夏祭り、恋花火
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#465 [七瀬]
 
そう自分に言い聞かせる。



「約束。」

そう言って、小指を絡める。

少し心が軽くなった。


『指きりげんまん。
嘘ついたら、針千本飲ーますっ!!』
 

久しぶりに笑った。

⏰:09/04/03 15:05 📱:N703iD 🆔:aggujxUQ


#466 [七瀬]
 
『ゆーび、切った!!』

二人の声が重なって、
唇も重なる。





でも、
この“約束”は、すぐに壊れてしまうことになる。


それも私のせいで。


奏、ほんまごめん。
 

⏰:09/04/05 00:27 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#467 [七瀬]
 
 
 
あれから、順調に交際は続いた。


『今から行っていいー?』

「ええよ。
おいで、まつり。」

電話越しに聞こえる、
奏の声に安心する。


『うん。
今から駅向かうわ。
コンビニ寄るけど、なんかいるー?』

⏰:09/04/05 00:33 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#468 [七瀬]
 
「うーん、そぉやなあ。」

少し間が開いて、
また奏の声が聞こえる。


「ビールと、

そやな…なんかエクレアとかシュークリームとか、
甘いやつ、お願い!!」


『え?
奏…甘いのん、食べへんやん。』


奏は、甘いもんが苦手。

⏰:09/04/05 00:37 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#469 [七瀬]
 
特に、生クリームが
ダメらしい。


「うん、俺が食べるんじゃなくって遊希が…
ほらアイツ、めっちゃ甘党やん?
それに酒飲まれへんし。」

『え、遊希おんの?』

「うん。今、俺の隣に。」


『ふーん、わかった。
とりあえず買って行くわ。』

⏰:09/04/05 00:41 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#470 [七瀬]
 
遊希に会うのは久しぶり。


大学の夏休みが終わる、
3日前の祭で会った以来。

ってゆうか、
遊希とは祭以外では会うことはない。

退院した後に遊希が急に私の家に来た、
あの日以外には会ったことない。


長いこと、遊希とおるけどプライベートなことは
あまりわからない。

⏰:09/04/05 00:47 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#471 [七瀬]
 
でも、仕方ない。


前にもゆうたけど、
“神野商会”とはそうゆうとこ。

ただの仕事仲間でしかない。
相手のことに、一々干渉しない。

お互いなにも知らんでいい。


“祭”とは、そうゆうとこ。

⏰:09/04/05 00:51 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#472 [七瀬]
 
それが暗黙の了解であり、掟。


そう思うと、昔の私は掟、破り過ぎやろ。笑

プライベートも、なにもなく質問攻めやったもん。



でも大きくなるに連れ、
そうゆうことが分かってくる。

自然と、体に染み付いてくる。
 

⏰:09/04/05 00:55 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#473 [七瀬]
 
 
 
そして、


そのたびに





遊希が遠くなってゆく
気がして
ひしひしと胸を締め付けた。
 
 
 

⏰:09/04/05 00:57 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


#474 [七瀬]
 
 
ピンポーン


「開いてるー。」

中からそう声が聞こえたから、ドアを開けた。


「まつり、ありがとう。
重かったやろ?」

奏がビニール袋を持ってくれたその時


「おう。」
 

⏰:09/04/05 01:00 📱:N703iD 🆔:6MvmfN.s


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