夏祭り、恋花火
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#385 [七瀬]
「ちょっと、まつり。
これ、金魚に持っていって。」
お母さんが、最悪な仕事を持って来て、自分の店に帰っていった。
金魚…
麻友ちゃん。
「俺が持って行くわ。」
遊希は、なにかを察して
気を使ってくれた。
:09/03/30 11:55 :N703iD :gYBu1X56
#386 [七瀬]
『ううん…遊希は粉練らなあかんし、私が行くわ。』
遊希にいつまでも迷惑かけたらあかん。
もう一度、
傘を広げ、金魚へと足を運ばせた。
パシャパシャパシャ
歩くたびに、水溜まりが足に跳ねて、冷たい。
金魚の約10メートル前で
立ち止まる。
:09/03/30 11:59 :N703iD :gYBu1X56
#387 [七瀬]
麻友ちゃんと奏が
キスしてた。
まるで、あの日みたい。
たくさんの金魚たちに見守られて…
そう、2年前の天神祭。
:09/03/30 12:02 :N703iD :gYBu1X56
#388 [七瀬]
ボォーっと、2人を眺めていると、
麻友ちゃんが私に思えてきた。
私と奏が、そこにいるように錯覚してきた。
早く、こっから立ち去らないと…
身体の危険信号が黄色になっていた。
:09/03/30 12:05 :N703iD :gYBu1X56
#389 [七瀬]
奏と目が合う。
時間が止まったみたい。
奏と麻友ちゃんは向かい合っていて、
私には麻友ちゃんの背中と、奏の大きく見開かれた目しか見えない。
危険信号はすでに、赤に変わっているはずなのに
なぜか客観的に見てる自分がいた。
:09/04/01 11:11 :N703iD :VvI5HsyM
#390 [七瀬]
人生初の浮気現場を目撃して…
これから
人生初の修羅場?
なーんてアホなことを考えてると
奏は麻友ちゃんから離れ、金魚からも、遠ざかっていった。
麻友ちゃんの見たことない幸せそうな横顔が小さく見えた。
:09/04/01 11:18 :N703iD :VvI5HsyM
#391 [七瀬]
ここで、つっ立ってっていてもアカンし…
麻友ちゃんへと歩いてゆく。
水の跳ねる足音でなのか、麻友ちゃんが私の存在に気付いた。
『これ…』
お母さんに頼まれてたものを渡す。
:09/04/01 11:22 :N703iD :VvI5HsyM
#392 [七瀬]
「ありがとぉ、まつり。」
昨日と同じ人物と思えない。
化粧の仕方
服装
そしてオーラ…
なにもかもが、
いつもの麻友ちゃん。
やっぱり昨日のことは夢やったんやろか…
それと、さっきのことも…
:09/04/01 11:25 :N703iD :VvI5HsyM
#393 [七瀬]
『じゃあ…』
「待って。」
どうやら、夢のままでは
終わってくれないみたい。
私の願いも虚しく、
現実に引き戻される。
「見た?」
と、たった一言。
低い声。
:09/04/01 11:29 :N703iD :VvI5HsyM
#394 [七瀬]
『見たよ。』
と、私も一言。
「そう。」
カステラへと体の向きを変える。
「…奏を私にちょうだい。」
:09/04/01 11:36 :N703iD :VvI5HsyM
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