夏祭り、恋花火
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#35 [七瀬]
『あんな、
遊希がアホみたいに粉作り過ぎてん。』


「アホはお前やろっ!
水足し過ぎるし、
粉は入れ過ぎるし…。」


『じゃあ頼まんかったら、ええやんか!』



「まあまあ。
二人共、落ち着いて。」

奏君が止めに入る。

⏰:09/03/18 18:55 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#36 [七瀬]
 
二人の目線は奏君に。

うーん
とでもゆうように首を捻っている奏君。



「うん、そうや!」

突然、奏君がひらめいたように言う。


『何!?なんか良い案でも思いついた?』

私たちは目を輝かせた。

⏰:09/03/18 18:59 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#37 [七瀬]
 
 
「おとなしく、大竹さんに怒られよ。」

それを聞いた途端に、
二人の顔がどうなったかは言うまでもない。


「なあ奏。もっと良いのないか?
怒られる以外に!」

遊希の必死な態度とは裏腹に奏君は

「ないな。」

キッパリと言った。

⏰:09/03/18 19:03 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#38 [七瀬]
 
しょんぼりした私たちに向かって奏君は言った。 



「俺も一緒に怒られたるから、な?」

なんだかんだ言っても、奏君は優しい。



その後、たっぷりと大竹さんに怒られた。
 
 

⏰:09/03/18 19:06 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#39 [七瀬]
 
『もう、さっきは遊希のせいで散々やったわ。』


「まあ許したって〜。」

奏君は言う。



遅くなったけど、この子は


仲嶋奏(ナカジマソウ)。
遊希より一つ上の19歳。

めっちゃ頼れる。
お兄ちゃんみたいや。

⏰:09/03/18 19:09 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#40 [七瀬]
遊希と同じ時期に入ってきた。

遊希とは、ほんまの兄弟みたいや。

もちろん遊希が弟の方やけど。笑



『でも奏君も最悪やな、怒られて。
なんかごめんなあ。』

「うん。
ほんまありがた迷惑や。」

笑い合う。

⏰:09/03/18 19:13 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#41 [七瀬]
『じゃっ!』

そんなこと言い合ってるうちに金魚に着いた。


奏君は自分の持ち場に戻っていった。

奏君はスーパーボール。


遊希は今ごろ、まだ怒られてるんだろう。



真面目に金魚すくい屋さんでも始めよっかな。

⏰:09/03/18 19:17 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#42 [七瀬]
夕焼けで目がチカチカする。


飲み物は遊希が買ってきてくれたのがあるし、

牛丼屋でトイレもした。

これから5時間以上は、こっから動かへんし。


金魚たちを眺める。

『あんたらも可哀相やなあ。こんなとこに閉じ込められて。』
 
今年も始まる。

⏰:09/03/18 19:23 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#43 [七瀬]
 
 
夏が。



ほんまの夏祭りが。


そして聞こえる。





恋花火が。
 
 

⏰:09/03/18 19:25 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


#44 [七瀬]
 
 
 
ピリリリリリ…

携帯が鳴った。


『おばあちゃん?』

「お疲れさま。」

『お疲れ。もう潰す?』

「そぉやな。
そろそろ歩行者天国も終わって車が通りだすし。
潰そか。」

『わかった。』

⏰:09/03/18 19:49 📱:N703iD 🆔:1U/TvnL6


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