夏祭り、恋花火
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#505 [七瀬]
『ううん、
じゃ、またね』
奏の家を後にした。
外の空気が清々しい。
ああ…そうか。
:09/04/11 10:21 :N703iD :EJWDtS.g
#506 [七瀬]
私、
酒から解放されたいんやなくって、
奏から解放されたかったんや…
:09/04/11 10:23 :N703iD :EJWDtS.g
#507 [七瀬]
『ただいま。』
「おかえりー。」
家へ入った瞬間、
目を見開く。
その訳は
声の主がお母さんじゃなかったから。
「まつり、久しぶり。」
『麻友ちゃん…』
:09/04/11 11:13 :N703iD :EJWDtS.g
#508 [七瀬]
「朝帰り?
奏と上手くやってるみたいやな。」
『…どうしたの?
私になにか用?』
「そんなこと言いなやぁ。せっかく来てくれたんやから。
ね、麻友。」
台所からお母さんが出てきた。
「おばさん。
いいんですよー。」
:09/04/11 11:17 :N703iD :EJWDtS.g
#509 [七瀬]
私は無言で部屋へ戻った。
「ごめんな、麻友。
あの子、なにをあんなに
つんけんしてんのか…」
「いいんですよ。
ほんまにいいんです。
ほんまに…ね。」
:09/04/11 11:20 :N703iD :EJWDtS.g
#510 [七瀬]
なに考えてんの?
麻友ちゃん…
机の上で、ノートを開くものの頭に入らない。
なんだか、
今日はついてないかも。
夕方になって
私のイライラはもっと増すことになる。
:09/04/11 11:25 :N703iD :EJWDtS.g
#511 [七瀬]
もう夕飯かな。
時計は6時を指していた。
『お母さん、
今日はご飯な…に』
って!
まだ麻友ちゃんいるの!?
「ああ、
今日は私が作ってん。
はよ座って食べ。」
:09/04/11 13:34 :N703iD :EJWDtS.g
#512 [七瀬]
ニコニコ笑う麻友ちゃん。
「今日はまつりの好きなハンバーグやで。」
その笑顔に食欲を一気になくす。
「麻友は、ほんますごいなあ。
料理出来て、
気もよく利くし…
ええ嫁さんになるわ。」
お母さんは口をモグモグと動かしながら絶賛している。
:09/04/11 13:37 :N703iD :EJWDtS.g
#513 [七瀬]
その、“ええ嫁さん”は
従姉妹の彼氏と浮気してたんです。
そうキッチンに立っている“ええ嫁さん”を見た。
「ほーんま誰かさんとは
大違いや。」
そうやって、お母さんが私を横目で見たのは言うまでもない。
食欲はすっかり無くなったはずなのに、肉の良い匂いが鼻を刺激して、またお腹がグーグー鳴りだした。
:09/04/11 13:43 :N703iD :EJWDtS.g
#514 [七瀬]
「はよ食べぇや。」
変なプライドが邪魔してたけど、食欲には適わず…
お母さんにも促され、イスに座った。
見た目は完璧なハンバーグを口に含んだ。
まっ…負けた。
悔しいけど……美味しい。
味も完璧だった。
:09/04/11 13:47 :N703iD :EJWDtS.g
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