星とぽんず
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#451 [七瀬]
「それは最初に“歩志”を“ほし”って呼んだから、先入観みたいなので
そう思ってるんじゃないの?」
うん、そうなの。
歩志、鋭いな。
でも…。
『それもあるけど、
なんか歩志自体が星みたいなの。』
「フッ、なにそれ。」
:09/03/14 01:28
:N703iD
:7n/kQCzw
#452 [七瀬]
『なんか歩志って、
星みたいにキラキラしてるもん。』
「うれしいこと言ってくれるじゃん。」
『そのキラキラした光で照らされてる気がして、
なんか温かくなるの。』
私は、ほとんど意識せずに遠い目をして言った。
歩志は、その間も手を休めずカンナを動かす。
:09/03/14 01:33
:N703iD
:7n/kQCzw
#453 [七瀬]
『でも遠いの。』
鉄の削れる音が止んだ。
歩志を見なくても、手が止まったのだと分かる。
『星って輝いてて、とても近いように見えるけど、
本当は地球から何億光年も離れてるじゃん。
近いようで遠い。
歩志は
分かるようで分からない。
アンタを知ってるようでほんとは何も知らない。』
:09/03/14 01:40
:N703iD
:7n/kQCzw
#454 [七瀬]
ああ、そうだ。
私は思い知る。
現実を。
歩志は無機質なようで優しい。
冷たいようで温かい。
私は歩志の、そういうところが好きなの。
でも、
壁があるの。
:09/03/14 01:43
:N703iD
:7n/kQCzw
#455 [七瀬]
見えない壁が。
私は絶対にその中に入れない。
ううん。
私だけじゃない。
歩志の今まで出会ってきたすべての人々もきっと同じ。
歩志だけにしか入れない、歩志が誰一人も入れさせない。
そういう歩志だけの世界がある。
:09/03/14 01:48
:N703iD
:7n/kQCzw
#456 [七瀬]
いくら質問責めにして、
歩志のことを知っても、
それは幻想にしか過ぎないの。
所詮、まぼろし。
ただの夢なの。
そう分かっているのに、なんて心地いいんだろう。
だから抜け出せない。
いつまでもアイツにハマったまま。
:09/03/14 01:53
:N703iD
:7n/kQCzw
#457 [七瀬]
「ぽんずちゃん、やっぱり面白い。」
クスクス笑う歩志。
ほらね、
今、苦しい私とは裏腹に歩志はこんなにも余裕。
そっか。
再確認させられる。
:09/03/14 01:57
:N703iD
:7n/kQCzw
#458 [七瀬]
私にとって歩志は、
大切で大好きな存在だけど
歩志にとって私は、
“今まで出会ってきた全ての人々の中の一人”
だけの存在なんだ
ってことを。
:09/03/14 02:13
:N703iD
:7n/kQCzw
#459 [七瀬]
『ごめん。
用、思い出したから帰るね。』
一方的に言って、立ち上り歩きだす。
「そ、じゃーね。
ばいばーい。」
後ろで歩志の声が聞こえたけど、
何も言わずに体育館を出た。
:09/03/14 02:18
:N703iD
:7n/kQCzw
#460 [七瀬]
さっきは、あんなに楽しかった。
歩志が私をちゃんと見ていてくれてた喜びと、
“これから”で
私の胸はドキドキでいっぱいだったのに。
一喜一憂しすぎだな。
口元に薄ら笑みを浮かべた。
一気に闇に突き落とされた感覚を味わいながら。
:09/03/14 02:23
:N703iD
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