【携帯小説指南】全ての作家達へ【[投稿]を押す前に】
最新 最初 🆕
#20 [◆vzApYZDoz6]
第2章 〜物語を考えよう!〜

◆vzApYZDoz6著
「安眠への旅」

1話(太郎登場、安眠マクラを探す旅に出る)

2話(歌箱の町に到着、花子が仲間に)

3話(魔王ナナシ登場、激闘の末に太郎殺される)

4話(花子、太郎を蘇生するためのアイテムを探す)

5話(小説板洞窟にて蘇生アイテム発見、太郎復活、ナナシの根城へ)

6話(魔王ナナシ撃破、安眠マクラゲット)

⏰:08/11/15 19:18 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#21 [◆vzApYZDoz6]
「こ、これはなんというか……」

「ぶち殺すぞ。それはともかく、こういうのがプロットさ。
これはかなり大まかだけど、何も考えずに書くよりマシだとは思わないか?」

「確かにそうだな。道筋があった方が分かりやすいのは当たり前だ」

「プロットは本当に大事なんだよ。
さて、このプロットだが、闇雲に立てたんじゃ効率が悪いし、いいストーリーも作れない」

⏰:08/11/15 19:19 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#22 [◆vzApYZDoz6]
「じゃあどうするんだ?」

「さっきの『安眠への旅』みたいに、まずは大まかでいいから始まりから終わりまでの流れを決めるんだ」

「でも途中の展開は、考えているうちにたくさん思い浮かばないか?」

「そうだね。だからあくまでも仮のものとして立てるんだ。
コツとしては『起承転結』を使う」

⏰:08/11/15 19:20 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#23 [◆vzApYZDoz6]
2−1 プロットを立てるコツ、その1『起承転結』

「おっ、それは聞いたことあるな」

「国語の作文なんかでも習うからね。
物語は起伏がないとつまんないよね。メリハリのあるストーリーにするには、起承転結が大事だ。
良いストーリーかどうかは、起承転結の具合で決まると言っても過言ではない」

「まっ、マジか…」

「とりあえず、意味を確認しておこう」

⏰:08/11/15 19:21 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#24 [◆vzApYZDoz6]
「まず『起』。これは物語の始まりだ。これ無くして物語は成り立たない。
たとえばスポーツならスタート合図、ゲームならオープニング」

「それが無ければ始まらない、ってわけだな」

「そう。だからこそ、起は大事だ。読者を引き込めるかどうかは起で決まる。ここは特に力を入れて書くべきだね」

「なるほど。承は?」

「『承』は物語の大筋だな。恋愛なら心踊る日常、ファンタジーなら魔王を倒すまでの道のり」

「承には何があるの?」

「承は飽きさせない事が大事だ。起で読者を捕まえても、承で逃げられてはいけない。クライマックスの転まではね」

⏰:08/11/15 19:21 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#25 [◆vzApYZDoz6]
「転がクライマックスなのか?」

「『転』は文字通り、物語が転ぶ。今までに考えられなかった事が起きたりね。
ここでは伏線が役に立つ。伏線については後で説明しよう。
転では意外性が求められる。そのショックが大きいほど、読者を引き込めるんだ」

「なるほど」

「ちなみに、転はいくつあってもいい。転が多いほど物語に起伏がつき、読者を感情移入させやすい」

⏰:08/11/15 19:22 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#26 [◆vzApYZDoz6]
「んじゃー、結は?」

「『結』は、物語の終わりさ。終わりよければすべてよし、ってね」

「そんなんでいいのか…?」

「結では読者が納得できる綺麗な締めが求められる。伏線は全部回収してから結に持っていくこと。
謎を残したまま終わらせるというなら話は別だが、短編なんかだと尚更きれいな結を求められる。読者をすっきりさせなきゃね」

「意外と大事なんだな」

「この起承転結を上手に盛り込んで起伏をつける事が、上手になる近道だ。
じゃあ、起承転結の意味を踏まえて、もう一度さっきの安眠への旅を見てみようか」

⏰:08/11/15 19:23 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#27 [◆vzApYZDoz6]
1話(太郎が安眠マクラを求めて旅立つ)

2話(歌箱の町にて花子が仲間になる)

3話(魔王ナナシ登場、太郎殺される)

4話(花子、蘇生アイテムを探す)

5話(アイテムゲット、太郎復活しナナシの根城へ)

6話(ナナシ撃破、安眠マクラゲット)

「これを起承転結に当てはめるとこうなる」

結…1話
承…2話、4話
転…3話、5話
結…6話

「並べると、起→承→転→承→転→結の順で話が進んでいく」

⏰:08/11/15 19:24 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#28 [◆vzApYZDoz6]
「3話なんかものすごい意外だな…」

「そうだね、主人公が死ぬわけだからね。この場合、後に主人公が生き返ると読者に悟らせてはいけない。驚きが薄くなるからね」

「花子が蘇生アイテムの存在を知るのは、4話以降じゃないといけない、ってことか?」

「その通り。だんだん分かってきたみたいだね。
こうして起承転結を上手に使えば、物語を作りやすい。展開に迷ったりしても、起承転結を見直せば道が見えてきたりする」

「なるほど、よく分かった」

「うん。じゃあ、これで大まかなプロットは立てられた。では、安眠への旅第1話でさらに深くプロットを立ててみようか」

「よっしゃ」

⏰:08/11/15 19:25 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#29 [◆vzApYZDoz6]
2−2 プロットを立てるコツ、その2『5W1H』

「さて、この1話では太郎が安眠マクラを探す決意をするわけなんだが。
その目的、動機などを考えなくてはならない。理由なしに起こる物事はないからね」

「そりゃそうだ」

「ところで太郎くん、君は『5W1H』というのを知ってるかい?」

「聞いたことあるような…」

「これはニュース記事などで、読者に素早く的確な情報を提供するための慣行なんだけどね。
実は、これは小説のプロットを立てる際にもよく用いられるんだ」

⏰:08/11/15 19:26 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#30 [◆vzApYZDoz6]
「どういう意味なんだ?」

「『5W』とは、
Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(どうして)
のこと。
1HとはHow(どのように)だ。

各話の詳細なプロットを立てるときは、物事1つ1つに対してこの『5W1H』がきちんと定まっているかを確認しておくこと。
そうすることで、矛盾が発生したり展開に無理が出たりしにくくなる」

「ふむふむ」

⏰:08/11/15 19:26 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#31 [◆vzApYZDoz6]
「これは実際に小説を書く段階では気にしなくてもいい。情報を全て出さない方が面白かったりするしね。

だが、プロット段階では必ず確認しておくこと。伏線を張るときなんかにも、この『5W1H』は大事になってくる。

かといって、必ず定めなきゃいけないってわけでもないんだけどね。でも確認は必要だ」

「5W1Hは必ず確認する。覚えたぜ」

「よろしい。では、5W1Hを踏まえて1話の詳細を考えていこう」

「よーし」

⏰:08/11/15 19:27 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#32 [◆vzApYZDoz6]
「まずは太郎が安眠マクラを探す決意をするわけなんだが、こんな感じでどうだろう」

ここのところ、毎晩なぜか眠ることができない太郎。
医者に不眠症と診断され、睡眠薬をもらったが、一向に改善されない。

そんな太郎はある日、町外れで安眠マクラの噂を聞く。
調べたところ、かの魔王ナナシが持っている事がわかった。
どうしても眠りたい太郎は、その安眠マクラを探す旅に出る。

「これを詳細な文章にすれば、まぁいい感じでお話になるだろう」

「展開にも詰まらない、ってわけだな」

「正解。では上の説明から、5W1Hを抜き出してみるよ」

⏰:08/11/15 19:27 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#33 [◆vzApYZDoz6]
1話の出来事…太郎が安眠マクラを探す旅に出る

Who(誰が)…太郎が
What(何を)…安眠マクラを(探す)
When(いつ)…ある日
Where(どこで)…太郎の住む町で
Why(どうして)…眠りたいから
How(どのように)…(ナナシの根城へ)旅に出て


「こんな感じかな。When(いつ)が『ある日』ってのもアレだけど…まぁこの話ではそんなに重要でもないしね。

だが少なくとも、Who(誰が)、What(何を)、Why(どうして)の3つは必ず固めておくこと」

⏰:08/11/15 19:28 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#34 [◆vzApYZDoz6]
「人物、目的、動機をハッキリさせろ、ってわけだな」

「その通り。よく分かってるね。
さて、ではそれらを踏まえた上で、より面白いプロットにしていくには、どうすればいいか」

「……どうすればいいんだ?」

「プロットと一緒に、『キャラ設定』を決めるのさ」

⏰:08/11/15 19:29 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#35 [◆vzApYZDoz6]
2−3 キャラ設定を作る

「キャラ設定?」

「うん。簡単に言えば、登場人物のパーソナルデータかな。
性格、容姿、背格好、趣味、嗜好などなど」

「それは最初に決めておいた方がいいのか?」

「そんな必要はない。最初に考えるとすれば、せいぜい容姿くらいじゃないかな。
基本的には、プロットと一緒に考えていけばいいのさ」

「つまり、ストーリーに見合ったキャラを作っていく、と?」

「そういうこと。じゃあ、安眠への旅の太郎を例にして考えてみようか」

⏰:08/11/15 19:29 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#36 [◆vzApYZDoz6]
「まず性格。町で聞いた噂を調べたりしているし、不眠症を治すためだけに旅に出るんだから、なかなか行動的と言える」

「えーっと、じゃあ容姿は?」

「もしかしたらイケメンだったかもね。
でも今は不眠症のせいでやつれてると考えられる。疲れぎみ、目の下にクマがある、頬が痩けてる、などなど」

⏰:08/11/15 19:30 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#37 [◆vzApYZDoz6]
「背格好は分からないんじゃね?」

「そうだね。こういう場合は決めても決めなくてもいい。
あとから背格好の設定が必要な展開が出てきた時に決めればいいさ。大人サイズか子供サイズかとか、その程度でいい」

「趣味なんかもそうだよな」

「そうだね。じゃあちょっと話が飛んじゃうけど、2話の花子の設定についても考えてみよう」

⏰:08/11/15 19:30 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#38 [◆vzApYZDoz6]
安眠への旅
2話(歌箱の町で、花子と仲間になる)


「キャラが複数いる場合は、キャラ同士の関係が重要になってくる。
花子が仲間になるってことは、太郎と花子は知り合いなのかもしれない。初対面の人とすぐに意気投合、ってのはあまりないからね」

「そう言われればそうだな」

⏰:08/11/15 19:31 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#39 [◆vzApYZDoz6]
「性格にしてもそう。相手は仮にも魔王だ、普通ならビビるよね?

花子が困ってる人は放っておけないタイプの場合もあるけど、この場合は『花子と太郎は長年の付き合いがある親友で、太郎の悩み解消を助けるために仲間になった』とした方が自然だよね。

そうすれば、4話で花子が蘇生アイテムを探す理由もうなずける。親友を助けるため、ってことだ」

「人物どうしの関わりも考えなくちゃならないんだな」

「その通り。この場合も5W1Hと照らし合わせると分かりやすい」

⏰:08/11/15 19:32 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#40 [◆vzApYZDoz6]
「……とまぁ、こんな感じにキャラ設定を煮詰めていく。
終盤までストーリーが固まれば、キャラもだいぶ個性が出てくる。
そうなってからもう1度プロットを読み直して、『こいつの性格ならここはこうした方が面白いんじゃないか?』という風に、魅力的ないきいきとしたストーリーに仕上げていくんだ」

「大変だな…」

「その分、パッと思いついた話よりは何倍もいいストーリーができあがる。キャラ設定は大事だ」

「なるほど、よく分かった」

「よろしい。以上のことを覚えておけば、簡単に、本格的な物語を作ることができるはずだ。じゃあ、おさらいに入ろう」

⏰:08/11/15 19:32 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#41 [◆vzApYZDoz6]
 
〜2章のおさらい!〜


「プロットは、まず大まかなものから作っていこう。
その際、必ず起承転結を意識すること!」

「大まかな流れができたら、次は詳細を固めていく。
エピソードごとに『5W1H』をきちんと把握しておくこと!」

「詳細と同時に、キャラ設定も考えていこう。
ストーリーとキャラの結び付きは大事! ストーリーの動きに合わせて違和感のないキャラ設定を詰めていこう!」

「キャラが複数の場合は、キャラ同士の繋がりも明確にしておくこと!」

「プロットができたら、必ず細かい見直しを。意外なところで矛盾があるかもしれないぞ!」

⏰:08/11/15 19:33 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


#42 [◆vzApYZDoz6]
「これなら、俺でもストーリーが考えれそうだな!」

「甘いね…ストーリーが考えられたところで、君はまだ小説のスタートラインにすら立っていない!!」

「なん…だと…!?」

「じゃあ次は、そのへんを教えていこうか」


>>20-42
第2章 〜物語を考えよう!〜 終


次回は

第3章 〜小説を書く前に 小説のルール編〜

⏰:08/11/15 19:36 📱:P903i 🆔:RmcUV1W2


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194