夏祭り、恋花火
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#92 [七瀬]
「あ、ここここ。」
そう言って、レトロ風の喫茶店?に入っていった。
「チャーハンが美味しいねん、ここの喫茶店。
チャーハン二つ。」
そう勝手に注文されてしまった。
ってか、やっぱりここは喫茶店みたい。
まるで昭和時代にタイムスリップしたみたいな店。
:09/03/19 20:34 :N703iD :DKWoRP7w
#93 [七瀬]
しばらくしてチャーハンが二つ運ばれてくる。
普通のチャーハン。
特に目立ったとこはない。
『いただきます。』
スプーンを口に運ぶ。
『んっ!美味しい〜!!』
:09/03/19 20:37 :N703iD :DKWoRP7w
#94 [七瀬]
なにこれなにこれ!
めっちゃ美味しいやん!!
素朴やのに、忘れられへん味。
「やろ?」
奏君はうれしそうに笑う。
あまりに美味しくって、
あっさりと食べおわる。
『ごちそうさま。』
:09/03/19 20:40 :N703iD :DKWoRP7w
#95 [七瀬]
「旨かったやろ?」
見ると奏君もいつの間にか食べおわってて、タバコを吸うてる。
『うんっ!
こんな店知らんかったわ。最近はずっと牛丼やったから胃、もたれとってん。』
「満足してもらったみたいで良かった。」
そう言って、
奏君は横を向いてフーと白い煙をはく。
:09/03/19 20:44 :N703iD :DKWoRP7w
#96 [七瀬]
あ…、やっぱ似てる。
そういう仕草。
奏君はあの人に似てる。
:09/03/19 20:46 :N703iD :DKWoRP7w
#97 [七瀬]
「もうそろそろ店出よか。
あんまり油売っとったら、給料引かれるわ。」
店を出た。
奏君とバイバイして、金魚に向かう。
奏君…。
:09/03/19 21:19 :N703iD :DKWoRP7w
#98 [七瀬]
初めて遊希がここにやって来た時、私は目を奪われた。
遊希の後ろにおった奏君に。
一瞬、
“あの人が迎えに来たんや”と思った。
そんなはずないのに。
:09/03/19 21:22 :N703iD :DKWoRP7w
#99 [七瀬]
年が近いからか、
遊希はよく話し掛けてきた。
奏君と仲良くなりたかった私は、
遊希を通して、奏君に話し掛けた。
でも奏君のことを知れば知るほど思い知る。
奏君はあの人とは違うんやって…。
:09/03/19 21:27 :N703iD :DKWoRP7w
#100 [七瀬]
でも時々、
奏君の何気ない仕草や表情があの人に似てて
ドキドキする。
ほんま私はアカンな。
引きずり過ぎ。
いつまでも、あの人を忘れられへんまま…。
:09/03/19 21:30 :N703iD :DKWoRP7w
#101 [七瀬]
「まつり、ご飯食べに行かへん?」
いきなりの声で、ハッと我に帰る。
『あ…ああ、遊希。』
「ボーッとして、どしたんや?」
『なんもないよ。
あ、ごめん。
さっき奏君と行ってん。』
:09/03/19 21:34 :N703iD :DKWoRP7w
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