星とぽんず
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#501 [七瀬]
自慢じゃないけど、もう5年近くカラオケには行っていない。
だって人前で歌えないんだもん。
恥ずかしいの。
自分のド音痴が。
これにもトラウマがあって……。
話は10年前にさかのぼる。
松田柚子。
5歳。
:09/03/17 02:17
:N703iD
:GUMwiLbY
#502 [七瀬]
私の家族はめちゃめちゃカラオケ好き。
私が生まれる前から、週に一回はカラオケへ通っていた。
お母さんも、
お父さんも、
お姉ちゃんも、
おじいちゃんも。
私は5歳のころ、初めてカラオケへ行った。
:09/03/17 02:20
:N703iD
:GUMwiLbY
#503 [七瀬]
いつもは、
“まだ子供なんだからカラオケなんてダメ!”
ってお母さんに言われてた。
でも私は、
行きたくて行きたくって
仕方なかった。
だって私だけ仲間外れだもん。
“夜遅いから寝なさい”
って。
そのたび、私は諦めてた。だってお母さん怖いし。笑
:09/03/17 02:27
:N703iD
:GUMwiLbY
#504 [七瀬]
でも、この日は違った。
鬼と戦うことを誓った私は、引き下がらなかった。
『なんで?
なんでお姉ちゃんは連れてってもらえるのに、
なんで柚子はダメなの〜?』
「お姉ちゃんは小学生で大人だしね〜。
それにおとなしくできるし。
柚子は出来ないでしょ?」
そばを見るとお姉ちゃんが勝ち誇ったように、私を見ていた。
:09/03/17 02:32
:N703iD
:GUMwiLbY
#505 [七瀬]
『できるっ!できるよっ!!柚子できるから〜!
連れてってよぉ〜!!』
「もう!
いい加減にしなさ…」
「いいじゃないか。」
「おじいちゃん、あまり甘やかさないで下さい。」
「まあまあ、
柚子、おじいちゃんと行こう。」
そう言って私の手をとってカラオケへ連れてってくれた。
:09/03/17 02:38
:N703iD
:GUMwiLbY
#506 [七瀬]
初めてのカラオケ。
私の胸は希望でいっぱい。
…のはずだった。
「柚子、何か飲むかい?」
優しく聞くおじいちゃんに
『カルピス!』
と答える。
その後、ポテトやらカラアゲやら、美味しい食べ物が出てきて、最高だった。
:09/03/17 02:43
:N703iD
:GUMwiLbY
#507 [七瀬]
食べたり飲んだり。
カラオケって楽園〜!
とか思っていると、
「柚子も何か歌うか〜?」
ほろ酔いのお父さんが聞いてきた。
『え〜っとねぇ…。』
それから、
その当時、女の子に人気のアニメの歌を歌うことにした。
:09/03/17 02:46
:N703iD
:GUMwiLbY
#508 [七瀬]
カラオケを出た後の私はご機嫌ナナメ。
「ちょっと、あなたが笑うからよ〜。
柚子、泣いてるじゃない。」
「ママだって笑ってたじゃないかあ。」
「あら、私は笑ってなんかいません!」
「嘘だ。クスクス笑ってたじゃないか。
柚子、ごめんなあ。」
:09/03/17 02:51
:N703iD
:GUMwiLbY
#509 [七瀬]
フイ!
お父さんの言葉に私は首を横に反らした。
確かに
今思っても、私は下手だったと思う。
子どもの音が外れてる
とかのレベルじゃない。
でも!
あんなに笑うことないじゃん!!
今でも心に深い傷がある。
:09/03/17 02:55
:N703iD
:GUMwiLbY
#510 [七瀬]
それからというもの
家族の週1で行くカラオケには一回も行ってないし、
友達から誘われても、行くだけ行って、何も歌わなかったり。
とりあえず
歌うことだけは避けてる。
これからも人前で歌うことは二度とない!
って思ってたのに…。
:09/03/17 02:59
:N703iD
:GUMwiLbY
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