夏祭り、恋花火
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#425 [七瀬]
女の子と、バイバイした後も列は続く。
遊希の汗も私の手も止まらない。
たくさんあったペットボトルも空に近づいてゆく。
3時間近く、この状況。
さすがに疲れた…
体力も限界に達する
その瞬間…
:09/04/02 09:54 :N703iD :opfWhb72
#426 [七瀬]
ヒュー、ドーン!!
花火が上がった。
人々の目が空へと向かう。
うそ…っ
今日は、中止なんじゃ…
「お!」
遊希も店から乗り出した。
:09/04/02 12:32 :N703iD :opfWhb72
#427 [七瀬]
「今年は天神祭に負けへんくらい、きれぇや。」
遊希のゆう通り、とても綺麗な花火だった。
今、思うと
この時から、
また私の花火は上がり始めていたのかもしれない。
以前よりも、激しさを増した恋花火が…
:09/04/02 12:37 :N703iD :opfWhb72
#428 [七瀬]
パチパチパチパチ…
最後の取りを飾った、大きな花火も散っていった。
花火が終わると、
客数はより一層、増えて
詰める作業が続いた。
「お疲れ。」
そして、祭が終わる頃に
やってくるのは
いつもの幸せな時間。
:09/04/02 21:56 :N703iD :opfWhb72
#429 [七瀬]
『お疲れ〜…フフ。』
「なに笑ってんねん。
薄気味悪い。」
『いや〜、遊希はええパパになるなあ思て。』
「なんやそれ。」
缶ジュースをクイッと飲みながら遊希は言った。
:09/04/02 21:59 :N703iD :opfWhb72
#430 [七瀬]
『だって、さっきの女の子、めっちゃ遊希に懐いてたもん。
どっちがお父さんか分からんかったわ。』
「俺、そんな老けてる?」
『老けてる。』
そんな冗談を言い合う。
こういう、ほのぼのしたのっていいな。
:09/04/02 22:03 :N703iD :opfWhb72
#431 [七瀬]
「初めてあの子が来たの時は、3年前でなあ…」
楽しそうに話す遊希に耳を傾ける。
「最初は、あのお父さんに肩車されて、買いに来てくれてん。
めっちゃ小さくって…
まあ、今もちっちゃいけどな。
でも一応、小学1年やねんで。
幼稚園児みたいやろ。」
:09/04/02 22:08 :N703iD :opfWhb72
#432 [七瀬]
ほんとお父さんみたい。
「で、それから毎年、買いに来てくれんねん。
今年はおっきなってて、ビックリしたわ。
子供の成長って、ほんま早いなあ。」
しみじみする遊希。
「…でなあ、
将来の夢が俺と結婚することやねんて〜!
毎年ゆうてくれんねん。」
:09/04/02 22:12 :N703iD :opfWhb72
#433 [七瀬]
『ふーん…』
あまりに楽しそうにゆうから、少し嫉妬してしまう。
相手は小学生なのに、
バカみたい。
それに…
「なんや、まつり。
ブスッとして……
もしかしてヤキモチ焼いてんのか。」
そう私を茶化す遊希。
:09/04/02 22:16 :N703iD :opfWhb72
#434 [七瀬]
「なんてな〜冗談…」
『…焼いてるよ。』
上目遣いに見た遊希は、
あっけらかんとしている。
「アカンで、まつり。」
:09/04/02 22:19 :N703iD :opfWhb72
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