こいごころ
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#266 [向日葵]
確か、今日は積もるんだとか。
雪合戦を宗助としたいな。
くそ親父の事を思い出すようで嫌だけど、宗助はクリスマスどうするんだろう。

一緒に過ごしてと言えば、一緒にいてくれるかな?

考えれば考えるほど、妄想が膨らんでいく。

今日訊いてみよう。

―――――――――…………

「え?覚えてないの?クリスマスの日って、確か試合があって、皆嘆いてたじゃん」

茉里は思わずムンクの叫びのように頬に手を当てて驚く。

⏰:09/07/08 04:59 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#267 [向日葵]
「わ……忘れてた……っ」

教室に来た宗助を、鞄を置く隙すら与えず、廊下に引っ張り出した茉里は、宗助にクリスマスの予定を訊いたとこだった。

しかし、その日は隣の市で開催される小さな大会に行くことになっていたのを、ついさっき、宗助に言われるまで忘れてたいた。

「しっかり、マネージャー……」

「そういえば、去年もあったっけ……」

「去年はクリスマスからは外れてたからな。今年は見事に」

⏰:09/07/08 05:00 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#268 [向日葵]
「当たっちゃったのね……」

宗助の続きを、茉里が繋げる。
茉里は心底がっかりする。

その様子を見て、宗助は眉を寄せる。

「そんなに何か楽しみにしてたのか?また部の皆でパーティーとか?」

「ちっがーう!私は宗助と過ごしたかったのっ!」

朝の廊下に高らかと茉里の声が反響する。
2回目くらいの自分の声のエコーに気づいた茉里は、ハッとして急いで口を手で塞ぐ。

廊下はひんやりとしているけれど、茉里の顔はどんどん熱くなっていく。

⏰:09/07/08 05:00 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#269 [向日葵]
その姿に、宗助は腕組みしながら、恥ずかしさを通り越して半ば呆れていた。

「毎日のように好きだなんだかんだ言ってたくせに、今更恥ずかしがっても意味ないだろ?」

「そ、それはそれ、これはこれな訳で……。わ、わ、私だって、恥ずかしがる事ぐらい……」

「勝手だな」

そう言っておかしそうに宗助は笑う。

「いいじゃん。結局は一緒にいるようなもんなんだから」

⏰:09/07/08 05:00 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#270 [向日葵]
その言葉に少し驚き、茉里はジッと宗助を見る。

「……宗助も、私と一緒にいたかったの?」

「違うっつーの」

頭をくしゃりと撫でられる。
宗助はそのまま教室に入っていってしまった。

その姿を、茉里はぼうっと見る。

こんな、温かいやりとり、初めてかもしれない。

撫でられた頭に、そっと触れる。胸がジンと、温かくなる気がした。

「なにあれ……」

⏰:09/07/08 05:01 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#271 [向日葵]
後ろから突然ミュシャが現れた。
その顔は、今にも口から砂を吐きそうな、うんざりした顔だった。

「なにが?」

「アイツはホントどういうつもり?私ははっきりしない男って嫌なんだけど」

その言葉に、茉里は苦笑するしかなかった。

少しでも、宗助の中の先輩に対する気持ちが、自分に向いてると嬉しい。
多分向いてくれてると信じているのは、自惚れじゃないと思うから、茉里は待つつもりだ。

⏰:09/07/08 05:01 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#272 [向日葵]
好きと言ってくれる、その日まで。

――――――――――…………

冬になったら、下校時間が早まるのと、気温のお陰で、お茶用ヤカンが1つに減ってくれるのが嬉しい。

「今日は試合練習?」

宗助に訊ねる。

「まだ決めてない。6時間目がホームルームだから、早く済む奴が多いだろうし、大体の人数が集まってから決める」

最近の宗助は、一段とキャプテンらしくなって、なんだか頼もしい。

⏰:09/07/08 05:01 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#273 [向日葵]
もともとしっかりはしていたし、誰しもが認めるキャプテンだとは思ってたけれど、それに箔がついて、より格好よく見える。

「あ」

突然、宗助が声をあげる。

「どうかした?」

「加賀、面紐の予備ってあるか?」

「切れそう?」

宗助の面を見れば、確かに紐がいたんでいた。

「探すから、取って待ってて」

救急箱の中に入ってたはずと探してみれば、予想通りやっぱりあった。

⏰:09/07/08 05:02 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#274 [向日葵]
はさみと紐を持って、宗助の元へと行く。

「良かった。あったあった」

「ありがとう」

慣れた手つきで、面紐をつける。
いらない面紐をジッと見て、茉里が言った。

「これ、もらっちゃダメ?」

「は?」

「いいでしょ?どうせ捨てるなら」

捨てるものだから、尚更どうしてそんなものが欲しいのかと、宗助は首を傾げる。

そんな宗助を気にもせず、鞄に入れる。

⏰:09/07/08 05:02 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#275 [向日葵]
「なんかさ、宗助の頑張ってきた証のものを持っておけば、自分も強くなれる気がしてさ、お守りにしたいなって、思っちゃったの」

ふわりと茉里は微笑む。
その笑顔を、宗助はジッと見つめる。

ようやく宗助に見られていると気づいた茉里は、宗助の方を見ると、パチッと音がしたんじゃないかってくらいに宗助と目があった。

いつもとは違う宗助の雰囲気に、茉里の胸はどうしようもなくドキドキした。

だんだんと、宗助の顔が近づいて来るのは、見つめすぎてる為の錯覚?

⏰:09/07/08 05:02 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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