夏祭り、恋花火
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#101 [七瀬]
 
 
 
「まつり、ご飯食べに行かへん?」


いきなりの声で、ハッと我に帰る。

『あ…ああ、遊希。』

「ボーッとして、どしたんや?」


『なんもないよ。

あ、ごめん。
さっき奏君と行ってん。』

⏰:09/03/19 21:34 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


#102 [七瀬]
 
「奏と?
…ふーん、そっか。」


『うん。


ってか奏君ゆうたやろ!

私が“一度も男と付き合ったことない”って!!』


「うん、悪ぃ。」

そう言いながらも、
悪びれる様子のない遊希。 
 

⏰:09/03/19 21:39 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


#103 [七瀬]
『ほんまに反省してる!?
もう変なこと、ゆわんといてや!』


「…ん。」

遊希は元気なく去っていった。


なんなん、あれ。

あんなに落ち込まんでもええやん。

私…、
そんなキツい言い方した? 
 

⏰:09/03/19 21:53 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


#104 [七瀬]
 
 
ドンドンドンドン…

太鼓の音が段々、大きくなってきている。


祭の盛り上がりが最高潮になってきた。

金魚すくいに夢中の人たちも手を止めて見ている。


こんなん何がええんやろ。うるさいだけやん。

私は冷めた目で通り過ぎてゆくお神輿を見ている。

⏰:09/03/19 22:00 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


#105 [七瀬]
 
太鼓の音も次第に小さくなっていき、完全に消えた。



そして人々が、また金魚たちに目を戻した頃……





ヒューッ ドン!!
 
 
花火が上がる。
 

⏰:09/03/19 22:04 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


#106 [七瀬]
 
 
人々の目は空に向かう。



歩いていたカップルも
“わあ、キレイだね”
とか言いながら立ち止まる。

私のキライなガキ共も、キャッキャゆうて騒いでる。


これも毎年のこと。
 
 

⏰:09/03/19 22:08 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


#107 [七瀬]
 
 
毎年のことなのに、



私の心臓は慣れてくれない。


ドクドクうるさい。


あの人も見てるんかな?

これも毎年、思うこと。


見てるわけないのに。
 

⏰:09/03/19 22:11 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


#108 [七瀬]
 
 
 
花火が終わっても、
まだまだ人は、ようさん歩いてる。


「よーし、勝負しよーや。」

若い男たちが金魚すくいに群がる。


これも毎年のこと。

これにはさすがに慣れたけど。

⏰:09/03/19 22:16 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


#109 [七瀬]
 
 
 
毎年毎年、そんなこんなで天神祭を終える。



「まーつり。」

今度は奏君が一緒に潰しに来てくれた。


ドキドキする。

だって

昔、よくあの人も潰しに来てくれたから。

⏰:09/03/19 22:20 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


#110 [七瀬]
 
 
 
金魚も潰し終え、トラックがやってくる。

今日は天神祭は最終日やから、トラックに積み込みをする。



私は女の子やし、
これはさすがにやらない。


遊希、奏君、後の若いバイトの男の子たちが
軍手をはめて、どんどん積み込んでゆく。

⏰:09/03/19 22:24 📱:N703iD 🆔:DKWoRP7w


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