輩は匿名である]
あげ!
:08/11/23 09:17 :PC :☆☆☆
#118 [我輩は匿名である]
なんか面白い
:08/11/23 19:03 :824SH :☆☆☆
#119 [我輩は匿名である]
第6章 〜小説を書こう! 情景描写編〜
「さて、今回は小説の基本であり奥義でもある『情景描写』を教える」
「よしこーい」
「情景描写は、小説において地の文の大多数を占める描写だ。
読者にその場の情況や世界観、登場人物の動きなどの情報を与える役割を持つ。これなくして小説は成り立たない」
「でもネットだと会話だけの小説もあるぞ」
「ギャグや日常系なんかなら別に会話だけでもいいんだけどね。
でも君が書きたいのはファンタジー、これは情景描写が必須とも言えるジャンルだ」
:08/11/23 21:09 :P903i :epQG/68k
#120 [我輩は匿名である]
「そりゃまたなんで?」
「最初の方で言ったが、ファンタジーは背景の世界観を作り込む必要がある。また戦闘モノのファンタジーでは、戦闘シーンの描写が無ければ面白くない」
「つうことは俺にとっては重要だな」
「誰にとっても重要だ。さて、描写の勉強だが、これは1から教えるより、好きに書いてそれに対して添削してもらう方が良い」
:08/11/23 21:09 :P903i :epQG/68k
#121 [我輩は匿名である]
6−1 描写の妙
「それはなんで?」
「描写には個性があるんだ。それは上手い下手ではなくて、人それぞれの書き方・表現・言葉選びなどによって決まる。
『小説』を辞書で引いてごらん」
「えーっと…
『作者の奔放な構想力によって、登場する人物の言動や彼らを取り巻く環境・風土の描写を通じ、非日常的な世界に読者を誘い込むことを目的とする散文学。
読者は描出された人物像などから各自それぞれの印象を抱きつつ、読み進み、独自の創造世界を構築する(新明解国語辞典より)』」
:08/11/23 21:10 :P903i :epQG/68k
#122 [我輩は匿名である]
「何が言いたいかわかる?」
「全然わからん…」
「つまり小説というのは、作者の感性を描出した描写によって、読者に物語のイメージを想像…いや、創造させることに意義があるんだ」
「えーっと…」
「例えば、大まかに作った2つの同じプロットを、考え方も書き方も得意ジャンルも違う、ある2人の作家に渡したとする」
「ほう」
:08/11/23 21:10 :P903i :epQG/68k
#123 [我輩は匿名である]
「作家はそこから自分でプロットを詰めていき、そして文章に起こす」
「うん」
「ではその場合、その2つの作品は全く同じものになるか?」
「いやならねーだろ、常識的に考えて」
「そう、恐らくはかなり方向性の違う作品になるはずだ。
小説は、同じテーマであっても、作者の感性によってガラリと印象が変わる。その大きな要因が『描写』なんだ」
:08/11/23 21:11 :P903i :epQG/68k
#124 [我輩は匿名である]
「確かに、似たような設定でも作家によって全然展開が違ったりするな」
「そう。例えば僕なら、分かりやすい・伝わりやすい描写をするように心掛けている。一応、娯楽派作家だしね。
でも、文章に韻を盛り込む作家や二人称を頻繁に使う作家、比喩を多用する作家など、描写のしかたは作家によって千差万別だ。
作家達の用いる描写によって、作品の中に一貫した個性が生まれる。『その人らしい作品』ができあがるんだ」
:08/11/23 21:12 :P903i :epQG/68k
#125 [我輩は匿名である]
「みんながみんな似たような文章だと面白くないもんな」
「そう。だから、描写に関しては最初は自由に書いてほしい。僕が1から教えてしまうと、その人らしい作品ではなくなってしまう」
「ナナシさんの真似になってしまうってことか」
「うん。それだと面白くないからね。
だから今から教えるのは、情景描写に関する最低限のことだけだ。後は自分で書いて読んでもらうなり、他の作品を読むなりして修行してほしい」
「ああ、わかった」
「よし。じゃあ、また前置きが長くなっちゃったけどレクチャーを始める。とりあえず何か書いてごらん」
「よっしゃ」
:08/11/23 21:13 :P903i :epQG/68k
#126 [我輩は匿名である]
6−2 作者の持つイメージを突き詰める
「できたぜ」
「はやっ! 見るのが恐ろしい早さだな…どれどれ」
王国暦30年。この世界はある危機に瀕していました。
魔王が復活したのです。
ここはとある山にある町、歌箱。
そこに住む少年の太郎はどこにでもいる平凡n
「はいもう結構」
「ちょwwwまだ続きがwww」
「この文には風景描写が少なすぎる。読む気すら起きない」
「ひでぇw」
:08/11/23 21:15 :P903i :epQG/68k
#127 [我輩は匿名である]
「王国暦とかはまぁ置いといてさ。歌箱の町ってどんなとこよ?」
「え? 小さな山奥にある町だよ」
「他には?」
「それだけ」
「………あっ、そう」
「??」
「例えばさ、物語が始まった季節はいつ?」
「えっ? じゃあ夏でいいよ」
「時間は? 朝? 昼? それとも夜?」
「昼だよ」
「じゃあ歌箱の町について、もっと描写が増やせるだろう」
「え……?」
「それを意識して、もう1回書いてごらん」
:08/11/23 21:17 :P903i :epQG/68k
#128 [我輩は匿名である]
季節は夏の半ば。照りつける日差しが眩しい。
蝉の鳴き声が山々から聞こえる。
そんな山の中にある小さな町、歌箱。
「どうだ?」
「そんな山ってどんな山?」
「蝉の鳴き声が聞こえる山だよ」
「それだけ?」
「それだけ」
:08/11/23 21:18 :P903i :epQG/68k
#129 [我輩は匿名である]
「もっと考えてみなよ。山って一口に言ってもいろいろあるでしょ。
標高が高いとか、どんな植物や動物があるのかとか。だいたい歌箱の町は山のどこにあってどんな町なのさ?」
「草木が生い茂る小さな山の中腹にあって、人々は農業の自給自足で暮らしてる」
「それじゃあ町じゃなくて村でしょうが」
「違いがわからん…」
「些細なことかもしれないけどさ。分からないなら辞書で調べてみるのも手だ。
4章で言ったよね、『よく聞く言葉こそ調べろ』って」
「はぁ……」
「もう1回書いてみな」
:08/11/23 21:19 :P903i :epQG/68k
#130 [我輩は匿名である]
季節は夏。すでに半ばを迎えていて、照りつける日差しはいっそう強さを増していた。
山の中からは絶え間なく夏虫の声が聞こえ、耳にこだまする。
夏ということもあって若草が山いっぱいに広がり、澄み渡る風はどこか気持ちいい。
そんな小さな山の中腹にある歌箱の村では、今日も人々は自給自足で生活していた。
そんn「ハイ結構!」
「ぐ…」
「君さぁ、僕の話聞いてたの?」
「え?」
「『小説』で辞書引け」
「いやそれならさっk」
「 引 け 」
「ハイ、スミマセン」
:08/11/23 21:20 :P903i :epQG/68k
#131 [我輩は匿名である]
作者の奔放な構想力によって、登場する人物の言動や彼らを取り巻く環境・風土の描写を通じ、非日常的な世界に読者を誘い込むことを目的とする散文学。
読者は描出された人物像などから各自それぞれの印象を抱きつつ、読み進み、独自の創造世界を構築する(新明解国語辞典より)
「『小説とは、作者の感性を描出した描写によって、読者に物語のイメージを創造させることに意義がある』って言ったよね?」
「いやその…」
「 言 っ た よ ね ? 」
「ハイ、そうおっしゃられました」
:08/11/23 21:21 :P903i :epQG/68k
#132 [我輩は匿名である]
「それとも何? こんなんでお前が持つイメージを読者が創造できると思ってんの?」
「あの、口調が…」
「何? 死にたいの?」
「いやその…」
「小説作者になりたいんならテメエが持つ世界観ぐらいキッチリ作れよ、それが嫌なら読者になれ。
それなのに何お前? それだけそれだけって山の情報がそれだけなわけねえだろ。それともアレか、『そこは読者にお任せします』みたいなこと言って逃げるつもりか?」
「いやその…」
「テメエのその顔むかつくからやめろ」
「…………」
:08/11/23 21:21 :P903i :epQG/68k
#133 [我輩は匿名である]
「まぁいい。下の文章を見てみな」
皿の上には林檎が1つあった。
「どう思う?」
「どうって…林檎が皿の上にあるだけでは…?」
:08/11/23 21:22 :P903i :epQG/68k
#134 [我輩は匿名である]
「どんな林檎? 赤いの? 青いの? それともゴールデンデリシャス?」
「さぁ……」
「林檎の状態は? 普通? 皮が剥かれてるの? 切られてるの? 食べられてるの? それともウサギ切り?」
「いや…そんなの知るわけないよ」
「それに皿ってどんな皿? 丸いの? 四角いの? 皿の深さは? 色は?」
「……俺の中では、丸くて白い皿の上に、切られたり食べられたりしていない赤い林檎が乗ってる」
「そんな描写、どこにもされてないじゃん」
「……!!」
:08/11/23 21:23 :P903i :epQG/68k
#135 [我輩は匿名である]
「君のさっきの文章はこういう事だ。
読者に自分のイメージを伝えるには、繊細な情景描写が求められる。
例えば僕は、銀の丸い皿の上に1口かじられた青い林檎が乗っているとイメージしてたんだけどね」
「これだけじゃ、そこまで読み取れるわけがねーよ……」
「君はその『読み取れるわけがない』文章を、さっき僕に見せまくっていたじゃないか」
「いやその…」
「だからむかつくからやめろ」
「…………」
:08/11/23 21:24 :P903i :epQG/68k
#136 [我輩は匿名である]
「まぁいい。さっきの林檎のやつだが」
鉛色をした丸く小さな皿の上に、まだ熟していない若々しい青色の林檎が1つ乗っていた。
誰かが間違えて食べようとしたのか、その林檎には1口かじられた形跡がある。
「これなら分かるだろう」
「そのまんまの光景が想像できるな」
「追及すればするほど情景描写は書けるけどね。
句読点なんかと同じで書きすぎはよくない」
「…難しいな…」
「では、さっきの君の文章に戻るぞ」
:08/11/23 21:24 :P903i :epQG/68k
#137 [我輩は匿名である]
季節は夏。すでに半ばを迎えていて、照りつける日差しはいっそう強さを増していた。
山の中からは絶え間なく夏虫の声が聞こえ、耳にこだまする。
夏ということもあって若草が山いっぱいに広がり、澄み渡る風はどこか気持ちいい。
そんな小さな山の中腹にある歌箱の村では、今日も人々は自給自足で生活していた。
「いきなり山の中からとか言われても困る」
「……確かに、どんな山か分からないな」
「4行目で小さな山と書かずに、山についての描写はそこでするべきだろうね」
「はぁ…」
:08/11/23 21:26 :P903i :epQG/68k
#138 [我輩は匿名である]
「だいたい澄み渡る風が心地いいって何?」
「え?」
「虫の声が耳にこだまするとか風が心地いいとか、誰が感じてるの? これは三人称なんでしょ?」
「えーっと……」
「5章で『必ず最初に『誰の視点か』を明確にすること』って言ったよね?
なのに語り手が誰なのか全然分からないじゃん。僕の話聞いてたの?」
「いやその…」
「むかつくからやめろつってんだろ」
「…………」
:08/11/23 21:27 :P903i :epQG/68k
#139 [我輩は匿名である]
「まぁいい。少し手直ししてやった」
春がすぎ、じめじめとした梅雨が明けて間もない頃。
気温もどんどんと漸増していく中、変わらない太陽がさんさんと輝いていた。
その太陽に照らされた小さな山。
そこの中腹あたりにある広大な草原は、色とりどりの花々に埋め尽くされ、空を飛ぶ夏鳥や虫達の声まで聞こえるようになっている。
そんな草原の近くにある歌箱の村では、今日も男たちがせっせと畑で働いていた。
歌箱は辺境にある小さな村なので人口が少なく、そのため村民たちは自給自足で生活しているのだ。
:08/11/23 21:28 :P903i :epQG/68k
#140 [我輩は匿名である]
「これでもまだ描写が少ないという人もいるし、十分という人もいるだろう。
実際のところ、僕だってプロじゃないからね。みんなが満足できるような文章を書けるわけじゃないさ」
「でも、さっきの俺の文章よりは情景が想像できる」
「そうだな。ファンタジーなんかでは特にそうだが、情景描写にしても何にしても、こだわった方がいい」
「こだわり?」
「さっきのやつにしたってそう。夏といっても一概にそれを言えるわけじゃない。
自分が夏だと思うものを挙げていって、そこから自分が思い描いているイメージに見合ったものを描写していくといい」
「参考になります」
:08/11/23 21:28 :P903i :epQG/68k
#141 [我輩は匿名である]
「では、ここにドアが1つあるとしよう」
「うん」
「どんなドア?」
「そうだな……マホガニーでつやつやの大きなドアだ」
「ドアノブは?」
「金色で、回して引くタイプだな」
「覗き穴や鍵穴は?」
「鍵穴はあるけど覗き穴はない」
「……と、こうやってドア1つでもいろいろ考えられる事があるだろう?
大事なのは、作者と読者の持つイメージを極力近づけることだ。
でなければ、話が進むにつれ違和感を感じたり、盛り上がる場面でイメージが違うために驚きが薄くなったりしてしまうからね」
「そうだな」
:08/11/23 21:29 :P903i :epQG/68k
#142 [我輩は匿名である]
「情景描写は、読者に場面を想像させる上で最も重要なんだ。事細かくとは言わないけど、自分が持つイメージが伝わるくらいは書けるようにしておくこと」
「どうすればいいんだ?」
「作品を書いて、誰かに見てもらうとか。
小説総合にもそれができそうなスレがあるし、何なら練習系のスレを立ててもいい。僕がスレ主やってるSSSスレ↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/7545/なら練習も批評も受け付けてるさ。とにかく練習あるのみだ」
「練習あるのみ、か…」
「最初からうまい人なんていないよ」
:08/11/23 21:30 :P903i :epQG/68k
#143 [我輩は匿名である]
6−3 小説的な文章を心がける
「男の身長は165センチです」
「え?」
「どれぐらいの大きさかな?」
「いや、わかんねーよ165センチとか言われても」
「そう。新しいキャラを登場させた時に、そのキャラについていろいろ描写するよね。
そこで身長165センチとか具体的に言われても分からないよね?」
「わからんな」
:08/11/23 21:31 :P903i :epQG/68k
#144 [我輩は匿名である]
「じゃあ、『天井に頭がつきそうなほどの男』だったら?」
「かなりの大男だな」
「では反対に『そばにある石碑ほどしかない男』だったら?」
「ものすごいチビだな」
「うん。あまり具体的すぎると、かえって分からなくなったりするからね」
「難しいな…」
「それから、説明的な文章もだめだ」
「説明的?」
「ちょっと例文を用意してみたから見てくれ」
:08/11/23 21:32 :P903i :epQG/68k
#145 [我輩は匿名である]
時は2008年11月。
とある古いアパートに、いわゆるニートと呼ばれる職業である、太郎という男ががいた。
彼は17歳の頃に高校を中退し、以後引きこもりながらネトゲ三昧という生活を送っていた。
初めは親も将来について考えるように忠告してはいたが、どうやらすでに諦めたらしく、最近では太郎に金を渡して放置している状態だ。
それにつけこんで、太郎は好き勝手なニート生活を満喫していた。
「あーあ、暇だなぁ」
:08/11/23 21:33 :P903i :epQG/68k
#146 [我輩は匿名である]
「……と、この小説を見たらどう思う?」
「いや、別に…ちゃんと主人公の説明ができてるんじゃないの?」
「そうか。僕なら3行目で読むのをやめるね」
「それはなぜ?」
「これも初心者によくあるミスなんだけどね、文章が説明的すぎるんだ。『描写ができてない』と言い替えてもいい」
「どういうことだ?」
:08/11/23 21:33 :P903i :epQG/68k
#147 [我輩は匿名である]
「小説とは、読者にイメージを創造させることに意義がある、って言ったよね。
読者は創造力を刺激されることを望んでおり、描写からシーンを創造することが小説の醍醐味だ。
だから、上の例文みたいに説明されたんじゃ読む気をなくしてしまう」
「なるほど…」
「では、どうすれば『描写』がなされている小説らしい文章を書けるのか。
コツとしては、イメージを連想させるんだ」
「連想?」
:08/11/23 21:35 :P903i :epQG/68k
#148 [我輩は匿名である]
「例えば、さっき君が書いた歌箱の村の描写から引用すると」
春がすぎ、じめじめとした梅雨が明けて間もない頃。
気温もどんどんと漸増していく中、変わらない太陽がさんさんと輝いていた。
「この一文。直接『夏』とは書いていないけど、季節が夏だということは分かるだろう?」
「たしかに」
「これは『夏』という場面を連想させる描写をしているからなんだ」
「ほうほう」
:08/11/23 21:36 :P903i :epQG/68k
#149 [我輩は匿名である]
「分かりやすいのが冒頭の一文。春がすぎ、梅雨が明けたら季節はいつ?」
「夏だな」
「気温が上がっていき、『太陽がさんさんと輝いている』イメージがあるのは?」
「まがうことなく夏だ」
「そう。『梅雨明け』『気温の上昇』『さんさんと輝く太陽』、これらはすべて『夏』を連想させるもの。
他には『入道雲』なんかがあってもいいかもね。
小説を書くときは、こういった『場面を連想させるもの』を文章に取り入れていけばいいのさ」
「なるほど」
:08/11/23 21:37 :P903i :epQG/68k
#150 [我輩は匿名である]
「では、さっきの例文。季節が秋、主人公がヒキオタニートであることを連想させるならば…」
:08/11/23 21:38 :P903i :epQG/68k
#151 [我輩は匿名である]
雀の鳴き声が響き、カーテンから朝陽が射し込む。
吹きすさぶ冷たい木枯しが、古アパートの立て付けが悪くなった窓をカタカタと鳴らした。
窓の外では、葉が落ちて枝が露出した街路樹の下を、これから出勤するサラリーマン達がコートを着込んで歩いている。
その最中、部屋の住人である太郎はまだ布団の中にいた。
緩慢な動作でテーブルの上に置かれたエアコンのリモコンに手を伸ばす。
暖房をつけ、リモコンをテーブルに放り投げたとき、壁に掛けられた月カレンダーが目に入った。
:08/11/23 21:38 :P903i :epQG/68k
#152 [我輩は匿名である]
もうすぐ残り一枚になるそのカレンダーに、予定が書き込まれたことはない。
事務的な用事以外で人と話すこともない。
家族ですら、ご飯ができたことを伝えにくる母親に、唸るような返事をするだけだった。
太郎はカレンダーから視線を外し、ベッドから這い出るように起き上がる。
伸びをして、脂肪で重くなった体を支える足を動かし、ドスドスと床を踏み抜くような音を立てながらパソコン机に向かった。
高校を中退して以来、パソコンとベッドの往復すら億劫になってきている。
いつものようにパソコンの電源を点け、ディスプレイにうつる起動中の画面を眺めながら呟いた。
「あーあ、暇だなぁ」
:08/11/23 21:38 :P903i :epQG/68k
#153 [我輩は匿名である]
「…と、こんな感じかな。
描かれているのは同じ情報だけど、イメージがより明確になってくる」
「こっちのが小説っぽいな」
「直接的に説明するんじゃなく、人物の動きやその場の状況から連想させていくんだ。そうすれば小説らしい文が書けるよ。
あとは、比喩表現なんかも有効だ」
「『まるで○○のようだ』みたいなやつか」
:08/11/23 21:39 :P903i :epQG/68k
#154 [我輩は匿名である]
「そうそう。ちなみに僕は比喩が下手くそだ。
でも、比喩が上手い人の小説は独特の世界観が醸し出されている。上手くなりたいならそういった作品を読んでみるといい」
「わかった」
「では、おさらいに入ろう」
:08/11/23 21:40 :P903i :epQG/68k
#155 [我輩は匿名である]
〜6章のおさらい!〜
「情景描写は読者に情報を与える大切な描写。
みっちり書けとは言わないが、自分の持つイメージを伝えられるくらいは書くこと」
「書く前に、情景描写させるものについて深く考えてみよう。
同じものでも、人によって捉え方がまったく違うぞ!」
「『そこは読者の想像にお任せします』は駄目だ。
作者として居座るなら、自分の世界を作ること。それが嫌なら読者になれ」
「視点をはっきりさせること。
『風が心地いい』とか誰が感じてるのかしっかり書こう」
「説明文にならないように気をつけること。『読まれている』ことを常に意識して書こう。比喩も有効だぞ」
:08/11/23 21:41 :P903i :epQG/68k
#156 [我輩は匿名である]
「だいぶ本格的になってきたね」
「難しいなー…」
「がんばれ。次は心理描写だ」
>>119-156第6章 〜小説を書こう! 情景描写編〜 終
次回は
第7章 〜小説を書こう! 心理描写編〜
:08/11/23 21:44 :P903i :epQG/68k
#157 [我輩は匿名である]
なにこの永久保存版
だが3章の
確か、あれは5年前――
と
確か、あれは5年前──
上の二つはPCだと同じ記号だぜ
:08/11/24 16:31 :PC :☆☆☆
#158 [我輩は匿名である]
>>157mjsk
たぶん携帯で見れば違いがわかるはず…
:08/11/24 23:18 :P903i :NVwutBNI
#159 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
あげまーす
基本をしっかりと押さえたなかなか良い内容ですよ
:08/11/29 22:26 :SH905i :NCLmiRs.
#160 [我輩は匿名である]
第7章 〜小説を書こう! 心理描写編〜
「さて、実践レクチャーはこの章で最後だ。そのあとは諸々、細かいことだけさ」
「とうとうきたか…」
「だがしかし、ここが一番の難関だ」
「今夜が山田だな」
「『心理描写』、叙述描写とも言われるけど。これは情景描写と同じく、読者を引き込ませる上で非常に重要だ」
「うむ」
「緊迫したシーン、和やかなシーン、感動するシーン……
そんなシーンで各々のキャラの味をどう活かせるかは、心理描写で決まってくる」
「難しそうだが…大事なのは間違いないな」
:08/11/30 22:01 :P903i :Qok512as
#161 [我輩は匿名である]
「心理描写って、よく『自分がその状況に置かれた時の心理を書けばいい』って言うけど…
たとえば、君が踏みきりで長い時間待たされてたらどう思う?」
「イライラするな」
「だろうね。でも僕は踏みきりで待っている時間は心地いい」
「え?」
「僕は待つのが好きだからね」
「でも、そんな奴ばっかりじゃいい作品なんて書けっこないじゃん」
「それは、何も考えずに描写した場合の話さ」
:08/11/30 22:02 :P903i :Qok512as
#162 [我輩は匿名である]
7−1 キャラ設定と心理描写の繋がり
「たとえば、根暗なキャラがいたとしよう」
「うん」
「何もかも面倒くさい、外に出るのも嫌。
そんなキャラが、家族と旅行に行くことになったらどうすると思う?」
「面倒くさがりで外に出るのも嫌な奴が、自ら進んで旅行に行くはずがない。嫌に決まってるな」
「正解。では太郎くん、君が旅行に誘われたら?」
「もちろん行くぜ」
:08/11/30 22:04 :P903i :Qok512as
#163 [我輩は匿名である]
「うん。気づいたかな?
心理描写では、実際に自分がそのキャラになりきるのが大事なんだ。
同じ性格のキャラクターばかりだと嫌だろう?」
「嫌っつーか気持ち悪いなそりゃ」
「同じような奴ばかりだとストーリーに魅力が無くなるしね。その為のキャラ設定さ」
「心理描写ではキャラ設定が大事なわけだな」
「そう。キャラクターの性格・個性から心理を見出し、書く。これが心理描写の極意だ」
「うむ」
:08/11/30 22:04 :P903i :Qok512as
#164 [我輩は匿名である]
「では、ここに連続殺人犯の太郎がいたとする」
「おっかねぇな」
「この太郎という男、殺人をしたくてしているわけではない。では、彼は何を思っている?」
「うーん、明確な理由がないからなんとも…でも殺人をしたくないんだから、後ろめたい気持ちがあるんじゃないの?」
「それだよ」
「へ?」
:08/11/30 22:05 :P903i :Qok512as
#165 [我輩は匿名である]
「『したくてしているわけではない』、こう言われると大体の人は『したくない』と解釈しちゃうよね?
でも、殺人が中毒になってきていたらどうだい? 中毒とはつまりタバコを吸うように人を殺すわけだから、『殺したい』と思っているわけじゃない。
しかし『殺したくない』か、と言われるとそうでもない」
「6章の林檎のアレみたいな事になるわけか」
「そう、読者と作者でのイメージの相違だ。
しかもこれが人物に起こるわけだから、読者の同意はまず得られない」
:08/11/30 22:05 :P903i :Qok512as
#166 [我輩は匿名である]
「どうすればいいんだ?」
「やはりそこは前もって描写していくしかないね。
キャラの細かな動きや口調、考え方なんかを書くことで、キャラの個性を起承転結の『起』と『承』の間に描写していくんだ」
「なんか大変そうだな…」
「そんなに難しいことはないさ。要は設定に合わせてキャラを動かしていけばいいだけだからね。
ただそれだけに、プロット段階でキャラ設定をおろそかにしていると、大事な所でイメージの相違が出てきたりする。
心理描写は小説の一番大事な描写。そしてそれを書くには、キャラ設定がきちんと詰められていないといけない」
:08/11/30 22:06 :P903i :Qok512as
#167 [我輩は匿名である]
「キャラ設定は心理描写と深く結びついてる、ってわけか」
「その通り。キャラなくして心理描写は成り立たない」
「そして詰め込んだ設定をもとに、自分がそのキャラになりきって描写すればいいわけだな」
「正解だ。では、実際に心理描写をしてみようか」
:08/11/30 22:06 :P903i :Qok512as
#168 [我輩は匿名である]
7−3 一人称における心理描写
「心理描写には大きく別けて2種類ある。
直接的な心理描写が1つ。間接的な心理描写がもう1つだ」
「どう違うんだ?」
「読んで字のごとく、そのままだよ。
直接的な心理描写とは、人物の心情をそのまま語らせる描写。
間接的な心理描写とは、人物の動きや表情などの描写から、心情を読者に想像させる描写だ」
「でも、それだと直接的な方が簡単なんじゃ?」
「うん。でも、三人称では直接的な描写はできないからね。
直接的な方は一人称で、間接的な方は三人称で使うもの、と解釈してくれればいい」
「なるほど」
「では、まずは直接的な心理描写から教えていくよ」
:08/11/30 22:07 :P903i :Qok512as
#169 [我輩は匿名である]
「と言っても、直接的描写に関しては教えることはあまりない」
「なんでさ?」
「さっきも言ったが、人物の心情をそのまま語れば、それで直接的描写になるんだ。以下、例文」
:08/11/30 22:09 :P903i :Qok512as
#170 [我輩は匿名である]
目の前に壁が見えたとき、俺は絶望した。
後ろには、口角をつり上げながら銃口をこちらに向けるギャングがいる。
もはや恐怖も感じられない。
脳みそは絶望感に浸され、体を動かそうともしなかった。
いや、疲れて動けないだけだろう。
ギャングが引き金に指をかける。
俺の人生はもうすぐ終わる。遺書を残してないのに死ぬのが残念だ。
もう体は動かないし、一思いにやってくれ。
そう思いながら、俺はゆっくりと瞼を閉じた。
「とまぁ、こんな感じかな。
注意点としては、あまりセリフ臭い文章にならないようにすること。
あくまでも『描写』だからね」
:08/11/30 22:09 :P903i :Qok512as
#171 [我輩は匿名である]
「セリフ臭いってのは?」
「こんなやつだ」
どうしよう…彼を怒らせちゃった…
きっと私のことなんて嫌いになったよね…私のバカ!
「ふぅ…書くのすら気持ち悪い文章だな。
一般的に『携帯小説』と呼ばれる小説の、特に恋愛ものに非常に多い。
これをやっちゃうとかなり幼稚な文章に見えてしまうからね。ああ気持ち悪い」
「気持ち悪いって…でもこういうの多いな、確かに」
「やっちゃいけないわけじゃないけどね。やるなら括弧“()”を使ってやるべきだ」
:08/11/30 22:10 :P903i :Qok512as
#172 [我輩は匿名である]
「心の声だな!」
(何コイツ急にテンション上げてるんだよキメエ)
(ナナシさん顔怖い…)
「と、こんな感じだな。地の文は普通は語り口調だから、セリフ臭い文章は入れない方がいい。
まぁ()も一般小説では使われない技法だけどね」
(そうなのか?)
「把握した?」
(把握したぜ!)
「なんとか言えや、ぶち殺すぞ」
「…………」
:08/11/30 22:11 :P903i :Qok512as
#173 [我輩は匿名である]
7−3 三人称における心理描写
「続いては間接的な心理描写だ。さっきも言ったように、三人称で心理描写する場合はこれになる」
「ほう」
「では太郎、君はギャングのナナシに追われている」
「さっきのか」
「しかし、逃げ込んだ先は行き止まりだった。太郎は絶望する。
その場面を三人称で書いてみるぞ」
:08/11/30 22:11 :P903i :Qok512as
#174 [我輩は匿名である]
太郎はギャングのナナシから逃げていた。
人気のない裏路地に入る。
だが、目の前には壁があった。行き止まりだ。
太郎の人生は終わった。
「情景描写はかなり省かせてもらった。
さて、この文に心理描写を入れていくぞ。追われているとき、太郎はどんな気分かな?」
「怖くて汗がダラダラだな」
「なら2行目くらいにその描写がいるね」
「太郎は荒い息で、汗を流しながら走った」
「そんな感じだ。それで太郎の焦りが伝わる
そして次に、目の前に壁があったとき」
「太郎は落胆し、膝からがっくりと崩れ落ちた」
:08/11/30 22:12 :P903i :Qok512as
#175 [我輩は匿名である]
「そんな感じだね。
間接的描写は情景描写と同じく、動作や表情から心理を連想させればいい。
まず、そのキャラクターならどんな気分になるかを考える。
そして、その気分になったキャラクターはどんな行動を取るか、それを描写すればいい」
「なるほど」
「心理描写も、書けば書くほど書ける。書きすぎはよくないけどね」
「把握したぜ」
:08/11/30 22:13 :P903i :Qok512as
#176 [我輩は匿名である]
太郎はギャングのナナシから逃げていた。
長い時間走り続けているので息は荒く、流れ出る汗が顎をつたい滴り落ちていく。
やがて太郎は、人気のない路地裏に入った。
だがしかし、目の前には巨大な壁が立ち塞がっていた。行き止まりだ。
その瞬間、太郎は落胆し、膝からがっくりと崩れ落ちた。
太郎の人生は終わったのだ。
「と、これくらいなら許せるレベルだろう」
「難しいな」
「それから、誇張表現も有効な手段だ」
「誇張表現?」
:08/11/30 22:13 :P903i :Qok512as
#177 [我輩は匿名である]
「心情をより強くイメージ付けるために、動作や物の大きさなんかを誇張して描写するんだ。
また逆に、より小さくするために過小描写するのもありだ。
さっきの文を例にすると、『目の前には巨大な壁が立ち塞がっていた』は誇張表現だね」
「なるほど」
「ではおさらいだ」
:08/11/30 22:14 :P903i :Qok512as
#178 [我輩は匿名である]
〜7章のおさらい!〜
「心理描写は大事!
キャラ設定に合わせて、『このキャラは何を思うのか』を考えながら書いていこう」
「キャラの印象付けなしに心理描写したって意味がない。
あらかじめキャラの個性を出していかないと、読者の同意が得られないぞ」
「視点と人称によって、心理描写できるキャラと表現のしかたが限られてくる。
描写する前に、誰視点の何人称かを見直すこと」
「一人称ではキャラクターの心情をそのまま書ける。だが、あくまでも語り口調で書くこと。
心の声をそのまま書くと幼稚に見えるぞ。それをやるなら()を使え!」
「三人称ではキャラの動きや表情から心理を連想させていく。
まずそのキャラの心理を考え、『その心理になったキャラがどう動くか』を想像して描写しよう。
誇張表現や過小描写も有効だぞ」
:08/11/30 22:14 :P903i :Qok512as
#179 [我輩は匿名である]
「良い悪いは別にして、これでもう小説は書けるかな」
「次は何をやるんだ?」
「まぁ色々とね」
>>160-178第7章 〜小説を書こう! 心理描写編〜 終
次回は
第8章 〜禁じ手〜
:08/11/30 22:17 :P903i :Qok512as
#180 [我輩はプリクラさんである]
良スレはけーん
書く前にこれ読んどけばよかた…
全然理解できてねーけどw
とりあえず、このスレを本にしてくれ
:08/12/02 23:58 :N706i2 :w5zvx4VA
#181 [我輩は匿名である]
>>180理解できてない…マジすか
初心者にも分かるように教えるのって難しいな…
今後のレクチャーの展開を見直してみるか
:08/12/03 03:28 :P903i :WSbGktfI
#182 [我輩は匿名である]
あと今更だけど、このスレは定期ageでお願いします
:08/12/03 03:29 :P903i :WSbGktfI
#183 [我輩は匿名である]
第8章 〜禁じ手〜
「どうも太郎です。今日はナナシ先生に内緒で戦闘シーンを書いてきたぜ」
「やるのか太郎!」
「ふはは、殺してやるぜナナシ!」
ガキン! ギィン!
バァン!
「け、剣が!」
「ふはは、覚悟しろナナシ!」
「この手に汗握る展開…我ながら素晴らしいな」
「これはひどい、ひどすぎる!! 貴様それでも俺の弟子カァアァァァ!!」
「うおっまぶし」
:08/12/03 21:58 :P903i :WSbGktfI
#184 [我輩は匿名である]
「一体何だこれは?」
「ナナシ先生、いたのか…」
「まあね。ところでさっきの文だが。
この戦闘は一体何をしてるの?」
「ナナシの剣と太郎の槍のぶつかり合いだ」
「え? 太郎は槍持ってたの?」
「当たり前じゃん」
(こいつ…! 情景描写で何をしていたんだ!!)
:08/12/03 21:59 :P903i :WSbGktfI
#185 [我輩は匿名である]
「それでナナシの剣が折れて、ナナシは追い詰められてる」
「僕はナナシの剣が吹っ飛んだと解釈したが」
「え?」
「このバカモンが、何を習ってたんだ。ぶち殺すぞ」
「うっ」
「まぁそこは割愛しても、擬音を使いすぎだな……」
:08/12/03 21:59 :P903i :WSbGktfI
#186 [我輩は匿名である]
8−1 擬音
「初心者の小説でよく見かけるけどね。
擬音を使った描写は、特に厨房が陥りやすい。だが、それでは何をしているのかさっぱり分からん!」
「俺は分かるぞ」
「お前だけ分かっても読者が分からなかったら意味ねーだろボケが!」
「うっ」
「ちょっと書き直してやる」
:08/12/03 22:00 :P903i :WSbGktfI
#187 [我輩は匿名である]
「やるのか太郎!」
「ふはは、殺してやるぜナナシ!」
太郎は薄い笑いを浮かべたまま、その手に持った白銀の槍を構えなおした。
それに呼応するように、ナナシも鉄の剣を鞘から抜き放ち、低く構える。
だが、その瞬間だった。
剣を持つ手が、突然軽くなったような妙な違和感。
刹那、ナナシの剣はバンと鈍い音を立てて、刀身の半ばから折れ飛んだ。
「け、剣が!」
「ふはは、覚悟しろナナシ!」
「擬音は別に使っちゃいけない訳じゃないが、極力使わない方がいい。
上では申し訳程度にナナシの剣が折れる擬音を入れてみたが、擬音を使わず描写した方がいいね」
:08/12/03 22:00 :P903i :WSbGktfI
#188 [我輩は匿名である]
「それに、基本的に擬音はカタカナだ。
カタカナが多い文章は読みづらい上に、稚拙に見えて仕方がない」
「言われてみれば確かに……」
「はっきり言って擬音は手抜きだ。
そんな事をするよりは、細かな描写をして読者の想像を膨らませてあげよう」
「把握したぜ」
:08/12/03 22:01 :P903i :WSbGktfI
#189 [我輩は匿名である]
8−2 単調な文章
「他にも鸚鵡返しやどうでもいい事をダラダラ書いたりなど、やっちゃいけない事はたくさんある」
「おうむがえし?」
「今、君がやったのが鸚鵡返しだ」
「相手の言った事をそのまま返すことか…」
「まぁこれも使っちゃいけない訳じゃないけどね、強調させたい場合にはよく使われるし。
ただ、これも使っていると癖になりやすいんだ。どうでもいい事でいちいち鸚鵡返ししちゃったりね」
:08/12/03 22:01 :P903i :WSbGktfI
#190 [我輩は匿名である]
「そうなのか?」
「気づかないうちに絶対になる。だから日頃から極力使わない努力をした方がいい」
「分かった。じゃあ『どうでもいい事をダラダラ』ってのは?」
「例えばこんな会話」
「やあ太郎」
「こんにちはナナシさん」
「今日はいい天気だな」
「そうですね」
:08/12/03 22:02 :P903i :WSbGktfI
#191 [我輩は匿名である]
「ほのぼの系では別だが、こんな感じで単調な会話を続けていると、読者は飽きる。
この程度なら挨拶をしたという言葉だけで済ませられるだろう」
「なるほど」
「シリアスやミステリーなんかでは、こういった無駄な会話が間を殺してしまう。
無駄な会話や文章は極力省いた方がいい」
「把握したぜ」
:08/12/03 22:03 :P903i :WSbGktfI
#192 [我輩は匿名である]
8−3 社会的なタブー
「知的障害者」
「ん?」
「市町村の合併問題、治療不可能の難病、伝染病などなど。これらを題材に使う場合は注意が必要だ」
「どういうことだ?」
「フィクションもので、実在する場所・人物なんかを使う場合もそう。
いわば、モラルの観点から見た禁じ手さ」
「嫌がる人もいるってことか」
「まぁそうなるかな。少なくとも誰かが傷つくような書き方はしちゃいけない。
でも大事なのは、それら『タブー』となっているテーマをいかにして書くかだ」
:08/12/03 22:04 :P903i :WSbGktfI
#193 [我輩は匿名である]
「どうするんだ?」
「最低限のルールとして、それらについてきちんと調べること。嘘は絶対にダメだ。
そして、フィクションであっても客観的に書くこと」
「偏りなく公平に、ってことか」
「そうだね。でもこれがなかなか難しいし、少し間違えれば多大な批難を浴びたりする。
だからそういう題材を扱う場合は、名前だけ架空のものとして出したりする。作中で病名を存在しないものに変えたりとかね」
:08/12/03 22:04 :P903i :WSbGktfI
#194 [我輩は匿名である]
「下手に扱わない方がいいのか?」
「初心者はそうした方がいいかもね。
最近は恋人が植物人間になったりだとか、それらのテーマが安易に使われやすいけど、あまりよくない。
そして、やるなら最後まで責任を持って書ききること。それがルールでもある」
「把握したぜ」
:08/12/03 22:05 :P903i :WSbGktfI
#195 [我輩は匿名である]
8−4 推理小説などでの禁じ手
「推理小説やオカルトなど、謎解きがメインとなる小説では細かい縛りが多々ある」
「ほう」
「犯人やトリックに関するものが特に多いかな。
読者が推理できない、又は与えられた情報からは推理できないようなトリックなどを使ってはいけない。面白くないからね」
「たとえばどんな?」
「犯人に関しては、『自分(語り手)が犯人でした』はダメ。
ただし、犯人が語り手であると前提を置いた上で話を進めるのはアリだ。
また、推理段階で名前すら出てきていない人物を犯人にするのもダメ」
「ふむふむ」
:08/12/03 22:05 :P903i :WSbGktfI
#196 [我輩は匿名である]
「双子を使ったトリックは、たとえ双子である事を明言していてもダメ。
密室モノで、『実は秘密の通路がありました』もダメ」
「確かに推理のしようがないな」
「推理段階で本文中に書いてなかった事を、種明かしの段階で『実は○○だったんだよ』みたいに登場人物に語らせるのもよくない。
言わなくても分かるだろうが、推理小説では読者があれこれ推理するのが一番の面白さだ。
なので、考えれば必ず犯人が分かるように、作者が情報を出していかないといけない」
「確かにそうだな」
:08/12/03 22:06 :P903i :WSbGktfI
#197 [我輩は匿名である]
「だから、語り手が嘘をついちゃいけない。
たとえば、『妻が死んでいるのを発見した亭主』が語り手だとしよう」
「うん」
「家に帰ると妻が死んでいる。そして語り手としての心理描写が書かれる。
そこに『ビックリした』なんて書かれていたら、その人はもう犯人ではあり得ない」
「犯人ならビックリしないな」
「そうだね。ところが、話を進めていくとその亭主が犯人だった、としてしまうと、これはもうルール違反だ」
「そりゃ分からないもんな」
:08/12/03 22:06 :P903i :WSbGktfI
#198 [我輩は匿名である]
「ただ、会話ならセーフだ。
警官に『殺害したのはお前か』と聞かれて『私ではありません』と答えるのは当然だからね。
それが地の文で書かれた心理描写になるとアウトだ」
「ふむふむ」
「推理小説に限らず、視点が固定された小説では重要なんだけどね。
ファッションに疎い子が語り手だとして、前からお洒落な人が来たとしよう。
この場合、語り手には服の種類が分からないから、『ひらひらした可愛い服』くらいの描写しかできないんだ。ファッションに疎いわけだからね」
「なるほど」
:08/12/03 22:07 :P903i :WSbGktfI
#199 [我輩は匿名である]
「特に初心者の小説ではこういった事が目立つね。
小説というのは描写から場面や人物像を想像させなきゃいけない。
こういう描写の違和感は気にされないけど、作者と読者のイメージの相違に繋がるから注意が必要だ」
「把握したぜ」
「他にも『夢オチ』もあまりよろしくないな」
「今までの出来事は全部夢だった、ってヤツか」
「そう。夢オチは展開に詰まった作者が無理やり打ち切る場合なんかによく見られる。
夢オチは、はっきり言って逃亡と同義だ。必ず話をきちんと締めること」
「把握したぜ」
「では、おさらいだ」
:08/12/03 22:07 :P903i :WSbGktfI
#200 [我輩は匿名である]
〜8章のおさらい!〜
「擬音を乱用しないこと。読者には何をやってるのかさっぱり分からないぞ!」
「どうでもいいことは綺麗に省く。鸚鵡返しもよくない」
「社会問題など、人権が関わってくるテーマを扱う場合は注意が必要。
嘘は書かない、主観論は書かない、実例又は実在する事柄は書かない。この3つを守ろう」
「推理小説などでは縛りが多いぞ。
自分が考えたトリックがルール的にアリなのか、書く前に調べておこう」
「描写を怠るな! 推理小説などでは特に描写が重要だ。トリックに必要な事は必ず描写すること!
また、その話を語り手がしておかしくないか、必ず確認すること」
「夢オチはつまんないからやめろ」
:08/12/03 22:08 :P903i :WSbGktfI
#201 [我輩は匿名である]
「そろそろ教えることも少ない」
「次は何をやるんだ?」
「小説によくある技法を教えよう」
>>183-201第8章 〜禁じ手〜 完
次回は
第9章 〜知っておきたい技法たち〜
:08/12/03 22:09 :P903i :WSbGktfI
#202 [我輩は匿名である]
運営にも書いたが、こう言うスレはどうなんだ?
作家達へ? お前は作家か??
まずな、これを読んだ作家だけになったらみんなくだらない型にはまった小説になるのは先が見えない?
小説書く人が、人それぞれで個性ある方が、新しいヒントやアイデアの宝庫として、見てあげれない時点で、アウトだろ(笑)
なぜ形にはめようとする?掲示板、しかもネットだろ(笑)
ジャンルや内容が違っても個性じゃないの?
:08/12/11 03:49 :F906i :☆☆☆
#203 [我輩は匿名である]
>>202最初の方に『あくまでも筆者の知識と経験に沿ったもの』と書いてあるけど?
途中途中にも『このレクチャーがすべてじゃない』と示唆する文章をちゃんと書いてる
『人から教えてもらえるのは基本だけ』とも書いたかな
要は個性を表現するために最低限必要な知識を教えよう!ってスレだから
ちゃんとROMったの?
アンチする以上きちんと見た上で批判してくれないと
ROMりもせずにただただ文句言われても困る
だってちゃんと免責事項としてそれらが書いてあるし
:08/12/11 10:44 :P903i :9yiOzHy2
#204 [我輩は匿名である]
あぁ、『管理人きどり』ってこのスレのこと?
なんで管理人きどりになるの?
レクチャースレなんて過去にいくらでもあったのに?
管理人の意味分かってる?
ただの私怨でアンチするとか問題外ですよ
:08/12/11 10:50 :P903i :9yiOzHy2
#205 [我輩は匿名である]
型に嵌まる嵌まらない以前に、このスレの内容は小説の基本でしょうが
何を言っているのですか?
個性とは基礎という基盤の上に築いてくものです
基本すら学ばずして個性を語るとはおこがましい限りですよ
その過去のレクチャースレのURLを引っ張って頂ければさらに反論しますが?
:08/12/11 14:22 :SH905i :☆☆☆
#206 [カイナ]
:08/12/11 21:56 :P701iD :☆☆☆
#207 [祐]
私、思うに202はあながち間違ってないと思うけどいかがでしょうか?203や204などの上から目線を止めたらどうでしょうか?
間違ってたらすみませんけど、あなたたちの意見ですよね?たくさんの掲示板を見てる人はどう思うのでしょうか?
:08/12/12 00:54 :PC :aUMUCBy.
#208 [我輩は匿名である]
>>121-125にもあるように、一から全て描写の指導をしたら型に嵌まる危険はあるものの、基本を学んだところで型に嵌まることはまずないでしょう
むしろ、(ただ読んだだけではダメですが)小説の質は向上し、個性はより活かされるでしょうね
何しろ基本をレクチャーするスレですから、このスレは小説を書く上での常識、当たり前のことを言っているようなものです
プロットの有利さ
心理描写の注意点
擬音への指摘
背景描写の重要性
どれも重要であると同時に、小説の基本です
まぁ小説書きにしかわからない内容ではありますが
:08/12/12 01:29 :SH905i :☆☆☆
#209 [我輩は匿名である]
>>207上から目線ではないと思いますが
あと、『型にはめる』意識は毛頭ありません
あくまでも基本だけですし、読む読まないは自由です
:08/12/12 13:43 :P903i :TecqNEQk
#210 [我輩は匿名である]
あげます
:08/12/14 09:19 :F905i :naplQQxM
#211 [我輩は匿名である]
:08/12/14 16:38 :SH706i :KJWT7.Qo
#212 [祐]
>>209 私はあまり掲示板に来れなくてレス遅くてすみませんが、掲示板の良さを最大限に生かす事すら、忘れてませんか?
読む読まないは自由と言うのであれば、文章能力なくても暖かく見守ってあげるのが、掲示板の良さではないのでしょうか?
:08/12/16 01:36 :PC :vyu0X4w6
#213 [祐]
タイトルからして「全ての作家達へ」ですね・・
あなたの上から目線だけで掲示板を統制しようとしてるのですか?って思われても仕方ありませんよ。
人に何かを伝えるときは、それなりの人間性と教養も必要になってくるのではないでしょうか?
:08/12/16 01:41 :PC :vyu0X4w6
#214 [菅沼]
<<213
同感
:08/12/16 07:22 :D904i :n21BJZmM
#215 [我輩は匿名である]
>>211これでもだいぶ纏めてるつもりですが、やはり長いですかね?
気を付けます
>>212-213暖かく見守るもなにも、『文章力がない奴は書くな』とは誰も言っていませんからね
この掲示板は書きたいなら好きに書けます
ただ文章力がなくて困ってる人にちょっとしたアドバイスができれば、という程度です
それに文章力がある人が増えれば小説も面白くなり、結果小説板の活性化に繋がります
もう一度言いますが、このスレの内容を読む読まないは自由です
ですがためになった、というレスもありますし
読むことを強制しているわけではないのでスレタイは問題ないかと
上から目線となるのは感じ方の問題でしょう
『タイトルからして』と言っていますが、ではスレタイ以外に上から目線となる要素がありますか?
:08/12/16 07:28 :P903i :CSxUkXMs
#216 [我輩は匿名である]
>>212残念ながらその意見には賛同出来ません
そもそも果たしてそれが掲示板の良さでしょうか?
クオリティの低さを見守ることが
そしてそれを向上させようと努めることはそれまでに否定されなければならないことですか?
ここは小説板です
読者も面白い作品をみたいに違いありません
文章力も内容も微妙で低クオリティな小説を読みたがる人間なんているはずもありません
ならば書き手も読者の期待に応えるのが必定でしょうし、さらに書き手が『読んで貰いたい』と思って書いている方が多いのなら尚更です
よって、小説の質を向上させるのはあらゆる方向から見ても良いことです
掲示板だから見守るのではなく、掲示板だからこそ努めるのですよ
:08/12/16 08:42 :SH905i :☆☆☆
#217 [我輩は匿名である]
というか、小説の質を向上させようとするレクチャースレが何故統制に繋がるのでしょうか?
見た限りでは少なくとも管理人や自治きどりのことはしていないと思います
:08/12/16 08:49 :SH905i :☆☆☆
#218 [我輩は匿名である]
文章能力がないのを見守って何になるって話じゃない?
良いことなんて一つもないんじゃ・・・
それに比べたらこういうスレの方が人のためじゃないかな?
とゆーか、ロムってて感じたんだが
ただ「主が気にくわないだけ」みたいな批判になりつつあるように感じるのは俺だけか?
>>217の人と同じで
>>1を見る限り悪意はないと思う
見た目ってそんなに重要か?その人の考え・・・中身を見るべきじゃないかな
横入りで偉そうにごめん
:08/12/16 10:23 :PC :aKUP6baA
#219 [我輩は匿名である]
あぁそれとも、プロじゃない人間に>>1みたいに言われたくはないってことなのかな?
内容からしてアマよりは知識もあるみたいだけど、決してプロではないしな
まぁ・・・だとしたらわからなくはない
:08/12/16 10:31 :PC :aKUP6baA
#220 [我輩は匿名である]
>>219それに関しても>>2に言及してあります
自分もプロではありません、間違った知識や偏った知識があるかもしれません(一応書く前に調べてはいますが)
より知識がある方の補足や意見は歓迎します
:08/12/16 16:08 :P903i :CSxUkXMs
#221 [我輩は匿名である]
>>220あ、本当だw
これは非の打ち所がないわなぁ
すまなかった
:08/12/17 09:02 :PC :CWW6ANaI
#222 [祐]
とりあえず読むも読まないも 書くも書かないも個人の自由であって、他言することでもないことだと思いますよ。掲示板の良さってそこじゃないでしょうか?
:08/12/18 00:10 :PC :CG.yf6mU
#223 [我輩は匿名である]
>>222ならこういうスレもありですよね?俺の知識や経験を放出してるだけのスレなんですから
嫌なら見ないという選択肢がありますし
あと掲示板の良さは『不特定多数の人がいること』だと思いますよ
各々でスレ立ててお互い干渉せず他言はなしなんて、個人サイトと同じじゃないですか
閉鎖的な板はつまらなくなりますよ(18禁、やらし板なんかがいい例)
色々な方に作品を読んでもらって批評をもらったり、こういうスレみたいに皆で共通の情報を共有したりできるのが、掲示板の真の良さでしょう
:08/12/18 01:18 :P903i :4ISKNuMY
#224 [我輩は匿名である]
>>222それは『良さ』ではなく『性質』ですね
不特定多数の人間がいるネットでは見る見ないが自己判断となります
これは『良さ』ではなく掲示板の『性質』です
また、不特定多数の人間が利用者するのですから、発言も自己責任によっては『自由』なものとなります
ネットで自己責任に則った発言(誹謗中傷以外の発言)が制限されることは基本的にありません
つまり、このスレも然り
自由に立てて良いモノであり、C-Boxの定めた規約に違反している訳でもないので、良しとなります
:08/12/18 09:22 :SH905i :☆☆☆
#225 [我輩は匿名である]
追記
しかし、いくら自由とはいえ、利用者同士のコミュニケーションも有りじゃないですか?
掲示板にも関わらず他人との一切の干渉が無いほど閉鎖的では、それこそ掲示板という性質を無視しています
見る見ないは自由ですし、型に嵌まる訳ではない上に、見たところでデメリットはないでしょう
クオリティの低い小説板と、
多少マシなクオリティの小説板、
貴方はどちらを望みます?
:08/12/18 09:29 :SH905i :☆☆☆
#226 [◆vzApYZDoz6]
再開していいのかねこれ?
:08/12/26 01:20 :PC :PI5e2lEY
#227 [我輩は匿名である]
>>226いいのではないでしょうか?
反論もなくなってますし
:08/12/26 10:25 :SH905i :☆☆☆
#228 [我輩は匿名である]
第9章 〜知っておきたい技法たち〜
9−1 伏線
「伏線というのは、その事柄に関する情報を前もって出しておくこと」
「ふむふむ」
「分かりやすい例が推理小説だ。
犯人となる人物やトリックに使われる要素が、必ず事前に描写されているだろう?
読者に何の情報もなしにいきなり犯人やトリックが暴かれても、面白くないからね」
「確かに」
:08/12/28 17:39 :P903i :ruBc5Y5o
#229 [我輩は匿名である]
「推理小説以外でも同様に、重要な場面や驚きを誘いたい場面では、伏線を張っておくと効果的だ」
「どんな感じなんだ?」
「以下、例文」
少女と目が合った時、太郎は無意識に右腕の古傷を押さえていた。
「花子に似ている…?」
「?」
「いや、まさか…な」
:08/12/28 17:40 :P903i :ruBc5Y5o
#230 [我輩は匿名である]
「ここまでのストーリーには、この花子という人物は出てこない。
この後の展開でも、花子についてほとんど情報が出てこない」
「ふむ」
「これで後に、太郎は昔力が足りずに花子を守れなかった。その時に右腕に傷を負った。
という過去の回想をつけると、それが太郎の傷と花子のことの伏線となるわけだ」
「難しいな…」
「それとなくでいいんだよ。ただし、印象には残る感じでね。
それに、伏線は1回だけとは限らない。何度も重ねて張るのも手だ」
:08/12/28 17:40 :P903i :ruBc5Y5o
#231 [我輩は匿名である]
「どういうタイミングで伏線を張ればいいんだ?」
「まず、どのシーンの伏線を張るかを考える。
そしてプロットが出来上がった段階で、不自然にならずに伏線を張れるポイントを探せばいい」
「やっぱり難しいな」
「じゃあ、2章で作った『安眠への旅』のプロットで、実際に伏線を張ってみようか」
:08/12/28 17:41 :P903i :ruBc5Y5o
#232 [我輩は匿名である]
『安眠への旅』
1話(太郎登場、安眠マクラを探す旅に出る)
↓
2話(歌箱の町に到着、花子が仲間に)
↓
3話(魔王ナナシ登場、激闘の末に太郎殺される)
↓
4話(花子、太郎を蘇生するためのアイテムを探す)
↓
5話(小説板洞窟にて蘇生アイテム発見、太郎復活、ナナシの根城へ)
↓
6話(魔王ナナシ撃破、安眠マクラゲット)
「まず、この中から伏線を張るエピソードを選ぶ。
基本的に、伏線は起承転結の『転』となる要素に対して使うもの。
この場合なら、3話と5話のエピソードで伏線を張るべきかな」
「ふむふむ」
:08/12/28 17:41 :P903i :ruBc5Y5o
#233 [我輩は匿名である]
「次に、伏線を張るタイミング。
これにはあまり制限がないから、不自然にならない場所に張るのが一番だ。
3話のエピソードは『太郎がナナシに殺される』だ。その事をそれとなく読者に伝えるには?」
「魔王はむちゃくちゃ強いぞ、って忠告されるとか…?」
「そうだね。この場合なら『眠れるなら死んでもいい』なんて言わせてみてもいいかもしれない。いわゆる死亡フラグだ。
これらの要素を自然に含ませられるタイミングを探すわけだが…」
「2話の歌箱の町か」
:08/12/28 17:42 :P903i :ruBc5Y5o
#234 [我輩は匿名である]
「うん。逆にそこしかないかな。
歌箱の町で花子に会う前に情報収集し、町民に『魔王はむちゃくちゃ強いぞ』と言われる。
そして花子が仲間になったあとに、冗談っぽく『眠れるなら死んでもいい』と言う。
これらをプロットに加えれば、3話の伏線となるわけだ」
「なるほど」
「大事なのは不自然にならない事。
そこに少しでも違和感があると、先の展開が知れちゃうからね」
「把握したぜ」
:08/12/28 17:42 :P903i :ruBc5Y5o
#235 [我輩は匿名である]
9−2 プロローグ
「プロローグとエピローグ、これはプロット段階では存在しない。
だが読者を物語に引き込む上では重要だ」
「ふむふむ」
:08/12/28 17:43 :P903i :ruBc5Y5o
#236 [我輩は匿名である]
「プロローグとは、早い話が物語の『0話』だ。
起承転結に含まれず、読者にその小説の概要や世界観なんかを端的に伝えられる。
前置きのようなものだね」
「よーわからん」
「ゲームに例えると分かりやすいかな。
本編がゲームのカセットだとすれば、プロローグはゲームの取扱説明書だ。
取説(プロローグ)を読まなくてもゲームカセット(本編)は起動できる。ただし、読んどいた方が分かりやすい。
ことさら、RPGやアクションゲーム…小説でいうSFやファンタジーでは特にね」
「なるほど」
:08/12/28 17:44 :P903i :ruBc5Y5o
#237 [我輩は匿名である]
「ちなみに小説では、プロローグの雰囲気をずっと保たせるという暗黙のルールがあったりする」
「なんだそりゃ」
「プロローグで伝えた情報を本編で壊しちゃいけないからね。
取説にはAボタンでジャンプと書いてあるのに、いざゲームを始めたらセレクトボタンじゃないとジャンプできない、なんて事があったら困るだろう?」
「それは困る」
:08/12/28 17:44 :P903i :ruBc5Y5o
#238 [我輩は匿名である]
:08/12/28 17:45 :P903i :ruBc5Y5o
#239 [我輩は匿名である]
「続いてエピローグ、これは物語の締めだね。
後日談的な感じでもいいし、ラストシーンをそのままエピローグにしてみても面白い」
「案外適当だな」
「適当でいいのさ。適当すぎてもダメだけどね。
プロローグと違ってキッチリ纏められればそれでいい」
「ふむふむ」
:08/12/28 17:45 :P903i :ruBc5Y5o
#240 [我輩は匿名である]
「よく『プロローグ書いたらエピローグも書かなきゃならない』って強迫観念にとらわれる人がいる」
「ん?」
「だが別にそうでもないのが小説だ。
掴みさえあれば締めはいらない、って人もいるし、終わりよければすべてよしと考える人もいる」
「作者次第ってわけか」
「うん。じゃあおさらいだ」
:08/12/28 17:45 :P903i :ruBc5Y5o
#241 [我輩は匿名である]
〜9章のおさらい!〜
「伏線は物語により大きな起伏を与える事ができる。
完成段階のプロットと照らし合わせて、不自然にならない程度に盛り込んでいこう」
「プロローグは読者を引き込む上で重要。
読者が『読んでみようかな…』と思うような文章を心がけよう」
「エピローグは綺麗に締めること」
:08/12/28 17:47 :P903i :ruBc5Y5o
#242 [我輩は匿名である]
「文章力で悩む人をよく見かける」
「ん?」
「初心者、上級者にかかわらずね。と言うわけで、次からは応用編だ」
「マジか」
「まぁ応用編ってほどでもないかな。
実力別の文章力向上講座だ」
>>228-242第9章 〜知っておきたい技法たち〜 完
次回は
第10章 〜文章力を上げよう!初級編…読者が『読む』文を作る〜
:08/12/28 17:52 :P903i :ruBc5Y5o
#243 [我輩は匿名である]
あげます
:08/12/31 16:44 :F905i :ftq7nlZc
#244 [渚坂さいめ]
あげます
:09/01/25 16:52 :F905i :.i0bnNyY
#245 [安曇]
あげます^^*
:09/02/27 11:23 :W53T :d8vjF.PY
#246 []
:09/09/10 14:26 :SH904i :7g357CSg
#247 [我輩は匿名である]
第10章 〜文章力を上げよう!初級編…読者が『読む』文を作る〜
「文章力で悩む初心者は、『読む文』ではなく『読ませる文』になっている事が多い」
「どういうことだ?」
「小説は嗜好品だ。どの小説を読むかは、あくまでも読者側に決める権利がある。
書店に来た、あるいは携帯を開いた読者は、読みたいと思った小説を手に取って『読む』わけだ。
ところが文章力に悩む人は、読者が『読む』文ではなく、読者に『読ませる』文になっている場合が多い」
「マジか」
「読ませる文章を書かれると、読者には読む気すら起きないからね。
初級編では、『読む』文章を書くコツを教えよう」
:10/04/10 07:07 :P08A3 :SUA4jH56
#248 [我輩は匿名である]
10−1 文章に統一感を出す
「難解な単語、四字熟語や慣用句などの無駄な多用、文体の不揃い。
こういった文は読んでいて疲れる」
「漢字ばっかりだからか?」
「まぁそれもあるんだけど、何より全体を通して安定感が無いんだ」
「ほう?」
「1ページごとに文章を推敲する人は多い。だが、小説全体で推敲する人はあまりいない。
特に初心者に多いのは、文体の不揃い。『ですます調』と『である調』を一緒にしてしまったりね」
「確かにそれはよくあるな」
:10/04/10 07:08 :P08A3 :SUA4jH56
#249 [我輩は匿名である]
「口語と文語をごっちゃにしたりもよくある。
『とか』と『など』や、『だった』と『であった』とかね。
これらはページ単位で見れば気にならないんだけど、読み進めていくと無意識のうちに疲れてくる」
「疲れてくると飽きてくる、と」
「そうなるね。疲れてくると読むのが億劫になる。文章はできる限り統一した方がいい。
だが、あまり気にしすぎると単調な作品になってしまう。それだと今度はつまらなくなってしまうからね」
「ほどほどに、って事だな」
:10/04/10 07:09 :P08A3 :SUA4jH56
#250 [我輩は匿名である]
10−2 『心』を書く
「小説とは一体なにを書く行為なのか?」
「ん?」
「様々な意見がある。
だが歴史を書きたければ年表でいい。恋愛を書きたければ行動日記でいい」
「………」
「大切なのは、その渦中にある登場人物の『心の揺れ』だ。
文章力はあるのにつまらない、という人の小説は、だいたいこの『心』が欠けている」
「つまり?」
「歴史に奔放される一人の男の、世界に対する深い悲しみと落胆。あるいは、想い人へ日々募らせる、甘くも切ない一方通行の恋心。
そういった人間の感動、つまり『心』を書くためにあるのが小説だ。だが、この『心』を忘れる人がなかなか多い」
:10/04/10 07:10 :P08A3 :SUA4jH56
#251 [我輩は匿名である]
「心がないとどうなるのさ」
「では逆に聞こう。君から心が、つまり一切の感動が無くなったら、どうなる?」
「え?」
「素晴らしい映画を見ても何も思わない。愛する人が亡くなっても何も思わない。
仕事にやりがいも感じないし、遊んでいても楽しみを感じない。そんな人生、どう?」
「嫌だな。面白くない」
:10/04/10 07:10 :P08A3 :SUA4jH56
#252 [我輩は匿名である]
「『心』がない小説も同じだ。どんなに文章力があっても、そこに感動がなければ面白くない。
心理描写がない小説は『心』が無くなる。何も感じない、無表情な小説になってしまう」
「心理描写は大切だ、ってことか?」
「何度も言うようで申し訳ないけどね。でもこれは本当に大事なことなんだ。
『心』。いい言葉じゃないか。
忘れられがちだけど、小説を書くときは何があってもこれを忘れないようにね」
「把握したぜ」
:10/04/10 07:11 :P08A3 :SUA4jH56
#253 [我輩は匿名である]
10−3 言葉のバリエーションを増やす
「最近の若い人は言葉のバリエーションが少ない。語彙力が足りない、と言い替えてもいいかな。
そもそも、『語彙力』←読み方わかる?」
「ごいりょく、だろ」
「正解だ。文章の雰囲気や作品の質は、語彙力で決まると言っても過言ではない。
特に雰囲気に関しては、言葉の取捨選択で9割が決まる。
分かりやすい例がひらがなとカタカナだ。ひらがなは柔らかい印象を、カタカナは堅い印象を与える」
「ふむふむ」
:10/04/10 07:12 :P08A3 :SUA4jH56
#254 [我輩は匿名である]
「『好き』と『すき』と『スキ』では、印象が全然違うだろう?
たった2文字だけでも、キャラクターの年齢や性格、考え方まで出てしまう。
作者が描きたいキャラクターと言葉の出す雰囲気とが噛み合わないと、作品に違和感が出るんだ」
「なるほどな」
「言葉に絶対はないから、すべてにこれが当てはまるわけじゃない。
だが、最低限ひらがなとカタカナの使い分けぐらいきっちりできておかないと、いい文章なんて書けやしないね」
「把握した」
:10/04/10 07:13 :P08A3 :SUA4jH56
#255 [我輩は匿名である]
「言葉の入り口は目と耳だ。
目からは漢字、ひらがなやカタカナの持つ雰囲気など。
耳からは言葉遣いやイントネーションが入ってくる」
「覚えるのは大変そうだけどなぁ…」
「普段から少しだけ言葉に気をかけるようにすればいいさ。
新聞の一面だけでも読んでみるとか、テレビのアナウンサーの言葉遣いを注意して聞いてみるとか。
特に言葉遣いに関しては、時代と場所でガラッと変わるからね」
:10/04/10 07:15 :P08A3 :SUA4jH56
#256 [我輩は匿名である]
「時代ものだとセリフが変わるしな」
「うん。現代に限定しても、60代の人と10代の人とでは、同じ意味でも表現のしかたが全然違うだろう?
作中の時代や舞台、登場人物の年代なんかで言葉の選び方を変えなくちゃならない。
それに、地の文も変わってくる」
「マジか」
「例えば現代ものの、しかも若者の恋愛話の一人称なら、地の文もあまり固くせず読みやすくする必要がある。
だが三人称の歴史ものだったりしたら、略し言葉などの現代らしい言葉遣いもあまり使えないし、ひらがなも少なめにしないといけない。雰囲気が壊れるからね」
「ふむふむ」
:10/04/10 07:16 :P08A3 :SUA4jH56
#257 [我輩は匿名である]
「例えば、雪が降っているシーンがあるとしよう」
1:その日は朝から雪がちらついていた。
2:白い粉雪がゆらゆらと舞い降りて、積もるそばから消えていく。
3:白銀の粉粒が風の間を縫って舞い、軟着陸しては姿を消す。
:10/04/10 07:17 :P08A3 :SUA4jH56
#258 [我輩は匿名である]
「1はそのまますぎてそっけない。
2は一人称、3は三人称で使われることが多い。
2と3を見比べれば、同じ事実に2つの言い方があるのがわかるだろう?」
「『白い粉雪』と『白銀の粉粒』みたいな?」
「うん。2では柔らかい印象を与える言葉を、3では固い印象を与える言葉を使っている。
恋愛もので地の文が3だったら違和感があるだろう?」
「あるなぁ」
:10/04/10 07:18 :P08A3 :SUA4jH56
#259 [我輩は匿名である]
「その違和感が出ないような言葉選びを心がけなくちゃならない。
そのためには言葉のバリエーションを増やさないとね」
「さっき言ったみたく新聞読むとか?」
「何でもいいさ。とりあえず、言葉に気をかけるようにすればいい。
上司や先輩の話し方や新聞の記事、後輩に偉そうに話す自分、テレビに映る地方の人々の方言…いくらでもある。
知らない言葉をメモして調べてみたりすると効果的だね。
語彙力はあって損はないからね」
「なるほど、わかった」
「ではおさらいだ」
:10/04/10 07:18 :P08A3 :SUA4jH56
#260 [我輩は匿名である]
〜10章のおさらい!〜
「どの小説を読むかを選ぶ権利は読者にある。まずは読者が『読む』文章を心がけよう」
「あまり文章を難しくしすぎるな! 読者が疲れるぞ!」
「心理描写がない小説は薄っぺらくなる。簡単でもいいので、心理描写は必ず入れよう!」
「文章を書くときは、作品の雰囲気に合った言葉を選ぼう。そのためには日頃から言葉を意識するように! 語彙力があれば普段の生活でも役立つぞ」
:10/04/10 07:19 :P08A3 :SUA4jH56
#261 [我輩は匿名である]
「次は何をやるんだ?」
「10章のステップアップだ。10章の実技編と言ってもいいかもね。
『読む』文章を書く意識を持った上で、より分かりやすい・読みやすい文章の書き方を教えよう」
>>247-261第10章 〜文章力を上げよう!初級編…読者が『読む』文を作る〜 完
次回は
第11章 〜文章力を上げよう! 応用編…分かりやすい文章を書くために〜
:10/04/10 07:22 :P08A3 :SUA4jH56
#262 [我輩は匿名である]
第11章 〜文章力を上げよう! 応用編…分かりやすい文章を書くために〜
「さて、10章では読者が『読む』文章を書くための心構えを教えたわけだが…」
「違和感なく、難しくなく、心理描写のある文章だな」
「うん。総じて『分かりやすい』文章だ。
この『分かりやすい』文章が書けない事には、上級の表現や技法なんて使えたものじゃない」
「ふむ」
:10/04/11 16:11 :P08A3 :O2tsMI0s
#263 [我輩は匿名である]
「たまにね、初心者なのに小難しい表現や言い回しを使う人がいる。
だがそういった文章は、『イメージしやすい』ことを念頭に書いていくもの。
人に分かりやすくイメージさせる文章を書けない奴が難解な表現を使ったって、ワケワカメになるだけだ」
「そうだな」
「というわけで、今回は上級文章の基本となる『分かりやすい文章』の書き方を教えていくぞ」
:10/04/11 16:12 :P08A3 :O2tsMI0s
#264 [我輩は匿名である]
11−1 描写の必要・不要を考える
「小説とは文章で表現するものだ」
「そりゃそうだな」
「映画やアニメ、マンガなんかと違い、はっきりとした映像を見せることができない。
これが小説の一番難しいところでもあり、一番楽しいところでもある」
「うむ」
「さらに、人によってイメージのしかたはまったく違う。
同じ文章でも、読み手が100人いれば100通りのイメージができあがる。
ここまでは分かる?」
「わかるぜ」
「では、なぜこんなことが起こるのか?」
「え?」
:10/04/11 16:13 :P08A3 :O2tsMI0s
#265 [我輩は匿名である]
「そもそも、『イメージしやすさ』とは何で決まるのか?」
「うーん…」
「例えば、こんな文章があったとしよう」
僕は夕暮れの公園に座っていた。
「さて太郎くん。君はこの文章を読んで、どんな情景が頭に思い浮かんだ?」
「どんなって言われても、夕暮れの公園に座ってる男の人、しかなくないか?」
:10/04/11 16:14 :P08A3 :O2tsMI0s
#266 [我輩は匿名である]
「もっと具体的に、だ。例えば公園はどれぐらいの大きさか、地面は砂地かコンクリートか、遊具はどんな物がどれぐらいあるのか」
「そんなの人によって変わるんだろ?」
「ところがどっこい、必ずしもそうってわけじゃない」
「ところがどっこいって古いな」
「ぶち殺すぞ」
:10/04/11 16:14 :P08A3 :O2tsMI0s
#267 [我輩は匿名である]
「確かに、100人いれば100通りのイメージがあるのは事実だ。
でも、その中には必ず『ある程度の共通のイメージ』がある」
「と言うと?」
「例えば『公園』という単語を聞けば、およそ大半の人が『砂地の地面で木や草がある場所』を連想するだろう?
コンクリートで固められた駐車場みたいな公園なんてあまり無いからね」
「確かにな」
「そして次に、ブランコや滑り台なんかも想像する人がいるかもしれない。
ただし、さっき言った『木や草』『砂地の地面』と同じくらいイメージしてる人がいるかと言うと、少し微妙だ」
「ふむ」
:10/04/11 16:15 :P08A3 :O2tsMI0s
#268 [我輩は匿名である]
「さらに『座っていた』という単語から、ベンチを想像する人は多いだろう。
だがこれも木や草に比べれば、ほとんどの人が連想するとは言い切れない。
花壇や遊具に座っているシーンを想像した人がいるかもしれないしね」
「ほうほう」
「さらにさらに。大きな公園が近所にある人や、頻繁に大きな公園へ足を運ぶ人は、噴水や池を連想するかもしれない。
また都会に住んでいる人なんかは、ビルとビルの間にある寂れた公園を連想して、古びたフェンスなんかを連想しているかもしれない」
「うん」
:10/04/11 16:16 :P08A3 :O2tsMI0s
#269 [我輩は匿名である]
「さて、これらの情報を連想率の高さでまとめるとこうなる」
1.ほとんどの読者が連想
・木や草
・砂地の地面
2.割と多くの読者が連想
・ベンチ
・滑り台などの遊具
3.一部の読者が連想
・花壇
・池や噴水
・フェンス
「実際に調査した訳じゃないから『必ずこうなる』とは言えないが、こうなる傾向はあるはずだ」
「うん」
:10/04/11 16:16 :P08A3 :O2tsMI0s
#270 [我輩は匿名である]
「ではここからが本題。さっきの例文だが…」
僕は夕暮れの公園に座っていた。
「この後にさらに公園に関する描写をするとしよう。
この場合、1の描写はほとんどいらない。なぜだかわかる?」
「描写しなくてもほとんどの読者が想像できるから?」
「正解。1については、必要な場合や特徴がある場合だけ描写すればいい。よくある公園像を事細かに描写しても、読み手が疲れるだけだ」
「うんうん」
:10/04/11 16:18 :P08A3 :O2tsMI0s
#271 [我輩は匿名である]
「続いて2。これらは、その要素が物語に直接関係する場合や、シーンの情景を鮮明に伝えたい場合に描写する。
あくまでも風景描写はイメージの補足だからね。たとえ筆者のイメージにそれらがあっても、必要が無ければ細かい描写はしなくていい」
「では3は?」
「3の要素は、筆者のイメージにある場合は描写した方がいい。一般的なイメージと離れてるからね」
「なるほど。でもよくある物ほど描写の必要がないってのは意外だな…」
:10/04/11 16:19 :P08A3 :O2tsMI0s
#272 [我輩は匿名である]
「うん。さっきも言ったけど、『公園』という単語が出た時点ですでに読者の頭の中には公園がイメージされているんだ。
それをわざわざ描写しても疲れるし、文章のスピード感を損なうことになる。
何より読者は想像力を刺激されることを求めて小説を読むからね。ある程度は読者に任せてしまった方が、読み手としても書き手としても『いい文章』になる」
「ただし、作者のイメージが一般像と離れている時はキッチリ描写しないといけない、ってことか」
「その通り」
:10/04/11 16:19 :P08A3 :O2tsMI0s
#273 [我輩は匿名である]
11−2 情景の『前提』
「さて、ある事象について描写が必要な場合とそこまで必要でない場合があることを今説明したわけだが。
実際に文章に起こす場合、描写する必要のないイメージを読者が想像できる文章にする必要がある」
「もっと分かりやすく言ってくれないと理解不能なんだぜ…」
:10/04/11 16:20 :P08A3 :O2tsMI0s
#274 [我輩は匿名である]
「うむ。さっきの例文だが」
僕は夕暮れの公園に座っていた。
「描写の必要がない情景、つまり『公園』という単語からほとんどの読者が連想するであろう情景は『木や草』、『砂地の地面』と言ったね。
これらに関しては描写の必要がないが、実際に書くときは、これらの情景を読者に想像させないとイメージの相違が起きてしまう」
「まだ意味がわからん…」
「簡単な話さ。公園という『名詞』を修飾すればいい」
「あー…確かそれ国語で習った気が…」
:10/04/11 16:21 :P08A3 :O2tsMI0s
#275 [我輩は匿名である]
「では聞こう。『小さな公園』『大きな公園』『普通の公園』。
この3つのうち、『砂地の地面』を一番連想しやすいのは?」
「えーっと…『小さな公園』かな。『普通の公園』でもいい気はするけど」
「では、『ブランコや滑り台などの遊具』『ベンチ』これらを連想しやすいのは?」
「それだと『普通の公園』かな」
「では『噴水』を連想しやすいのは?」
「『大きな公園』一択だ」
「そう。だいたい僕の言いたいことが伝わったんじゃないかな?」
「えーっと…何となく分かったような…」
:10/04/11 16:23 :P08A3 :O2tsMI0s
#276 [我輩は匿名である]
「つまり、描写の必要・不要の判断には前提が必要なんだ。
小さな公園と書かれているのに噴水の描写があると少し不自然だろ?」
「あ、それは確かにそうかも」
「この場合、噴水の描写をする『前提』として、公園は『大きな公園』でないといけない。
描写を省く場合も同様だ。作者のイメージが『砂地の地面』だとしても、『大きな公園』と書かれていると連想されづらい。
大きな公園と言われると、河川敷のような場所を想像する人も多いだろうしね」
「『砂地の地面』の描写を省く場合、前提として『小さな公園』か『普通の公園』でないといけない、ってことか?」
:10/04/11 16:23 :P08A3 :O2tsMI0s
#277 [我輩は匿名である]
「そういうこと。必ずしもそうしないといけないって訳じゃないんだけどね。
逆に言うと、『砂地の地面』の『大きな公園』を読者にイメージさせたい場合は、描写が必要だってことだ」
「うーん…何となく分かるけど」
「まぁ、これは作者の個性というか、書き方に依るところが大きいんだけどね。
実際の小説ではこれに比喩などの表現を交えるから、イメージのしやすさや連想のされやすさも変わる。
あくまでも一例として捉えてくれればいい。それじゃ、おさらいだ」
:10/04/11 16:24 :P08A3 :O2tsMI0s
#278 [我輩は匿名である]
〜11章のおさらい!〜
「読者の想像は千差万別。しかしその中にはある程度共通したイメージが必ずある」
「共通したイメージを細かく描写する必要はない」
「共通したイメージとは、単語の選び方で決まってしまう。前、あるいは後の描写と比べて、矛盾や違和感がないか確認してみよう」
「小説の情景を決めるのは読み手の想像。あくまでも『読者ありき』である事を忘れないように」
:10/04/11 16:25 :P08A3 :O2tsMI0s
#279 [我輩は匿名である]
「おめでとう」
「ん?」
「僕のレクチャーは次で終わりだ」
「なんと!」
「これはあくまでも携帯小説のレクチャーだからね。最後は一般的な書籍小説と携帯小説の違いや注意点なんかをいくつか教えよう」
第11章 〜文章力を上げよう! 応用編…分かりやすい文章を書くために〜 完
次回は
最終章 『携帯』小説を書こう!
:10/04/11 16:26 :P08A3 :O2tsMI0s
#280 [我輩は匿名である]
:10/04/11 16:27 :P08A3 :O2tsMI0s
#281 [我輩は匿名である]
最終章 『携帯』小説を書こう!
「さて、長かったがこれでラストだ」
「これで俺も一人前の小説家に…フヒヒヒ…」
「きめえからやめろボケ」
「………」
「まぁそれは置いといて。今回は携帯小説と一般小説はの違いを教えようか」
:10/04/14 04:01 :P08A3 :aN9f9PlM
#282 [我輩は匿名である]
12−1 携帯で書く、携帯で読む
「携帯小説と一般小説の一番の違いはわかるかい?」
「んなもん携帯電話で読むか本で読むかに決まってるじゃん!」
「その通り」
「ええっ!?」
「お前今俺の事馬鹿にしただろ」
「いえ決してそんなつもりは」
「しただろ」
「ハイ、スミマセン」
「まぁでも実際その通りなんだよ」
「ええっ!?」
「ぶち殺すぞ」
「ハイ、スミマセン」
:10/04/14 04:03 :P08A3 :aN9f9PlM
#283 [我輩は匿名である]
「まぁいい。携帯小説と一般小説の唯一最大の違いは、携帯電話で読むか本で読むか、そこにある」
「唯一?」
「唯一というか、すべての違いはそれが理由だからね。例えば携帯サイトで連載されている小説はどこでも手軽に読みやすい」
「だからって電車内では電源オフが原則だぞ!」
「携帯電話マナーの話はまた別だけどね。まぁいつどこでも読めるというのは大きなメリットだ。
それだけに、携帯小説の文章は読みやすくないと意味がない」
「それってどういうことだ?」
:10/04/14 04:04 :P08A3 :aN9f9PlM
#284 [我輩は匿名である]
「書籍の小説はある程度集中して読めるから、より趣向の強い作品が多い。
対して携帯小説は手軽さが売りだ。故に文章も読みやすくないと、メリットが損なわれてしまう」
「読みやすい、ってのは前に話した分かりやすい文章のこと?」
「それもあるけど。
まず携帯小説は横書きだ。横書きの文章は行間や文末の空白が少ないと目が疲れてしまう。
携帯小説の場合は、改行や空行を使って読みやすい工夫をしないといけない」
「ふむふむ」
:10/04/14 04:05 :P08A3 :aN9f9PlM
#285 [我輩は匿名である]
「目安としては、だいたい2〜3行ごとの改行がベストかな。ただし文章の途中で区切ると読みづらいから、句点で改行するといい。
会話文が続く場合は、会話と会話の間に空行を挟む」
「このレクチャーでもずっとそうやってるな」
「地の文は少なめの方が好まれやすい傾向にあるかな。
でも作者のイメージを伝えられないようでは本末転倒だから、そのあたりは改行や空行を上手く使って読みやすくする」
「わかった」
:10/04/14 04:06 :P08A3 :aN9f9PlM
#286 [我輩は匿名である]
「それから書籍やパソコンと違って、一行の文字数が人(携帯の機種)によって変わるのも携帯小説の特徴だ。
自分の携帯では読みやすくても、読者の携帯では読みづらい場合もある。
携帯の文字サイズの設定を変えたりして、読みづらくなってないか確認するのもいいかもね。
ちなみに、最近の携帯の文字数は一行でだいたい11〜15文字だ。AAを使う場合は気を付けた方がいいな」
「結構大変だな…」
「こればっかりは仕方ないさ。あらかじめ一行の文字数を伝えておくなどの工夫が必要だ。
それから、このサイト『C−Box』での投下の際にも気を付けることがある」
「それは?」
:10/04/14 04:07 :P08A3 :aN9f9PlM
#287 [我輩は匿名である]
「まずは『タグ』。基本的に文字色は変えない方が好ましい。
それと文字サイズを変えると一行の文字数も変わるから、書き溜めの段階でそれを想定しておく必要がある」
「文字サイズを小さくしてる人なら結構いるよな」
「人によっては、携帯のフォントサイズを小さくしてる人も多い。
フォントが小さい携帯で文字サイズが小さくなるタグを使った小説を読むと、ものすごく小さくなって読みづらい。
フォントサイズを大きくするのは視力が悪いなどの理由があってだろうから、やはり文字サイズが小さいと読みづらくなってしまう。
文字サイズを変えるタグもできれば控えた方がいいかな」
:10/04/14 04:07 :P08A3 :aN9f9PlM
#288 [我輩は匿名である]
「点滅タグとかセンター揃えタグとかもあるけど…」
「点滅はありと言えばありだ。そういった遊びができるのが携帯小説だからね。
ただ人によっては嫌う人もいるだろうから、その辺は留意しておいた方がいいかな。
センター揃えタグはお奨めしない。機種によっては変に改行されてしまうし、1行の文字数がばらついて読みづらくなる。
ただ、手紙やモノローグを表現したい場合はありかもね。
ただしこれも点滅タグと同じで嫌う人もいるから注意すること。何事も読者ありきだ」
「タグを使う場合は考えなくちゃな」
:10/04/14 04:08 :P08A3 :aN9f9PlM
#289 [我輩は匿名である]
「それからもうひとつ注意しておきたいのが容量オーバー。『続き..』と表示されるアレだ」
「アレがあるとテンション下がるな…」
「半角は1文字1バイト、全角は2バイト、改行は1回で4バイトの計算だ。タグを使う場合は、タグの字数で計算すればいい。
合計で600バイト以上になると一括表示されなくなる。
600バイト未満でも、改行が20回以上あるとやはり一括表示されない。
あと、携帯によってはテキスト編集画面に使用バイト数が表示されるけど、大抵は改行が2バイトで計算されているから間違えないようにね」
「なるほど」
:10/04/14 04:12 :P08A3 :aN9f9PlM
#290 [我輩は匿名である]
「『続き..』が極端に多いと読むのが非常に億劫になる。
文章の流れも考えつつ、極力容量オーバーしないように工夫すること」
「わかったぜ」
:10/04/14 04:12 :P08A3 :aN9f9PlM
#291 [我輩は匿名である]
12−2 携帯小説だって立派な文学
「うはwwwwwwおkwwwwww」
「ちょwwwwナナシさんwwwwwwwwいきなりどうしたwwww」
「今みたいに『w』を使う時は気を付けた方がいい」
「いきなり素に戻りよった…」
「いわゆるネットスラングだ。『正しい日本語』の時にも少し触れたけど。
結論から言うと、これらは使っても構わない。が、拒否反応を起こす人は必ずいる」
:10/04/14 04:13 :P08A3 :aN9f9PlM
#292 [我輩は匿名である]
「一般人から見ると明らかに『キモい』もんなー」
「かといって、(笑)←これもあまり好まれないぞ。
携帯小説と言っても文学だからね。メール感覚で使ったりすると思わぬ批判を貰うこともあるから、気を付けるようにね」
「わかったぜ」
:10/04/14 04:13 :P08A3 :aN9f9PlM
#293 [我輩は匿名である]
12−3 たかが無償の創作活動、されど無償の創作活動
「携帯小説でも書籍小説と同じく、良作と呼べる小説は沢山ある」
「恋空?」
「いやそれは個人的には駄さk…ゲフンゲフン」
「おい! 全国の恋空ファンに謝れ!」
「しかしそれを抜きにしても、逃亡、つまり更新せず放置されてる作品も沢山あるのが、書籍小説とは違うところだ」
「スルーしやがった…」
「手軽に読めるのと同じように、手軽に書けるのが携帯小説の良いところでもあり、同時に悪いところでもある」
:10/04/14 04:14 :P08A3 :aN9f9PlM
#294 [我輩は匿名である]
「勢いで書けちまうってことか」
「その通り。ことC−Boxに於いてはそれが顕著だ。
だが、スレッドが建てられた瞬間からそれは作品になる、ということを忘れてはいけない」
「過去スレ漁ってると立てただけでレスが1つもないスレもたまにあるよな」
「打ちきりはともかく、逃亡はやっちゃダメだ。更新を待っている読者がいる限り、作品を完結させる義務がある。
いくら無償の創作活動といっても、無責任は許されない。それは読者に対する裏切りだ」
「現行を半年近く放置してたのは誰だっけ?」
「最後まで書ききる、というのは簡単そうに思えて難しい。展開に詰まらないためにもプロットは必ず立てるようにね」
「またスルーしやがった…つうか誰に向かって喋ってるんだ…」
:10/04/14 04:15 :P08A3 :aN9f9PlM
#295 [我輩は匿名である]
「それからたまにいるのが、『文句言うなら読まないで』って言う人」
「あ、そういう奴は嫌だな」
「明らかな私怨や荒らし目的の人を指して言うなら分かるが、単純に批判やアドバイスをしてくれる人を荒らし呼ばわりするのは良くない。
批判的な反応なども読み流したりせず、感想の1つだと思ってきちんと読むこと。
読者は一番の先生だ。読者あらずして読ませる小説はないだろう」
「そりゃそうだな」
:10/04/14 04:17 :P08A3 :aN9f9PlM
#296 [我輩は匿名である]
「それから、過度な馴れ合いもあまり好ましくないな。
もちろん、面白い、というコメントを貰えたら嬉しいのは当たり前だ。コメントに返信するのも自由だ。
しかしコメントをくれる人だけが読者じゃない。コメントの意見を作品に取り入れるなんてもっての他だ。
あまり酷いと読者は離れていくから気をつけるように」
「わかったぜ」
:10/04/14 04:17 :P08A3 :aN9f9PlM
#297 [我輩は匿名である]
12−4 盗作はダメ。ゼッタイ
「あとこれは言おうか言うまいか悩んだけど…こないだ、C−Boxで盗作が発覚した」
「なんと!」
「あまり詳しくは言わないけどね。すでに該当スレは削除されてるけど、盗作された作者はそうとう怒りを露にしてたみたいだね」
「まぁそりゃそうだろうな」
「言うまでもないけど、盗作はやっちゃいけない。作者もそうだが、盗作と知らず読んでいた読者に迷惑をかけ、裏切ることになる。
どんなにつまらなくてもいいから、オリジナリティーある作品を作るようにね」
「わかったぜ…」
「それじゃ、おさらいだ」
:10/04/14 04:19 :P08A3 :aN9f9PlM
#298 [我輩は匿名である]
〜最終章のおさらい!〜
「読みやすいのが携帯小説。文字数や容量に気をつけ、改行や空行を使って読みやすくなるように心がけよう!」
「タグを使う場合はどれも考えて使うこと。全ては読者ありきであることを忘れないように!」
「ネットスラングなどを使うのは考えもの。携帯小説はあくまでも文学であることを念頭に置いておこう」
「批判などはしっかり受け止めること! ただし、一部の読者と変に仲良くなると排他的な作品になってしまうので注意」
「逃げるな! 頑張れ! 読者が続きを待ってるぞ!」
「あと盗作はすんなよ!」
:10/04/14 04:20 :P08A3 :aN9f9PlM
#299 [我輩は匿名である]
「これでレクチャーはおしまい。あとは自分で創意工夫を凝らしてね」
「うむ…」
「より良い作品を書く努力も怠らないように。文章力が足りないと感じたら、他人の作品を読んでみてもいい」
「ああ」
「じゃあ、僕はこれで」
「………」
「頑張れよ」
「…おう!」
>>281-299最終章 『携帯』小説を書こう! 完
:10/04/14 04:22 :P08A3 :aN9f9PlM
#300 [我輩は匿名である]
エピローグ そして…
太郎は人気の携帯小説家になり、今日もC−Boxに作品を投下する。
太郎の作品には、数々の称賛のコメントが寄せられていた。
対してナナシは、今日も書き溜めを作れませんでしたとさ。
おわり
:10/04/14 04:24 :P08A3 :aN9f9PlM
#301 [我輩は匿名である]
締め方思い付かなかった。
以上で終わりです。
途中いろいろ議論になりましたが、一応基本だけを押さえた感じにしているので、そこまで影響はないと思います。
あとは適当に批判でも捕捉でも何でも。
では
:10/04/14 04:27 :P08A3 :aN9f9PlM
#302 [我輩は匿名である]
あげぴょ
:10/09/07 17:09 :auKC3X :E4SHWKI6
#303 [ljnkm,]
(笑)を使わないほうがいいって、笑いを入れたいときにはどうすればいいんですか?
ははははっとか?
:11/05/10 12:02 :PC :487Q79ag
#304 [我輩は匿名である]
「そうだな」
と言いながら小さく笑った。
みたいな感じに、地の文に言わせるといいかも。
より強調したい場合なら会話文に笑い声を入れるのもアリですな。
と、今さらながら返答しつつage
:11/11/23 03:36 :P08A3 :GzegpULM
#305 [我輩は匿名である]
かなや
:21/04/15 00:46 :Android :r38YN7JE
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