漆黒の夜に君と。U[BL]
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#215 [ちか]
「じゃあ俺と恭は買い出し行ってくるから、冥ちゃんは留守番しときぃ。」

「僕も留守番が‥「んじゃあ、行ってきまーす♪」


そうして玄関の扉はバタンと音をたてた。


「恭弥もめぐさんも居ないし暇だなぁ。」

そう思いながらまだ痛む腰を少しさすった。

⏰:09/07/18 10:25 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#216 [ちか]
だだっ広いリビング。

さすがに一人で居るには寂しい。


「…凌さんどこかな?」


そう呟いて俺の足は自然と昨日の庭へ向かっていた。

――――――――――――――――――――――――

⏰:09/07/18 15:09 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#217 [ちか]
― めぐるside.―

「「「 あ。 」」」

玄関を出てすぐ俺達はバッタリ出会ってしまった。


(コイツ、あからさまに嫌な顔しやがって‥‥)

俺は思いっきり凌を睨んだ
その碧色の瞳に俺の姿なんて映ってないと言うのに。

「どこ行くの?」

「ん?ちょっと買い出しにね。」

⏰:09/07/18 20:00 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#218 [ちか]
「買い出し?」

首をかしげながら凌はそう言った。

「バーベキューすんねん!!!バーベキュー!!お前はココで留守番しとけ。」

自分で言うのもなんやけど、かなりの憎たらしい口調。

案の定、凌はムッとした顔を家の中へ入っていった。

⏰:09/07/18 21:01 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#219 [ちか]
「なんやねん、あの目!!
ほんっっまムカつくわ!!!」

吐き捨てるようにそう言って俺はスタスタと歩いていく。

「ちょっ、車は?!?!」

後ろからそう叫ぶ恭の声がする。

あ゙ーっ!!!!
イライラする!!!!


「買い出しっちゅーもんはなぁ!!!歩いてするもんなんじゃ!!!」

※完璧な八つ当たり(笑)

⏰:09/07/18 21:44 📱:P906i 🆔:ohQY5GhA


#220 [ちか]
恭弥もこれには呆れた様子で、でも隣に並んできた。

やけど、なんせこの雰囲気の悪さ。
いや、俺が悪くしたんやけど!!
俺は自業自得のこの沈黙を破れずにいた。


照りつける真夏の太陽が、俺の額を湿らせる。

(この空気どないしよ‥)

考えれば考えるほど解決案が見つからず、汗がタラリと首筋を伝った。その時。

「あのさ、」

沈黙を破る乾いた声。

⏰:09/07/19 08:46 📱:P906i 🆔:4c/3kdjU


#221 [ちか]
声のする方へ顔を向けると、夏とは無関係のような真っ白な肌が目に映った。


「なに。」

応答は自分でも驚くほど静かで短いものやった。

セミの声が辺り一面を五月蝿くするが、俺達の間だけはやけに静かな気がする。


「めぐ、凌のこと
     好きでしょ?」

⏰:09/07/19 08:56 📱:P906i 🆔:4c/3kdjU


#222 [ちか]
一瞬、この世の何もかもが止まった気がした。

それくらい衝撃的だった。


「…は、はぁ?!何言ってんねん!!お前俺のどこ見てそんなん言って‥‥、」


何故か心臓が早く脈を打った。
何故自分が焦っているのか分からない。
解らない…。

⏰:09/07/19 09:04 📱:P906i 🆔:4c/3kdjU


#223 [ちか]
「どこを見てって言うか‥‥、なんとなくだけど。」

「は…はは、なんやそれ。変なこと言うなよ。」

なんで俺、こんなひきつってるんや?
こんなんいつもの俺やったら、笑い飛ばすなりキレるなりするはずやのに‥‥


でも、今俺の中はどっちでもない。
なんなんやろ、この感覚…

⏰:09/07/19 14:11 📱:P906i 🆔:4c/3kdjU


#224 [ちか]
「じゃあ、めぐは凌の何が嫌いなの?」

その問いかけの口調は、嫌味や悪気などは全くなくただ素朴だった。

「そ、そりゃ…俺を馬鹿にしてるようなあの目とか‥」

「凌の目付きはもともと悪いよ?」

「あの憎たらしい口調とか…」

「いつも先に喧嘩吹っ掛けるのはめぐでしょ。」

「俺を見下ろす態度‥、」

「めぐの方が身長低いんだから仕方ないよ。」

「‥‥‥‥‥‥。」

⏰:09/07/19 14:29 📱:P906i 🆔:4c/3kdjU


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