夏祭り、恋花火
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#330 [七瀬]
10分後。
「なあ、まつり。
奏は忘れ、な?」
私は遊希に迫られてる。
『…遊希。』
あまりにもの真剣な眼差しに流されてしまいそう。
「な、俺のゆう通りにし。絶対に後悔せんから。
ってか俺がさせへん。」
:09/03/28 03:55 :N703iD :23CTAh1M
#331 [七瀬]
そんなことゆわれたら…
ごめん。
ごめんな、奏。
『…遊希。
私、遊希のゆう通りに…』
バンッ
『いったー!』
:09/03/28 03:59 :N703iD :23CTAh1M
#332 [七瀬]
「おー!ホームランや!!
ホームラン!走れ走れ!」
遠くで聞こえるオッサンの声。
「大丈夫か、まつり!?」
『痛い痛い痛い!
ぜんっぜん大丈夫とちゃうわ!!』
見事に私の額にホームランしたボール。
:09/03/28 04:03 :N703iD :23CTAh1M
#333 [七瀬]
『だから、川原なんて嫌やってゆうたやんか!』
「ごめんごめん…。
それより、
お前、ほんま最高やな。」
含み笑いする遊希。
『笑うな!』
言った瞬間、遊希は吹き出した。
:09/03/28 04:08 :N703iD :23CTAh1M
#334 [七瀬]
一回、吹き出してしまうとなかなか止まってはくれないみたいで
遊希はお腹を抱えてる。
「お腹…ほんま最高!
おもろすぎやろ!!」
『そんなことで最高ってゆわれても…』
ブーと膨れる。
「すみませーん。
ボール、そっちに行ってませんか?」
:09/03/28 04:12 :N703iD :23CTAh1M
#335 [七瀬]
「あれ、もう帰って来たん?
デート終了?」
家に入っての第一声。
「いや〜、
さっき、まつりが…ブッ」
“デートちゃう!”
“笑うな!”
言い返す気力をすっかりなくしてしまってる。
:09/03/28 11:47 :N703iD :23CTAh1M
#336 [七瀬]
おとなしく、遊希とお母さんのやり取りを聞いてる私。
「アカン…
思い出したらまた笑えてきた。」
もう好きにして。
好きなだけ笑って下さい。
「あ、そうそう。
おばさん救急車、貸して下さい。」
:09/03/28 11:51 :N703iD :23CTAh1M
#337 [七瀬]
遊希は消毒液を取り出した。
「ちょっと痛いかもしれんけど我慢してな。」
ピクッ
「痛いか?」
消毒液が傷に染み込んで、ヒリヒリと痛んだ。
『ちょっと痛いかな…』
だけど、痛さの中に遊希の優しさが溢れているようで、うれしく思えた。
:09/03/28 11:56 :N703iD :23CTAh1M
#338 [七瀬]
訂正
× 「あ、そうそう。
おばさん救急車、貸して下さい。」
〇 「あ、そうそう。
おばさん救急箱、貸して下さい。」
“救急箱”が“救急車”に間違っていました。
:09/03/28 11:59 :N703iD :23CTAh1M
#339 [七瀬]
「私、買い物に行ってくるからあ〜。」
お母さんは、なにを勘違いしたのか、
いらない気を利かした。
『ごめんな。
お母さん、なんか勘違いしてるみたいで…』
「はい、終わった。」
『…ありがとう。』
:09/03/28 20:12 :N703iD :23CTAh1M
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