夏祭り、恋花火
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#131 [七瀬]
後ろから手が伸びてきて、お目当てのもんを奪われる。
「まつりはほんまに、これ好きやなあ。」
後ろを振り向くと奏君。
『奏君、なんでそれ取んのよ!
いっつも、甘いパンは食べへんやんか。』
「たまにはええかな、思て。」
:09/03/20 08:29 :N703iD :bKNl0Pwo
#132 [七瀬]
その言葉に子供みたいに膨れる。
「ブッ、ハハハ。
ほんままつりは面白いわ。
嘘やって!嘘嘘!!
まつりが食べるやろなあ
思て、カゴ入れてん。」
そう笑う奏君に、
三日前のことを思い出し、恥ずかしくなる。
『…ありがと。』
:09/03/20 08:34 :N703iD :bKNl0Pwo
#133 [七瀬]
「どういたしまして。
ってゆうか、まつりさあ。もしかして思い出した?
三日前のこと。」
そう耳元でささやく。
『な、なんのこと!?』
真っ赤にしながら聞く。
「分かってるくせに。」
:09/03/20 08:38 :N703iD :bKNl0Pwo
#134 [七瀬]
意地悪く笑う奏君。
「もうそろそろ行こか。
二人の秘密がバレてしまう前に。」
車に牛乳、ハチミツを積み込んだ。
車が再出発する。
私のドキドキは先ほどよりも増していた。
:09/03/20 08:42 :N703iD :bKNl0Pwo
#135 [七瀬]
業務用スーパーから出発して40分近くが経った。
車内では欠伸が響く。
そりゃ、そうなるわな。
向こうに着くには2時間ほどかかる。
11時過ぎには着く予定やし、業務用スーパーにも寄る予定やったから、かなりの早起きをしなアカン。
もちろん、
その中には私の欠伸も率先して入っている。
:09/03/20 08:55 :N703iD :bKNl0Pwo
#136 [七瀬]
前を見ると、奏君も寝てるみたい。
ああ、もう無理や。
私も仮眠しよ。
そう首を少し傾けて目を閉じる。
その時、
ピリリリリリ…
携帯が鳴る。
:09/03/20 09:00 :N703iD :bKNl0Pwo
#137 [七瀬]
メール?
こんな時に誰やねん。
少しイラッとする。
宛先は……
遊希?
なんなんよ、ほんまに…。
横におる遊希に目をやると視線が合う。
:09/03/20 09:04 :N703iD :bKNl0Pwo
#138 [七瀬]
“はよ開けてみい”
と催促するような目。
仕方なく、遊希に見せ付けるように携帯を開く。
するとそこには
「奏と付き合ってんの?」
の一文。
私は目を見開き、遊希を見る。
遊希の瞳には強い光が宿っている。
:09/03/20 09:08 :N703iD :bKNl0Pwo
#139 [七瀬]
なっ、なんで!?
なんで遊希が
そんなこと聞くんよ!
頭が混乱する。
すると、
ピリリリリリ…
私は急いでメールを開く。
そのメールには
:09/03/20 09:35 :N703iD :bKNl0Pwo
#140 [七瀬]
「天神祭でキスしてたやろ。
しかも、さっきもイチャついてたし。」
み、見られてた…。
なんて
答えたらええんやろ。
だって私にも分かれへん。
私らは付き合ってんの?
なあ、奏君…。
:09/03/20 09:39 :N703iD :bKNl0Pwo
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