夏祭り、恋花火
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#430 [七瀬]
『だって、さっきの女の子、めっちゃ遊希に懐いてたもん。
どっちがお父さんか分からんかったわ。』
「俺、そんな老けてる?」
『老けてる。』
そんな冗談を言い合う。
こういう、ほのぼのしたのっていいな。
:09/04/02 22:03 :N703iD :opfWhb72
#431 [七瀬]
「初めてあの子が来たの時は、3年前でなあ…」
楽しそうに話す遊希に耳を傾ける。
「最初は、あのお父さんに肩車されて、買いに来てくれてん。
めっちゃ小さくって…
まあ、今もちっちゃいけどな。
でも一応、小学1年やねんで。
幼稚園児みたいやろ。」
:09/04/02 22:08 :N703iD :opfWhb72
#432 [七瀬]
ほんとお父さんみたい。
「で、それから毎年、買いに来てくれんねん。
今年はおっきなってて、ビックリしたわ。
子供の成長って、ほんま早いなあ。」
しみじみする遊希。
「…でなあ、
将来の夢が俺と結婚することやねんて〜!
毎年ゆうてくれんねん。」
:09/04/02 22:12 :N703iD :opfWhb72
#433 [七瀬]
『ふーん…』
あまりに楽しそうにゆうから、少し嫉妬してしまう。
相手は小学生なのに、
バカみたい。
それに…
「なんや、まつり。
ブスッとして……
もしかしてヤキモチ焼いてんのか。」
そう私を茶化す遊希。
:09/04/02 22:16 :N703iD :opfWhb72
#434 [七瀬]
「なんてな〜冗談…」
『…焼いてるよ。』
上目遣いに見た遊希は、
あっけらかんとしている。
「アカンで、まつり。」
:09/04/02 22:19 :N703iD :opfWhb72
#435 [七瀬]
そうだよね。
遊希を見ていた目は
握りしめてる空になった缶へと移動する。
「まつりには、奏がおる。やり直すんやろ?」
『…ん。』
そうだよ、私には奏がいる。
だから嫉妬なんてする権利なんてないんだよ…
:09/04/02 22:23 :N703iD :opfWhb72
#436 [七瀬]
「一回、反対したけど、
やっぱり奏とやり直し。
あいつはええヤツや。」
…遊希。
「麻友のこともあるし、
つらいかもしれんけど…」
『うん!分かってる!!』
遊希の言葉を遮る。
:09/04/02 22:26 :N703iD :opfWhb72
#437 [七瀬]
『私には、奏しかおらんもん!頑張るよ。
ってゆうか、なに勘違いしてんのよ〜、遊希。
冗談やで、冗談!!
焼くわけないやん、ヤキモチなんて。』
痛い…
胸がチクチクする。
それでも、笑っていないと遊希との今の関係が崩れてしまうんじゃないか
って思ったから。
:09/04/02 22:31 :N703iD :opfWhb72
#438 [七瀬]
「ごめんごめん!!」
遊希が、笑ってくれたから少し安心した。
「もうそろそろ行こか。」
缶をゴミ箱に投げ捨て、
立ち上がる。
なにゆうてんねん…
自分で自分が嫌になる。
:09/04/02 22:34 :N703iD :opfWhb72
#439 [七瀬]
私は奏が好きなんやろ?
奏しかおらんのやろ?
なのに、
なに揺らいでんのよ…
少し前を歩く遊希を
チラッと見る。
でも…
遊希がわからない。
:09/04/02 23:21 :N703iD :opfWhb72
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