こいごころ
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#431 [向日葵]
恋愛なんて、少し距離があるだけで簡単に壊れちゃうんだから。

最近できた彼女だかなんだか知らないけど、あたしはアンタになんか負けない。

いや違う。
あたしは帰ってきたのよ。


宗助を、自分のものにするために。

⏰:10/01/21 03:44 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#432 [向日葵]
[12]そばに

「そーうーすーけー」

と呼んでいるのは、茉里ではない。
茉里は少し離れたとこれで、華名と遊びながら、2人の様子を見ている。

「ゲームしよゲーム!」

「お前強いから嫌」

「なによー、いいじゃん!」

そう言って、宗助の腕に絡みながら、引っ張っていく栞。
そんな彼女と、ふいに茉里は目が合った。

⏰:10/01/21 03:44 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#433 [向日葵]
にっこりと言ったふうに笑う彼女に、他意はないだろうと思いながらも嫌な気分が胸を覆うせいで、笑顔が引きつる。

あの子、なんなの……?

―――――――…………

新しい年を迎える前の日。
茉里は華名に誘われて宗助の家に来ていた。

華名からその前の日、泊まりに来ないかとメールがあったからだ。

茉里が大嫌いな父はずっと家にいるから、彼女には嬉しい誘いだった。

⏰:10/01/21 03:45 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#434 [向日葵]
しかし、仮にも恋人の家に泊まるのは反対されないかと心配になったが、あくまで友達である華名の家に行くので、「友達の家に泊まる」と告げた。
嘘ではない。

宗助がいつも降りる最寄り駅で華名と待ち合わせをし、初めて宗助の家を見た。

どこにでもある、普通の2階建ての家だ。

「おじゃまします」

「どうぞ」

⏰:10/01/21 03:45 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#435 [向日葵]
そう言ったのは、待っていたかのように玄関にいた女の子だった。
とても可愛らしい。
茉里を見ると、人懐っこい笑みを向ける。

「こんにちわ、茉里さん」

初めて会う人に戸惑い、誰なのかと華名に目で問い掛ける。

のんびり屋の華名が答える前に、その人物が答えた。

「あ、自己紹介が遅れました。あたしは田辺栞。華名や宗助とは昔からの幼なじみで、とーっても親しくさせてもらってます」

⏰:10/01/21 03:46 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#436 [向日葵]
“とーっても”の部分が強調されたのは気のせいだと思うことにする。

「で、来年の新学期から、1つ学年は下だけど、同じ高校に通うことになります」

ああそうなんだ、と納得する前に、階段から宗助が降りてきた。
「あ、アンタもう来てたんだ」

「あ、うん……」

華名が一緒とはいえ、好きな人と同じ場所で寝泊まりを共にするのは、やっぱりどこか照れてしまう。

⏰:10/01/21 03:46 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#437 [向日葵]
すると栞が宗助の頬を人差し指でつつく。

「彼女が来たのにそっけないなあ。ごめんなさい茉里さん、宗助って家族以外はあんまり素顔見せないから」

茉里はびくりと片眉を動かす。
少しひっかかったからだ。
なんでもないその言葉に、何故か棘を感じる。

わざわざそんな説明いるのだろうか。
それとも自分が気にしすぎているのか?

「もしかして、一緒の部屋で寝るの?」

「まさか。華名の部屋だよ」

⏰:10/02/07 01:13 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#438 [向日葵]
「あらそう。残念ね」

言いながら茉里を見る。

敵意を感じるのは、気のせい……?

――――――――…………

そんなことがあったのが約2時間前。

結局宗助は栞に付き合わされてゲームを開始した。

さっきからわざとらしいくらいに笑い声を上げている。

「茉里ちゃん、華名のお部屋に行きませんかあ?」

⏰:10/02/07 01:14 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#439 [向日葵]
「あ、いいね、行こっか」

じゃないと宗助の方ばかり気になってしまって、せっかくの華名との時間が無駄になってしまう。
それはいけない。

「ん?どこ行くの?」

宗助が問う。
口を開いた時、

「宗助ゲームオーバー!」

栞が声をあげる。
すると宗助も「え?!」と驚き、テレビの方を向いてしまった。

私よりゲームなわけ……?

少しムッとして、もう華名についていった。

「大丈夫だよお」

⏰:10/02/07 01:14 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#440 [向日葵]
華名が階段を昇りながら言う。

何が大丈夫なのかわからず、先に歩く華名を見る。

「栞ちゃんは兄弟がいないから、宗兄を本当のお兄ちゃんみたいに思ってて、とられたくないんだよお。だから華名みたいに家族じゃない異性はあんまり好きじゃないみたいー」

よほど茉里の顔に「ムカつく」と書いていたのだろう。
安心させるようにいってくれているのだと思えば、年下に気を遣われて、ちょっと情けないような、でも荒んだ心が癒されるような気がした。

こういう勘の鋭いとこというかなんというか、宗助に似てるよなー。

⏰:10/02/07 01:15 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


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