【携帯小説指南】全ての作家達へ【[投稿]を押す前に】
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#43 [◆vzApYZDoz6]
第3章 〜小説を書く前に 小説のルール編〜
「今回は小説を書く以前の、基本的なことを教えていくよ」
「なんだそれ?」
「まぁ、小説を書くにあたってのルールみたいなものだ」
「ルールなんてあるのか?」
「当たり前だ。人間社会にもスポーツにも、ルールは存在するだろう?」
「まぁそうだけど」
「では始めようか」
:08/11/16 22:33 :P903i :Q/dvAnew
#44 [◆vzApYZDoz6]
3−1 句読点・感情符号
「下の会話文を見てくれ」
「あ君は太郎じゃないか」
「んだれだ君はああナナシさんか」
「これはひどい」
「この文章に足りないものは、何だかわかるかい?」
「それぐらいわかるよ。句点(。)と、読点(、)だろ」
「正解。この句点と読点がないと、文章は読めたものじゃない。
では太郎くん、さっきの会話に句点と読点をつけて読みやすくしてみなさい」
「それぐらい簡単だぜ」
「自信満々だね」
「国語の成績は4だからな」
「10段階でだろ、どうせ」
「ギクリ」
:08/11/16 22:34 :P903i :Q/dvAnew
#45 [◆vzApYZDoz6]
「できたぜー」
「どれ、見せてごらん」
「あ、君は、太郎、じゃないか」
「ん、だれだ。君は、ああ、ナナシさん、か」
「どぉーだ、完璧だぜ!」
「これは……!! もはや酷いの領域を越えている! 酷すぎる!!」
「え?」
「太郎くん、君は必要以上に読点を使いすぎだ。読点を多用した文は、とにかく読みにくい。
それに句点の使い方もおかしい。どこまでが一文体となるかをよく考えなよ」
「具体的にどこがおかしいんだ?」
:08/11/16 22:35 :P903i :Q/dvAnew
#46 [◆vzApYZDoz6]
「まず最初の文から見てみようか」
「あ、君は、太郎、じゃないか」
「これを見て、太郎くんは文節か単語で区切ろうとしたのかな? と本気で思った」
「そんな…」
「読点とは、区の中の切れ目や息継ぎのポイントで打つ点だ。「あ」という感嘆と「君」という名詞を繋げてしまうと、「あ君」という固有名詞になってしまうだろ?
だからそこに読点をつけるのはうなずける。だがそれ以外の場所に読点をつける必要はまったく無いね!」
「『あ、君は太郎じゃないか』
……確かにこの方が自然だな…」
:08/11/16 22:35 :P903i :Q/dvAnew
#47 [◆vzApYZDoz6]
「続いて次の文章だけど…」
「ん、だれだ。君は、ああ、ナナシさん、か」
「『君は』と『ああ』の間にリーダ“…”でも入っていれば、句点の位置はうなずけなくもない。
だが、その場合はそこの句点はクエスチョンマーク“?”になるのが普通だと言えるので、やはり却下だ」
「むう…」
「まず、この文章は2つの文から成り立っている。
話しかけてきた人間に問いかける文と、誰なのか認識した文。その間に句点をつければいい」
:08/11/16 22:36 :P903i :Q/dvAnew
#48 [◆vzApYZDoz6]
「つまり?」
「読点も少し調節してやると、
『ん、だれだ、君は。ああ、ナナシさんか』
となる」
「……確かに読みやすい気はするけど……」
「どうしたんだい?」
「句点と読点だけじゃ、少し違和感があるような…」
「気付いたようだね。
会話には感情の起伏や疑問がつき物だ。そこで作家たちは、エクスクラメーションマーク“!”とクエスチョンマーク“?”でそれを表すんだ」
「ビックリマークとハテナマークだな」
「エクスクラメーションマークは感嘆や強調、クエスチョンマークは疑問符として働く」
:08/11/16 22:37 :P903i :Q/dvAnew
#49 [◆vzApYZDoz6]
「わかったぜ! とかなんでだよ? とかか」
「そうそう。それとこのマークにもルールがあって、このマークを使ったあとは1マス空白を入れる必要がある。読みにくいからね」
「つまり! こんな? 感じか?」
「そうそう。ではこれらのマークを使って、さっきの文を直してみようか」
「『ん? だれだ、君は? ああ、ナナシさんか』」
「うん、バッチリだ。
そうやって自分で考えながら文章の間を作っていくと、読者を引き込むことができる」
「句読点は大事だな」
:08/11/16 22:37 :P903i :Q/dvAnew
#50 [◆vzApYZDoz6]
「読点はついつい入れすぎてしまう場合が多いが、それはダメだ。
最初に言ったが、読点は多すぎると読みにくい。かといって、少なすぎると読みづらいからね」
「厄介なヤツだな」
「ちなみに句点、これもつけすぎはよくない。あくまでも文と文を区切るための点と考えるべきだね」
「把握したぜ」
:08/11/16 22:38 :P903i :Q/dvAnew
#51 [◆vzApYZDoz6]
「それでは、次の文を見てくれ」
「やあ、太郎くん。」
「何がおかしいかわかるかい?」
「え…おかしいところなんてあるのか?」
「これも初心者には多いし、プロの作家でもやってる事があるんだけど、会話文(「」)の文章では最後の句点が要らないんだ。つまり……」
正「やあ、太郎くん」
誤「やあ、太郎くん。」
「となる」
「なるほど、分かった」
:08/11/16 22:39 :P903i :Q/dvAnew
#52 [◆vzApYZDoz6]
「ちなみに、会話文を途中で改行した場合にはこの限りではない。あくまでも、会話文の最後にのみ必要なんだ。つまり……」
「今日はいろいろ歩き回って疲れたな。
明日はゆっくり休んで体力を回復しよう」
「こんな感じにね。携帯小説は横書きだから、読みやすくするためには改行がいるからね」
「把握したぜ」
:08/11/16 22:39 :P903i :Q/dvAnew
#53 [◆vzApYZDoz6]
3−2 読点によって文意が変わる
「では次。下の文章を見てくれ」
赤い腕の大きな太郎。
「これに読点をつけてごらん」
「それぐらい簡単だね。こうだ!」
赤い腕の、大きな太郎。
「外れじゃないけど、僕ならこうなる」
赤い、腕の大きな太郎。
「……あれ? どっちも間違ってはいないような…」
:08/11/16 22:39 :P903i :Q/dvAnew
#54 [◆vzApYZDoz6]
「そう、どちらも間違ってはいない。これが読点の面白いところさ。
前者は腕が赤く、体が大きな太郎。後者は体が赤く、腕の大きな太郎を指している」
「読点ひとつで、その物の姿形まで変わってくるわけか」
「そう。それだけに読点の付け方には注意が必要だ。
逆に、使いこなせれば強い武器となる。覚えておいてね」
「ああ、分かった」
:08/11/16 22:40 :P903i :Q/dvAnew
#55 [◆vzApYZDoz6]
3−3 その他、記号における注意点
「じゃあ最後にひとつ」
「もう何が来ても平気だぜ」
「本当!?いいねそれ!!!!!!」
「・・・・・・あれ?」
「ギャーーーーーー!!!!」
「テンション高い例文だな…」
「すまない。さて、上の文におかしいところがあるんだけど、分かるかな?」
「……1番上は、クエスチョンのあとに空白がない。
あと個人的に、エクスクラメーションを使いすぎな気が…」
:08/11/16 22:41 :P903i :Q/dvAnew
#56 [◆vzApYZDoz6]
「正解だ。エクスクラメーションもクエスチョンも適量を考えて使うこと。基本は連続して2つまでだ。
では正しい文はどうなる?」
「本当!? いいねそれ!! かな?」
「うん、問題ない。では下2つの文はどうだろう?」
「え…なんかおかしいのか?」
「これも小説のルールの一端なんだけどね。
(・・・・・・)を使うときは、三点リーダ(…)に変換して使わなければならないんだ」
「つまり、真ん中の文は三点リーダにしてないからダメってことか?」
「そうそう。分かったところで、次の文章を比べてみてくれ」
:08/11/16 22:41 :P903i :Q/dvAnew
#57 [◆vzApYZDoz6]
「……僕は何も知らない!」
と
「・・・・・・僕は何も知らない!」
「上は緊張感があって、キッパリ言い放ってる感じがする。下は、なんつーか間があいてるというか…」
「うん。この間が文章をダメにしてしまうんだ。シリアスなシーンなんかでは特にね」
「てことは、真ん中の文は
『……あれ?』
になるわけか」
「正解だ。では、最後の文に移ろう」
:08/11/16 22:42 :P903i :Q/dvAnew
#58 [◆vzApYZDoz6]
「うっわーーーー!」
と
「うっわ――――!」
「上の2つの文を見て、どう思う?」
「上はやっぱり、なんか間があいてる気がするな…」
「うん、その通りだ。小説のルールとして、のばし(ー)を2つ以上連続して使う場合は、はダッシュ(―)に変換して使う、というものがある。間が抜けちゃうからね」
「なるほど」
:08/11/16 22:43 :P903i :Q/dvAnew
#59 [◆vzApYZDoz6]
「それから、これは個人的な考えになるんだけど…」
確か、あれは5年前――
「上の文のように、のばし以外の目的で(―)を使う場合は、(─)の方がいいと思う。意味をわけるためにもね。つまり……」
確か、あれは5年前──
「となる」
「確かに、後の文の方が雰囲気が出てるな」
:08/11/16 22:44 :P903i :Q/dvAnew
#60 [◆vzApYZDoz6]
「では、最後の文を直してごらん」
「『ギャ――――――!!』
…かな?」
「それでいい。ちなみに三点リーダ(…)もダッシュ(―)も感嘆、疑問符(!、?)も、乱用はいけないよ。
ついでに言うと、(…)と(―)と(─)は連続して2つまで使うのが普通だ。それ以上使われることは滅多にない」
「把握したぜ!」
「では、おさらいに入ろう」
:08/11/16 22:44 :P903i :Q/dvAnew
#61 [◆vzApYZDoz6]
〜3章のおさらい!〜
「句読点は文の意味を考えて使うこと!
特に読点の入れすぎは厳禁。かといって少なすぎてもダメだぞ!」
「会話文(「」)の最後には句点は入れないこと。
意外と守れてない人が多いので注意!」
「(!)(?)(…)(―)(─)などは乱用しないこと!」
「会話文では、(!)と(?)のあとには空白を入れること。
文の最後に使った場合はこの限りではない」
「(・・・・・・)は三点リーダ(……)に変換して使うこと!」
「のばし(ー)はダッシュ(―)に変換して使うこと。
また、ルールにはないが、のばし目的以外で(―)を使う場合は(─)に変換するのが望ましい」
:08/11/16 22:45 :P903i :Q/dvAnew
#62 [◆vzApYZDoz6]
「これで最低限のことは大丈夫かな」
「じゃあ次からは小説を書くんだな!」
「甘い、甘すぎる! 正しい文章を覚えた程度では、スタートラインを認識しただけにすぎない。君は、いまだスタートラインに立ててすらいない!!」
「なん…だと…!?」
「なに、書く前の勉強は次で終わりだ。ただし、君のような若い人には少し難しいかもね」
「何をやるんだ?」
「最低限の『正しい日本語』を、少し勉強してもらおうか」
「げぇー、国語は嫌いなんだよなー」
「国語の成績は4なんだろう?」
(こいつ…!)
:08/11/16 22:45 :P903i :Q/dvAnew
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