黒猫の棲むところU
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#51 [イリア]
猫「?」
七「…ごめんね、
一本だけちょうだいね」
ブチッ
目的のものを掴むと、
私は立ち上がった。
:09/04/02 00:05 :W61P :☆☆☆
#52 [イリア]
猫「おい、何して……」
七「はい!」
私はそう言うと
一本の花を猫さんに渡す。
:09/04/02 00:05 :W61P :☆☆☆
#53 [イリア]
猫「……何、これ?」
七「何って、花ですよ。
綺麗でしょう?
…雨だし、舞台初日だし、
緊張してるかなって。
私、花スキなんです。
見てるだけで和みません?」
:09/04/02 00:06 :W61P :☆☆☆
#54 [イリア]
猫さんは不思議そうに
私の渡した花を
クルクル回している。
猫「………」
七「………あのぉ―…
もしかして、花お嫌いですか?」
:09/04/02 00:06 :W61P :☆☆☆
#55 [イリア]
猫「―…舞台前にファンの奴らから
花を貰うことはあるけど、
…目の前で抜かれて渡されたのは
初めてだな。しかも土つきで。」
七「…………あ」
:09/04/02 00:07 :W61P :☆☆☆
#56 [イリア]
言われてみれば。
いま私の目の前にいるのは
劇団のトップスターな訳で。
花なんか、たくさん貰える訳で。
:09/04/02 00:07 :W61P :☆☆☆
#57 [イリア]
私のあげた花とか安っぽいですかー
安っぽいどころか0円ですけど。
少し恥ずかしくなる。
喜んで貰えると思ったのにな。
:09/04/02 00:08 :W61P :☆☆☆
#58 [イリア]
七「…そーですよね!
猫さんそういえば
花形俳優ですもんね!
ラッピングしてない花なんて貰っても
仕方ないですよねー!!」
猫「そういえばって、オイ」
:09/04/02 00:09 :W61P :☆☆☆
#59 [イリア]
七「何か余計なことして
すいませんでしたねー//
返してもらえます?
もういいですよ
狼さんにあげてきます。
狼さん優しいし
きっと貰ってくれ―…」
そこまで言ったとき、
猫さんは眉間に皺を寄せながら
花を自分のポケットにしまった。
:09/04/02 00:34 :W61P :☆☆☆
#60 [イリア]
七「?」
猫「いらないとまで言ってないだろ
だいたい狼は花が嫌いなんだ。
いくらあんたからでもさ、
絶対受け取らないね。
可哀想だから、俺が貰っといてあげる」
そう言ってヒラリと手を振ると、
猫さんはどこかに歩き出した。
:09/04/02 00:34 :W61P :☆☆☆
#61 [イリア]
貰ってくれた…
何だかんだ言っても
優しいよね猫さん。
でも
狐「一言多いよねーネコくん。」
七「そうそう一言多い…
…って、狐さん??!!」
いつの間にか横に立っていた狐さんに
驚いて声をあげる。
:09/04/02 00:34 :W61P :☆☆☆
#62 [イリア]
狐「どうせ貰うなら、
黙って受け取ればいいのにー!!
ネコくん本当、素直じゃないよね」
七「……はぁ……」
:09/04/02 00:35 :W61P :☆☆☆
#63 [イリア]
狐「七衣ちゃんがこぉんなに、
ネコくんのこと好きで
心配してるのにねぇ?」
七「……はぁ……って、え?//
いや!//違いますから//
何言ってんですか!!///
雨だし体調の心配はしてるけど
好きとか…そんなんじゃ…//」
:09/04/02 00:35 :W61P :☆☆☆
#64 [イリア]
狐「照れなくていいのにぃ☆
七衣ちゃんさ、昨日森で
ネコくんに『俺が守る』って
言われてたとき、
顔真っ赤っかだったんだよ?
そんとき僕さー
あーこの二人もしや?って
思った訳だよ!!
いゃあ若いっていいねー☆☆」
七「…わ、私の気持ちは置いといても
釣り合ってませんしね!!///
分かってますから!!//」
:09/04/02 00:38 :W61P :☆☆☆
#65 [イリア]
狐「七衣ちゃん、恋愛の
天秤(テンビン)には、
気持ちしか乗せられないよ♪
確かにネコくん顔はいいけど、
そんなの関係なっしんぐ♪
……それに僕、ネコくんも
まんざらでもない気がするなぁ。
そりゃ、色々あるだろうけど。」
七「……?どういう意味ですか?」
:09/04/02 00:38 :W61P :☆☆☆
#66 [イリア]
狐「うん?例えば昨日、
君がロウくんつれて走ってった後、
あきらかにファンに対する
ネコくんの態度変わってたし。
――…それにロウくん、
花って確か好きだったし」
:09/04/02 00:39 :W61P :☆☆☆
#67 [イリア]
七「――……?狼さんが花好き?
でも猫さんは嫌いって……ん?
どういう意味ですか?」
狐さんは一瞬驚いた顔をし、
すぐにニヤッと笑った。
:09/04/02 00:39 :W61P :☆☆☆
#68 [イリア]
狐「さぁ?どういうことだろう?
あー本当若いっていいな!!
僕もまだまだ若いけど!!
…時に七衣ちゃん。
本題なんだけど、お使い頼んでいい?」
七「お使い?」
:09/04/02 00:40 :W61P :☆☆☆
#69 [イリア]
狐「そうそう、舞台が終わったら
少しだけサイン会があるんだけど、
サインペン切れてるの忘れててさぁ〜
大道具の人たちも雨でダウンしてるし
良かったら……」
七「行きますよ!!
私、雨とか全然平気なんで!!」
初めての仕事だ!!
:09/04/02 00:40 :W61P :☆☆☆
#70 [イリア]
狐「クス、そう?有難う。
はいじゃあこれ、お金と地図ね。
僕らはこのまま講演場所に向かうから
買えたら直接あっちに行って。
気をつけてね」
七「はい!!じゃあ行ってきます!!」
:09/04/02 00:41 :W61P :☆☆☆
#71 [イリア]
:09/04/02 00:43 :W61P :☆☆☆
#72 [由姫]
アゲヾ(´ω`=´ω`)ノアゲ
:09/04/02 05:14 :D902iS :☆☆☆
#73 [乃愛]
待ってました
(笑)あげます
:09/04/02 11:36 :F01A :☆☆☆
#74 [鼻]
こっちにレス失礼m(__)m
見ずらくならない様に書き終わったら感想板のURL貼ってくれてるのに、こっちに感想を書くのはどうかと思います。
読んでるのは貴方達だけじゃないんだから、マナーを守って下さい。
:09/04/02 13:23 :W53S :☆☆☆
#75 [かな]
書かないんですか
?
:09/04/03 22:11 :D903i :☆☆☆
#76 [イリア]
>>72由姫様
>>73乃愛様
>>74鼻様
>>75かな様
あげて頂き有難うございます(;_;)
鼻様、本当に貴重な意見
嬉しいです(´;д;`)
あげて頂けるのは
涙が出るくらい嬉しいのですが(←)
感想は見にくいという方もいるので
もし良ければ感想板に
遊びにきて下さいね(^∀^)☆
:09/04/03 22:27 :W61P :☆☆☆
#77 [イリア]
あと更新ペース悪くて
ほんまにごめをなさい。
最近何かと忙しくて(;_;)
春休みの課題が(;_;)(;_;)←
当分このペースかもですが、
必ず最後まで書きます!!!!
イライラするかもしれませんが
気長にお付き合い下さると
有り難いです(´;ω;`)
勝手ばかりですいません(´`)
コメ有難うございました!
:09/04/03 22:27 :W61P :☆☆☆
#78 [イリア]
:09/04/04 01:11 :W61P :☆☆☆
#79 [イリア]
:09/04/04 01:11 :W61P :☆☆☆
#80 [イリア]
傘を片手に、地図の通りに歩く。
坂道を駆け上ると、街が見えた。
七「うわー…
こんな近くに街があったんだ…
なら、何でわざわざ
森にテントなんか建てるんだろ?」
:09/04/04 01:12 :W61P :☆☆☆
#81 [イリア]
ファンの追っかけが、
鬱陶(ウットウ)しいから。
猫さんにそう聞くのは、
まぁもう少し先の話。
:09/04/04 01:13 :W61P :☆☆☆
#82 [イリア]
地図通りに歩く。
雨は心なしか、大分ましになってきた。
七「良かったー!!
だいぶ小雨になってきた…っていうか
昨日も今日も、よく雨降るよね…ん?」
:09/04/04 01:13 :W61P :☆☆☆
#83 [イリア]
独り言を言いながら考える。
そういえば私、雨原一族だっけ?
狐さんが言うには、
確かこの一族の人たちは
雨に関する何らかの力を持ってて…
雨を呼んだりできるから、
妖や半妖たちは雨原一族を嫌ってる。
それで私は、雨原一族…
:09/04/04 01:14 :W61P :☆☆☆
#84 [イリア]
……もしかしてこの雨って私のせい?
いやいや、でも何も覚えてないし。
そもそも私が本当に雨原一族なのかも
私からしたらよく分かんないし。
:09/04/04 01:14 :W61P :☆☆☆
#85 [イリア]
:09/04/04 01:15 :W61P :☆☆☆
#86 [イリア]
…私は何で、
劇団に入れてもらえたんだろ。
私が本当に雨原一族なら、
そこに帰ったほうがいいのかな?
それに、どうして妖と半妖は
仲が悪いんだろ。
――……あの、夢の中の私は何だろう。
:09/04/04 01:15 :W61P :☆☆☆
#87 [イリア]
深い闇と、甘い血の香り。
そんな中で幼い私は、
確かに微笑んでいた。
隣にいた男の子は誰だろう…
小さい手を繋いで、
楽しそうにあの唄を歌っていた。
:09/04/04 01:17 :W61P :☆☆☆
#88 [イリア]
――……僕は君を、守りたい。
男の子の声が頭に響く。
顔はぼやけていて思い出せない。
:09/04/04 01:17 :W61P :☆☆☆
#89 [イリア]
夢と現実は繋がってる―……
猫さんの言った通りなら、
夢の中の男の子は
今どこにいるんだろう?
まぁ守ってくれるったって…
:09/04/04 01:17 :W61P :☆☆☆
#90 [イリア]
――……俺が、守る。
初めて逢ったとき、
初めて助けて貰ったとき、
森の中で、猫さんに言われた。
七「……私は、猫さんに
守ってもらうんだけどね」
:09/04/04 01:18 :W61P :☆☆☆
#91 [イリア]
カァ―――――………////
言った途端、恥ずかしくなる。
:09/04/04 01:19 :W61P :☆☆☆
#92 [イリア]
七「いや別に!!
守ってもらわなくても
大丈夫ですケド!!///
いやさ、妖たち来たら
流石にやばいけど…
守ってもらうほど、
弱くないもんね私!!!!////」
:09/04/04 01:19 :W61P :☆☆☆
#93 [イリア]
次々に疑問が生まれ、不安になる。
考えても仕方ないことだと
分かってても、考えてしまう。
:09/04/04 01:19 :W61P :☆☆☆
#94 [イリア]
だけど最後にはいつも
猫さんの声が頭に響く。
猫さんの声は優しくて、安心する。
:09/04/04 01:20 :W61P :☆☆☆
#95 [イリア]
そんなことを考えてる間に、
狐さんに貰った地図の場所まで来た。
ここでペンだけ買って…
早く私もホールに行きたい。
猫さんや狼さん、
麗さんの演技がみたい。
:09/04/04 01:21 :W61P :☆☆☆
#96 [イリア]
―…っていうか、
麗さん体調大丈夫かな…
…うん、舞台始まる前に
もう一回話しかけたい。
急いで行こう!
:09/04/04 01:21 :W61P :☆☆☆
#97 [イリア]
七「……すいませーん!!
サインペンってどこですか?!」
店員「サインペン?
あーお嬢ちゃんもアレかい?
この街に一週間くらいいるっていう
何ちゃら劇団のファンかい?」
:09/04/04 01:21 :W61P :☆☆☆
#98 [イリア]
七「…あ…ま、まぁそんなとこです」
店「はいよ、何本だい?
でもサイン会なら
あっちがペンくらい持ってるだろうに。
みんな舞い上がっちゃってさ〜
まぁ私も見に行くけどね、
明日の午後の部。
お嬢ちゃんはいつ行くんだい?」
:09/04/04 01:22 :W61P :☆☆☆
#99 [イリア]
七「あ、え?私は…「辞めてよ!!」」
え…?
返事をしようとしたとき、
店の外から誰かの声がした。
:09/04/04 01:23 :W61P :☆☆☆
#100 [イリア]
「離してって言ってるでしょ!!
時間がないのよ!!早く離して!!!!!」
この声――…………
:09/04/04 01:23 :W61P :☆☆☆
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