夏祭り、恋花火
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#155 [七瀬]
 
 
店を組み始める。


この二日間、私はどうなるんやろか。

不安と期待が入り交じる。





「金魚、持って来たで。」
 
 

⏰:09/03/20 11:36 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


#156 [七瀬]
 
『それはどうも。』

「ってか。
動揺し過ぎや、まつり。」


『それは、奏君があんなことゆうからやろ!
突然……』

「突然?」


『いきなり耳元でささやいたり、
遊希を挑発するようなことゆうたり、

それに……』

⏰:09/03/20 11:41 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


#157 [七瀬]
 
「それに?」

知ってるくせに。
わざとやな。

分かってても、奏君の思うツボ。


『…それに

突然、キス……したり。』


言った。

小さくって消えてしまいそうな声で。
 

⏰:09/03/20 11:44 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


#158 [七瀬]
 
 
 
「したよ。
確かに俺はまつりにキスした。
あの日に。

でもな、突然じゃない。

俺はずっとキスしたかった。
まつりと。」


うれしい。

私も分かってても、聞いてしまう。
 

⏰:09/03/20 11:48 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


#159 [七瀬]
『キス出来るなら誰でも良かったん?』


「アホか。そんなわけないやろ。

お前だけや。


好きやで。」



たくさんの金魚たちに見届けられながら、
私たちはもう一度、唇を交わした。

今度は両思いのまま。

⏰:09/03/20 11:53 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


#160 [七瀬]
 
 
神野まつり。

17歳の夏休み真っ盛り。

とうとう私にも彼氏が出来た。

あれから、もう2年。


『奏〜!
遅れて、ごめんなあ。』

「まつり、遅ーい。」


奏、大好き。
 

⏰:09/03/20 22:40 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


#161 [七瀬]
 
 
今日は2周年の記念日。

そして久しぶりのデート。


最近、
二人共、忙しくって
忙しくって…。

なかなか会えなかった。


私は今、大学生。
19歳。

奏は21歳。
 

⏰:09/03/20 22:43 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


#162 [七瀬]
 
『おめでとぉ。
また1年間よろしくな。』

「こちらこそ、よろしく、まつり。」


チンッ

乾杯して、グラスを口に運ぶ。

『でも、淋しいなあ。

2年前、私と奏が付き合った祭が
今年からなくなってしもたなんて。』

⏰:09/03/20 22:49 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


#163 [七瀬]
「まあな。
でも、そのおかげで
今ここで、まつりと過ごせるわけやん。
ほんまの2周年を。」


『そうゆわれたら、そぉやけど。
去年は2日、ズラしてしたよな、1周年は。』



ほんま懐かしい。


今でも、もちろん祭には欠かさず行っている。

⏰:09/03/20 22:53 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


#164 [七瀬]
 
 
でも17歳の私とは大きく違っているところがある。

それは、

私はあの人ではなく、

“奏のため”に行くようになった。


祭に行くたび、奏に会えてうれしい。

昔の傷は癒えた。

あの人のことを思い出すことも少なくなっている。

⏰:09/03/20 22:57 📱:N703iD 🆔:bKNl0Pwo


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