【携帯小説指南】全ての作家達へ【[投稿]を押す前に】
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#1 [◆vzApYZDoz6]
まだ書きため途中ナリ
経緯とか参考スレ↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2737/

『小説読んでたら創作意欲がわいてきたから、初心者な私だけど携帯小説を書いてみたい!』

『携帯小説書きたいけど、書き方が分からないからとても無理…誰か教えて!』

ってな人達に捧げるレクチャー小説です。
これを読めば、何も知らない貴方でも簡単に、そして本格的な小説が書けちゃいます。たぶん。

⏰:08/11/14 23:49 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#2 [◆vzApYZDoz6]
免責事項と謝罪

※あくまでも筆者の知識と経験に沿ったレクチャーです。
『ここはこうした方がいいよ』『ここ明らかにおかしいだろw』というのがあればガンガン突っ込んでください。そうしたレスにより、このスレがより為になるスレになればいいなー、と思っています。

※堅苦しさを極力省き、少しでも多くの方に読んでもらいたいので、基本は会話オンリーです。ごめんなさい

では

⏰:08/11/14 23:51 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#3 [◆vzApYZDoz6]
プロローグ 〜事の始まり〜

「あー、小説書きたいなー」

彼は小説が書きたい太郎くんです。

「なら僕が教えてあげようか」

「どわっ!? いきなり出てくるなよ…つうか誰?」

「僕は一端の小説書きさ。名無しと呼ばれてるからそう読んでくれ」

「名無しさん、か」

⏰:08/11/14 23:52 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#4 [◆vzApYZDoz6]
「どれ、小説を書きたいなら僕が教えてあげよう」

「マジすか」

「ああ。携帯小説から一般小説まで使えるような、幅広い知識を伝授してあげるよ」

「やったー! ありがとう名無し先生!」

(現金な奴だな…)

「先生?」

「いや、何でもない。では始めようか」

⏰:08/11/14 23:53 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#5 [◆vzApYZDoz6]
第1章 〜テーマを決めよう!〜

「まず君はどんなジャンルの小説が書きたいの?」

「ジャンルってなんすか?」

「…………」

「いやその…」

「ジャンルは小説の区分、分類だ。恋愛やファンタジー、ミステリー、サイエンスフィクション(SF)などなど」

⏰:08/11/14 23:54 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#6 [◆vzApYZDoz6]
「それなら俺はファンタジーがいいな」

「ふっ、ファンタジーか。厨房が選びそうな部類だな。それでいて稚拙な文章ですぐダメになっていく」

「最初鼻で笑っただろ」

「いいんじゃないの? 君の好きにすれば」

(こいつ……!!)

⏰:08/11/14 23:54 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#7 [◆vzApYZDoz6]
1−1 テーマと登場人物の結び付け

「では太郎くん、まずこれを見てくれ」


太郎(18)
ただの平凡な学生。


「なんじゃこりゃ?」

「細かい事は気にしないでくれ。この説明文を見たとき、君はその小説がどんなジャンルか判断できるかい?」

「……恋愛ものか、日常系? でもファンタジーとかにもよくある設定だし……うーん、分からないな」

⏰:08/11/14 23:55 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#8 [◆vzApYZDoz6]
「なら、これだとどうかな?」

太郎(18)
ただの平凡な学生。
しかし、ある出来事から奇妙な事件に遭遇する。

「ミステリーかファンタジー? さっきよりは絞れるけど…」

「まだ曖昧だよね。なら、これはどうかな?」

太郎(18)
ただの平凡な学生。
しかし、ある出来事から奇妙な事件に遭遇する。
その事件が元で戦闘組織C−Boxに配属され、戦いの輪廻に巻き込まれる事になる。

「これはファンタジーだな!」

「そう。登場人物がいなければ、どんな物語も始まらない。登場人物はジャンル…ひいてはテーマと深く結び付き、それを明確に示さなくてはならないんだ」

⏰:08/11/14 23:55 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#9 [◆vzApYZDoz6]
「例えばテーマをファンタジーと決めたなら、その背景にある世界観も多少限定される。
ファンタジーには戦闘が……まぁ不可欠だろう? それに、ファンタジーは冒険性を持たせなくちゃならない」

「なるほど…確かにな」

「だから登場キャラも、例えばギルドに属しているとか、王国の兵士だとかね。そんな感じになるんだ。
ちなみにこの世界観やキャラ設定だが、プロットと一緒に決めるといい」

⏰:08/11/14 23:56 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#10 [◆vzApYZDoz6]
1−2 プロットの必要性

「プロット…ってなんすか?」

「…………」

「いやその…」

「プロットというのは小説の筋書きだ。
これを立てずに勢いだけで小説を書いてたら、絶・対・に展開が詰まるぞ!!」

「勢いで書いた方が楽しくない?」

「バカタレ、お前が楽しくても読者は楽しくないんだよ。プロットが無ければ、絶対に展開は薄くなる。
断言してもいいが、上手くておもしろい小説を書く作家は必ず最初にプロットを立てている」

⏰:08/11/14 23:57 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#11 [◆vzApYZDoz6]
「そ、そんなに大事なのか…?」

「そうだな…では、ある作家が『太郎が小説レクチャー中に殺される』という展開を考えていたとしよう」

「…っておい、ちょっと待て!」

「なに、ただのジョークだ。
プロット…物語の筋道を考えている人は、それについて@誰が Aなぜ Bどのようにして を明確にした上で進められる」

「ふむふむ」

「しかし、プロットを立てずに勢いで書いている人は、無理やりこじつける、というわけだ」

⏰:08/11/14 23:57 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#12 [◆vzApYZDoz6]
「でも、面白ければいいんじゃない?」

「物語の最初の方だけなら面白いかもしれない。だが、後々必ず矛盾が発生したりするんだ。
ちなみに先ほど『うまい作家は必ず最初にプロットを立てる』と言ったが、プロットを立てない場合、展開に詰まった上で逃亡、もしくは打ち切りをしてしまう人が多い」

「続いたとしても矛盾が発生したり、こじつけのような展開になる、と?」

「その通り。プロット無くして小説は書けないんだよ」

「それぐらい大事なんだな」

「うん、プロットの重要性が分かったようだね。じゃあ、おさらいに入ろうか」

⏰:08/11/14 23:58 📱:P903i 🆔:lEsCNUvI


#13 [◆vzApYZDoz6]
〜1章のおさらい!〜

「テーマはあらかじめ決めること!」

「主人公はテーマによって決まる。個性や役割も決まってくるぞ!
背景の世界観なんかも限定されるから、それらの枠から外れないように!」

「プロットは大事! 無かったらいい小説なんて書けっけこないぞ!
各話の詳細とはいかずとも、全体の流れだけでも決めておくこと!」



「基本的な事だけど、テーマとプロットは大事だ。物語を考える前に、それを理解しておいてね」

「把握したぜ」

「よろしい。じゃあ次は、実際にプロットを立ててみようか」

⏰:08/11/15 00:01 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#14 [◆vzApYZDoz6]
>>5-13
第1章 〜テーマを決めよう!〜 終

次回(たぶん明後日)は

第2章 〜物語を考えよう!〜

⏰:08/11/15 00:03 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#15 [我輩は匿名である]
二番煎じ乙

⏰:08/11/15 02:05 📱:SH706i 🆔:S1vn0JWs


#16 [我輩は匿名である]
スレッドの乱立規約違反。
すでに同じようなトピがあるのでそちらに書き込んでください。

⏰:08/11/15 07:44 📱:N905i 🆔:0Ws3jli.


#17 [我輩は匿名である]
>>16
乱立ではないですよ
>>1の経過を見ましたか?
あちらでは書けないのです
スレを立てる必要があったのです

⏰:08/11/15 10:42 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#18 [我輩は匿名である]
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2737/
この↑スレの便乗厨(д)??
マネみたいな事はやめて欲しい…


それから、語り口調とか気持ち悪いです。

⏰:08/11/15 11:12 📱:PC 🆔:BmFssTGk


#19 [◆vzApYZDoz6]
>>18
そのスレの主の同意あるし、パクりでも便乗でもない
ちゃんとそっちのスレ見てから言ってくれ

>語り口調とか気持ち悪い
サーセンwww


とりあえず暇ができたから投下するわ

⏰:08/11/15 19:17 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#20 [◆vzApYZDoz6]
第2章 〜物語を考えよう!〜

◆vzApYZDoz6著
「安眠への旅」

1話(太郎登場、安眠マクラを探す旅に出る)

2話(歌箱の町に到着、花子が仲間に)

3話(魔王ナナシ登場、激闘の末に太郎殺される)

4話(花子、太郎を蘇生するためのアイテムを探す)

5話(小説板洞窟にて蘇生アイテム発見、太郎復活、ナナシの根城へ)

6話(魔王ナナシ撃破、安眠マクラゲット)

⏰:08/11/15 19:18 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#21 [◆vzApYZDoz6]
「こ、これはなんというか……」

「ぶち殺すぞ。それはともかく、こういうのがプロットさ。
これはかなり大まかだけど、何も考えずに書くよりマシだとは思わないか?」

「確かにそうだな。道筋があった方が分かりやすいのは当たり前だ」

「プロットは本当に大事なんだよ。
さて、このプロットだが、闇雲に立てたんじゃ効率が悪いし、いいストーリーも作れない」

⏰:08/11/15 19:19 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#22 [◆vzApYZDoz6]
「じゃあどうするんだ?」

「さっきの『安眠への旅』みたいに、まずは大まかでいいから始まりから終わりまでの流れを決めるんだ」

「でも途中の展開は、考えているうちにたくさん思い浮かばないか?」

「そうだね。だからあくまでも仮のものとして立てるんだ。
コツとしては『起承転結』を使う」

⏰:08/11/15 19:20 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#23 [◆vzApYZDoz6]
2−1 プロットを立てるコツ、その1『起承転結』

「おっ、それは聞いたことあるな」

「国語の作文なんかでも習うからね。
物語は起伏がないとつまんないよね。メリハリのあるストーリーにするには、起承転結が大事だ。
良いストーリーかどうかは、起承転結の具合で決まると言っても過言ではない」

「まっ、マジか…」

「とりあえず、意味を確認しておこう」

⏰:08/11/15 19:21 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#24 [◆vzApYZDoz6]
「まず『起』。これは物語の始まりだ。これ無くして物語は成り立たない。
たとえばスポーツならスタート合図、ゲームならオープニング」

「それが無ければ始まらない、ってわけだな」

「そう。だからこそ、起は大事だ。読者を引き込めるかどうかは起で決まる。ここは特に力を入れて書くべきだね」

「なるほど。承は?」

「『承』は物語の大筋だな。恋愛なら心踊る日常、ファンタジーなら魔王を倒すまでの道のり」

「承には何があるの?」

「承は飽きさせない事が大事だ。起で読者を捕まえても、承で逃げられてはいけない。クライマックスの転まではね」

⏰:08/11/15 19:21 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#25 [◆vzApYZDoz6]
「転がクライマックスなのか?」

「『転』は文字通り、物語が転ぶ。今までに考えられなかった事が起きたりね。
ここでは伏線が役に立つ。伏線については後で説明しよう。
転では意外性が求められる。そのショックが大きいほど、読者を引き込めるんだ」

「なるほど」

「ちなみに、転はいくつあってもいい。転が多いほど物語に起伏がつき、読者を感情移入させやすい」

⏰:08/11/15 19:22 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#26 [◆vzApYZDoz6]
「んじゃー、結は?」

「『結』は、物語の終わりさ。終わりよければすべてよし、ってね」

「そんなんでいいのか…?」

「結では読者が納得できる綺麗な締めが求められる。伏線は全部回収してから結に持っていくこと。
謎を残したまま終わらせるというなら話は別だが、短編なんかだと尚更きれいな結を求められる。読者をすっきりさせなきゃね」

「意外と大事なんだな」

「この起承転結を上手に盛り込んで起伏をつける事が、上手になる近道だ。
じゃあ、起承転結の意味を踏まえて、もう一度さっきの安眠への旅を見てみようか」

⏰:08/11/15 19:23 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#27 [◆vzApYZDoz6]
1話(太郎が安眠マクラを求めて旅立つ)

2話(歌箱の町にて花子が仲間になる)

3話(魔王ナナシ登場、太郎殺される)

4話(花子、蘇生アイテムを探す)

5話(アイテムゲット、太郎復活しナナシの根城へ)

6話(ナナシ撃破、安眠マクラゲット)

「これを起承転結に当てはめるとこうなる」

結…1話
承…2話、4話
転…3話、5話
結…6話

「並べると、起→承→転→承→転→結の順で話が進んでいく」

⏰:08/11/15 19:24 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#28 [◆vzApYZDoz6]
「3話なんかものすごい意外だな…」

「そうだね、主人公が死ぬわけだからね。この場合、後に主人公が生き返ると読者に悟らせてはいけない。驚きが薄くなるからね」

「花子が蘇生アイテムの存在を知るのは、4話以降じゃないといけない、ってことか?」

「その通り。だんだん分かってきたみたいだね。
こうして起承転結を上手に使えば、物語を作りやすい。展開に迷ったりしても、起承転結を見直せば道が見えてきたりする」

「なるほど、よく分かった」

「うん。じゃあ、これで大まかなプロットは立てられた。では、安眠への旅第1話でさらに深くプロットを立ててみようか」

「よっしゃ」

⏰:08/11/15 19:25 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#29 [◆vzApYZDoz6]
2−2 プロットを立てるコツ、その2『5W1H』

「さて、この1話では太郎が安眠マクラを探す決意をするわけなんだが。
その目的、動機などを考えなくてはならない。理由なしに起こる物事はないからね」

「そりゃそうだ」

「ところで太郎くん、君は『5W1H』というのを知ってるかい?」

「聞いたことあるような…」

「これはニュース記事などで、読者に素早く的確な情報を提供するための慣行なんだけどね。
実は、これは小説のプロットを立てる際にもよく用いられるんだ」

⏰:08/11/15 19:26 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#30 [◆vzApYZDoz6]
「どういう意味なんだ?」

「『5W』とは、
Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(どうして)
のこと。
1HとはHow(どのように)だ。

各話の詳細なプロットを立てるときは、物事1つ1つに対してこの『5W1H』がきちんと定まっているかを確認しておくこと。
そうすることで、矛盾が発生したり展開に無理が出たりしにくくなる」

「ふむふむ」

⏰:08/11/15 19:26 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#31 [◆vzApYZDoz6]
「これは実際に小説を書く段階では気にしなくてもいい。情報を全て出さない方が面白かったりするしね。

だが、プロット段階では必ず確認しておくこと。伏線を張るときなんかにも、この『5W1H』は大事になってくる。

かといって、必ず定めなきゃいけないってわけでもないんだけどね。でも確認は必要だ」

「5W1Hは必ず確認する。覚えたぜ」

「よろしい。では、5W1Hを踏まえて1話の詳細を考えていこう」

「よーし」

⏰:08/11/15 19:27 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#32 [◆vzApYZDoz6]
「まずは太郎が安眠マクラを探す決意をするわけなんだが、こんな感じでどうだろう」

ここのところ、毎晩なぜか眠ることができない太郎。
医者に不眠症と診断され、睡眠薬をもらったが、一向に改善されない。

そんな太郎はある日、町外れで安眠マクラの噂を聞く。
調べたところ、かの魔王ナナシが持っている事がわかった。
どうしても眠りたい太郎は、その安眠マクラを探す旅に出る。

「これを詳細な文章にすれば、まぁいい感じでお話になるだろう」

「展開にも詰まらない、ってわけだな」

「正解。では上の説明から、5W1Hを抜き出してみるよ」

⏰:08/11/15 19:27 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#33 [◆vzApYZDoz6]
1話の出来事…太郎が安眠マクラを探す旅に出る

Who(誰が)…太郎が
What(何を)…安眠マクラを(探す)
When(いつ)…ある日
Where(どこで)…太郎の住む町で
Why(どうして)…眠りたいから
How(どのように)…(ナナシの根城へ)旅に出て


「こんな感じかな。When(いつ)が『ある日』ってのもアレだけど…まぁこの話ではそんなに重要でもないしね。

だが少なくとも、Who(誰が)、What(何を)、Why(どうして)の3つは必ず固めておくこと」

⏰:08/11/15 19:28 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#34 [◆vzApYZDoz6]
「人物、目的、動機をハッキリさせろ、ってわけだな」

「その通り。よく分かってるね。
さて、ではそれらを踏まえた上で、より面白いプロットにしていくには、どうすればいいか」

「……どうすればいいんだ?」

「プロットと一緒に、『キャラ設定』を決めるのさ」

⏰:08/11/15 19:29 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#35 [◆vzApYZDoz6]
2−3 キャラ設定を作る

「キャラ設定?」

「うん。簡単に言えば、登場人物のパーソナルデータかな。
性格、容姿、背格好、趣味、嗜好などなど」

「それは最初に決めておいた方がいいのか?」

「そんな必要はない。最初に考えるとすれば、せいぜい容姿くらいじゃないかな。
基本的には、プロットと一緒に考えていけばいいのさ」

「つまり、ストーリーに見合ったキャラを作っていく、と?」

「そういうこと。じゃあ、安眠への旅の太郎を例にして考えてみようか」

⏰:08/11/15 19:29 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#36 [◆vzApYZDoz6]
「まず性格。町で聞いた噂を調べたりしているし、不眠症を治すためだけに旅に出るんだから、なかなか行動的と言える」

「えーっと、じゃあ容姿は?」

「もしかしたらイケメンだったかもね。
でも今は不眠症のせいでやつれてると考えられる。疲れぎみ、目の下にクマがある、頬が痩けてる、などなど」

⏰:08/11/15 19:30 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#37 [◆vzApYZDoz6]
「背格好は分からないんじゃね?」

「そうだね。こういう場合は決めても決めなくてもいい。
あとから背格好の設定が必要な展開が出てきた時に決めればいいさ。大人サイズか子供サイズかとか、その程度でいい」

「趣味なんかもそうだよな」

「そうだね。じゃあちょっと話が飛んじゃうけど、2話の花子の設定についても考えてみよう」

⏰:08/11/15 19:30 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#38 [◆vzApYZDoz6]
安眠への旅
2話(歌箱の町で、花子と仲間になる)


「キャラが複数いる場合は、キャラ同士の関係が重要になってくる。
花子が仲間になるってことは、太郎と花子は知り合いなのかもしれない。初対面の人とすぐに意気投合、ってのはあまりないからね」

「そう言われればそうだな」

⏰:08/11/15 19:31 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#39 [◆vzApYZDoz6]
「性格にしてもそう。相手は仮にも魔王だ、普通ならビビるよね?

花子が困ってる人は放っておけないタイプの場合もあるけど、この場合は『花子と太郎は長年の付き合いがある親友で、太郎の悩み解消を助けるために仲間になった』とした方が自然だよね。

そうすれば、4話で花子が蘇生アイテムを探す理由もうなずける。親友を助けるため、ってことだ」

「人物どうしの関わりも考えなくちゃならないんだな」

「その通り。この場合も5W1Hと照らし合わせると分かりやすい」

⏰:08/11/15 19:32 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#40 [◆vzApYZDoz6]
「……とまぁ、こんな感じにキャラ設定を煮詰めていく。
終盤までストーリーが固まれば、キャラもだいぶ個性が出てくる。
そうなってからもう1度プロットを読み直して、『こいつの性格ならここはこうした方が面白いんじゃないか?』という風に、魅力的ないきいきとしたストーリーに仕上げていくんだ」

「大変だな…」

「その分、パッと思いついた話よりは何倍もいいストーリーができあがる。キャラ設定は大事だ」

「なるほど、よく分かった」

「よろしい。以上のことを覚えておけば、簡単に、本格的な物語を作ることができるはずだ。じゃあ、おさらいに入ろう」

⏰:08/11/15 19:32 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#41 [◆vzApYZDoz6]
 
〜2章のおさらい!〜


「プロットは、まず大まかなものから作っていこう。
その際、必ず起承転結を意識すること!」

「大まかな流れができたら、次は詳細を固めていく。
エピソードごとに『5W1H』をきちんと把握しておくこと!」

「詳細と同時に、キャラ設定も考えていこう。
ストーリーとキャラの結び付きは大事! ストーリーの動きに合わせて違和感のないキャラ設定を詰めていこう!」

「キャラが複数の場合は、キャラ同士の繋がりも明確にしておくこと!」

「プロットができたら、必ず細かい見直しを。意外なところで矛盾があるかもしれないぞ!」

⏰:08/11/15 19:33 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#42 [◆vzApYZDoz6]
「これなら、俺でもストーリーが考えれそうだな!」

「甘いね…ストーリーが考えられたところで、君はまだ小説のスタートラインにすら立っていない!!」

「なん…だと…!?」

「じゃあ次は、そのへんを教えていこうか」


>>20-42
第2章 〜物語を考えよう!〜 終


次回は

第3章 〜小説を書く前に 小説のルール編〜

⏰:08/11/15 19:36 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#43 [◆vzApYZDoz6]
第3章 〜小説を書く前に 小説のルール編〜

「今回は小説を書く以前の、基本的なことを教えていくよ」

「なんだそれ?」

「まぁ、小説を書くにあたってのルールみたいなものだ」

「ルールなんてあるのか?」

「当たり前だ。人間社会にもスポーツにも、ルールは存在するだろう?」

「まぁそうだけど」

「では始めようか」

⏰:08/11/16 22:33 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#44 [◆vzApYZDoz6]
3−1 句読点・感情符号

「下の会話文を見てくれ」


「あ君は太郎じゃないか」

「んだれだ君はああナナシさんか」


「これはひどい」

「この文章に足りないものは、何だかわかるかい?」

「それぐらいわかるよ。句点(。)と、読点(、)だろ」

「正解。この句点と読点がないと、文章は読めたものじゃない。
では太郎くん、さっきの会話に句点と読点をつけて読みやすくしてみなさい」

「それぐらい簡単だぜ」

「自信満々だね」

「国語の成績は4だからな」

「10段階でだろ、どうせ」

「ギクリ」

⏰:08/11/16 22:34 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#45 [◆vzApYZDoz6]
「できたぜー」

「どれ、見せてごらん」


「あ、君は、太郎、じゃないか」

「ん、だれだ。君は、ああ、ナナシさん、か」


「どぉーだ、完璧だぜ!」

「これは……!! もはや酷いの領域を越えている! 酷すぎる!!」

「え?」

「太郎くん、君は必要以上に読点を使いすぎだ。読点を多用した文は、とにかく読みにくい。
それに句点の使い方もおかしい。どこまでが一文体となるかをよく考えなよ」

「具体的にどこがおかしいんだ?」

⏰:08/11/16 22:35 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#46 [◆vzApYZDoz6]
「まず最初の文から見てみようか」


「あ、君は、太郎、じゃないか」


「これを見て、太郎くんは文節か単語で区切ろうとしたのかな? と本気で思った」

「そんな…」

「読点とは、区の中の切れ目や息継ぎのポイントで打つ点だ。「あ」という感嘆と「君」という名詞を繋げてしまうと、「あ君」という固有名詞になってしまうだろ?
だからそこに読点をつけるのはうなずける。だがそれ以外の場所に読点をつける必要はまったく無いね!」

「『あ、君は太郎じゃないか』
……確かにこの方が自然だな…」

⏰:08/11/16 22:35 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#47 [◆vzApYZDoz6]
「続いて次の文章だけど…」


「ん、だれだ。君は、ああ、ナナシさん、か」


「『君は』と『ああ』の間にリーダ“…”でも入っていれば、句点の位置はうなずけなくもない。
だが、その場合はそこの句点はクエスチョンマーク“?”になるのが普通だと言えるので、やはり却下だ」

「むう…」

「まず、この文章は2つの文から成り立っている。
話しかけてきた人間に問いかける文と、誰なのか認識した文。その間に句点をつければいい」

⏰:08/11/16 22:36 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#48 [◆vzApYZDoz6]
「つまり?」

「読点も少し調節してやると、
『ん、だれだ、君は。ああ、ナナシさんか』
となる」

「……確かに読みやすい気はするけど……」

「どうしたんだい?」

「句点と読点だけじゃ、少し違和感があるような…」

「気付いたようだね。
会話には感情の起伏や疑問がつき物だ。そこで作家たちは、エクスクラメーションマーク“!”とクエスチョンマーク“?”でそれを表すんだ」

「ビックリマークとハテナマークだな」

「エクスクラメーションマークは感嘆や強調、クエスチョンマークは疑問符として働く」

⏰:08/11/16 22:37 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#49 [◆vzApYZDoz6]
「わかったぜ! とかなんでだよ? とかか」

「そうそう。それとこのマークにもルールがあって、このマークを使ったあとは1マス空白を入れる必要がある。読みにくいからね」

「つまり! こんな? 感じか?」

「そうそう。ではこれらのマークを使って、さっきの文を直してみようか」

「『ん? だれだ、君は? ああ、ナナシさんか』」

「うん、バッチリだ。
そうやって自分で考えながら文章の間を作っていくと、読者を引き込むことができる」

「句読点は大事だな」

⏰:08/11/16 22:37 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#50 [◆vzApYZDoz6]
「読点はついつい入れすぎてしまう場合が多いが、それはダメだ。
最初に言ったが、読点は多すぎると読みにくい。かといって、少なすぎると読みづらいからね」

「厄介なヤツだな」

「ちなみに句点、これもつけすぎはよくない。あくまでも文と文を区切るための点と考えるべきだね」

「把握したぜ」

⏰:08/11/16 22:38 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#51 [◆vzApYZDoz6]
「それでは、次の文を見てくれ」


「やあ、太郎くん。」


「何がおかしいかわかるかい?」

「え…おかしいところなんてあるのか?」

「これも初心者には多いし、プロの作家でもやってる事があるんだけど、会話文(「」)の文章では最後の句点が要らないんだ。つまり……」


正「やあ、太郎くん」

誤「やあ、太郎くん。」


「となる」

「なるほど、分かった」

⏰:08/11/16 22:39 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#52 [◆vzApYZDoz6]
「ちなみに、会話文を途中で改行した場合にはこの限りではない。あくまでも、会話文の最後にのみ必要なんだ。つまり……」


「今日はいろいろ歩き回って疲れたな。
明日はゆっくり休んで体力を回復しよう」


「こんな感じにね。携帯小説は横書きだから、読みやすくするためには改行がいるからね」

「把握したぜ」

⏰:08/11/16 22:39 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#53 [◆vzApYZDoz6]
3−2 読点によって文意が変わる

「では次。下の文章を見てくれ」

赤い腕の大きな太郎。

「これに読点をつけてごらん」

「それぐらい簡単だね。こうだ!」

赤い腕の、大きな太郎。

「外れじゃないけど、僕ならこうなる」

赤い、腕の大きな太郎。

「……あれ? どっちも間違ってはいないような…」

⏰:08/11/16 22:39 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#54 [◆vzApYZDoz6]
「そう、どちらも間違ってはいない。これが読点の面白いところさ。
前者は腕が赤く、体が大きな太郎。後者は体が赤く、腕の大きな太郎を指している」

「読点ひとつで、その物の姿形まで変わってくるわけか」

「そう。それだけに読点の付け方には注意が必要だ。
逆に、使いこなせれば強い武器となる。覚えておいてね」

「ああ、分かった」

⏰:08/11/16 22:40 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#55 [◆vzApYZDoz6]
3−3 その他、記号における注意点

「じゃあ最後にひとつ」

「もう何が来ても平気だぜ」


「本当!?いいねそれ!!!!!!」
「・・・・・・あれ?」
「ギャーーーーーー!!!!」


「テンション高い例文だな…」

「すまない。さて、上の文におかしいところがあるんだけど、分かるかな?」

「……1番上は、クエスチョンのあとに空白がない。
あと個人的に、エクスクラメーションを使いすぎな気が…」

⏰:08/11/16 22:41 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#56 [◆vzApYZDoz6]
「正解だ。エクスクラメーションもクエスチョンも適量を考えて使うこと。基本は連続して2つまでだ。
では正しい文はどうなる?」

「本当!? いいねそれ!! かな?」

「うん、問題ない。では下2つの文はどうだろう?」

「え…なんかおかしいのか?」

「これも小説のルールの一端なんだけどね。
(・・・・・・)を使うときは、三点リーダ(…)に変換して使わなければならないんだ」

「つまり、真ん中の文は三点リーダにしてないからダメってことか?」

「そうそう。分かったところで、次の文章を比べてみてくれ」

⏰:08/11/16 22:41 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#57 [◆vzApYZDoz6]
「……僕は何も知らない!」
      と
「・・・・・・僕は何も知らない!」


「上は緊張感があって、キッパリ言い放ってる感じがする。下は、なんつーか間があいてるというか…」

「うん。この間が文章をダメにしてしまうんだ。シリアスなシーンなんかでは特にね」

「てことは、真ん中の文は
『……あれ?』
になるわけか」

「正解だ。では、最後の文に移ろう」

⏰:08/11/16 22:42 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#58 [◆vzApYZDoz6]
「うっわーーーー!」
    と
「うっわ――――!」


「上の2つの文を見て、どう思う?」

「上はやっぱり、なんか間があいてる気がするな…」

「うん、その通りだ。小説のルールとして、のばし(ー)を2つ以上連続して使う場合は、はダッシュ(―)に変換して使う、というものがある。間が抜けちゃうからね」

「なるほど」

⏰:08/11/16 22:43 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#59 [◆vzApYZDoz6]
「それから、これは個人的な考えになるんだけど…」

確か、あれは5年前――

「上の文のように、のばし以外の目的で(―)を使う場合は、(─)の方がいいと思う。意味をわけるためにもね。つまり……」

確か、あれは5年前──

「となる」

「確かに、後の文の方が雰囲気が出てるな」

⏰:08/11/16 22:44 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#60 [◆vzApYZDoz6]
「では、最後の文を直してごらん」

「『ギャ――――――!!』
…かな?」

「それでいい。ちなみに三点リーダ(…)もダッシュ(―)も感嘆、疑問符(!、?)も、乱用はいけないよ。
ついでに言うと、(…)と(―)と(─)は連続して2つまで使うのが普通だ。それ以上使われることは滅多にない」

「把握したぜ!」

「では、おさらいに入ろう」

⏰:08/11/16 22:44 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#61 [◆vzApYZDoz6]
 
 〜3章のおさらい!〜

「句読点は文の意味を考えて使うこと!
特に読点の入れすぎは厳禁。かといって少なすぎてもダメだぞ!」

「会話文(「」)の最後には句点は入れないこと。
意外と守れてない人が多いので注意!」

「(!)(?)(…)(―)(─)などは乱用しないこと!」

「会話文では、(!)と(?)のあとには空白を入れること。
文の最後に使った場合はこの限りではない」

「(・・・・・・)は三点リーダ(……)に変換して使うこと!」

「のばし(ー)はダッシュ(―)に変換して使うこと。
また、ルールにはないが、のばし目的以外で(―)を使う場合は(─)に変換するのが望ましい」

⏰:08/11/16 22:45 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#62 [◆vzApYZDoz6]
「これで最低限のことは大丈夫かな」

「じゃあ次からは小説を書くんだな!」

「甘い、甘すぎる! 正しい文章を覚えた程度では、スタートラインを認識しただけにすぎない。君は、いまだスタートラインに立ててすらいない!!」

「なん…だと…!?」

「なに、書く前の勉強は次で終わりだ。ただし、君のような若い人には少し難しいかもね」

「何をやるんだ?」

「最低限の『正しい日本語』を、少し勉強してもらおうか」

「げぇー、国語は嫌いなんだよなー」

「国語の成績は4なんだろう?」

(こいつ…!)

⏰:08/11/16 22:45 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#63 [◆vzApYZDoz6]
>>43-62
第3章 〜小説を書く前に 小説のルール編〜 終


次は

第4章 〜小説を書く前に 正しい日本語編〜

⏰:08/11/16 22:47 📱:P903i 🆔:Q/dvAnew


#64 [我輩は匿名である]
 
第4章 〜小説を書く前に 正しい日本語編〜


「さて、今から最低限の正しい日本語を教えていくんだが、まずはじめに1つ言っておくことがある」

「なにさ?」

「日本語…いや、言葉に関して『絶対』は存在しない」

「どういうことだ?」

⏰:08/11/20 00:10 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#65 [我輩は匿名である]
4−1 まず、はじめに

「そうだな、これは例を挙げた方が分かりやすいだろう。
『新しい』という言葉があるね。意味は…言わなくても分かるよね」

「ああ。1度も使われてない、とかそんな感じだろ」

「うん。でもね、この『新しい』という言葉、実は誤用、つまり誤りなんだ」

「えっ、マジで!?」

「『新』という字の訓読みはわかるかい?」

「“あらた”だろ?」

「では、その“あらた”と読む『新』に『しい』という送り仮名をつけると…」

「“あらたしい”……あれ?」

⏰:08/11/20 00:11 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#66 [我輩は匿名である]
「そう、この『新しい』という言葉は、『新』という字を“あたら”と読み間違え、そこから“あたらしい”になったと言われている。いわゆる『音便に変化した言葉』なんだ」

「音便に変化した言葉…?」

「口語がそのまま読み方として定着している言葉のことさ。
典型的なものとしては『すいません』だね。正しくは、『済まない』だから『すみません』。まぁこの『すみません』も『済みませぬ』の音便に変化した形だったりするんだけど…」

⏰:08/11/20 00:11 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#67 [我輩は匿名である]
「えーっと……じゃあ“あたらしい”は間違いなのか?」

「そんなことはない。“あたらしい”は正しい読み方として完全に浸透してるし、国語の読み仮名テストで“あらたしい”なんて書いたらバツ印をもらっちゃうだろうね」

「じゃあ“あらたしい”が間違いなんだな」

「そうとも言えない」

「え?」

「さっきも言ったが、言葉に絶対はない。『新しい』だって、今なら“あらたしい”は間違いだけど、この言葉ができたころは“あらたしい”と読まれていたんだ。
時代によって、言葉は読み方も使い方も、意味すらも変わってくる。
他にも…例えば『全然』という言葉」

⏰:08/11/20 00:12 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#68 [我輩は匿名である]
「読み方は“ぜんぜん”だよな?」

「ああ、それで合っている。違うのは使い方さ。
『全然』というのは普通、否定形の言葉の前に使う。『全然新しくない』という感じにね。
ところがどっこい、最近は若者の間で急速に誤用が広まっている」

「『全然新しい』みたいなヤツか?」

「お、分かっているようだね。その通り、肯定を表す使い方が急速に広まっているんだ」

「でもそれは間違いなんだろ?」

⏰:08/11/20 00:12 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#69 [我輩は匿名である]
「それが、そうとも言い切れない。
実はかの文豪、夏目漱石もこのような表現を用いていたことがわかっているんだ。
もちろん夏目漱石が正しいなんてことはあり得ない。だが、少なくとも『全然』を肯定に使う用例は、それだけ前から存在したってことなんだ。
こういった例は他にも数えきれないほどある。言葉というのは、日々進化しているんだ」

「じゃあ『全然』も進化中ってことか?」

「そういうことになるかな。言葉における唯一のルール、それは“広まったもん勝ち”だ。
間違いであっても、広まってしまえば正しくなる場合もある。それが言葉の面白いところでもあり、怖いところでもある」

⏰:08/11/20 00:12 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#70 [我輩は匿名である]
「なんか曖昧なんだな」

「言葉なんてそんなもんさ。何が正しくて何が間違っているなんて、誰にも決めることはできない。
今から君に教えることも、間違っているとは限らない。正しい日本語とはつまり、よく間違う言葉の正しい使い方を教えるわけだからね」

「じゃあそんなのやっても意味ないんじゃないか?」

⏰:08/11/20 00:13 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#71 [我輩は匿名である]
「そうかもしれない。でも、君はこれから小説を書くんだ。正しい日本語は意識するべきだと僕は思う。
ただ、あまり深く考えないでくれってことだ。三人称の地の文では正しい日本語を使うべきだけど、会話文なんかはニュアンスが大事だったりするしね。
ただ、読者の中には誤字があるだけで読まないっていう人もいる。よりたくさんの人に読んでもらいたければ、地の文だけでも正しい日本語を使うべきだと思うよ」

「なるほどね。つまり、あくまでも参考に、ってことか」

⏰:08/11/20 00:14 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#72 [我輩は匿名である]
「そうだね。はっきり言って、この章を見る必要はまったくない。
誤字脱字を気にしないならこの章の内容なんて知る必要がないし、正しい日本語を使いたいならその都度辞書をひくべきだしね。
ただ、『言葉に絶対はない』。これだけは把握していてくれ」

「ああ、わかった。肝に銘じとくよ」

「よし。じゃあ、前置きが長くなったけど本題に入ろう。まずは『誤字』だ」

⏰:08/11/20 00:14 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#73 [我輩は匿名である]
4−2 よくある誤字

「ここでいう『誤字』とは、変換ミス等のいわゆるケアレスミス(不注意による間違い)ではなく、思い込みによる間違いだ」

「思い込み?」

「ああ。さっき言った『すいません』もその1つだ。それだと、何を吸わないの? ってなっちゃう」

「そりゃそうだ」

「こういった誤字はたくさんある。実際に言葉にすると若干のニュアンスの変化があるからね、それで間違えてしまうんだ。
代表的なものをリストアップしていこう」

⏰:08/11/20 00:15 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#74 [我輩は匿名である]
 
こんにちわ→こんにちは

足元をすくう→足をすくう

三身一体→三位一体

脳ある鷹は爪を隠す→能ある鷹は爪を隠す

責任転換→責任転嫁

責任追求→責任追及

的を得る→的を射る
 

⏰:08/11/20 00:15 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#75 [我輩は匿名である]
 
喉が乾く→喉が渇く

味あわせる→味わわせる

シュミレーション→シミュレーション

雰囲気(ふんいき)→ふいんき

一部の隙→一分の隙

可愛そう→可哀想(可哀相)

この後に及んで→この期に及んで

家宝は寝て待て→果報は寝て待て

死に者狂い→死に物狂い

言葉使い→言葉遣い
 

⏰:08/11/20 00:16 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#76 [我輩は匿名である]
「……と、まぁこんなものかな。
これは氷山の一角で、他にもよくある間違いはたくさんある。
どうだい、間違えて覚えていたものはあったかい?」

「半分くらいあったかな……」

「最近は誤字の境目が本当に曖昧になってきていてね、どの辞書にも載っていないような言葉が、携帯電話の変換リストに出てきたりもするんだ。
携帯で変換したからといって正しいとは限らない。見る人が見れば分かっちゃうから、注意するように」

「ああ、わかった」

「では次は、よくある『誤用』についてやってみよう」

⏰:08/11/20 00:16 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#77 [我輩は匿名である]
4−3 よくある誤用

「またリストアップしていくのか?」

「いや、誤用は誤字と違って、間違いを一言で表しにくい。1つずつ解説していこう。まずは、下の文章を見てくれ」


「ふん、貴様らごときでは、ワシの相手をするには役不足じゃわい!!」


「……特に問題ないと思うけど…」

「まぁ、そう思うのも無理はない。
この誤用は、プロの小説家や漫画家でさえ間違えることがあるんだ」

「マジか」

⏰:08/11/20 00:16 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#78 [我輩は匿名である]
「ここで注目してほしいのは『役不足』という言葉。『役不足』の意味は知ってるかい?」

「役が足りてないから……まだまだ相手に対して力及ばない、って意味なんじゃないのか?」

「実はその逆なんだよ。『役不足』とは、ある人物の力量に対して、与えられた役目が軽すぎることを指す」

「なんと!!」

⏰:08/11/20 00:17 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#79 [我輩は匿名である]
「これは多分、“不足”という言葉からマイナスイメージが連想されるから間違うんじゃないかな」

「まったく逆の意味だったのか…間違えたら言い訳できないな」

「うん。『役不足』、この言葉には特に要注意だ」

「他にはどんな誤用があるんだ?」

「よし、じゃあ下によくある誤用と正しい意味をいくつか説明していこう」

⏰:08/11/20 00:18 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#80 [我輩は匿名である]
『姑息』
× 卑怯、卑屈
○ その場逃れ

『触り』
× 話の冒頭部分
○ 話の一番の聞かせどころ

『ぞっとしない』
× 恐ろしくない
○ 感心しない、面白くない

『自首』
× 犯人が自ら捜査機関に罪を報告すること
○ 犯人が発覚する前に捜査機関に申告すること

『情けは人の為ならず』
× 情けは人の為にならない
○ 情けは巡り巡って自分に良い報いとして帰ってくる

⏰:08/11/20 00:18 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#81 [我輩は匿名である]
「さぁ、間違えて覚えていたものはあるかい?」

「『自首』がよく分からないんだけど…何が違うんだ?」

「これはね、犯人が自ら名乗り出ることを『自首』と勘違いしてる人が多いんだ。
捜査機関側が事件の発覚を知らない、又は知っていても犯人についてまったく分かっていない時に、犯人自ら捜査機関に申告する事が『自首』だ。

つまり、指名手配犯が警察に自ら出頭しても『自首』にはならないってこと。間違えてる人が多いんだけどね。

別に些細なこととか思うかもしれないけど、今の法律では自首とそうでない場合とでは刑の重さが違ってくるからね」

⏰:08/11/20 00:19 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#82 [我輩は匿名である]
「なるほど、気をつけないとな」

「あとは……最近特に多いのが『爆笑』と『失笑』かな。下の文を見てごらん」

俺は爆笑した。

「どこが間違いが分かるかな?」

「短すぎてわからねーよ…」

「これは文脈は関係ない」

「……前提が間違ってるってことか?」

⏰:08/11/20 00:19 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#83 [我輩は匿名である]
「正解、分かってきたじゃないか。
そもそも『爆笑』というのは“大勢の人が一斉に笑いだす”という意味だ。つまり…」

「1人ではこの言葉は使えない?」

「そう。1人で使う場合は『大笑い』が適切だ」

「よく聞く言葉だけど、それだけ誤用が多いってことなんだよな……」

「まぁ、次から気を付けるようにすればいい。次は『失笑』だ」

⏰:08/11/20 00:19 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#84 [我輩は匿名である]
彼のあまりにも笑えない馬鹿な発言に、俺は失笑した。

「まさに馬鹿にしてる感じだな」

「そうだね。でもこれも間違い」

「またかよ……」

「これは『失笑』という文字の形からか、笑いがその場から失われるといった意味だと思っている人が多い。
しかし本当の意味は“(笑ってはいけないような場面で)おかしさを堪えきれずに吹き出してしまうこと”だ。全然違うよね」

⏰:08/11/20 00:20 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#85 [我輩は匿名である]
「葬式で屁こいて吹き出したりした時に使うのか」

「ま、まぁ…そうかな。少なくとも相手を馬鹿にするような意味ではない」

「そういう時はどういう言葉がいいんだ?」

「そうだな…『冷笑』が一番しっくりくるかな。
ただし言葉に絶対はない、『冷笑』が一番いいってわけではないよ。『失笑』では駄目だけどね。

誤字についてもそうなんだけど、こういう場合は辞書なんかで調べてみるといい。ウィキペディアでもいいかもね」

「なるほど、わかったよ」

⏰:08/11/20 00:21 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#86 [我輩は匿名である]
 
4−3 おざなり? なおざり?

「おざなり、なおざり。
この2つの言葉は混同されやすい」

「そりゃまたなんで?」

「1つは意味が似ているから。もう1つは語呂が近いからだ。
さらに、この2つの言葉は音転倒(メタテシス)という現象に類似している」

「メタテシス…?」

「言葉の一部がひっくり返ってしまうことさ。エレベーターをエベレーターと言い誤ったり、おたまじゃくしをおまt…いやいや。
おざなりとなおざりも、『おざ』と『な』の位置が入れ替わっているだろう?」

「ああ、本当だ」

⏰:08/11/20 00:23 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#87 [我輩は匿名である]
「話を戻すぞ。『おざなり』と『なおざり』だが、もちろん語源も意味も別物だ。
語源については、なおざりの方が諸説あって話がややこしくなるので、ここでは省く」

「じゃあ、意味はどうなんだ?」

「おざなりは漢字で書くと『お座なり』、読んで字のごとくお座敷などで使われていた。
意味は“その場での間に合わせ”だ」

「なおざりの意味は?」

「漢字で書くと『等閑』。
意味は“(物事などに)あまり注意を払わず、おろそかにするさま”だな」

「…違いがよーわからん」

⏰:08/11/20 00:23 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#88 [我輩は匿名である]
「つまりだな。
『お座なり』は“(いい加減なその場しのぎではあるが)一応、物事をすること”
『等閑』は“無視して放置すること”だ」

「ああ、そういう事か」

「意味が分からない内は、するか・しないかで分ければいいさ」

「把握したぜ」

⏰:08/11/20 00:23 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#89 [我輩は匿名である]
 
4−4 で、結局『正しい日本語』って何?

「さて、これで粗方終わりなわけだけど」

「まだ何かあるのか?」

「いや、もう特にはないさ。あとは気構えの問題だ」

「気構え?」

⏰:08/11/20 00:24 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#90 [我輩は匿名である]
「うん。繰り返すようで悪いが、言葉に絶対はない。
今回教えたことも、参考程度に考えてくれ」

「やけにこだわるな」

「うーん、普通の書籍小説のレクチャーならキッパリ『正しい日本語を使え!』と言えるんだけどね。

携帯小説っていうのは手軽に読めるのがウリだから、あまり言葉にこだわりすぎるのもよくないんだ」

「でも、俺はある程度ちゃんとするべきだと思うな。間違った日本語があると読まないような人もいるんだろ?」

⏰:08/11/20 00:25 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#91 [我輩は匿名である]
「うん。あくまでも『小説』だからね。
ただ、こういうのはリアリティーが大事なんだ。会話文はニュアンスに任せても別にいいと僕は思う」

「確かに、若者どうしの会話でガチガチの日本語使われてもアレだしな」

「うん。そして正しい日本語を使いたいなら、そのつど辞書をひけばいい」

「そうだな」

⏰:08/11/20 00:25 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#92 [我輩は匿名である]
「特に、日本という国は独自の言語表現が非常に多い。
方言や略し言葉もそうだし、ネット言語…いわゆる『2ちゃんねる語』なんかもそうだ。

そして、それすらも愉しもうとする文化が日本にはある。
あまりにも稚拙な小説は考えものだけど、完全に正しい日本語で小説を書け、というのはナンセンスだと思うね」

「『すみません』より『すいません』の方が情けなく聞こえるから、失敗ばかりの人のセリフに使ったり?」

⏰:08/11/20 00:27 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#93 [我輩は匿名である]
「そうだね。同じ意味の言葉でも、使い分ける事で表現の幅が広がる。
そしてそれが日本語の面白さでもある。英語なんかじゃこんな事はありえないからね」

「やっぱり、ニュアンスが大事ってことなんだな」

「そう。言葉に絶対はない、これを忘れないでくれ」

「ああ、わかった」

「じゃあおさらいだ」

⏰:08/11/20 00:27 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#94 [我輩は匿名である]
 
 〜4章のおさらい!〜

「誤字は、口語をそのまま文章にしようとするために間違える。
自信がなければ辞書をひこう」

「誤用は自分では気づかないことが多い。
特によく聞く言葉を使う場合は、意味をきちんと調べておこう」

「変換機能をアテにしないこと! 意外と間違いが多いので注意!
また、間違って同音異義語を使ったりしたら恥ずかしいぞ。ちゃんと辞書で調べよう」

「言葉に絶対はない。
正しい日本語を使うのもいいが、ニュアンスを重視してよりリアリティーのある言葉を選んでいこう」

⏰:08/11/20 00:28 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#95 [我輩は匿名である]
「さて、これで小説を書く前の基礎知識はすべて終わりかな」

「てことは?」

「次からは、実際に小説を書いていくよ」

「ようやく本番だな」


>>64-95
第4章 〜小説を書く前に 正しい日本語編〜 終

⏰:08/11/20 00:30 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#96 [我輩は匿名である]
 
第5章 〜小説を書こう! 描写の基本編〜

「では、今からは本格的な講義に入る」

「オラ、わくわくすっぞ」

「これからは地の文についてレクチャーしていこう」

「地の文ってなんだ?」

「『地の文』っていうのは会話文以外の文章のこと。情景描写や心理描写などの総称だね。

これらはその場の状況を詳細に読者に伝えてイメージを膨らませたり、登場人物の気持ちを描いて共感を持たせたりと、小説においてなくてはならない大切な文章だ」

⏰:08/11/20 00:31 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#97 [我輩は匿名である]
「よくわからんが大事だということはわかった」

「それでいいさ。詳しくは今から教えていこう。まずは、全ての描写に必要となる『視点』について教えていこう」

⏰:08/11/20 00:32 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#98 [我輩は匿名である]
 
5−1 視点

「物語は、基本的には主人公の視点で進んでいく」

「視点ってなんだ?」

「『視点』っていうのは、簡単に言えば物語の『主軸』だ。誰を中心に物語が回るか、ってことだね。
視点はそのまま読者の目線になる。
主人公の視点で進んでいく、っていうのはつまり、主人公を中心に物語が展開される、ってことだ」

「なるほど、確かにそうだな」

「だから、主人公が分からないようなことを書くのはタブーだ」

「分からないようなこと?」

「例文を用意したから見てくれ」

⏰:08/11/20 00:33 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#99 [我輩は匿名である]
太郎は町を歩いていた。
しばらくして女の子とすれ違った。茶髪でふわふわのパーマをかけた、美しい人だ。

太郎はその人に一目惚れした。彼女の気持ちが気になった。
彼女もまた、太郎に一目惚れしていた。


「これはひどい」

「ぶち殺すぞ。まぁそれはさておき、彼女は太郎のことをどう思っているのかな?」

「いや、一目惚れしてるんだろ?」

「恋愛ものってさぁ、相手が自分をどう思っているのか分からないのが面白いと思うんだよね」

「え?」

⏰:08/11/20 00:33 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


#100 [我輩は匿名である]
「恋愛ものは主人公を視点に置いて読者を主人公とリンクさせ、より大きな共感を誘うのが肝要だ。
主人公の太郎に、彼女の気持ちがわかるわけないだろう? エスパーじゃないんだから」

「そりゃまぁ、そうだな」

「だから、彼女の気持ちまで描写しちゃいけないのさ。あくまでも主人公の視点で物語は進むんだ」

「なるほど」

「それを踏まえて、さっきの例文を直してみるよ」

⏰:08/11/20 00:34 📱:P903i 🆔:TDftdaZo


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