こいごころ
最新 最初 全 
#778 [向日葵]
「誰がそこまでしろっつってんのよ!!」
ムードのかけらもない宗助に、茉里はふうとため息をついた。
「もういいです……。はい」
ふらりとしながらドアノブに手をかけようとした時、目の前のドアに骨張った手が見えた。
行く手を阻むようにしたその手は宗助のもので、どうしたのかと振り向くと、宗助の顔が近くにあった。
眼鏡越しの目が、射抜くように茉里を見つめているから、茉里は心臓がどくりとはねた。
「そうす……」
「言っただろ。したくないって言ったら嘘になるって」
:11/06/11 16:47
:SH05A3
:☆☆☆
#779 [向日葵]
そう言って顔を近づけるものだから、茉里は目が回りそうになりながら宗助の顔を両手で止める。
「ごめん!すみません!すみませんでした!また次の時にお願いします」
「ワガママだなアンタは。しろって言ったりすんなって言ったり……」
呆れたように息をはき、宗助は鞄を持つ。
茉里は苦笑いを浮かべながらそろりと宗助の顔を覗く。
前髪が長いその表情はもともとわかりにくいけれど、空気がなんだかピリピリとしていたから、怒っていると思った。
「怒った……?」
:11/06/11 16:48
:SH05A3
:☆☆☆
#780 [向日葵]
「怒ってるって言ったらキスすんの?」
「ええっと……」
更に苦い苦笑いを浮かべて、頭をポリポリかく。
「アンタ俺のことなんか勘違いしてない?」
「勘違い?」
「草食男子だとか思ってない?」
「宗助と草食って似てるね」
「ダジャレ言ってる場合か」
そりゃそうだ。
:11/06/11 16:48
:SH05A3
:☆☆☆
#781 [向日葵]
確かに宗助は、スキンシップは控え目だし、甘い言葉は特別はかない。
たまに真っ赤になってしまうようなことは言うけれど、それは普段の宗助が宗助なだけに、破壊力がすごいのであって。
キスも抱きしめるのも、どちらかと言えば今みたいに茉里からだし、そう思えば宗助は草食男子なのだろう。
肉食でないことは確かだ。
腰が抜けるほどのキスは、そんな草食な宗助の少しぐらいしかないんじゃないかという欲望的なものがたまたま発動したわけで、いつも茉里をそんな風にしたいかといえば違うと茉里は思っている。
:11/06/11 16:48
:SH05A3
:☆☆☆
#782 [向日葵]
宗助は基本的に真面目だし、たまに肉食男子のようなワイルドさは欲しいとは思うが、そんなまっすぐ気持ちを向けてくれる宗助が好きだから、これと言って不満はない。
「中立な感じかな。どちらかと言えばベジタリアンなほうなだけで」
「草食のことをベジタリアンって言ったの初めてきいたぞ……。まぁやっぱりそう思ってたわけだ」
「違うの?」
きょとんとして、本気で訊く。
大体、肉食な宗助なんか思いつかない。
「本当の草食男子は見たことないから、みんながみんなそうだと断定しないけど、大抵好きな人には肉食に変わるもんなんじゃないか?」
:11/06/11 16:49
:SH05A3
:☆☆☆
#783 [向日葵]
…………ということは?
あと一歩わかったようなわからないようなという表情で宗助の次の言葉を待つ茉里を見て、宗助のほうが苦笑いしたくなった。
変なとこ純粋だよな。
「遠回しに言っても伝わってないみたいだからわかりやすくするけど」
腕をぐっと引っ張られたと思えば、腰を抱えこまれ、唇が重なった。
茉里は目を白黒させて、ただその胸元をギュッと掴むしかなかった。
唇が熱い。
そう感じると、唇が離れる。
:11/06/11 16:49
:SH05A3
:☆☆☆
#784 [向日葵]
>>772にアンカーがあります
良かったら使ってください
(●´∀`●)
:11/06/11 17:11
:SH05A3
:☆☆☆
#785 [向日葵]
腰は抜けなかったけれど、頭がぼんやりしている。
「そ……すけ……?」
「わかった?好きな人に“キスして”なんて言われたら、肉食にだってなるってことだ」
ぎょあああ!!っと変な声で叫びたくなるほどの台詞。
宗助がまぶしいくらいにきらきらして見える。
茉里は林檎かのように真っ赤になった。
「わか……っ、わか、わかりまひた……っ!」
:11/06/18 23:02
:SH05A3
:☆☆☆
#786 [向日葵]
ああもう……。
キスしてだなんてねだるんじゃなかった。
下に裕之を待たせているし、宗助だって早く帰ったほうがいい。
きっと裕之とのことが解決して、自分は有頂天になってるに違いない。
もっとして欲しいだなんて。
腰なんて抜ければいいぐらいの。
……私のほうが肉食になったんじゃないかしら。
:11/06/18 23:02
:SH05A3
:☆☆☆
#787 [向日葵]
宗助もそう思っていたのか、優しく額にキスを落とすと、茉里を解放した。
部屋を出て、下に下りると、いたのは馨だけだった。
「お邪魔しました。長々と。あとごちそうさまでした」
「また来てね。今度は私とお話してくれると嬉しいわ」
宗助が微笑むと、馨は小さな包みを出した。
それを宗助の手にぽとりと置く。
:11/06/18 23:03
:SH05A3
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194